シラバス Syllabus

授業名 Financial Accounting
Course Title Financial Accounting
担当教員 Instructor Name 佐野 哲哉(Tetsuya Sano)
コード Couse Code TAP102_G22T
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 基礎科目100系 / Basic
学位 Degree MSc in Tax & Accountancy
開講情報 Terms / Location 2022 GSM Tokyo Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は倫理観あるリーダーの育成に資するものである。
This course contributes to the development of ethical leaders.

授業の目的(意義) / Importance of this course

 本講義は、近年のトピックを素材として、会計の基礎概念について、ディスカッション形式で学ぶことを目的とする。ディスカッションを通じて、財務会計の概念をただ知識として知るというにとどまらず、使いこなすことができるようになることが望ましい。また、会計をテーマとして修士論文を作成する会計コースの学生は、論文を読むことで、論文のスタイルという ものを学び取ってほしい。本講義は、会計コースの学生をメインターゲットするが、税法学コースなど、他のコースの学生の受講も歓迎する。
 This course aims at studying accounting concepts through the discussion on the theme of the topic in recent years about financial accounting.Topics include an introduction to conceptual framework of financial accounting, fair value accounting, corporate social responsibility, and commercial law accounting.It is desirable that it cannot remain in merely getting to know as knowledge, but the concept of accounting can be mastered now.
 The student of the accounting information course which creates a master's thesis on the theme of accounting can study a style of a paper by reading many papers.Although this lecture sets the student of an accounting information course as the main objects, attendance of the student of other courses, such as a tax law course, also welcomes.

到達目標 / Achievement Goal

学生は、この科目の受講によって、持続可能な資本主義のもとでの財務会計の役割を理解し、財務会計の基礎概念を使いこなすことができるようになる。

By taking this course, students will be able to understand the role of financial accounting under sustainable capitalism and master the basic concepts of financial accounting.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

会計の基礎概念

Fundamental Accounting Concepts

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 10 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 90 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

◯事前レポート
・アサインメントを参照してください。
◯事後レポート
・ディスカッションを通じて学んだことを、A4用紙1ページでまとめてもらいます。
・グーグルクラスルームを通じてPDFファイルを提出してください。締切日は5/2(月)とします。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

10:00-12:00 ①テクノロジーの進展と税理士の仕事/「会計の再生」
 ・テクノロジーの進展は会計事務所の経営にどのような影響を及ぼすか。
 ・日本の上場企業はROE8%を目指すべきか。
13:00-14:40 ②会計の定義と分類を考える(テキスト第1章)
 ・企業会計と公会計の違いは何か。
 ・ディスクロージャー制度の意義としての情報の非対称性の緩和
14:50-16:30 ③会計の目的・機能を考える(テキスト第2章)
 ・株式会社の買収は利害調整に関わるものか、意思決定に関わるものか。
 ・人々は利益の向こう側の企業のファンダメンタルズに反応するのか、利益そのものに反応するのか。
16:30-16:40 Q&A

第2日(Day2)

10:00-11:40 ④会計の前提を考える(テキスト第3章)
 ・会計主体論のうち、資本主説・代理人説と企業主体説・企業体説のどちらに共感するか。
12:40-14:40 ⑤会計における認識と測定の原則を考える(1)実現・対応(テキスト第4章)
 ・「財貨・サービスの引渡し」とはいつの時点をいうのか。
14:50-16:30 ⑥ケースディスカッション:iPhoneのアップグレードプログラムの会計
16:30-16:40 Q&A


●使用するケース
iPhoneアップグレードプログラムの会計(A)HBS/日本ケースセンター CCJB-HBS-18022-01

第3日(Day3)

10:00-11:40 ⑦会計における認識と測定の原則を考える(2)原価・時価(テキスト第4章)
 ・「割引現在価値をもって時価とすることにはためらいがある」とする考え方をどのように評価するか。
12:40-14:20 ⑧会計利益モデルと純資産簿価モデル
 ・「個別評価と企業価値の連動」はなされるべきか。
14:30-16:30 ⑨統合報告書
 ・味の素と明治の統合報告書は投資家にとって有用なものであるといえるか。
 ・統合報告書は貸借対照表への無形資産の計上を促進するか。
16:30-16:40 Q&A

第4日(Day4)

