授業名 | 企業の経済学 |
---|---|
Course Title | Business Economics |
担当教員 Instructor Name | 太宰 北斗(Hokuto Dazai) |
コード Couse Code | NUC520_N25A |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
授業形式 Class Format | On Campus |
単位 Credits | 2 |
言語 Language | JP |
科目区分 Course Category | 専門教育科目 / Specialized Subject |
学位 Degree | BBA |
開講情報 Terms / Location | 2025 UG Fushimi Term1 |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
本講義は、経済学の手法を用いて企業経営を考える力を培い、広く実社会に貢献しようとする点で本学のMission Statementと関わっています。
This course relates to NUCB mission statement by acquiring understanding of business economics in order to contribute to the business community.
授業の目的(意義) / Importance of this course
「他店が当店より安い場合はお知らせください」。こうした広告を、家電量販店やスーパーマーケットで見たことはないでしょうか? なぜ企業はこのような広告を出すのでしょうか? また、こうした約束は私たち消費者にとって利益となっているのでしょうか?
こうした疑問を含め、企業経営について考える時、経済学的な観点を持っておくと新たな示唆が得られることもあります。たとえば経済学ではどのようにすれば企業の独占を防げるのか議論されてきました。このことはつまり、どのようにすれば競争を避けて独占的に利益を得られるかという経営目標の1つについて、裏返しで考えてきたことになります。もちろん実際の企業経営に比べ、経済学が分析するのは一側面にとどまっており、必ずしも経済学の理論通りに経営が行えるわけではないかもしれません。一方で、経済学の理論からの示唆は、経営現場で出会う諸問題を解決していくにあたって、考えるきっかけを与えてくれるといえるでしょう。
こうした疑問を含め、企業経営について考える時、経済学的な観点を持っておくと新たな示唆が得られることもあります。たとえば経済学ではどのようにすれば企業の独占を防げるのか議論されてきました。このことはつまり、どのようにすれば競争を避けて独占的に利益を得られるかという経営目標の1つについて、裏返しで考えてきたことになります。もちろん実際の企業経営に比べ、経済学が分析するのは一側面にとどまっており、必ずしも経済学の理論通りに経営が行えるわけではないかもしれません。一方で、経済学の理論からの示唆は、経営現場で出会う諸問題を解決していくにあたって、考えるきっかけを与えてくれるといえるでしょう。
Economic perspectives provide interesting suggestions on considering business management. For example, many researchers in economics have discussed how prevent monopolies in economics. In other words, they have discussed monopoly strategy which is a purpose of business management.
到達目標 / Achievement Goal
本講義では企業行動に関する経済学の基本的な考え方とその結びつきについて、企業ケースや経済実験ゲームを通じて学生が体感的に学んでいくことを目指します。
In this course, students understand the relation between economic theory and business behavior through case discussions and economic experiments.
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG4 Effective Communication
LG6 Managerial Perspectives (BBA)
LG4 Effective Communication
LG6 Managerial Perspectives (BBA)
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
・経営課題を経済学的アプローチをもって解決するスキル
・ミクロ経済学の基礎知識
・ミクロ経済学の基礎知識
・Ability to apply economic approach to management strategy
・Basic knowledge of microeconomics
・Basic knowledge of microeconomics
SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals
Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 30 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 70 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | |
合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
【学習方法】
1ケースあたり3時間以上を目途に予習・復習をしてください。
【レポート】
事前に配布されるアサインメントにしたがい、講義ごとに予習レポートを提出してください(A4用紙1枚程度)。また、2,000字程度の最終レポートを別途提出いただく場合があります。詳細については初回講義で案内します。
【課題に対するフィードバック方法】
希望者に個別でフィードバックする予定です。なお、希望者数や希望される内容に応じて、フィードバック方法を変更する場合があります。
1ケースあたり3時間以上を目途に予習・復習をしてください。
【レポート】
事前に配布されるアサインメントにしたがい、講義ごとに予習レポートを提出してください(A4用紙1枚程度)。また、2,000字程度の最終レポートを別途提出いただく場合があります。詳細については初回講義で案内します。
【課題に対するフィードバック方法】
希望者に個別でフィードバックする予定です。なお、希望者数や希望される内容に応じて、フィードバック方法を変更する場合があります。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
【企業経営と経済学】企業経営を学ぶにあたり、経済学を学習する必要はあるのでしょうか? 企業の“数字”を扱う分野として財務会計といったものもありますが、違いはどこにあるのでしょうか? 本講義では、企業の利益や費用の経済学的視点について考えていきます。
(テキスト p.20-33, p.62-79, p.110-125)
●使用するケース
「コンコルド・プロジェクト1972 (A)-(B)」、NUCBケースセンター第2日(Day2)
【市場競争と経済学】ライバル企業との競争は、多くの企業が避けたいものです。では、どのようにすれば競争を避けられるのでしょうか? どのようにすれば競争に打ち勝てるのでしょうか? 本講義では、競争のなかを企業が生き抜く方策について考えていきます。
(テキスト p.20-33, p.62-79)
●使用するケース
「吉野家 vs. すき家2009」、NUCBケースセンター第3日(Day3)
【企業経営と統計学】企業の意思決定では、様々な数値やデータが活用されます。一方、データの解釈には統計的知識が欠かせず、"正しく"活用するには一定のスキルが必要となります。本講義では、数値を統計的見地から解釈することについて確認していきます。
(テキスト p.62-79, p.154-165)
●使用するケース
「KJレーシングテクノロジー2021 (A)-(B)」、NUCBケースセンター「チャレンジャー号、打ち上げ前夜 (A)-(B)」、NUCBケースセンター
第4日(Day4)
【企業経営と行動経済学(1)】企業の意思決定の難しさの一因は、経済主体が感情的な判断を切り離せないためです。この感情的な判断は企業や消費者の意思決定にどのような影響を与えているでしょうか? 本講義では、人の認知システムと企業経営の関連について考えていきます。
(テキスト p.62-79, p.186-207)
●使用するケース
「e-bayの実験 (A)-(B)」、NUCBケースセンター「JCペニーのフェアアンドスクエア戦略」、NUCBケースセンター
第5日(Day5)
【企業経営と行動経済学(2)】企業の意思決定の難しさの一因は、経済主体が感情的な判断を切り離せないためです。この感情的な判断は企業や消費者の意思決定にどのような影響を与えているでしょうか? 本講義では、人の認知システムと企業経営の関連について考えていきます。
(テキスト p.80-89, p.110-125)
●使用するケース
「スペース・システムズ 20XX (A)-(B)」、NUCBケースセンター第6日(Day6)
【企業経営とナッジ】企業などの経済主体は往々にして判断ミスをします。本講義では、人の認知システムの仕組みと判断ミスのパターンを学ぶことにより、どのようにミスに対処できるのか、企業経営との関連について考えていきます。
(テキスト p.102-109, p.174-185)
●使用するケース
「エクスプレス・スクリプツ (A)-(B)」、NUCBケースセンター「ラ・ラビダ小児病院のチャリティ (A)-(B)」、NUCBケースセンター
第7日(Day7)
【企業経営と社会課題】企業は様々なサービスを提供することで収入を得ています。このサービスの価値の源泉とは何でしょうか? 本講義では企業がどのようにサービス設計をすべきなのか、社会問題の解決策としてのビジネスのあり方を考えていきます。
●使用するケース
「障害者の経済学2021」、NUCBケースセンター*使用ケースについては変更になる場合もあります
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 70 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 70 % |
予習レポート Preparation Report | 30 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
・最終レポートの実施など、上記評価基準は変更される可能性があります。変更がある場合には、初回講義で案内いたします。また、初回講義で案内する一部行為については、総合的な評価から減点することも検討します。教科書 Textbook
- 太宰北斗「行動経済学ってそういうことだったのか!」 ワニブックス(2022)9784847072147
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
参考文献は以下の通りです。各自の関心にあわせ、講義内容の理解を深めるためにご参照ください。
・ 経済学のエッセンスを知る
[1]日本経済新聞社 編『身近な疑問が解ける経済学』日本経済新聞出版社、2014年、ISBN13(978-4532113179)
