シラバス Syllabus

授業名 Tax Audit & Negotiation
Course Title Tax Audit & Negotiation
担当教員 Instructor Name 野坂 和夫(Kazuo Nozaka)
コード Couse Code TAP206_G20N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree MSc in Tax & Accountancy
開講情報 Terms / Location 2020 GSM Nagoya Fall

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

本講義では、実際の税法ケース(判例または裁決事例等)における事実認定と法律的判断を踏まえて、課税庁と納税者それぞれの立場で攻撃防御を実体験し、また、裁判官と裁判員の立場で裁定を実体験し、各争点に係る双方の主張と見解を通して、税法学の理論的かつ法的思考を修得し、適切な税務判断能力と迅速な問題解決能力を養成します。
また、実務では、裁判に至る前段階の税務調査対応がより重要であるため、実際の税法ケースの税務調査を想定し、問題解決手法と問題解決思考を修得し、税務調査の対応能力を養成します。
In this lecture, we will experience the attack defense in the position of taxation agency and taxpayer individually, or the decision in the position of judge and lay judge, through both claims and views of each issue, based on fact finding and judicial judgment in the actual tax cases (judicial precedents or judgment cases, etc.), and through it we will train proper tax judgment and quick problem-solving skills by learning theoretical and legal thinking of tax law.
In addition, because in practice the tax inquiry correspondence of the pre-stage to the court is more important, this lecture assumes the tax inquiry of the actual tax law cases, and we will train correspondence ability of the tax inquiry by learning problem-solving technique and problem-solving thinking.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

本講義は、実際の税法ケース(判例または裁決事例等)における事実認定と法律的判断を踏まえて、課税庁と納税者それぞれの立場で攻撃防御を実体験し、また、裁判官と裁判員の立場で裁定を実体験し、各争点に係る双方の主張と見解を通して、税法学における理論的かつ法的思考の修得を目的とします。
また、実際の税法ケースの税務調査を想定し、問題解決手法と問題解決思考の修得を目的とします。

This lecture aims at learning theoretical and legal thinking of tax law by experiencing the attack defense in the position of taxation agency and taxpayer individually through both claims and views of each issue, based on fact finding and judicial judgment in the actual tax cases (judicial precedents or judgment cases, etc.).
In addition, this lecture aims at learning problem-solving technique and problem-solving thinking by assuming the tax inquiry of the actual tax law cases.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 5 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 25 %
フィールドメソッド Field Method 70 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

本講義は、ケースメソッド、および、判例研究のフィールドメソッドにより実施します。
企業で実際に起きた経営事例等を受講生が自らの視点で追体験することを通じて、課題解決力・課題発見力を培う教育手法です。また、事件の概要、判決の理論的背景、判決が与えた実務への影響等の研究を通じて、生きた具体的な法である判例理論を修得し実践力を培う教育手法であり、実際に起きた税務争訟等を受講生が自らの視点で追体験することを通じて、課題発見力及び問題解決力を培う教育手法です。受講生間のディスカッションおよびロールプレイ等、受講者を主体とした学修体験「Participant Centered Learning」により、知識の修得に加え受講生の実務家としての世界観や視野を広げることを目標とします。
ケースメソッドおよびフィールドメソッドによるディスカッション等を重視することから、事前自己学習たる予習を徹底していただきます。1ケースあたり最低3時間の予習を行うことが前提とされています。その成果として、予習レポートの提出を課すことにします。
なお、予習レポートはGoogle Classroomでの提出としますが、Wordで作成することとし(PDF可)、その他枚数の制限などは特に指定しません。
予習レポート①
ケース:野坂公認会計士・税理士事務所(NOZAKA Japan CPA Firm)(2)- 監査リスク・アプローチの視点から税務調査の方針と手法を考える -
課題:税務調査官として監査リスク・アプローチの視点から、何を税務調査の対象としてどのように調査するか。必要であれば、税務調査に入る納税者に前提条件を設定しなさい。
提出期限:講義1日目のグループセッション開始前
提出方法:Google Classroom
予習レポート②
ケース:野坂公認会計士・税理士事務所(NOZAKA Japan CPA Firm)(3)- 税理士法から税理士の権限、責任および職業倫理を考える -
課題:今度の所内会議で、今回のケースにどのように対応すべきと考えるか、根拠を示した上で主張しなさい。
提出期限:講義4日目のグループセッション開始前
提出方法:Google Classroom

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

1日目/1st day 12月12日(土)10:00-16:40
(午前の部)10:00-13:00
テーマ:オリエンテーション(本講義の方針および進行に必要な前提条件やルールの確認)
テーマ:監査リスク・アプローチの視点から税務調査の方針と手法を考える
(午後の部)13:40-16:40
テーマ:租税法(下記税目以外を主論点とする税法ケースとする。)
    裁判
    税務調査

●使用するケース
1日目/1st day 12月12日(土)
(午前の部)10:00-13:00
野坂公認会計士・税理士事務所(NOZAKA Japan CPA Firm)(2)- 監査リスク・アプローチの視点から税務調査の方針と手法を考える -、CCJB-OTR-18053-01、名古屋商科大学ビジネススクール
(午後の部)13:40-16:40
受講生が事前に選定した税法ケース

