シラバス Syllabus

授業名 ベンチャービジネス
Course Title Building New Ventures
担当教員 Instructor Name 内古閑 宏(Hiroshi Uchikoga)
コード Couse Code NUC514_N23B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 専門教育科目 / Specialized Subject
学位 Degree BBA
開講情報 Terms / Location 2023 UG Fushimi Term3

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は、NUCBのミッションステートメントと合致するコンセプトの下で展開される科目です。フロンティアスピリットを有する未来のリーダーたちが世界環境の中でどのようにしてイノベーティブに考え、行動し、問題解決しながらベンチャービジネスを構築することができるのか、について洞察していきます。
This course perfectly aligns with NUCB's Mission Statement as it guides to nurturing leaders with Frontier spirits who can bridge cultural differences. It will provide students insights to confront situations where they require innovating thinking, innovating actions and innovative problem solving within an international context.

授業の目的(意義) / Importance of this course

「ベンチャービジネス」のクラスでは、以下の設問について活発に議論をしていきます。

・ベンチャービジネスのアイディアはどのようにして探すのか?
・ベンチャービジネスはどのように成長させていけるのか?
・ベンチャービジネスはどのように市場に浸透させていけるのか?
・ベンチャービジネスのビジネスモデルは?資金の調達は?
Building New Ventures introduces you to the entrepreneurial journey from finding an idea, to gaining traction in the marketplace, to raising capital for your venture. The course encompasses case method discussions which provide insights for the following agenda;
- finding an idea
- gaining traction in the market place and growing your business
- business models and raising capital

到達目標 / Achievement Goal

ケースディスカッションを通じてベンチャービジネスを立ち上げる際の心構え、思考、アクションプランについての議論をしていきます。

The course covers wide array of cases from start up companies to international corporations, focusing on the mindsets, thoughts and action plans of the people/entities involved.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

ケースディスカッションによってベンチャービジネスに関する「知」の共同構築作業が行いつつ、アイディア出しからビジネス構築の過程を、行動として起こす際に必要な「気づき」を得ていくことになります。

Through the journey of various discussions, the class will co-create knowledge on building new ventures from the seed stage to a growth of views while searching into mindfulness and personal aspects which form the basis for new ventures.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 100 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

(学習方法)
 本コースの講義は全てケース・ディスカッション形式で行われます。受講者はシラバスに記載した質問事項に関して議論をする準備をして来てください。クラス討議中に準備してきた内容について発言並びにプレゼンテーションするよう講師から促されます。講義の進め方・準備に関してはケースブックが配布されるタイミングで、詳細の指示を致します。

(各セッションの予習レポート)
計7回のセッションに関して事前に提示された課題に関し、分析・考察した予習レポートを毎回提出して下さい(A4用紙・1枚)。課題は開講前に詳細に告知します。提出締め切りは各Sessionの開始直前まで、とします。採点は次回のセッションまでに行います。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

第1日 (2023/9/14)
(主題)成熟業界とベンチャービジネス
(Day1 概要)
1980年には、テキサスのオースティンに1店舗しかなかった店が、2004年には144店舗になっていた。『フォーチュン』誌では、アメリカで最も働きがいのある企業ランキングに、7年連続選ばれた。最終的な収益に基づくインセンティブ。モラールの調査。給与の最高額は平均給与の8倍を超えてはならないというルール。成熟業界において傑出した業績を生み出すためのイノベーション。そのユニークなポジショニングにより、2017年に約1兆4千億円でアマゾンに買収されるまでに企業価値を昇華させたその秘訣を探っていきます。

●使用するケース
ホールフーズマーケット (HBS)
英文ケース:Amazon Acquires Whole Foods (B) (HBS)

第2日(Day2)

