授業名 | Business Economics |
---|---|
Course Title | Business Economics |
担当教員 Instructor Name | 原田 泰(Yutaka Harada) |
コード Couse Code | TAP202_G22N |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
授業形式 Class Format | On Campus |
単位 Credits | 2 |
言語 Language | JP |
科目区分 Course Category | 応用科目200系 / Applied |
学位 Degree | MSc in Tax & Accountancy |
開講情報 Terms / Location | 2022 GSM Nagoya Fall |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
フロンティアスピリットを通じて世界的なビジネスで成功する素養のあるリーダーを育てるのが本学のミッション(の一部)である。経済学の理解は、世界で活躍し、世界のリーダーに立ち向かうためにも必須である。ただし、ここで学ぶ経済学は、あくまでもビジネスで必要なものである。
It is (part of) the mission of the University to develop qualified leaders who, through a ‘Frontier Spirit’, are equipped to succeed in the globalized business. Understanding economics is essential to success in the world and to confront world leaders. The economics studied here is what is necessary to the business.
授業の目的(意義) / Importance of this course
世界のリーダーは、エコノミストではなくても、共通語としての経済学の概念を用いて問題を議論する場合が多い。豊かさと貧困、生産性、失業、経常収支の不均衡のような世界的な重要問題を理解するために、その概念が必要である。また、経済学には価格差別、価格設定、行動経済学、エージェンシー理論など経営戦略に応用できる概念も多い。ここでは共通語としての経済学の概念と経営戦略に応用できる経済学の概念の両者を扱う。この講義は、エコノミストのためではなく、リーダーのために必要な経済学を提供する。
In discussing various issues, global leaders often use the concepts of economics, although they are not themselves economists. The concepts are needed to understand such key issues as affluence and poverty, productivity, unemployment, and trade imbalances. And economics includes useful concepts for business strategy such as price discrimination, pricing, behavioral economics, agency theory, and so on. This course introduces the economics required for leaders, not for economists.
到達目標 / Achievement Goal
本科目を学ぶことで、学生は、経済学の基本的概念と手法を理解できる。
また、様々な問題を経済学的に解釈し、解決策を考えることができる。
世界の様々な事例を学ぶことによってグローバルな視野を身につける。
また、様々な問題を経済学的に解釈し、解決策を考えることができる。
世界の様々な事例を学ぶことによってグローバルな視野を身につける。
students, by studying this course, can understand the basic concepts and methods of economics, and interpret various problems in economics and consider solutions.
Students can also acquire a global perspective by learning various cases from around the world.
Students can also acquire a global perspective by learning various cases from around the world.
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG7 Global Perspective (GLP)
LG7 Global Perspective (GLP)
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
世界の主要問題を分析するための経済学を理解し、それを様々な重要問題に応用する方法を学ぶ。
Students acquire an understanding of the economics needed to analyze major global problems and learn how economics can be applied to address key issues.
SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals
Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 0 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 100 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
予習方法
ケースの理解
基本的事実と概念の理解
その上で自分の考えの整理
事前に上記のことを理解しているかどうかを確認するレポートの提出を求める。
ケースの理解
基本的事実と概念の理解
その上で自分の考えの整理
事前に上記のことを理解しているかどうかを確認するレポートの提出を求める。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
豊かな国、貧しい国―生産性の違い(その1)豊かな国と貧しい国との違いは、生産性の違い。これは定義によって明らかだが、なぜ100倍も異なるのだろうか。
提出レポート(講義の前提となる知識の理解を確認するためのもの。A4数枚。1頁で十分な場合もある。ワープロハードコピーで提出のこと)
GDP、名目と実質、生産性、中国の発展を制約していたもの、比較優位、比較優位と経営戦略
授業の前に、議論のための前提となる知識、問題点の理解を確認するための簡単な講義を行うが、その後はケースメソッドでの授業となる。クラスディスカッション、課題発見・解決型の授業である。以下のDay2から4においても同じ。
●使用するケース
「豊かな国・貧しい国」(講師作成の参考資料)「生産性の向上を説明する」CCJB-HBS-12042-01
「中国:「社会主義的性格を帯びた資本主義」の確立」CCJB-HBS-10069-01%20(1) 特に経済史の部分。比較優位の概念。
第2日(Day2)
経済変動と雇用、雇用の重要性、経常収支の意味、金融政策の役割高失業の要因、金融政策と財政政策、実質金利と名目金利、期待、金融危機、経常収支、為替レート、比較優位、為替レート
●使用するケース
「フランスにおける失業問題: 「最優先課題」」CCJB-HBS-12044-01「アメリカの経常収支赤字」CCJB-HBS-12039-02%20(1)
「空前の危機を乗りきる金融政策の舵取り」CCJB-HBS-15016-01
第3日(Day3)
ビジネスに役立つ経済学の概念:比較優位、サンクコスト(埋没費用)、機会費用、価格差別、情報の非対称性、コースの企業の理論などを理解する提出レポート
上記の概念の理解とサンクコスト(埋没費用)、機会費用、価格差別、投資プロジェクトの判断、需要曲線、供給曲線から最適な価格設定を考えること
●使用するケース
「ビジネスに役立つ経済学の概念」(講師作成の補足資料)「グレート・イースタン・トイズ(B)」CCJB-INS-13020-0
「鶴田製菓:「フレンズ」の価格設定」CCJB-OTR-12070-01(1)
「ネットフリックス・インク:破壊者(ディスラプター)が破壊の危機」CCJB-IVE-18033-01
「コカ・コーラ社の次世代自動販売機 (A) :提供価値に見合う価格設定か否か?」BS-518J08
第4日(Day4)
価格設定の難しさと行動経済学を学ぶ提出レポート
価格設定、行動経済学はどのように応用できるか
●使用するケース
「メタバイカル減量薬新製品の価格設定、パーケージング、そして需要予測」CCJB-HBS-10022-01「行動インサイトチーム(B): 行動経済学を政策に活かす」行動経済学BCCJB-HBS-18030-01
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
予習レポートは指定の期日までにグーグルクラスルームにファイルで提出すること。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 50 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 50 % |
予習レポート Preparation Report | 50 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
アサインメントの回答を書く場合には、基礎的な知識を聞いている場合と、考えを聞いている場合を区別すること。知識を問われている場合に、独自の考えを書いても得点にならない。予習レポートは指定の期日までにグーグルクラスルームにファイルで提出すること。
教科書 Textbook
- N・グレゴリー・マンキュー「「マンキュー経済学 II マクロ編[第4版]」」東洋経済新報社(2019)ISBN-10: 9784492315200
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
Maddison Project Database 2018
https://www.rug.nl/ggdc/historicaldevelopment/maddison/releases/maddison-project-
database-2018
デヴィッド・モス『世界のエリートが学ぶマクロ経済入門 ―ハーバード・ビジネス・スクール教授の実践講座』日本経済新聞出版社、2016年、ISBN-10: 4532356741
伊藤元重『ビジネスエコノミクス』日本経済新聞社、2004年、ISBN-10: 4532350832
ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』日経BP、2008年、ISBN-10: 4822246418
スティーブン・レビット、スティーブン・ダブナー『超ヤバい経済学』東洋経済新報社、2010年、ISBN-10: 4492314067
https://www.rug.nl/ggdc/historicaldevelopment/maddison/releases/maddison-project-
database-2018
デヴィッド・モス『世界のエリートが学ぶマクロ経済入門 ―ハーバード・ビジネス・スクール教授の実践講座』日本経済新聞出版社、2016年、ISBN-10: 4532356741
