シラバス Syllabus

授業名 経営組織
Course Title Managing People and Organizations
担当教員 Instructor Name 内古閑 宏(Hiroshi Uchikoga)
コード Couse Code NUC530_N23A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 専門教育科目 / Specialized Subject
学位 Degree BBA
開講情報 Terms / Location 2023 UG Fushimi Term2

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は、NUCBのミッションステートメントと合致するコンセプトの下、展開される科目です。フロンティアスピリットを有するリーダーとして、世界環境の中どう”人”を組織化していくか、について議論していきます。
This course perfectly aligns with NUCB's Mission Statement as it guides to nurturing leaders with Frontier spirits who can bridge cultural differences. It will provide students insights to confront situations where they require innovating thinking, innovating actions and innovative problem solving within an international context.

授業の目的(意義) / Importance of this course

「組織」ーそこでは人と人がつながり、目的と目的がつながり、単に個人で集まるよりも大きなことが成し遂げられると考えられています。一方、社会は常に進化し時に大きな変動がもたらされます。そこに警鐘を鳴らし経営学者のピーター・ドラッカーは;「混沌とした時代に最も危険なのは、混沌そのものではなく昨日と同じ論理で行動することだ」と言いました。
本コースでは、”人”と”組織”を様々な状況下と多様な切り口で取り上げているハーバード・ビジネス・スクールの人気ケースを教材とし、これらケース・ディスカッションの中から以下の様な問いに対するソリューションの糸口を掴んでいきます。”人々の可能性を引き出す組織とはどんな組織か?”、”どの様にすればそのような組織が実現できるのか?”、”イノベーションを起こす組織とは?”、”次世代における組織の形とは現状とどう異なっていくか?”等に代表される問いです。
The course leads the students to;

- Recognize diversity of issues which may occur in different types of organizations
- Learn about the fundamentals of managing people and organizations
- Conceptualize organizations that carries out innovation and organizations of the next stage.

到達目標 / Achievement Goal

「組織」そしてそれを取り巻く「人」について、「新たな知」の共同構築作業を行っていきます。

Through the case discussions, the class will co-create "new knowledges" about managing people and organizations.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)
LG6 Managerial Perspectives (BBA)
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

本コースではケースディスカッションを通じ、以下のことを実践していきます

・様々な組織形態が内包する問題に関して、認識する力をつける
・組織を経営し運営する際に必要なことを、考察する力をつける
・イノベーション型組織・次世代型組織の組成へ向けて、発想する力をつける

The course leads the students to;

- Recognize diversity of issues which may occur in different types of organizations
- Learn about the fundamentals of managing people and organizations
- Conceptualize organizations that carries out innovation and organizations of the next stage.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 100 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

(学習方法)
 本コースの講義は全てケース・ディスカッション形式で行われます。受講者はシラバスに記載した質問事項に関して議論をする準備をして来てください。クラス討議中に準備してきた内容について発言並びにプレゼンテーションするよう講師から促されます。講義の進め方・準備に関してはケースブックが配布されるタイミングで、詳細の指示を致します。

(各セッションの予習レポート)
計7回のセッションに関して事前に提示された課題に関し、分析・考察した予習レポートを毎回提出して下さい(900文字以上)。課題は開講前に詳細に告知します。提出締め切りは各Sessionの開始直前まで、とします。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

第1回(2023/6/9)
(主題)クリエイティブな組織、組織変化を起こすことについて
(Session 1 概要)
本ケースでは、革新的かつクリエイティブな商品開発を進めるIDEO社の組織的な取り組みが記述されています。革新的商品を生むための組織文化とは?顧客とのコラボレーションを実現するには?組織が学習し進化していくとは?などに関連してディスカッションを進めていきます。

●使用するケース
フェーズゼロ:IDEOによる新サービス導入(A)&(B) HBS

第2日(Day2)

