シラバス Syllabus

授業名 Business Analysis
Course Title Business Analysis
担当教員 Instructor Name 小林 伸行(Nobuyuki Kobayashi)
コード Couse Code TAP102_G24T
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 基礎科目100系 / Basic
学位 Degree MSc in Tax & Accountancy
開講情報 Terms / Location 2024 GSM Tokyo Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

 イノベーティブで倫理的であるためには、ビジネスにおける常識や共有されている理解を把握したうえで、それらを客観的に見つめ直すことが求められる。そうした視点を共有したい。
To be innovative and ethical, we must grasp common sense and shared understandings in business and then look at them objectively. We would like to share such perspectives.

授業の目的(意義) / Importance of this course

 本講義は、企業の経営分析の考え方やその前提となる知識について理解し、企業分析を実践することを目的とする。企業の業績や状態を伝達する手段として最も一般的なものは財務諸表であるため、この科目でも財務諸表による経営分析が中心的な課題となる。なお、経営者にとって財務諸表は利害関係者に対する情報伝達の一手段であり、開示されている情報には経営者の意図が反映されていることを理解しておく必要がある。経営者がどのようなことを考えて企業をマネジメントしたのかについて、財務諸表等の公表情報から分析し推測する能力を身に付けてほしい。
 経営分析は様々な目的のために行われるため、基本的な体系を理解しつつも、それぞれの局面に応じた適切な分析を行うことが重要である。企業を取り巻く利害関係者の要求が異なっていることや、その背景にまで踏み込んだ理解が目標となる。例えば、近年の金融資本市場に関する概略的な理解は、現代の企業活動を考える上で必須の知識であるが、なぜ必須の知識なのか、その理由についても考えたい。また、経営全体に関わる一定の知識がなければ総合的な分析もできないことにも注意しておく必要がある。経営分析は現状把握の手段であり、分析を行うことが最終的な目的ではなく、分析によって唯一の「正解」が導かれることもない。経営者の行動を様々な角度から考える機会にしたい。
 This lecture aim to understand the way of business analysis, its prerequisite knowledge and practice enterprise analysis. As the most common tools of communicating the performance and condition of a company is the financial statements, business analysis based on financial statements is the main issue in this lecture. In addition, it is necessary for management to understand that financial statements are a tool of communicating information to stakeholders, and that the disclosed information reflects management's intentions. I would like you to acquire the ability to analyze and infer from the published information on financial statements etc. about what management thought and managed the company.
 Because business analysis is done for various purpose, it is important to conduct an appropriate analysis according to each aspect. It is important to understand that the demands surrounding the company are different because of their background. For example, the general understanding of financial capital markets in recent years is essential knowledge in considering modern corporate activities, but I would like to think about the reason is essential knowledge. Also, you need to be aware that comprehensive analysis cannot be done without certain knowledge about management in general. Business analysis is a way of grasping the current situation, analyzing is not the ultimate goal, and analysis does not lead to the sole "correct answer". I would like to you take the opportunity to think management's behavior from various angles.

到達目標 / Achievement Goal

 財務諸表及び公表されている企業情報によって、その企業のビジネスを深く考察できるようになることを目標とする。

 The goal is to be able to examine a company's business in depth by means of its financial statements and publicly available corporate information.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

 財務諸表を読む能力、コーポレート・ファイナンスの観点を意識したうえで企業活動の評価を行える能力

 Ability to read financial statements and evaluate corporate activities with an awareness of corporate finance perspectives.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 15 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 85 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

《学習方法》
・財務会計(財務諸表の構造、ディスクロージャー制度等)に関する基本的な知識を有していること。
・コーポレート・ファイナンスに関する基本的な知識を有していること。
・教科書は事前に一定の予習をしておくこと。(予習すべき箇所については別途指示する。)
・1ケースあたり最低3時間の予習を行うこと。
《レポート》
・2nd Weekendで行う分析に関する事前予習内容をレポートとして、2nd Weekend開始時(3rd day開始時)に提出してもらう予定である。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

 財務諸表を利用して企業分析を行うためには、財務諸表がどのような環境のもとで作成されているのか、その特質を理解しなければならない。そこで、まずショートケースを通じて、財務諸表を利用した企業分析のフレームワークを確認する。その上で、企業分析上よく使用されるいくつかの指標を確認し、テキストにあるケースの検討とクラスディスカッションを通じてその意義について検討する。