第2日(Day2)

2日目/2nd day 12月13日(日)10:00-16:40
(午前の部)10:00-13:00
テーマ:法人税
    裁判
    税務調査
(午後の部)13:40-16:40
テーマ:所得税
    裁判
    税務調査

●使用するケース
2日目/2nd day 12月13日(日)
受講生が事前に選定した税法ケース

第3日(Day3)

3日目/3rd day 12月19日(土)10:00-16:40
(午前の部)10:00-13:00
テーマ:消費税
    裁判
    税務調査
(午後の部)13:40-16:40
テーマ:相続税(財産評価の論点だけに留まる税法ケースは不可。)
    裁判
    税務調査

●使用するケース
3日目/3rd day 12月19日(土)10:00-16:40
受講生が事前に選定した税法ケース

第4日(Day4)

4日目/4th day 12月20日(日)10:00-16:40
(午前の部)10:00-13:00
テーマ:贈与税(贈与税を主論点とした相続税の税法ケースも可。)
    裁判
    税務調査
(午後の部)13:40-16:40
テーマ:税理士法から税理士の権限、責任および職業倫理を考える
残りの時間は、受講生から本講義に関して再確認すべき論点などの提案を受け、アクティブラーニング形式での講義または受講生間のディスカッションを行います。

●使用するケース
4日目/4th day 12月20日(日) (日)10:00-16:40
(午前の部)10:00-13:00
受講生が事前に選定した税法ケース
(午後の部)13:40-16:40
野坂公認会計士・税理士事務所(NOZAKA Japan CPA Firm)(3)- 税理士法から税理士の権限、責任および職業倫理を考える -、CCJB-OTR-18054-01、名古屋商科大学ビジネススクール
行動インサイトチーム(A):行動経済学を政策に活かす、CCJB-HBS-18029-01、Harvard Business Publishing
行動インサイトチーム(B):行動経済学を政策に活かす、CCJB-HBS-18030-01、Harvard Business Publishing

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 5 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 65 %
予習レポート Preparation Report 30 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 5 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

予習レポート:内容を評価するのは当然ですが、作成努力が反映されているものを高く評価します。
コールドコール:内容を評価するのは当然ですが、簡潔明瞭なものを高く評価します。また、受講生どうしのディスカッションに発展するものを高く評価します。
本講義内での挙手発言:内容と回数を評価するのは当然ですが、簡潔明瞭なものを高く評価します。また、受講生どうしのディスカッションに発展または参加するものを高く評価します。
参加者による相互評価:裁判員の立場にある受講生が、判例研究のフィールドメソッドのディスカッションの結果、課税庁と納税者それぞれの立場にある受講生を評価します。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 受講生が事前に選定した税法ケースに関して、受講生が講義用に作成した資料を基に講義を進めます。「-」-(-)-

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

・『租税法<第23版> (法律学講座双書)』金子 宏著, 2019, 弘文堂
 ISBN-10: 4335315414, ISBN-13: 978-4335315411
・『租税判例百選 第6版(別冊ジュリスト228号)』水野忠恒・中里 実・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘編著, 2016, 有斐閣
 ISBN-10: 464111529X, ISBN-13: 978-4641115293
・『ケースブック租税法[第5版]【弘文堂ケースブックシリーズ】』金子 宏・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘編著, 2017, 弘文堂
 ISBN-10: 4335305176, ISBN-13: 978-4335305177
・『租税法判例六法[第4版]』中里 実・増井良啓編著, 2019, 有斐閣
 ISBN-10: 4641001545, ISBN-13: 978-4641001541
・『ステップアップ租税法と私法―租税法解釈の道しるべ』酒井克彦著, 2019, 財経詳報社
 ISBN-10: 488177459X, ISBN-13: 978-4881774595
・『レクチャー租税法解釈入門』酒井克彦著, 2015, 弘文社
 ISBN-10: 4335356501, ISBN-13: 978-4335356506
・『裁判例からみる法人税法[二訂版]』酒井克彦著, 2017, 大蔵財務協会
 ISBN-10: 4754724070, ISBN-13: 978-4754724078
・『裁判例からみる所得税法』酒井克彦著, 2016, 大蔵財務協会
 ISBN-10: 4754723562, ISBN-13: 978-4754723569
・『裁判例からみる消費税法』池本征男著, 2014, 大蔵財務協会
 ISBN-10: 4754721004, ISBN-13: 978-4754721008
・『裁判例からみる相続税・贈与税[三訂版]』池本征男・酒井克彦共著, 2013, 大蔵財務協会
 ISBN-10: 4754720407, ISBN-13: 978-4754720407
・『裁判例からみる税務調査』酒井克彦著, 2020, 大蔵財務協会
 ISBN-10: 4754727606, ISBN-13: 978-4754727604
・『税理士業務に活かす! 通達のチェックポイント-法人税裁判事例精選20-』酒井克彦編著・監修, 2017, 第一法規
 ISBN-10: 4474057953, ISBN-13: 978-4474057951
・『税理士業務に活かす! 通達のチェックポイント -所得税裁判事例精選20-』酒井克彦編著・監修, 2018, 第一法規
 ISBN-10: 4474063953, ISBN-13: 978-4474063952
・『税理士業務に活かす! 通達のチェックポイント -相続税裁判事例精選20-』酒井克彦編著・監修, 2019, 第一法規
 ISBN-10: 4474067878, ISBN-13: 978-4474067875
・『クローズアップ課税要件事実論―要件事実と主張・立証責任を理解する[第4版改訂増補版]』酒井克彦著, 2017, 財経詳報社
 ISBN-10: 4881774409, ISBN-13: 978-4881774403
・『クローズアップ租税行政法―税務調査・税務手続を理解する[第2版]』酒井克彦著, 2016, 財経詳報社
 ISBN-10: 4881774301, ISBN-13: 978-4881774304
・『税務会計と租税判例』末永英男著, 2019, 中央経済社
 ISBN-10: 4502322415, ISBN-13: 978-4502322419
・『一般否認規定と租税回避判例の各国比較-GAARパッケージの視点からの分析』矢内一好著, 2015, 財経詳報社
 ISBN-10: 4881774107, ISBN-13: 978-4881774106