10:00-12:00 ⑩中小企業会計
 ・「中小企業の会計に関する基本要領」は中小企業の業績を改善するか。
13:00-14:40 ⑪会計プロフェッション(テキスト第5章)
 ・会計専門職に求められる「判断」とは何か。
 ・会計プロフェッショナルとしての税理士とはいかなる人か。
14:50-16:40 ⑫学びをふりかえる


第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 75 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 75 %
予習レポート Preparation Report 25 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

事後レポートの評価は「講義内での挙手発言」に含める。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 友岡賛「会計学原理」税務経理協会(2012)978-4419058807

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

◯ケース以外のディスカッション教材
*櫻井通晴「AIの会計、監査、管理会計への適用」『企業会計』第71巻第2号、2019年2月、20-28頁。①
*伊藤邦雄・鈴木智英(トモ・スズキ)「【対談】The End of Accounting:果たして『会計の再生』は可能か」『企業会計』第70巻第12号、2018年12月、17-39頁。①
*島田謡子・岡部健介「ASBJ解説 企業会計基準第29号『収益認識に関する会計基準』等の概要」『企業会計』第70巻第7号、2018年7月、80-91頁。⑤⑥
*辻山栄子「新収益認識基準と会計基準国際化の功罪」『企業会計』第72巻第4号、2020年4月、17-26頁。⑤⑧
*秋葉賢一「2つの時価の定義 時価算定会計基準に起因して」『企業会計』第71巻第10号、2019年10月、25-32頁。⑦
*川西安喜「時事解説 改訂版・IASB概念フレームワークのポイント」『企業会計』第70巻第7号、2018年7月、72-79頁。⑦⑧
*徳賀芳弘「国際会計基準と日本基準のパラダイム」伊藤邦男責任編集『企業会計制度の再構築(別冊企業会計)』2013年11月、20-27頁。⑧
*「ミネベアミツミグループ統合報告書2020」⑨
*「アルプスアルパイン統合報告書2020」⑨
*泉谷直木、佐藤淑子、北川哲雄「座談会 企業によるエンゲージメントの時代 投資家との価値共創」『企業会計』第72巻第1号、2020年1月、24-36頁。⑨
*三代まり子「国際統合報告<IR>の特徴と課題」『企業会計』第66巻第5号、2014年5月、28-37頁。⑨
*河﨑照行「日本における中小企業会計の現状と課題」『甲南会計研究』第6号、2012年6月、1-10頁。⑩
*「パネルディスカッション 中小企業会計の展望と課題 −中小企業会計学会への役割期待−」『企業会計』第66巻第2号、2014年2月、106-113頁。⑩
*『中小企業の会計に関する基本要領』⑩
*吉見宏「会計専門職とその監査が直面する危機」『企業会計』第71巻第1号、2019年1月、82-88頁。⑪

◯参考文献
[1]桜井久勝『財務会計講義(第23版)』中央経済社, 2022
[2]伊藤邦雄『新・現代会計入門(第4版)』日本経済新聞社, 2020.
[3]斎藤静樹編著『詳解「討議資料 財務会計の概念フレームワーク」(第2版)』中央経済社, 2007.
[4]斎藤静樹・徳賀芳弘編『企業会計の基礎概念(体系 現代会計学 第1巻)』中央経済社, 2011.
[5]河﨑照行・万代勝信『詳解 中小会社の会計要領』中央経済社, 2012.
[6]安宅和人『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』ニューズピックス, 2020.
[7]山本康正『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』講談社現代新書, 2020.
[8]野口竜司『文系AI人材になる』東洋経済新報社, 2020.

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

・本講義は、受講生同士のディスカッションを中心に実施します。事前レポート、事後レポートもありますが、それらはあくまでクラスディスカッションを充実させ、クラスディスカッションを通じた各受講生の学びを促すための仕掛けです。各受講生の絶対的な到達点だけでなく、ディスカッションへの貢献度や各参加者なりの学びというものも考慮しています。 クラスディスカッションのなかで各受講生の「ギブアンドテイク」が実践されることを期待します。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

1993 京都大学大学院経済学研究科修士課程修了 経済学修士(経営学)
1996 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程 単位取得

研究分野:財務会計、会計倫理

1993 Master of Economics(Graduate School of Economics, Kyoto University)
1996 Completed Ph.D program without dissertation(Graduate School of Economics, Kyoto University)

Fields of Research: Financial Accounting, Accounting Ethics

Refereed Articles

  • (2019) Social Intuitionist Models and Moral Foundation Theory in Accounting Ethics Research. Annals of The Japan Society for Social Science of Accounting (33):






ページ上部へ戻る