伊藤元重『ビジネスエコノミクス』日本経済新聞社、2004年、ISBN-10: 4532350832
ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』日経BP、2008年、ISBN-10: 4822246418
スティーブン・レビット、スティーブン・ダブナー『超ヤバい経済学』東洋経済新報社、2010年、ISBN-10: 4492314067
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
アサインメントの問いの意味が分かりにくいというコメントがあったので、より分かりやすい問いにしている。
意見の対立点を明確にして学生同士の討論が活発になるように気を付けている。
意見の対立点を明確にして学生同士の討論が活発になるように気を付けている。
担当教員のプロフィール About the Instructor
1974年東京大学農学部農業経済学科卒業後、経済企画庁(現内閣府)入庁。同庁国民生活局国民生活調査課長、調査局海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、株式会社大和総研専務理事チーフエコノミスト、早稲田大学政治経済学術院教授、日本銀行政策委員会審議委員などを経る。
ハワイ大学経済学修士(1979年)、学習院大学経済学博士(2012年)
受賞
2008年10月10日 第29回石橋湛山賞受賞(『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、による)
2004年11月3日 第47回日経・経済図書文化賞受賞(『昭和恐慌の研究』(岩田規久男氏、中澤正彦氏他との共著)、東洋経済新報社、2004年、による)
Papers Published in Refereed Journals
“Policy Issues Regarding the Japanese Economy - the Great Recession, Inequality, Budget Deficit and the Aging Population,” Japanese Journal of Political Science, 13(2) 2012.
“Japan`s Financial Crisis In 1992 and Unbalanced Incentives,” Corporate Ownership & Control, 11, spring 2014, Special Conference Issue, Continued 2.
“Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?” Japanese Journal of Political Science, 19(4) 2018.
"Non-traditional Monetary Policies and their Effects on the Economy," International Journal of Economic Policy Studies, 2020 August.
著書編書
『日本の失われた十年』日本経済新聞社、1999年。
『奇妙な経済学を語る人々』日本経済新聞社、2003年。
『昭和恐慌の研究』(岩田規久男、中澤正彦氏他との共著、日経・経済図書文化賞受賞)、東洋経済新報社、2004年。
『デフレはなぜ怖いのか』文春新書、2004年。
『長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏、内閣府経済社会総合研究所との共編著)東洋経済新報社、2004年。
『人口減少社会は怖くない』(鈴木準氏との共著)日本評論社、2005年。
『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、石橋湛山賞受賞。
『日本はなぜ貧しい人が多いのか-「意外な事実」の経済学』新潮社、2009年。
『震災復興-欺瞞の構図』新潮社、2012年。
『昭和恐慌と金融政策』(佐藤綾野氏との共著)日本評論社、2012年。
『リフレが日本経済を復活させる』(浜田宏一氏、岩田規久男氏との共編著)中央経済社、2013年。
『日本を救ったリフレ派経済学』日本経済新聞社、2014年。
『ベーシック・インカム』中央公論社、2015年。
『アベノミクスは進化する』(片岡剛士・吉松崇氏との共編著)中央経済社、2017年。
『石橋湛山の経済政策思想』(和田みき子氏との共著)日本評論社、2021年。
『デフレと闘う 日銀審議委員、苦闘と試行錯誤の5年間』中央公論新社、2021年。
『コロナ政策の費用対効果』ちくま新書、2021年。
など
ハワイ大学経済学修士(1979年)、学習院大学経済学博士(2012年)
受賞
2008年10月10日 第29回石橋湛山賞受賞(『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、による)
2004年11月3日 第47回日経・経済図書文化賞受賞(『昭和恐慌の研究』(岩田規久男氏、中澤正彦氏他との共著)、東洋経済新報社、2004年、による)
Papers Published in Refereed Journals
“Policy Issues Regarding the Japanese Economy - the Great Recession, Inequality, Budget Deficit and the Aging Population,” Japanese Journal of Political Science, 13(2) 2012.
“Japan`s Financial Crisis In 1992 and Unbalanced Incentives,” Corporate Ownership & Control, 11, spring 2014, Special Conference Issue, Continued 2.
“Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?” Japanese Journal of Political Science, 19(4) 2018.
