シラバス Syllabus

授業名 Inheritance Tax Law
Course Title Inheritance Tax Law
担当教員 Instructor Name 矢野 厚登(Hiroto Yano)
コード Couse Code TAP103_G24N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 基礎科目100系 / Basic
学位 Degree MSc in Tax & Accountancy
開講情報 Terms / Location 2024 GSM Nagoya Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

当該税法学のプログラムは、税理士に必要な専門知識に加え、企業経営における問題解決力や先導提案力を修得し、本学のMissionであるフロンティアスピリットを備えたイノベーティブで倫理観あるリーダーの育成に資することを目的とする。
 

授業の目的(意義) / Importance of this course

相続税申告1件あたりの平均課税価格は約3億円、平均納税額は3,000万円を上回っている。
年間死亡者数の約8%が相続税の課税対象者となっていることを考慮に含めるならば、相続税は国民にとって深刻な税金であることに変わりはない。
平成25年度の相続税法改正により、基礎控除が4割削減されるとともに最高税率も55パーセントへ引き上げられ、これまで富裕層の税金として捉えられてきた相続税の課税対象者が増加する約3,800億円規模の大幅増税となった。
また、時代の要請により民法の相続法規も約半世紀ぶりに改正された。
こうした状況を踏まえ、民法及び相続税法をはじめとする相続関連法規に対する正確な知識の修得は、財産の承継問題を解決するうえにおいても、実務家のみならず必要不可欠の課題となっている。
 

到達目標 / Achievement Goal

税務及び財務のプロフェッショナルとして顧客の経営課題に的確なアドバイスが可能な高度専門職業人を養成する。

 

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

相続税法に係る具体的判例及び実務ケースをもとに、攻撃防御メソッドによる積極かつ有用なディスカッションにより、税務のプロフェッショナルとして実務に必要な意思決定力と問題解決力を極める。

 

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 30 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 70 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

本コースは、グループワークにより選定した実践的ケース(判例・裁決事例等)に基づき全受講者参加型のディスカッションを実施することから、開講時までに基礎テキストの精読理解と関連判例等ケースの収集研鑽に鋭意努力すること。
スケジュールおよびケースは変更することがあります。また、テキストは事前に発表します。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

(オリエンテーション)
1 相続
相続とは/相続財産/相続できる人
2 相続人と法定相続
相続人の種類と順位/法定相続分/特別受益と寄与分
3 相続人の選択
単純承認/相続放棄/限定承認
4 相続人の除外
相続欠格/廃除
5 遺産分割
遺産分割の方法
6 遺言
遺言の種類と特徴/遺贈と死因贈与/遺留分
(ケースディスッカション)


●使用するケース
百選14 武富士事件
百選16 養子縁組の効力

第2日(Day2)

7 相続税
納税義務者/課税財産の範囲/財産の所在/納税地
8 課税価格の合計額
相続税の対象財産(本来の相続財産・みなし相続財産)/非課税財産/債務/葬式費用/相続開始前3年内の贈与財産
9 相続税の総額
基礎控除/課税遺産総額/相続税の総額
10 各人の納付税額
各人の算出税額/2割加算/税額控除
(ケースディスッカション)
11 財産評価
財産評価/相続財産の内訳
12 土地の評価
評価区分/評価単位/評価方法/路線価方式/倍率方式/小規模宅地等の評価減の特例
13 家屋の評価
自用家屋/貸家/マンション
14 株式の評価
上場株式/取引相場のない株式
15 その他の財産の評価
預貯金・公社債等/年金受給権/生命保険契約に関する権利/ゴルフ会員権/一般財産
(ケースディスッカション)

●使用するケース
百選34 生保年金事件
百選83 小規模宅地

第3日(Day3)

16 相続税の申告
申告書の提出/期限内申告と期限後申告/修正申告/更正の請求/未分割での申告/税務調査/更正等の期間制限
17 相続税の納付
納付方法/延納/物納/納付方法の変更
(ケースディスッカション)
18 贈与税
贈与とは/贈与に伴う課税関係/財産の取得時期
19 贈与税の対象財産
課税財産の範囲/本来の贈与財産/みなし贈与財産/非課税財産
20 贈与税の計算方法
課税価格の計算/基礎控除/贈与税額の計算
21 贈与税の特例
配偶者控除/住宅取得等資金の贈与/教育資金の一括贈与/結婚子育て資金の一括贈与
22 贈与税の申告
申告書の提出/提出期限
23 贈与税の納付
納付方法/延納
(ケースディスッカション)

●使用するケース
判例百選84 相続税と同族会社の行為計算否認
判例百選86 相続財産の評価(1)

第4日(Day4)

24 相続時精算課税制度
制度の概要
25 適用条件
適用対象者/相続時精算課税の選択/贈与財産の種類/計算と申告
26 相続時精算課税制度のポイント
暦年課税との比較/選択に係る注意点/住宅取得等資金の贈与
(テスト2時間 穴埋め 論述 レポート)


第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 10 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 30 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 40 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 20 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

全受講者参加型のグループワーク及びクラスディスカッションを重視することから、予習準備の完成度、コールドコールやディスカッションにおける問題解決力及び実践的対応力等に係る個人的評価を重視することとなる。
また、履修に対する総合的理解の集大成として最終日に筆記試験を課すこととする。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  •  北本 高男「基礎から身につく相続税・贈与税 令和5年度版」 一般財団法人大蔵財務協会(2024)

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

中野欣治「図解 相続税・贈与税」大蔵財務協会
田中千草ほか「図解 民法(親族・相続)」大蔵財務協会
大野隆太「相続税法基本通達逐条解説」大蔵財務協会
大野隆太「相続税・贈与税関係 租税特別措置法通達逐条解説」大蔵財務協会
北村 厚「財産評価基本通達逐条解説」大蔵財務協会
北本高男「基礎から身につく相続税・贈与税」大蔵財務協会
金子 宏「租税法(第24版)」弘文堂
金子 宏ほか「ケースブック租税法」弘文堂
山田二郎ほか「 租税法 判例実務解説」信山社
山本守之「検証 国税非公開裁決」清文社
別冊ジュリスト№193「家族法判例百選(第7版)」有斐閣
税研Vol.35-№4-208「最新租税判例70」日本税務研究センター

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

早朝のグループセッションについては、講義導入に係る重要なブレーンストーミングと位置付け、積極的な意見交換を実施して貰いたい。
現状の講義内容等に満足することなく、より有効かつ斬新な講義展開に資するよう建設的な改善提案を期待する。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

昭和62年京都大学法学部卒
昭和62年日本債券信用銀行(現あおぞら銀行) 入社
平成 4年監査法人トーマツ 入社
平成 9年ブレインパートナー/矢野会計事務所設
令和2年MAC&BPミッドランド税理士法人
令和4年ミッドランド監査法人
平成31年3月京都大学経営管理大学院(MBA)卒業
令和4年京都大学経営管理大学院博士後期課程入学
〔所属団体〕
名古屋税理士会<平成2年登録:第69838>
公認会計士協会東海会<平成8年登録:第13405>
(有)サテライトコンサルティングパートナーズ名古屋(取締役)
総合医業研究会(専務理事)
認定医業経営コンサルタント
〔著書〕
介護保険と病医院経営(ぎょうせい 共著)
介護保険と病医院経営収支(ぎょうせい 共著)
数字に弱い人のための合理的意思決定入門(PHP研究所)
病医院の経営・会計・税務(TKC出版 共著)








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