第2日 (2023/9/21)
(主題)ベンチャービジネスとディスラプター
(Day 2 概要)
ネットフリックス・インク(ネットフリックス)はビデオコンテンツのデジタル配信への移行を成功させる前に、それまで映画レンタルのマーケット・リーダーであったブロックバスターを追い越した。しかし、ネットフリックスはその成功にもかかわらず、2017年には定評のある主流のコンテンツ制作会社やデジタルの新興企業など多くの競合企業によって、ネットフリックスが以前の優位性を再現することを難しくしていた。批評家たちは、ネットフリックスの加入者獲得数の鈍化と債務水準の上昇を指摘していた。ネットフリックスの最高経営責任者は様々なデジタル競合他社からの破壊工作に直面していた。彼はどう答えるべきか?ネットフリックスは、引き続きコンテンツ制作会社として、ハリウッドの業界リーダーたちと競争すべきか?全員のインセンティブを整合性のとれたものにするため、他のメディア会社と提携をすべきか?

●使用するケース
ネットフリックス:ディスラプターが破壊の危機  (IVEY)

<教科書:イノベーションの最終解>

第3日(Day3)

第3日 (2023/9/18)
(主題)Founders of an Innovation
(Day 3 概要)
Steve Jobs and Steve Wozniak are best friends who enjoy pulling pranks together and talking about electronics. After several small collaborations, Jobs pitches Wozniak on starting a company together to sell computers based on Wozniak's design for a personal computer. Wozniak faces decisions about whether to quit the job he loves at Hewlett-Packard to join Apple Computer, how to define his role within Apple, whether to take on Jobs as his co-founder, whether to accept a third co-founder proposed by Jobs, and how to split equity with his co-founders. Early on, they add an outside investor who changes the company's trajectory and who brings in a new chief executive. Later, tensions rise between the two founders as their strategic visions diverge and as the company grows. Wozniak has now learned some disturbing news about his co-founder and has to decide whether that news will affect his continuing collaboration with Jobs.

●使用するケース
英文ケース:Apple's Core (Graphic Novel Version)

第4日(Day4)

第4日 (2023/10/5)
(主題)ベンチャービジネスの基(もと)はどこにあるのか?
(Day4 概要)
本ケースは、スティーブ・ジョブスとプロバスケットボールチームのコーチであるフィル・ジャクソンが、どのような信念を基盤として活動していたかについて記述されている。イノベーションの基を訪ねるべく、本ケースを題材に議論をしていきます。総括として、ベンチャービジネスのピッチ・セッションを設けます。

●使用するケース
ZEN Abridged(要訳) (NUCB)

第5日(Day5)

第5日 (2023/10/12)
(主題)日本企業と海外企業の提携によるベンチャービジネス
(Day 6 概要)
Woven Coreは、トヨタ自動車が設立した子会社で、主に自動運転・運転支援ソフトウェアを開発している。2018年の設立以降、「シリコンバレーのイノベーションと、日本のクラフトマンシップの融合」を掲げ、海外のタレント人材採用やM&Aを含む、一千億円規模の積極的な投資をしてきた。しかし、2022年に入り原材料高やインフレで景気の先行きが不透明になり、自動運転業界にも強烈な逆風が吹き始めている。本ケースは、Woven Coreで自動運転技術を統括する技術経営トップの目線に立ち、トヨタのような日本企業がシリコンバレー流を取り入れる際の苦悩を描きながら、顧客目線に立った長期的な技術投資戦略のあるべき姿について議論をしていきます。

●使用するケース
TOYOTA meets Silicon Valley (NUCB)

第6日(Day6)

第6日 (2023/10/19)
(主題)国家の「ゼロ・トゥ・ワン」
(Day 6 概要)
第二次世界大戦終戦直後、日本は米国GHQの占領下に置かれた。終戦直後の晩秋、外務大臣に就任して間もない吉田茂は24歳年下の白洲にGHQとの交渉役を委ねた。そして終戦から6年後、サンフラシスコ講和条約を締結。焼け野原から経済大国の道へと日本は「ゼロ・トゥ・ワン」を成し遂げた。激動の戦後を吉田の右腕として生きた白洲次郎という人物を通して、「国家の立ち上げ」というベンチャー・プロジェクトについて議論していきたいと思います。

