シラバス Syllabus

授業名 社会学
Course Title Sociology
担当教員 Instructor Name 矢部 謙太郎(Kentaro Yabe)
コード Couse Code NUC517_N21B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 教養教育科目 / Liberal Arts
学位 Degree BBA
開講情報 Terms / Location 2021 UG Fushimi Term3

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本学のミッション・ステートメントにある「フロンティア・スピリット」において尊重されているのは「新しい地平を切り拓くこと」であるが、そのためには「既存の地平の対象化」が必要である。私たちが生きている近代社会の土台となる「既存の地平」を、本講義を通じて「対象化」することで、「フロンティア・スピリット」の育成がはかられる。
“Frontier Spirit” as Mission Statement of NUCB aims to “open up a new horizon”. In order to “open up a new horizon”, we have to “objectify the existing horizons”. By “objectifying the existing horizons” of our modern society, this course aims to cultivate “Frontier Spirit”.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本講義の目標は、社会学の諸理論とさまざまなパースペクティブを理解することで、私たちが生きている近代社会の特徴を学ぶことである。
The goal of this course is to learn the features of our modern society through the master of theories and perspectives of sociology.

到達目標 / Achievement Goal

近代社会においては、自立した個人が誕生し、個人が「社会」を発見し対象化するようになった。近代社会の発生とともに誕生した社会学は、私たちの生きている社会がどのように発見され対象化されてきたかに焦点を合わせている。

In modern society, “independent individuals” were born, and have been discovered and objectified “Society”. Sociology, which was born with modern society, focuses on how our society has been discovered and objectified.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG4 Effective Communication

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連について 卒業認定・学位授与の方針にあるように、国際化、競争化社会を生き抜く人材を育てることが重要である。そうした人材は、自分の意見を論理的にかつ具体的に説明できるスキルをもっている。そのスキルを養うために、本講義では、さまざまな具体例をひとつの枠組から論理的に説明する練習をおこなう。

It is important to cultivate human resources who survive internationalization, competitive society, as in the graduation certification / degree awards policy. Such human resources have skills that can explain their opinions logically and concretely. In order to cultivate that skill, this course will practice exercises to explain various concrete examples logically from one framework

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 25 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 75 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

1ケースあたり最低3時間の予習を行うこと。
予習レポートは毎回、授業当日9:20までにGoogle Classroomへ提出すること(9:20を過ぎた提出は受け付けない)。
採点後、レポートの点数を次回講義時までにフィードバックする。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

相互行為儀礼:
人々に共同意識をもたらす役割を担っているという点で、宗教儀礼が前近代において必須であるのと同様、相互行為儀礼は近代社会に生きる私たちにとって必須のマナーとなっている。しかしながら、常に本心から相手を尊重できるとは限らず、したがって本心から相互行為儀礼をおこなえるとは限らない。そのようなときに私たちが日常的に経験する「リアリティの分離」を、E.ゴフマンの概念「舞台」「楽屋」を使って説明する。

●使用するケース
「かげぐちへの疑念」、オリジナルケース

第2日(Day2)

脱呪術化:
近代においては当たり前とされている、人の評価基準である「能力・業績主義」を、もうひとつの評価基準「属性主義」と対比しながら解説する。近代化のプロセスを「属性主義」から「能力・業績主義」へのシフトとして理解するならば、それは、「神の容器」から「神の道具」への視点シフトによる、伝統的、宗教的世界観からの脱却、すなわち「脱呪術化」のプロセスである。

●使用するケース
「九州大学の「女性枠」入試」、オリジナルケース

第3日(Day3)

文化資本:
私たちは人を、その人の「慣習行動」(作法やマナー、正統とされる趣味、性向)などから評価することがある。そうした慣習行動は、「生まれ」「育ち」(家庭教育)によって自然に身についた「文化資本」であり、あとになって努力で獲得することが極めて難しい。その意味で、近代社会では否定されているはずの「属性主義」(生まれによる評価)が、いわば「文化資本」という形で残っていることを理解する。

