シラバス Syllabus

授業名 新事業創出
Course Title New Business Creation
担当教員 Instructor Name 只熊 憲治(Kenji Tadakuma)
コード Couse Code NUC534_N22B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 専門教育科目 / Specialized Subject
学位 Degree BBA
開講情報 Terms / Location 2022 UG Fushimi Term4

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本講義は、本学のミッションである「"フロンティアスピリット"を備えたイノベーティブで倫理観あるリーダーの育成、そしてビジネス界や社会の発展をもたらす知識の創出、新時代のアジアと世界をつなぐ能力」を醸成します。特に、フロンティアスピリッツは新事業創出に必須のマインドです。
This lecture fosters innovative and ethical leaders with the mission of "Frontier Spirit", the creation of knowledge that will bring about the development of the business world and society, and the ability to connect Asia and the world in a new era. increase. In particular, Frontier Spirits is an essential mindset for creating new businesses.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本講義では、ケースディスカッションを通じて、新事業に関する知識や気づきを増やしながら、みなさんのセルフ・アウェアネスを高め、新事業を創出するための基礎的な能力を築くためのものです。本講義では、まずは知ること・理解することから始め、どういった新事業形態があるのか、どのような困難があり、どのように成長してきたかを学びます。以下の設問について活発に議論をしていきます。
・創業者は、どのような思いで創業したのか?
・新事業のアイデアはどのように生まれたのか?
・新事業の製品やサービスはどのようにして顧客に受け入れられていったのか?
・新事業のビジネスモデルはどのようなものか?(誰からどのようにお金を?)
・新事業では、どのように資金を調達しているのか?
・各ケース場面において、自分が創業者であればどのような考動をとるか?
Through case discussions, this lecture aims to increase your self-awareness and build the basic ability to create new businesses while increasing your knowledge and awareness of new businesses. In this lecture, we will start by knowing and understanding, what kind of new business form there is, what kind of difficulties there are, and how they have grown. We will actively discuss the following questions.
・ How did the founder start the business?
・ How did they come up with the idea for a new business?
・ How did the new business products and services get accepted by customers?
・ What is the business model of the new business? (Who and how do they get the money?)
・ How are they raising funds for their new business?
・ In each case, what kind of thoughts and actions would you take if you were the founder?

到達目標 / Achievement Goal

本講義を通じて、新事業を創出するための基礎的な能力を築くことが目標です。クラスディスカッションなどを通じて、「自分は何がしたいのか、何ができるのか、何をやらなければならないのか」という問いで自分自身にも向き合い、考動する契機としていただけたらと思います。激動している世界環境の中で、“幸せに”、"生きる力"を強くする一助とできるようインタラクティブに講義をしていきます。

Through this lecture, the goal is to build the basic ability to create new businesses. Through class discussions, I hope that you will have the opportunity to face yourself and think about yourself by asking yourself what you want to do, what you can do, and what you have to do. In the turbulent times, we will give lectures interactively to help strengthen "happiness" and "zest for life".

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG6 Managerial Perspectives (BBA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

本講義を通じて、新事業を創出するための基礎的な能力を築くことが目標です。基礎的な能力とは、新事業の形態、創出プロセス、ビジネスモデル、資金調達、創業者の思いや行動様式などを知ること・理解すること、その上で、自分が新事業を創出しようとしたときに、どのような考動をするか、について気づきを得ることです。

Through this lecture, the goal is to build the basic ability to create new businesses. The basic ability is to know and understand the form of new business, creation process, business model, financing, thoughts and behaviors of the founder. What's more, you'll learn what to think and do when you try to create a new business.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 8 働きがいも経済成長も(Decent Work and Economic Growth)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 20 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 80 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

事前に提示された課題に関し、分析・考察した予習レポートを毎回提出して下さい。講義の進め方・準備に関してはケースが配布されるタイミングで、詳細の指示をいたします。提出締め切りは各講義の開始直前までとします。各講義前のグループ討議に参加した上で、全体討論への積極的な参加が求められます。

講義参加の成績は、講義内での発言の量(積極性、関与度)と質(内容理解度)、予習レポートの成績はケースの内容理解度および論理性、期末レポートの成績は、講義の内容理解度、論理性および思考の深さに関する教員の判断によってなされます。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

(主題)ベンチャービジネスの創業者たち#1(海外)
アップルの成功の秘訣と、スティーブ・ジョブズの言葉を借りれば「めちゃくちゃ素晴らしい製品」開発への探求について考察する。

●使用するケース
アップルのデザイン哲学とイノベーション、HBS

第2日(Day2)

(主題)ベンチャービジネスの創業者たち#2(国内)
20世紀後半の産業と日本社会に大きな変化をもたらしてきた偉大なるビジネスリーダーを理解し、アントレプレナーシップについて議論する。

●使用するケース
日本の起業家 稲盛和夫、HBS

第3日(Day3)

(主題)社内での事業化
iBankがなぜ顧客中心の新ビジネスをスタートできたのか、グループ外への展開ができたのかについて考察する。

●使用するケース
iBank、Case Center Japan

第4日(Day4)

(主題)日本の起業家環境
楢木隆彦は日本の若い起業家である。インターネットを利用したビジネスモデルを厳しい東京の実業界で成功させようと頑張っているが、いま重要な決断を迫られている――事業を拡大すべきか? 拡大するとすればどうやって? 本ケースでは特にこの日本人起業家を中心に起業家全般のワーク・ライフ・バランスを論じることに加え、ネットワーク作りの重要性、起業家活動を制限する事業法規、起業家に対する社会の受け止め方、小企業向けの資本市場など、日本の起業家環境のさまざまな側面を紹介している。