"Non-traditional Monetary Policies and their Effects on the Economy," International Journal of Economic Policy Studies, 2020 August.
著書編書
『日本の失われた十年』日本経済新聞社、1999年。
『奇妙な経済学を語る人々』日本経済新聞社、2003年。
『昭和恐慌の研究』(岩田規久男、中澤正彦氏他との共著、日経・経済図書文化賞受賞)、東洋経済新報社、2004年。
『デフレはなぜ怖いのか』文春新書、2004年。
『長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏、内閣府経済社会総合研究所との共編著)東洋経済新報社、2004年。
『人口減少社会は怖くない』(鈴木準氏との共著)日本評論社、2005年。
『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、石橋湛山賞受賞。
『日本はなぜ貧しい人が多いのか-「意外な事実」の経済学』新潮社、2009年。
『震災復興-欺瞞の構図』新潮社、2012年。
『昭和恐慌と金融政策』(佐藤綾野氏との共著)日本評論社、2012年。
『リフレが日本経済を復活させる』(浜田宏一氏、岩田規久男氏との共編著)中央経済社、2013年。
『日本を救ったリフレ派経済学』日本経済新聞社、2014年。
『ベーシック・インカム』中央公論社、2015年。
『アベノミクスは進化する』(片岡剛士・吉松崇氏との共編著)中央経済社、2017年。
『石橋湛山の経済政策思想』(和田みき子氏との共著)日本評論社、2021年。
『デフレと闘う 日銀審議委員、苦闘と試行錯誤の5年間』中央公論新社、2021年。
『コロナ政策の費用対効果』ちくま新書、2021年。
など
After graduating from the University of Tokyo in 1974, he joined the Economic Planning Agency of the Government of Japan. He received an M.A. in Economics from the University of Hawaii in 1979 and a Ph.D. from Gakushuin University in 2012. He worked as Director of the Overseas Research Division and Social Research Division, Economic Planning Agency; Vice President of the Policy Research Institute, Ministry of Finance; Chief Economist and Senior Managing Director of the Daiwa Institute of Research; Professor in the School of Political Science and Economics, Waseda University; and Member of the Policy Board, Bank of Japan.
He is the author of more than 60 books and many papers in refereed journals. Some books are academic, such as the Studies on the Showa Depression (with Kikuo Iwata, Former Vice Governor, Bank of Japan, and others), awarded the Nikkei Prize for Excellent Books in Economic Science; Theory and Empirical Studies on Prolonged Stagnation (with Koichi Hamada, Professor Emeritus of Yale University, and others); and The Showa Depression and Monetary Policy (co-author). Others are for general readership, such as Abenomics Evolves (co-author), Reflation Economics That Saved Japan, Basic Income, Why Are There Many Poor People in Japan, Principles of Japan (awarded the Ishibashi Tanzan Prize), Don’t Be Afraid of Population Declining Society (co-author), Why Is Deflation Scary?, Those Who Speak Strange Economics, and Japan’s Lost Decade.
Papers Published in Refereed Journals
“Policy Issues Regarding the Japanese Economy - the Great Recession, Inequality, Budget Deficit and the Aging Population,” Japanese Journal of Political Science, 13(2) 2012.
“Japan`s Financial Crisis In 1992 and Unbalanced Incentives,” Corporate Ownership & Control, 11, spring 2014, Special Conference Issue, Continued 2.
“Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?” Japanese Journal of Political Science, 19(4) 2018.
"Non-traditional Monetary Policies and their Effects on the Economy," International Journal of Economic Policy Studies, Forthcoming.
Refereed Articles
- (2020) Non-traditional monetary policies and their effects on the economy. International Journal of Economic Policy Studies
- (2018) Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?. Japanese Journal of Political Science 19(4 ): ISSN 1468-1099
Refereed Proceedings
- (2021). Challenges of overcoming Covid-19 and long-term growth. Business Cycle .Business Cycle Studies. 3. 1. On line https://www.jabc.jp/private/soukai36/kichouhoukoku.pdf