シラバス Syllabus

授業名 経営戦略
Course Title Corporate Strategy
担当教員 Instructor Name 芳賀 裕子(Yuko Haga)
コード Couse Code NUC535_N20A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree BBA
開講情報 Terms / Location 2020 UG Fushimi Term2

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

本講義すべてを、ケース・メソッドにより実施する。受講生を主体とした「Participant Centered Learning」である。
企業は、様々な環境変化の中で戦略的意思決定を続けなくてはならない。それは企業規模にかかわらない。企業の経営戦略に関連するケースを学ぶことで、企業の経営者の意思決定を疑似的に体験する。その際に必要な考え方を企業戦略の基本的な理論等と合わせて修得することは、「"フロンティアスピリット"を備えたイノベーティブで倫理観あるリーダー」育成につながるものである。競争が厳しい環境下で、企業はどのように持続的に成長したらよいのか、そのためにはどのような戦略が必要か、これらを考えるために必要な視点、分析方法を学ぶ。
All this lecture is carried out by case method. It is "Participant Centered Learning".
Companies must continue strategic decision-making within various environmental changes. By experiencing case related to corporate management strategy, we experience decision making of management of company. In doing so, acquiring necessary ideas together with basic theory of corporate strategy etc. leads to "Innovative and ethical leaders with" frontier spirit "training. Under an environment where competition is severe, students learn how to grow sustainably, what kind of strategy is necessary to do so, viewpoints and analytical methods necessary to think about these.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

企業の内部環境、外部環境を分析した上で、様々な経営上の意思決定を行うスキルを身につける。理論的に考える力、理論的に説明する力を養う。ケースディスカッションを通し、他人の考えを知ることで、自らの考えを再考することの重要性を理解する。

Skills to analyze the company's internal and external environments, and skills to make various management decisions. Cultivate the theoretical thinking ability, the theoretical explanatory power. Through case discussion, understanding the thought of others, understand the importance of rethinking own ideas.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 5 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 95 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

事前に配布されたケースとケースクエスチョンをよく読み、当日の講義で自分の意見を理論的に発言できる準備が求められます。最低1ケース3時間の準備が必要になります。事前に準備した結果をレポートにまとめ、当日講義開始前に提出してもらいます。
レポートは翌週の講義の的にフィードバックされます。質問などに対しては、事前にアポイントを取ってもらい、講義当日の午前中に面談を行います。(木曜)

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

テーマ: 外部環境の理解 戦略の変更
外部環境の変化を理解し、内部環境を理解した上で戦略を策定する。


●使用するケース
ケース: ヤマト運輸株式会社 ドライバーが足りない!
 ヤマト運輸 vs. アマゾン株式会社

第2日(Day2)

テーマ: 事業拡大、 中小企業の海外進出戦略、経営資源、人材戦略
中小家族経営企業の事業継承と事業拡大についての課題を検証する。海外進出を考える際、商品、チャネルなどマーケテイング戦略は重要である。同時に戦略を実施するために十分な経営資源を確保できるのか、経営資源としての人的資源から検討する。


●使用するケース
ケース:江戸切子の店 華硝

第3日(Day3)

テーマ: 外部環境、内部環境、サービス業の価値創造
サービス業が提供する価値。これをどのように構築するか分析する。外部環境の変化を把握した上で、新たな戦略をどのように構築すればよいかを考える。


●使用するケース
ケース:仕掛けて創る新市場「株式会社ルネサンス」

第4日(Day4)

テーマ: グローバリゼーションとローカリゼーション、市場分析
海外展開を行う際の、市場分析の重要性を分析する。


●使用するケース
イケア: 日本での失敗と再参入の成功

第5日(Day5)

テーマ: 産業構造分析、5Forces分析、競争戦略
産業構造がグローバル化するときの影響を考え、事業戦略を策定する。自社の経営資源と競合を分析し、戦略意思決定を行う。


●使用するケース
 ケース: サムスンと韓国のテーマパーク産業

第6日(Day6)

テーマ: 成長マトリクス、多角化、内部成長外部成長、事業買収
多角化企業がさらに成長するための手段は、自社内部への投資と買収という外部資源への投資がある。新商品開発を自社で実施するか、買収で行うか、意思決定するための自社の経営資源分析を行う。


●使用するケース
第6週 ケース: アサヒビールの飲料事業

第7日(Day7)

テーマ: M&A、買収プロセス、経営資源
社内の経営資源だけで事業成長を見込めない。その際企業買収をすすめるためのプロセスとその注意点について考える。 ターゲット企業の選定、買収時の対応、買収後のプロセス、それぞれの段階で企業にとって必要な経営者の意思決定を理解する。


●使用するケース
ケース: 中国企業による地方企業のM&A ―富山県製薬企業の事例―

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 50 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 50 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

講義内での挙手発言 これは、回数だけではなく、質が問われます。内容のない発言は回数にもカウントしません。
「クラスの他の学生とのディスカッションを深めたか」についてもプラス評価します。

通常のケースメソッドを教室で行う場合の評価方法です。今年度オンラインでの授業になる場合は、そのときに評価方法を変更する可能性があります。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • (株)日本総合研究所 経営戦略研究会「経営戦略の基本」日本実業出版社(2013)978-4-534-044

