授業名 | Tax Policy & the Economy |
---|---|
Course Title | Tax Policy & the Economy |
担当教員 Instructor Name | 原田 泰(Yutaka Harada) |
コード Couse Code | TAP107_G22N |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
授業形式 Class Format | On Campus |
単位 Credits | 2 |
言語 Language | JP |
科目区分 Course Category | 応用科目200系 / Applied |
学位 Degree | MSc in Tax & Accountancy |
開講情報 Terms / Location | 2022 GSM Nagoya Spring |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
フロンティアスピリットを通じて世界的なビジネスで成功する素養のあるリーダーを育てるのが本学のミッション(の一部)である。本講義を通じて、財政の意味を理解し、政府の必要な支出と不必要な支出、政府の赤字と民間の赤字の違いを理解し、経済全体の状況判断も可能になることにより、本学の求めるリーダーの重要な資質を形成する。
It is (part of) the mission of the University to develop qualified leaders who, through a ‘Frontier Spirit’, are equipped to succeed in the globalized business. This lecture will help students understand the meaning of public finance, understand the necessary and unnecessary expenditures of the government, the difference between the deficit of the government and the deficit of the private sector, make it possible to judge the situation of the entire economy, and will form the important qualities of leaders.
授業の目的(意義) / Importance of this course
日本の税と政府支出を概観し、それぞれの問題点を理解し、日本経済を発展させるために、どのような行財政改革が必要かを考える。ありきたりの議論ではなく、国際比較や経営上の常識に照らして、より深い問題意識を持つこと学ぶ。それらは、例えば、地方分権の本質、債務償還費の意味、所得分配はなぜ必要か、財政政策と金融政策の関係などである。
Students examine Japanese taxes and government expenditures, gaining an understanding of their respective problems and thinking of the administrative and financial reforms needed to develop the Japanese economy. Students go beyond textbook learning and delve deeper into real-life problems by undertaking international comparisons and referring to common management practices. A range of issues will be explored, such as the nature of decentralization, the implications of debt redemption costs, the need for income redistribution, and the relationship between fiscal and monetary policies.
到達目標 / Achievement Goal
学生は、本科目を学ぶことで、政府の具体的な支出と税を理解し、それぞれについて批判的に考察できる。
また、政府赤字と民間企業の赤字の違いを理解し、ビジネスと政府の違いを考察できる。
上記を通じて、より深くビジネスの価値を理解できる。
また、政府赤字と民間企業の赤字の違いを理解し、ビジネスと政府の違いを考察できる。
上記を通じて、より深くビジネスの価値を理解できる。
Students, by studying this course, can understand the specific government spending and taxes, and consider each of them critically.
To understand the difference between government deficits and private sector deficits, and be able to consider the differences between business and government.
Through the above, students can understand the value of business more deeply.
To understand the difference between government deficits and private sector deficits, and be able to consider the differences between business and government.
Through the above, students can understand the value of business more deeply.
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG4 Effective Communication
LG4 Effective Communication
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
日本の税と政府支出(資金の支出と調達は一体のもの)を概観し、それが日本経済の発展にどう貢献できるかを理解する。
Students examine Japanese taxes and government spending (and the inextricable link between revenues and expenditures) to gain a fuller understanding of how they should be utilized to contribute to the development of the Japanese economy.
SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals
Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 0 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 100 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
予習方法
ケースの理解
基本的事実の確認
基本的考え方の理解
その上で自分の考えの整理
事前に上記のことを理解しているかどうかを確認するレポートの提出を求める。
ケースの理解
基本的事実の確認
基本的考え方の理解
その上で自分の考えの整理
事前に上記のことを理解しているかどうかを確認するレポートの提出を求める。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
日本の税提出レポート(講義の前提となる知識を確認するためのもの。A4数枚。1頁で十分な場合もある。
税の一般理論、日本の主要な税、主要な税の問題点、税の改革はどのような観点から考えるべきか。東京一極集中是正論、地方財政制度の一般論、地方分権の本質
授業の前に、議論のための前提となる知識、問題点の理解を確認するための簡単な講義を行うが、その後はケースメソッドでの授業となる。クラスディスカッション、課題発見・解決型の授業である。以下のDay2から3においても同じ。日本の政府支出
財政の一般理論、日本の主要な政府支出、公債金に債務償還費が含まれていること、主要な支出の問題点、財政改革はどのような観点から考えるべきか。
●使用するケース
ケース1 税によって経済が変わるケース2 地方財政制度の生み出す非効率
ケース3 日本の政府支出―何が問題か
ケース3補足 所得分配の公平性とは
第2日(Day2)
所提出レポート所得再分配についての考え方の整理。社会保障は誰が担うのか、財源は保険か税か
財政赤字
財政赤字の意味、財政赤字はなぜ悪いのか、支出の中身を考えないで負担をかんがえることに意味があるだろうか。粗債務か純債務か、財政赤字の国際比較、財政赤字が悪いとしてどのように解決するべきか、プライマリー財政赤字の意味、債務と金利のダイナミクス、金融政策と財政政策の関係
●使用するケース
ケース4 社会保障は、保険か税かケース5 財政赤字の意味
ケース6 財政再建と金融政策
第3日(Day3)
政府支出についての新しい考え方提出レポート
日本の政府支出の大宗は社会保障費、社会保障について考えることが財政問題を考えること、政府支出の効率化については様々な議論がある、社会保障についての新しい考え方としてのベーシック・インカム。橋本行革時代の問題意識から学ぶ、財政と社会保障に関するところ、その他の部分についての感想。
●使用するケース
ケース7 ベーシック・インカムケース 日本経済の構㐀改革:なぜできないのか、何をしたら良いのか
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
事前レポートは指定の期日までにグーグルクラスルームにファイルで提出すること。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 50 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 50 % |
予習レポート Preparation Report | 50 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
アサインメントの回答を書く場合には、基礎的な知識を聞いている場合と、考えを聞いている場合を区別すること。知識を問われている場合に、独自の考えを書いても得点にならない。事前レポートは指定の期日までにグーグルクラスルームにファイルで提出すること。
教科書 Textbook
- 井堀利宏「「財政学(新経済学ライブラリー)第4版』」」新生社(2013)ISBN-10: 4883841928
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
日本の財政関係資料、財務省HP https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201910_00.pdf
オリヴィエ・ブランシャール、田代毅「19-7 日本の財政政策の選択肢」ピーターソン国際経済研究所、2019年5月https://www.piie.com/system/files/documents/pb19-7japanese.pdf
原田泰『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』中公新書、2015年。ISBN-10: 4121023072
原田泰『都市の魅力学』講師より配布。文春新書、2001年。ISBN-10: 4166601601
原田泰『震災復興 欺瞞の構図』新潮新書、2012年。ISBN-10: 410610461X
オリヴィエ・ブランシャール、田代毅「19-7 日本の財政政策の選択肢」ピーターソン国際経済研究所、2019年5月https://www.piie.com/system/files/documents/pb19-7japanese.pdf
原田泰『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』中公新書、2015年。ISBN-10: 4121023072
原田泰『都市の魅力学』講師より配布。文春新書、2001年。ISBN-10: 4166601601
原田泰『震災復興 欺瞞の構図』新潮新書、2012年。ISBN-10: 410610461X
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
現実の問いは分かりにくいことが当たり前で、分かりやすい問いは正解を誘導しすぎるのではないかと考えていたが、アサインメントの問いは、より分かりやすい問いにした方が教育効果が上がると考え直した。
学生同士の討論が活発になるように気を付けている。
現実の問いは分かりにくいことが当たり前で、分かりやすい問いは正解を誘導しすぎるのではないかと考えていたが、アサインメントの問いは、より分かりやすい問いにした方が教育効果が上がると考え直した。
学生同士の討論が活発になるように気を付けている。
担当教員のプロフィール About the Instructor
1974年東京大学農学部農業経済学科卒業後、経済企画庁(現内閣府)入庁。同庁国民生活局国民生活調査課長、調査局海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、株式会社大和総研専務理事チーフエコノミスト、早稲田大学政治経済学術院教授、日本銀行政策委員会審議委員などを経る。
ハワイ大学経済学修士(1979年)、学習院大学経済学博士(2012年)
受賞
2008年10月10日 第29回石橋湛山賞受賞(『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、による)
2004年11月3日 第47回日経・経済図書文化賞受賞(『昭和恐慌の研究』(岩田規久男氏、中澤正彦氏他との共著)、東洋経済新報社、2004年、による)
Papers Published in Refereed Journals
“Policy Issues Regarding the Japanese Economy - the Great Recession, Inequality, Budget Deficit and the Aging Population,” Japanese Journal of Political Science, 13(2) 2012.