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

裁判だけではなく税務調査対応に関する論点も加えて欲しいという有意義なコメントがありました。このため、課税庁と納税者それぞれの立場から、裁判に至る前段階の税務調査でどのような対応をすべきか、また、裁判に持ち込むべきか否かの論点もフィールドメソッドのディスカッションで扱います。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

野坂和夫
早稲田大学商学部卒業。朝日監査法人(アーサー・アンダーセン)、あずさ監査法人(KPMG)在職中は、金融商品取引法監査・会社法監査・学校法人監査等の法定監査、SEC監査・IFRS監査、デューデリジェンスなどに従事。監査法人在職中に、早稲田大学大学院商学研究科にて修士(商学)を取得し、博士後期課程単位取得満期退学。その後、早稲田大学大学院会計研究科にて助教に就任。監査法人退職後に独立開業し、現職は、野坂公認会計士・税理士事務所代表。主として中小企業や個人事業主に対するほぼ全分野の税務業務に携わり、また、学校法人監査、社会福祉法人監査、労働組合監査、NPO法人監査や地方公共団体の包括外部監査などに従事。公認会計士、米国公認会計士(ニューヨーク州)、税理士。博士(商学)早稲田大学。主な著書・論文は、『退職給付会計の会計方針選択行動』(国元書房;日本公認会計士協会学術賞-会員特別賞)、「退職給付会計における割引率の会計方針選択行動-裁量的選択行動、横並び選択行動および水準適正化選択行動-」(管理会計学;日本管理会計学会奨励賞)、「多種多様な暗号資産に応じた所得区分該当性の探究-支払手段の視点からの雑所得または譲渡所得にすべきかの理論分析-」(会計プログレス)。

Kazuo Nozaka
After graduated from Waseda University School of Commerce, he engaged in statutory audits including the Financial Instruments and Exchange Law Audit, Companies Act Audit, School Corporation Audit, SEC Audit, IFRS Audit and Due Diligence as he was working for Asahi Audit Corporation (Arthur Andersen) and AZSA Audit Corporation (KPMG). While working for the audit firms, he finished the Master’s degree and completed the Doctoral program in commerce at Waseda University Graduate School. He then became an assistant professor for Waseda University Graduate School of Accountancy. After leaving the audit firms he started his own business and became the president of Nozaka Japan CPA Firm. He engaged in taxation business in almost all fields for mainly SMEs and sole proprietorship, also School Corporation Audit, Social Welfare Corporation Audit, Labor Union Audit, incorporated Non-Profit Organization Audit and Comprehensive External Audit for Local Governments. He holds a CPA, a CPTA, a USCPA (licensed in New York State), and has the Doctor of Commerce at Waseda University. Accounting Policy Selection Behavior in Pension Accounting (Kunimoto Syobo)’ (Won Academic Prize of The Japanese Institute of Certified Public Accountants - Member Special Prize), Accounting Policy Selection Behavior on Discount Rates in Pension Accounting: Discretionary Behavior, Herding Behavior, and Standardization Behavior (Journal of Management Accounting)’ (Won the Encouragement Prize by the Japanese Association of Management Accounting), Research in Relevance of the Taxable Income Category for a Large Variety of Crypto Assets: Theory Analysis in Classifying the Taxable Category of Miscellaneous Income or Transferred Income from the Viewpoint of Means of Payment (Accounting Progress).

(実務経験 Work experience)

主な職歴:
1998年~2004年 朝日監査法人
2005年~2009年 あずさ監査法人
2009年~2018年 協立監査法人
2009年~ 野坂公認会計士・税理士事務所(現職)

Professional Career:
1998 - 2004 Asahi Audit Corporation
2005 - 2009 Azusa Audit Corporation
2009 - 2018 Kyoritsu Audit Corporation
2009 - Nozaka Japan CPA Firm (current)






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