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

1. 網倉久永・新宅純二郎 『経営戦略入門』 日本経済新聞出版社、 2011、ISBN 978-4-532-13403-7
2. J.B.バーニー(2003)『企業戦略論 (上)基本編』ダイヤモンド社、ISBN4-478-37452-X
3. J.B.バーニー(2003)『企業戦略論 (下)全社戦略編』ダイヤモンド社、ISBN4-478-37454-6
4.  M.E.ポーター(1995)『〔新版〕競争の戦略』ダイヤモンド社、ISBN 978-4-478-37152-7
5.  M.E.ポーター(1985)『競争優位の戦略』ダイヤモンド社、ISBN- 978-4-478-37019-3

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

「1つのアサイメントに質問が多くて大変だった」
複数の質問は個別の質問ではなく、最終的な意思決定をするために考えなくてはならない項目を挙げています。
最後の一つの質問だけが提示されたとしても、その前の質問にある内容を考えなくてはならないのです。企業の意思決定は複数の側面から検討しなくてはならないので、それら質問の回答が、どのように理論的に意思決定につながるかを学んでもらいます。ただし、すべての質問について事前予習したことを前提に、予習レポートに記載してもらうものは、一部の質問についてのみとします。レポート作成の時間を節約するためですが、すべてのアサインとについて事前に考えておかなければ、授業中の発言ができないことになってしまいますので、予習はしっかり行ってください。

「手を挙げたのに指名してもらえなかった」
平等に指名しているつもりですが、アピールが足りないと回数は少なくなるかもしれません。コースが終わってからではなく、途中でもしそのように感じたら相談しに来てください。社会でも、自分をアピールしないと、いくら良い考えを持っていても活かすことが難しくなってしまいます。
「経営の奥の深さを、深められました」

はい、経営は本当に多くの側面から考えなくてはならないのです。少しでもそのことに気づけたことは予習をしっかりし、議論に参加したからだと思います。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

 慶應義塾大学卒業。慶應義塾大学大学院経営管理研究科(M.B.A.)修了後、プライス・ウォーターハウスコンサルタント株式会社東京オフィスにて、内外企業の戦略立案に係るコンサルティングを実施。1991年、ビジネスコンサルタントとして独立、現在に至る。大企業のヘルスケア分野への新規参入コンサルティングを実施。上場企業の戦略的新事業参入を支援。ヘルスケア業界を得意とする。ベンチャー企業取締役、ヘルスケア事業会社の執行役員などを経験。
2017.4 NUCNビジネススクール 准教授
2019.3 協和発酵キリン株式会社(現 協和キリン) 社外取締役
2020.4 NUCBビジネススクール 教授
2020.6 ミネベアミツミ株式会社 社外取締役

 主な研究テーマは、日本企業の戦略実施のための手段としてのM&Aの効果について。戦略パターンとM&A効果の関連性、M&Aの効果と本社機能についての研究に取り組む。2010年から尚美学園大学大学総合政策学部客員教授を経て、2017年4月より名古屋商科大学准教授。2020年4月教授。組織学会、日本経営学会、国際ビジネス研究学会 会員。

学位: 博士(経営学) 筑波大学大学院ビジネス科学研究科
   経営学修士(M.B.A) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科
リハビリテーション修士 筑波大学大学院

主な研究論文
「M&A に必要な本社能力に関する研究」Global Business Research Center 赤門マネジメント・レビュー, 22 巻 1 号,2023
「M&Aの効果と多角化戦略との関係に関する文献サーベイ」『赤門マネジメント・レビュー』Vol.15 No.3, 201603
「M&A投資が企業業績に及ぼす効果の研究」『組織科学』Vol.52 No.1,2018
「競争優位性強化のためのM&A」 博士論文 2019.10, 筑波大学

After obtaining M.B.A., worked as a senior consultant at PriceWaterhouse Consultants Ltd. Ms. Haga is involved in strategy planning consulting of listed companies. In 1991, she was independent as a business consultant. Conducted new enterprise consulting in the healthcare field of large companies. She specializes in medical, nursing care and health care industry. Experience such as venture company director, executive officer of health care company. Experience as a Business Consulting for more than 25 years.
March,2019 Kyowa Kirin Co.,Ltd. Director of the Board(Outside Director)
June ,2020 Minebea Mitsumi Inc. Director of the Board(Outside Director)

Her research theme is about the effect of M & A as a means for Japanese companies to implement strategy. We are engaged in research on the relationship between strategy pattern and M & A effect and the relationship between effect of M&A and head office capability.

Education:
Ph.D. in Business Administration, University of Tsukuba.
MBA, Graduate School of Business Administration, Keio University
Master of Rehabilitation,
Tsukuba University. Graduate School of counseling and rehabilitation.

(実務経験 Work experience)

2020.3- 現在
ミネベアミツミ株式会社 取締役(独立・社外)
2019.3 - 現在
協和キリン株式会社 取締役(独立・社外)
2010-4- 現在
社会福祉法人不二健育会 理事
1991.4- 現在
芳賀経営コンサルティング事務所 代表
1989- 1991
Price Waterhouse Consultants 戦略コンサルティンググループ シニアコンサルタント

June,2020- at the present
Minebea Mitsumi Inc. Director of the Board(Outside Director)
March,2019 - at the present
Kyowa Kirin Co.,Ltd. Director of the Board(Outside Director)
April,2010 - at the present
Fuji-Kenikukai Social Welfare Corporation, Director
April,1991- at the present
Haga Management Consulting Office, Representative Consultant.
April,1989- 1991
Price Waterhouse Consultants, Strategic Consulting Department, Senior Consultant.






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