“Japan`s Financial Crisis In 1992 and Unbalanced Incentives,” Corporate Ownership & Control, 11, spring 2014, Special Conference Issue, Continued 2.
“Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?” Japanese Journal of Political Science, 19(4) 2018.
"Non-traditional Monetary Policies and their Effects on the Economy," International Journal of Economic Policy Studies, 2020 August.
著書編書
『日本の失われた十年』日本経済新聞社、1999年。
『奇妙な経済学を語る人々』日本経済新聞社、2003年。
『昭和恐慌の研究』(岩田規久男、中澤正彦氏他との共著、日経・経済図書文化賞受賞)、東洋経済新報社、2004年。
『デフレはなぜ怖いのか』文春新書、2004年。
『長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏、内閣府経済社会総合研究所との共編著)東洋経済新報社、2004年。
『人口減少社会は怖くない』(鈴木準氏との共著)日本評論社、2005年。
『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、石橋湛山賞受賞。
『日本はなぜ貧しい人が多いのか-「意外な事実」の経済学』新潮社、2009年。
『震災復興-欺瞞の構図』新潮社、2012年。
『昭和恐慌と金融政策』(佐藤綾野氏との共著)日本評論社、2012年。
『リフレが日本経済を復活させる』(浜田宏一氏、岩田規久男氏との共編著)中央経済社、2013年。
『日本を救ったリフレ派経済学』日本経済新聞社、2014年。
『ベーシック・インカム』中央公論社、2015年。
『アベノミクスは進化する』(片岡剛士・吉松崇氏との共編著)中央経済社、2017年。
『石橋湛山の経済政策思想』(和田みき子氏との共著)日本評論社、2021年。
『デフレと闘う 日銀審議委員、苦闘と試行錯誤の5年間』中央公論新社、2021年。
『コロナ政策の費用対効果』ちくま新書、2021年。
など
ハワイ大学経済学修士(1979年)、学習院大学経済学博士(2012年)
受賞
2008年10月10日 第29回石橋湛山賞受賞(『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、による)
2004年11月3日 第47回日経・経済図書文化賞受賞(『昭和恐慌の研究』(岩田規久男氏、中澤正彦氏他との共著)、東洋経済新報社、2004年、による)
Papers Published in Refereed Journals
“Policy Issues Regarding the Japanese Economy - the Great Recession, Inequality, Budget Deficit and the Aging Population,” Japanese Journal of Political Science, 13(2) 2012.
“Japan`s Financial Crisis In 1992 and Unbalanced Incentives,” Corporate Ownership & Control, 11, spring 2014, Special Conference Issue, Continued 2.
“Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?” Japanese Journal of Political Science, 19(4) 2018.
"Non-traditional Monetary Policies and their Effects on the Economy," International Journal of Economic Policy Studies, 2020 August.