●使用するケース
楢木隆彦-300万円の起業家、Ivey

第5日(Day5)

(主題)製造業のサービス化
アイウェアラボラトリー(以下、アイウェア)は人の足形の三次元足形計測器INFOOTを製造販売するメーカーで、2014年秋現在、社員5名の零細企業ながら、INFOOTは累計750台が利用され、同時に、世界42カ国、51万人(うち日本人は22万人)の足形データを保有している企業である。木村社長がINFOOT共同開発のためにコンタクトした産総研に、A社とチームを組むS社は同じテーマでアプローチしていた。当時の学術研究の流れや企業の体力面では明らかにS社が勝っていたにも関わらず、産総研が選んだのはアイウェアだった。そして、A社も直営店出店を機に、アイウェアの新INFOOT採用に踏み切り、ランナーのサポートサービスを展開し始める。個人データが51万件蓄積された現在、木村は、機器メーカーから脱して足形データを使ったサービスビジネスに転換するという当初構想の実現を考えていた。果たして、アイウェアのビジネスは、製造業のサービス化の成功事例となりうるのか?

●使用するケース
アイウェアラボラトリー 足形データ事業の展開、日本ケースセンター

第6日(Day6)

(主題)個人事業主としての開業と自己変革
サービスビジネスの特徴を理解し、顧客との関係構築(「顧客エンゲージメント」)の重要性を検討する。また、事業の持続的成長を実現するための、起業家自身の「自己変革」の意識とビジネスイノベーション創出との関連性も議論する。また、自己の振り返りに関するフレームについて説明し、最終講義および最終レポートの準備をする

●使用するケース
・ステッププラス・コーチング&コンサルティング 2020、NUCB
・ハーバード・ビジネス・レビュー編集部、「セルフ・アウェアネス」、ダイヤモンド社

第7日(Day7)

(主題)地域×起業・起業家の成長過程
美術大学生だった加藤さんが3・11に遭遇し、美術の非力に打ちのめされて帰省した母方の実家で眼にした「祭りが人々を元気にする」という事実。爾後、加藤さんはお祭りで日本を元気にすることを目的に活動を開始。やがて法人化して、さまざまなアクセラレータープログラムで優秀賞を受賞して出資を受けて拡大している。その最中Covid-19疫病禍が発生し主力事業であるお祭りが中止や延期となる。この過程を通じて起業家独特の成長過程を学んでいく。
また、これまで学んできたケースの復習と自己の振り返りについて議論し、最終レポートの準備をします。

●使用するケース
・株式会社オマツリジャパンA-E、日本ケースセンター
・ハーバード・ビジネス・レビュー編集部、「セルフ・アウェアネス」、ダイヤモンド社

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 5 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 65 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 70 %
予習レポート Preparation Report 20 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 10 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • ハーバード・ビジネス・レビュー編集部「セルフ・アウェアネス」ダイヤモンド社(2019)

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

1) チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン、「両利きの経営」、東洋経済新報社、2019.
2) 小倉 昌男、「経営学」、日経BP社、1999.
3) 田口 一成、「9割の社会問題はビジネスで解決できる」、PHP研究所、2021.
4) 森岡 毅、「苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」」、ダイヤモンド社、2019.

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

本講義は、新事業を創出するための基礎的な能力を築くことが目標なのですが、「自分は何がしたいのか、何ができるのか、何をやらなければならないのか」という問いを立てて、みなさんが自分自身にも向き合い、考動するきっかけになるのではないか、と考えています。激動している世界環境の中で、みなさんが飛び込んでいくビジネスの世界で自分のやりたいことや、できることが重なっていくと、“幸せに”、”生きる力”が強くなっていくと思います。そのような気づきが得られるよう、その一助とできるよう講義運営をしていきます。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

●学位等
九州大学大学院 博士後期課程 航空宇宙工学専攻卒業、博士(工学)。在学中、University of Washingtonにて無人航空機研究。名古屋商科大学大学院ビジネススクール、General Manager Program (GMP) 首席卒業、在学全期間で給費学生、Executive MBA。技術士(機械部門)、技術士(総合技術監理部門)、中小企業診断士。2019年、日本流体力学会技術賞受賞。前日本流体力学会理事。

●所属学会
日本流体力学会、日本機械学会

●研究分野
流体工学、技術経営戦略、新事業創出

●著書(共著)
Kenji Tadakuma, Tadao Onaka and Rumintha Wickramasekera , “Innovation Management, New Horizons in Innovation Management series”, “Chapter 3: Innovation management: the Japanese way”, Edited by Vida Škudienė, Jason Li-Ying and Fabian Bernhard, Edward Elgar Publishing, 2020.

(実務経験 Work experience)

2000年、防衛省に入省。飛行試験等による航空機の性能評価やプロジェクトマネジメントに携わる。2008年、自動車メーカーへ入社。先行技術開発や量産車の製品開発などに携わる。現在は、技術および社会課題起点の新事業創出の統括マネジメントに従事。

Dr. Kenji Tadakuma is a General Project Manager responsible for the development of new technology and new business at a leading automobile manufacturer. Since the beginning of the career Dr. Kenji Tadakuma has been working as an engineer, project manager, and as a Research and Development (R&D) officer to develop automobiles and aircrafts. During the doctoral degree studies at Kyushu University (Japan) Dr. Kenji Tadakuma joined the unmanned aircraft research and development project at University of Washington (US). Dr. Kenji completed executive MBA (EMBA) General Manager Programme at Nagoya University of Commerce and Business (Japan) as a top graduate. Dr. Kenji Tadakuma has a strong connection with university professors in fluids dynamics as a branch chief of Japan Society of Fluids Mechanics.






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