第2日(Day2)

 最近の企業経営における重要なキーワードの一つに「企業価値」がある。そこで、「企業価値」を考える上で必要なファイナンス的な観点を理解し、企業 が市場からどのような存在と考えられているのか、「企業価値」を上げるとはどのようなことなのか、などの課題に関連するテキストのケースをクラスディスカッションを通じて検討する。

●使用するケース
NordstromとTJX(テキスト第9章)ほか、テキストのショートケース

第3日(Day3)

 実際に公表されている食品製造企業の財務諸表等を基にしたケーススタディを実施する。実施にあたっては、1st Weekendで確認した企業分析を実際に適用して、その結果をどのように解釈するのかという点を中心に議論を進める。

●使用するケース
マルタイ 2008
マルタイ 2009

第4日(Day4)

 3日目に引き続き、総合電機メーカーなどのケースを取り上げてクラスディスカッションを実施する。また、最後に議論全体を振り返るとともに、現代における企業経営の課題とそれを分析することの意義を検討する。

●使用するケース
選定中

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 60 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

 科目の性質上、一定の知識を要求する発言を求めることもあるため、これも評価対象とはするが、クラスの問題意識を高めるようなコメントを期待している。なお、議論と関わりがないような発言は評価されないこともあるため、注意されたい。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • K.G.パレプ他、斎藤静樹監訳「企業分析入門 [第2版] 」東京大学出版会(2001)978-4-130-42112-6

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

以下の文献は、理解を深めるための参考文献であり、原則として講義中に使用することはない。

財務会計に関する基本的な知識を得るものとして
[1] 『新・現代会計入門 第5版』 伊藤邦雄著 日本経済新聞出版社 2022
ISBN978-4-532-13525-6
[2] 『はじめて出会う会計学 第3版』 川本淳他著 有斐閣 2022
ISBN978-4-641-22197-0

ファイナンスに関する基本的な知識を得るものとして
[1] 『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』 石野雄一著 日本経済新聞出版社 2021
ISBN978-4-532-32379-0
[2] 『企業価値経営 第2版』 伊藤邦雄著 日経BP 日本経済新聞出版社 2023
ISBN978-4-296-11780-2

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

 本講義は受講者が会計に関わるスキルをある程度有していることが前提となっているため、そのスキルの違いによって、参加する意識のレベルが大きく異なってしまうことがあるように感じている。
 ほぼ同内容の講義をTAPとGMPで開講したが、コメントに相当違いがあったことはその現れではないかと思う。
会計に関わるスキルを苦手にしている受講生が多いことは承知しているが、それが日本の経営者の弱点とされる場合もあることを理解してほしい。
 開講にあたっては会計に対する苦手意識を克服するための講義にしたいと願っている。現代のビジネス社会において企業活動を定量的に示すことが可能なのは会計以外にあり得ないのだから。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

【氏名】
小林伸行
http://mba.nucba.ac.jp/research/faculty/entry.html?u_bid=147&u_eid=13306
【最終学歴/学位】
慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学/修士(商学)慶應義塾大学
【研究分野】
財務会計、負債会計

(実務経験 Work experience)

【職歴等】
公認会計士・税理士
大手監査法人退職後、独立して公認会計士事務所及び税理士法人を開設
1987~1995 監査法人中央会計事務所
1995~ 小林公認会計士事務所
2005~2006 慶応義塾大学商学部会計研究室講師
2006~2010 常磐大学国際学部准教授
2007~2013 独立行政法人国立環境研究所監事
2008~ ヒューリック株式会社監査役
2011 東北大学大学院非常勤講師
2011~2015 独立行政法人日本芸術文化振興会監事
2012~ 税理士法人会計実践研究所代表社員
2015~2016 中央大学大学院兼任講師
2016~2019 日本公認会計士協会東京会常任幹事
2017~2022 独立行政法人労働政策研究・研修機構監事
2019~ 日本公認会計士協会東京会副会長
2021~2022 信州大学大学院特任教授
2022~ 日本公認会計士協会理事
2023~2024 信州大学大学院非常勤講師







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