著書編書
『日本の失われた十年』日本経済新聞社、1999年。
『奇妙な経済学を語る人々』日本経済新聞社、2003年。
『昭和恐慌の研究』(岩田規久男、中澤正彦氏他との共著、日経・経済図書文化賞受賞)、東洋経済新報社、2004年。
『デフレはなぜ怖いのか』文春新書、2004年。
『長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏、内閣府経済社会総合研究所との共編著)東洋経済新報社、2004年。
『人口減少社会は怖くない』(鈴木準氏との共著)日本評論社、2005年。
『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、石橋湛山賞受賞。
『日本はなぜ貧しい人が多いのか-「意外な事実」の経済学』新潮社、2009年。
『震災復興-欺瞞の構図』新潮社、2012年。
『昭和恐慌と金融政策』(佐藤綾野氏との共著)日本評論社、2012年。
『リフレが日本経済を復活させる』(浜田宏一氏、岩田規久男氏との共編著)中央経済社、2013年。
『日本を救ったリフレ派経済学』日本経済新聞社、2014年。
『ベーシック・インカム』中央公論社、2015年。
『アベノミクスは進化する』(片岡剛士・吉松崇氏との共編著)中央経済社、2017年。
『石橋湛山の経済政策思想』(和田みき子氏との共著)日本評論社、2021年。
『デフレと闘う 日銀審議委員、苦闘と試行錯誤の5年間』中央公論新社、2021年。
『コロナ政策の費用対効果』ちくま新書、2021年。
など
After graduating from the University of Tokyo in 1974, he joined the Economic Planning Agency of the Government of Japan. He received an M.A. in Economics from the University of Hawaii in 1979 and a Ph.D. from Gakushuin University in 2012. He worked as Director of the Overseas Research Division and Social Research Division, Economic Planning Agency; Vice President of the Policy Research Institute, Ministry of Finance; Chief Economist and Senior Managing Director of the Daiwa Institute of Research; Professor in the School of Political Science and Economics, Waseda University; and Member of the Policy Board, Bank of Japan.
He is the author of more than 60 books and many papers in refereed journals. Some books are academic, such as the Studies on the Showa Depression (with Kikuo Iwata, Former Vice Governor, Bank of Japan, and others), awarded the Nikkei Prize for Excellent Books in Economic Science; Theory and Empirical Studies on Prolonged Stagnation (with Koichi Hamada, Professor Emeritus of Yale University, and others); and The Showa Depression and Monetary Policy (co-author). Others are for general readership, such as Abenomics Evolves (co-author), Reflation Economics That Saved Japan, Basic Income, Why Are There Many Poor People in Japan, Principles of Japan (awarded the Ishibashi Tanzan Prize), Don’t Be Afraid of Population Declining Society (co-author), Why Is Deflation Scary?, Those Who Speak Strange Economics, and Japan’s Lost Decade.
Papers Published in Refereed Journals
“Policy Issues Regarding the Japanese Economy - the Great Recession, Inequality, Budget Deficit and the Aging Population,” Japanese Journal of Political Science, 13(2) 2012.
“Japan`s Financial Crisis In 1992 and Unbalanced Incentives,” Corporate Ownership & Control, 11, spring 2014, Special Conference Issue, Continued 2.
“Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?” Japanese Journal of Political Science, 19(4) 2018.
"Non-traditional Monetary Policies and their Effects on the Economy," International Journal of Economic Policy Studies, Forthcoming.
Refereed Articles
- (2020) Non-traditional monetary policies and their effects on the economy. International Journal of Economic Policy Studies
- (2018) Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?. Japanese Journal of Political Science 19(4 ): ISSN 1468-1099
Refereed Proceedings
- (2021). Challenges of overcoming Covid-19 and long-term growth. Business Cycle .Business Cycle Studies. 3. 1. On line https://www.jabc.jp/private/soukai36/kichouhoukoku.pdf