第2回(2023/6/16)
(主題)人間の心理、グループの想い、組織の構造が行動や決定に及ぼす影響について
(Session 2 概要)
本ケースは、1996年に有名登山家2人に率いられたグループがエベレスト登山に挑戦した経緯を克明に描いたものです。世界で最も経験豊富な最高峰登山家であったロブ・ホールとスコット・フィッシャー含め23人が山頂に到達しながらホールとフィッシャー他3名が下山中に死亡する悲劇が起こりました。登山の準備段階、登山途中におけるメンバーの心理状態(認知バイアス)並びに意思決定の分析を行い、これらが現実世界そしてビジネスの世界にどう反映されるかについて考えていきます。

●使用するケース
エヴェレストー1996年の出来事 HBS

第3日(Day3)

第3回(2023/6/23)
(主題)人を動かすということ、リーダーシップ・スタイルについて
(Session 3 概要)
米国の大学バスケットボールチームを率いている対称的な二人の監督を取り上げたケースです。二つのケースから人が持つ特性とは?人を動かすにはどういった要素が必要か?などの問いについてディスカッションしながら、組織を経営(マネージ)するスタイル、組織に属する側の心理を深めていきます。

●使用するケース
コーチナイト:勝利への熱意 HBS
コーチK:ハートの問題    HBS

第4日(Day4)

第5回(2023/6/30)
(主題)グループダイナミクス、組織の決定プロセスについて
(Session 4 概要)
本ケースはスペースシャトル・チャレンジャー号が1986年1月28日にケネディ宇宙センターから発射する前夜、NASAが発射決行という最終決定を下すまでの詳細な経緯が描かれています。様々な関係者が交錯する中、NASAが決定を下していくそのプロセスについて、現実世界と照らし合わせながら組織の力学(ダイナミックス)や「空気」についてディスカッションしていきます。


●使用するケース
チャレンジャー打ち上げのグループ決定プロセス(A)(B)(C) (D) HBS

第5日(Day5)

第5回 (2023/7/7)
(主題)新しい組織の形
(Session 5 概要)
ブラジル人、リカルド・セムラーは、ファミリービジネスを国際的企業に成長させ事業の多角化を行った。管理することに見切りをつけ、労働時間を短縮し、職場の民主化をする、などの改革により企業文化を大きく変化させた。同様のリーダーシップをホテルビジネス、銀行経営、学校経営にも適用することに成功した。

●使用するケース
リカルド・セムラー INSEAD

教科書1:「No Rules Rules - 世界一自由な会社NETFLIX」
参考図書:「校則なくした中学校ーたった一つの校長ルール」

第6日(Day6)

第6回(2023/7/14)
(主題)企業におけるイノベーション組織について
(Session 6 概要)
本ケースはスリーエム(3M)という企業の創設と発展をたどり、その起業家精神に基づき、常にイノベーションに挑戦する企業風土に注目しています。ある事業部マネジャーは、事業不振のユニットが開発した新製品発売の3度目の投資要請をサポートすべきかどうか判断を迫られています。同部門が何年にもわたり問題と損失の発生に苦しみながら、製品開発に至るまでの長い困難なプロセスにもかからずプロジェクトに絶対の信頼をおいていた様子を描いています。3Mをさらなる発展にどう導いてくかを議論していきます。

●使用するケース
3Mオプティカル・システムズ: 企業内起業家精神の管理 HBS

第7日(Day7)

第7回(2023/7/21)
(主題)進化する組織について
(Session 7 概要)
2005年、矢部輝夫は新幹線の清掃を行うJR東日本の子会社で、669人の従業員を持つテッセイの再建を要請された。テッセイに対する需要は伸び続けているにもかかわらず、作業ミス、顧客からの苦情、安全性の問題と従業員の離職率は、過去最高に近い高さだった。前任者が管理職による監視と管理を強化することでテッセイの問題を修正しようとした試みに失敗したのを受けて、矢部は組織が直面していたモチベーション、資質、協調性に対する課題を克服するのに創造的なアプローチを試みた。