●使用するケース
「マナーをめぐる不安」、オリジナルケース

第4日(Day4)

感情管理:
第一次産業の従事者が減少し、第三次産業の従事者が増大しているという、産業構造の変化のなかで、私たちにますます求められている「労働」は、「肉体労働」「頭脳労働」のみならず「感情労働」、すなわち、自分の感情を管理しホスピタリティをもって対応することである。そして、そうした感情管理が、労働の場面に限定されず、日常の様々な場面で求められていることを理解する。

●使用するケース
「マネージャーからの要求」、オリジナルケース

第5日(Day5)

消費社会1:
私たちが商品を購入するのは、モノの機能・効用(使用価値)を求めるためというよりもむしろ、自己表現のための記号(記号価値)を求めるためである。自己表現がそれを解釈する他者を想定している以上、モノを自己表現のための記号として操作すること(記号価値の消費)は、他者とのコミュニケーションのひとつのあり方であり、現代の人間関係の構築、維持に大きな影響を与えていることを理解する。

●使用するケース
「ファッションの煩わしさ」、オリジナルケース

第6日(Day6)

消費社会2:
記号価値の消費には、消費者に対して、ある「疑似現実(幻影)」を見せながら、同時に、ある「現実」を隠すという両義的な働きがある。ある「現実」を隠蔽しながら「疑似現実(幻影)」を追いかけ続けるという悪循環に陥る消費者が、恒常的な心理的な不安を常に抱えることになるというメカニズムを中心として、消費社会に生きる私たちの病理を理解する。

●使用するケース
「購入される「健康」」、オリジナルケース

第7日(Day7)

関係の自覚と創造:
よかれと思って相手に働きかければ働きかけるほど、相手がますますこちらの望むように動いてくれない。しばしば経験されるこうした悪循環の原因として、こちら側の意図と、こちら側の行為の意図せざる結果との矛盾がもたらす「ダブルバインド的状況」が挙げられる。こうした「ダブルバインド的状況」が、私たちが他者との関係を取り結ぶ際に、いかにして発生するか。そのメカニズムを理解する。

●使用するケース
「恋人の不可解な言動」、オリジナルケース

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 5 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 65 %
予習レポート Preparation Report 35 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

「講義内での挙手発言」については、発言回数だけでなく、議論の流れにおける発言内容も評価の対象になる。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • クロニクル社会学―人と理論の魅力を語る 「那須壽」有斐閣アルマ(1997)978-464112041

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

若林幹夫『社会学入門一歩前』エヌティティ出版、2007、978-4757141636

見田宗介『社会学入門―人間と社会の未来』岩波新書、2006、978-4004310099

奥村隆『反コミュニケーション』 (現代社会学ライブラリー 11) 弘文堂、2013、978-4335501357

矢部謙太郎『消費社会と現代人の生活―分析ツールとしてのボードリヤール』 (早稲田社会学ブックレット— 現代社会学のトピックス 5) 学文社、2008、978-4762018176

中土井僚『人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門』、2014、PHP研究所、978-4569814612

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

学ぶ意欲が湧くよう工夫したい

担当教員のプロフィール About the Instructor 

学位:修士(早稲田大学)
研究分野:社会学

Degrer:Master (Waseda University)
Field of Study:Soiciology(consumer society theory, communication)

(実務経験 Work experience)

2003 〜 2006 武蔵大学非常勤講師
2004 〜 2006 早稲田大学教育学部助手

2003 〜 2006 Part-time lecturer at Musashi University
2004 〜 2006 Assistant at Waseda University Faculty of Education

Refereed Articles

  • (2015) A Study on “Relation Conditioning Work” : How It Visualizes the Vicious Cycle of Human Relations. The Annuals of Sociology (56): 0288-7126






ページ上部へ戻る