ビジネススクールを修了した会計プロフェッションが、現代の資本市場において世界的な標準と考えられるビジネスやキャッシュに対する理解を深め、経済社会における価値創造に貢献することを意識したコースである。

The course is designed to help accounting professionals who have completed business school to deepen their understanding of business and cash, which is considered a global standard in today's capital markets, and to contribute to value creation in the economy and society.

　本講義は、企業の経営分析の考え方やその前提となる知識について理解し、企業分析を実践することを目的とする。企業の業績や状態を伝達する手段として最も一般的なものは財務諸表であるため、この科目でも財務諸表による経営分析が中心的な課題となる。なお、経営者にとって財務諸表は利害関係者に対する情報伝達の一手段であり、開示されている情報には経営者の意図が反映されていることを理解しておく必要がある。経営者がどのようなことを考えて企業をマネジメントしたのかについて、財務諸表等の公表情報から分析し推測する能力を身に付けてほしい。
　経営分析は様々な目的のために行われるため、基本的な体系を理解しつつも、それぞれの局面に応じた適切な分析を行うことが重要である。企業を取り巻く利害関係者の要求が異なっていることや、その背景にまで踏み込んだ理解が目標となる。例えば、近年の金融資本市場に関する概略的な理解は、現代の企業活動を考える上で必須の知識であるが、なぜ必須の知識なのか、その理由についても考えたい。また、経営全体に関わる一定の知識がなければ総合的な分析もできないことにも注意しておく必要がある。経営分析は現状把握の手段であり、分析を行うことが最終的な目的ではなく、分析によって唯一の「正解」が導かれることもない。経営者の行動を様々な角度から考える機会にしたい。

The purpose of this course is to help students understand the concept of business analysis of companies and the knowledge that is prerequisite for such analysis, and to practice business analysis. Since financial statements are the most common means of communicating the performance and status of a company, management analysis using financial statements will be the main subject in this course. It is important to understand that financial statements are a means for management to communicate information to stakeholders, and that the information disclosed reflects management's intentions. I would like you to acquire the ability to analyze and infer from financial statements and other publicly available information about what management was thinking and managing the company.
　Management analysis is conducted for a variety of purposes, so it is important to understand the basic system while at the same time conducting appropriate analysis for each phase. The goal is to understand the different demands of the stakeholders surrounding a company and to go into the background of these demands. For example, a general understanding of the recent financial and capital markets is essential knowledge for considering modern corporate activities, but we would also like to consider why it is essential knowledge. It is also important to note that without a certain level of knowledge related to overall management, comprehensive analysis cannot be conducted. Management analysis is a means to understand the current situation, and conducting analysis is not the ultimate goal, nor does analysis lead to the only "right" answer. I would like to take this opportunity to consider the actions of management from various angles.

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

　財務諸表の背景にある企業活動を推測する能力。現代の資本市場における経営者と投資家とのコミュニケーションツールとしての会計や財務に関する知識。

Ability to infer the corporate activities behind financial statements. Knowledge of accounting and finance as a communication tool between management and investors in the modern capital market.

教育手法 Teaching Method		% of Course Time
インプット型 Traditional		0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning	ケースメソッド Case Method	100 %
	フィールドメソッド Field Method	0 %
合計 Total		100 %

《学習方法》
・財務会計（財務諸表の構造、ディスクロージャー制度等）に関する基本的な知識を有していること。
・コーポレート・ファイナンスに関する基本的な知識を有していること。
・教科書は事前に一定の予習をしておくこと。（予習すべき箇所については別途指示する。）
・１ケースあたり最低３時間の予習を行うこと。
《レポート》
・2nd Weekendで行う分析に関する事前予習内容をレポートとして、2nd Weekend開始時（3rd day開始時）に提出してもらう予定である。

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。

講師用内規準拠 Method of Assessment	Weights
コールドコール Cold Call	0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution	60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total	60 %
予習レポート Preparation Report	40 %
小テスト Quizzes / Tests	0 %
シミュレーション成績 Simulation	0 %
ケース試験 Case Exam	0 %
最終レポート Final Report	0 %
期末試験 Final Exam	0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment	0 %
合計 Total	100 %

評価の留意事項　Notes on Evaluation Criteria

　基本的には上記のとおりだが、授業への貢献においては全体の２０%以内でグループワーク等の要素を加味する。
科目の性質上、一定の知識を要求する発言を求めることもあるため、これも評価対象とはするが、クラスの問題意識を高めるようなコメントを期待している。なお、議論と関わりがないような発言は評価されないこともあるため、注意されたい。

• K.G.パレプ他、斎藤静樹監訳「「企業分析入門 [第２版] 」」東京大学出版社（2001）978-4-130-42112-6

以下の文献は、理解を深めるための参考文献であり、原則として講義中に使用することはない。

財務会計に関する基本的な知識を得るものとして
[1]　『新・現代会計入門　第4版』　伊藤邦雄著 日本経済新聞出版社 2020
ISBN978-4-532-13498-3
[2]　『はじめて出会う会計学　新版』　川本淳他著 有斐閣 2015
ISBN978-4-641-22061-4

ファイナンスに関する基本的な知識を得るものとして
[1]　『実況！ビジネス力養成講義　ファイナンス』　石野雄一著 日本経済新聞出版社 2021
ISBN978-4-532-32379-0
[2] 『企業価値経営』　伊藤邦雄 日本経済新聞出版社 2021
ISBN978-4-532-13514-0
[3] 『図解＆ストーリー「資本コスト」入門　改訂版』　岡俊子著 中央経済社 2020
ISBN978-4-502-35241-6

　本講義は受講者が会計に関わるスキルをある程度有していることが前提となっているため、そのスキルの違いによって、参加する意識のレベルが大きく異なってしまうことがあるように感じている。
　ほぼ同内容の講義をTAPとGMPで開講したが、コメントに相当違いがあったことはその現れではないかと思う。
会計に関わるスキルを苦手にしている受講生が多いことは承知しているが、それが日本の経営者の弱点とされる場合もあることを理解してほしい。
　開講にあたっては会計に対する苦手意識を克服するための講義にしたいと願っている。現代のビジネス社会において企業活動を定量的に示すことが可能なのは会計以外にあり得ないのだから。

（実務経験 Work experience）