<経営組織 ピッチセッション>
概要はケースブックに記載し、詳細は講義時に説明いたします。

●使用するケース
TESSEI(テッセイ)の苦境 (HBS)

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 5 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 45 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 50 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

レポートと講義は評価の両輪となっており、どちらかに偏らないようにしましょう。
各ケースの予習レポートに相応な時間をかけることはディスカッションでの気づきも深めることです。
よろしくお願いします。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー「NO RULES RULES - 世界一自由な会社NETFLIX」日経BP(2020)978-4-532-32367-7
  • デール・カーネギー「人を動かす」創元社(2016)978-4-422-10898-2

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

・「校則なくした中学校ーたった一つの校長ルール:: 定期テストも制服も、いじめも不登校もない!笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた」西郷孝彦 著  小学館
・「ティール組織」フレドリック・ラルー著 英治出版

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

昨年度の講義では以下のようなフィードバックを頂きました。活気のあるディスカッションからより多くの気づきが得られるよう、講義運営をしていきたいと思います。(昨年度 授業評価点4.7)

・先生が積極的であり、みんなの意見が聞くことができる
・授業の時間があっとゆう間に感じるような授業でした
・生徒のことを考えて授業をしてくれているのをすごく感じた
・組織だけでなく倫理も学べ良いと思った
・企業の組織やハーバードビジネススクールについてまなべたことです
・失敗談から組織の陥りやすい問題点について深く議論ができた
・たくさんの意見がきけて、視野が広がる
・先生の今までの経験から学びを得られた
・議論の目的が分かり学びが多かった
・ジャムセッションできていてとても良いと思った
・個人の考えを尊重している
・コールドコールで発言の機会を与えてくれる
・楽しく学べた
・コールドコールがあるため緊張感のある講義が行えた
・全員で知を共有できた
・先生が生徒に寄り添う人ですごくやりやすかった。
・めっちゃ良かったです!

担当教員のプロフィール About the Instructor 

1998年慶應義塾大学理工学部修士課程修了。(株)東芝入社、世界初のノートパソコンを設計したハードウェア設計部に所属。1994年ハーバード・ビジネス・スクール経営大学院修士課程修了(MBA)後、東芝本社パソコン商品企画部にて新型ノートパソコンの企画、インターネット・サービスの立ち上げ、ネット接続型次世代DVD規格の策定に従事。1997年ソフトバンク(株)入社、企業投資室にてスカパーの立ち上げ、インターネット企業投資を実施。ソフトバンクと米国ジオシティーズの合弁会社、ジオシティーズ・ジャパン(株)の設立、事業立上げを指揮。2000年ヴィジョネア(株)を創業、DVDとインターネットの連動技術で事業構築、特許権利化後にライセンスビジネスにピボットし現在に至る。2012年米国シリコンバレーに移り住みYouTuber向けアプリ開発のVeamInc.設立・創業、現在に至る。帰国後アフリカにおける世銀のプロジェクト、ブロックチェーンのビジネス・プロデュースに関与。

Education
Masters Degree in Business Administration, Harvard Business School
Master of Engineering in Mechanical Engineering, Keio University
Bachelor of Engineering in Mechanical Engineering, Keio University

After joining Toshiba's Computer Division in 1988 where he was involved in designing the world's first notebook PC, Hiroshi Uchikoga went to Harvard Business School MBA program. After graduation, he returned to Toshiba Headquarters Product Planning division in 1994, where he engaged in; planning advanced notebook PCs, launching Toshiba's first internet service, and standardizing a new generation video disc format.
When he met Mr. Son of Softbank, Hiroshi decided to work as a manager in the investment division, then led the joint venture between GeoCities (US) and Softbank. In 2000, Hiroshi founded Visionare Corporation, a software development company in Japan which eventually pivoted to a license company after acquiring eight patents, and he moved to Sunnyvale, California in 2012 to start up Veam Inc. - both of which are currently working on a path to successful exits. Returning to Japan in 2017, he acted as Business Producer at World Bank's project in Africa and blockchain related businesses.







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