・ ミクロ経済学の基礎を学ぶ
[2]安藤至大 著『ミクロ経済学の第一歩』有斐閣、2013年、ISBN13(978-4641150058)
・ ミクロ経済学の理論を実際の社会事例とともに学ぶ
[3]神取道宏 著『ミクロ経済学の力』日本評論社、2014年、ISBN13(978-4535557567)
・ 経済理論と現実のズレ:行動経済学を学ぶ
[4]太宰北斗 著『13歳からの行動経済学』ナツメ社、2024年、ISBN13(978-4816376061)
・ 経済学と企業経営の関係を学ぶ
[5]淺羽茂 著『企業の経済学』日本経済新聞出版社、2008年、ISBN13(978-4532111717)
・ 企業行動を経済学的に分析する
[6]柳川範之 著『法と企業行動の経済分析』日本経済新聞社、2006年、ISBN13(978-4532133238)
・ 経済学のエッセンスを知る
[1]日本経済新聞社 編『身近な疑問が解ける経済学』日本経済新聞出版社、2014年、ISBN13(978-4532113179)
・ ミクロ経済学の基礎を学ぶ
[2]安藤至大 著『ミクロ経済学の第一歩』有斐閣、2013年、ISBN13(978-4641150058)
・ ミクロ経済学の理論を実際の社会事例とともに学ぶ
[3]神取道宏 著『ミクロ経済学の力』日本評論社、2014年、ISBN13(978-4535557567)
・ 経済理論と現実のズレ:行動経済学を学ぶ
[4]太宰北斗 著『13歳からの行動経済学』ナツメ社、2024年、ISBN13(978-4816376061)
・ 経済学と企業経営の関係を学ぶ
[5]淺羽茂 著『企業の経済学』日本経済新聞出版社、2008年、ISBN13(978-4532111717)
・ 企業行動を経済学的に分析する
[6]柳川範之 著『法と企業行動の経済分析』日本経済新聞社、2006年、ISBN13(978-4532133238)
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
授業改善に関する提案は適宜受け付け、皆さんが興味を持って参加することのできる授業にしていきたいと思います。
担当教員のプロフィール About the Instructor
【取得学位と大学、大学院名】
修士(経営学)慶應義塾大学
博士(商学)一橋大学
【主な職歴】
ライオン株式会社(2005年~2010年)
一橋大学大学院(2015年~2016年)
名古屋商科大学(2016年~)
【研究分野】
行動ファイナンス、コーポレート・ガバナンス、ファミリービジネス
修士(経営学)慶應義塾大学
博士(商学)一橋大学
【主な職歴】
ライオン株式会社(2005年~2010年)
一橋大学大学院(2015年~2016年)
名古屋商科大学(2016年~)
【研究分野】
行動ファイナンス、コーポレート・ガバナンス、ファミリービジネス
【Education】
Ph.D.(Commerce), Graduate School of Commerce, Hitotsubashi University
MBA, Graduate School of Business Administration, Keio University
【Positions】
2016 - Present: Lecturer of Finance, Nagoya University of Commerce and Business
2015 - 2016: Designated Lecturer of Finance, Hitotsubashi University
【Research Interests】
Corporate Governance, Family Business, Behavioral Finance
Refereed Articles
- (2023) Family Business and related party transaction. KEIO BUSINESS FORUM 39(1):
- (2022) Analyzing the Stock Split Bubble: Investor Sentiment and the Size of Bubbles. KEIO BUSINESS FORUM 38(1):
- (2020) Japanese family firms from the perspective of corporate governance. SHOKO-KINYU 70(11): 0914-1308
- (2020) Family generation and business performance: Evidence from Japan. Journal of Business Succession 9
- (2019) Business Succession of Japanese Listed Companies: A Survey from 1956 to 2013. Journal of Business Succession 8
Refereed Proceedings
- (2020). Stock split bubbles: What inflated the bubbles?. Journal of Behavioral Economics and Finance .Association of Behavioral Economics and Finance. 1. 3. NUCB Business school (Nagoya Campus)
- (2018). Long-term trend of family firm's performance. Society of Monetary Economics Bulletin .Japan Society of Monetary Economics. 1. 2. Nagoya city university (Takiko campus)