●使用するケース
白洲次郎 プリンシプルのない日本 (NUCB)

第7日(Day7)

第7日 (2023/10/26)
(主題)ベンチャービジネスをプレゼンする
(Day7 概要)
本科目の総括として、ベンチャー・ビジネスに関するピッチ・セッションを行います。

●使用するケース
詳細はケースブックを参照してください

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 50 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 50 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

・各ケースの予習レポートに相応な時間をかけることをお薦めします。
・DAY 7(最終日)におけるプレゼンは、クラス貢献度の評価に含まれます。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • ピーター・ティール「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか 」NHK出版(2014)978-4140816585
  • クレイトン・クリステンセン「イノベーションの最終解」翔泳社(2010)978-4798132310

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

・リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー「NO RULES RULES - 世界一自由な会社NETFLIX」日経BP
・鈴木敏夫「禅とジブリ」淡交社

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

昨年度の講義では以下のようなフィードバックを頂きました。活気のあるディスカッションからより多くの気づきが得られるように講義運営していきたいと思います。
(昨年度授業評価点 4.83)

・全員に等しく発言のチャンスが与えられている点
・色んな人に当ててて楽しかったです
・ピッチセッションで自分が伝えたいことを端的に伝えられるようになった
・ほんとに先生がわかりやすく、空気作りがよかったおかげで発言がしやすい環境で授業を受けることができた。これからも頑張ってほしいです。
・それぞれの想像力やロジカルシンキングに任せて、学生自身が授業をつくっていた。ハーバード本家に合わせたやり方が素晴らしく、大きな学びを得た
・コールドコールなどを含めて全員に発言機会があるような授業づくりがされており、アクティブラーニングに則った授業ができていた。
・先生の全力さが感じ取れた
・毎回プレゼンテーションがあることで、力になっている実感があること。
・いつも楽しい授業でためになる授業だった
・レポートにも比重をおいてくれているのでとても嬉しかったです
・先生の積極的な姿勢によってクラス討議がとても盛り上がる
・全員参加の素晴らしい講義でした
・全員授業に巻き込むことでよりよい授業となったこと
・多くのMBA卒業生が講義に来てくれた点
・熱意とやる気、気づき授業の雰囲気
・コールドコールなどで全員に発言の機会があり、考え方の多様性を学べた点
・7週間先生が熱意を持って授業をしてくださったため、楽しく受けられました。楽しいだけではなく、勉強になることばかりでした

担当教員のプロフィール About the Instructor 

1998年慶應義塾大学理工学部修士課程修了。(株)東芝入社、世界初のノートパソコンを設計したハードウェア設計部に所属。1994年ハーバード・ビジネス・スクール経営大学院修士課程修了(MBA)後、東芝本社パソコン商品企画部にて新型ノートパソコンの企画、インターネット・サービスの立ち上げ、ネット接続型次世代DVD規格の策定に従事。1997年ソフトバンク(株)入社、企業投資室にてスカパーの立ち上げ、インターネット企業投資を実施。ソフトバンクと米国ジオシティーズの合弁会社、ジオシティーズ・ジャパン(株)の設立、事業立上げを指揮。2000年ヴィジョネア(株)を創業、DVDとインターネットの連動技術で事業構築、特許権利化後にライセンスビジネスにピボットし現在に至る。2012年米国シリコンバレーに移り住みYouTuber向けアプリ開発のVeamInc.設立・創業、現在に至る。帰国後アフリカにおける世銀のプロジェクト、ブロックチェーンのビジネス・プロデュースに関与。

Education
Masters Degree in Business Administration, Harvard Business School
Master of Engineering in Mechanical Engineering, Keio University
Bachelor of Engineering in Mechanical Engineering, Keio University

After joining Toshiba's Computer Division in 1988 where he was involved in designing the world's first notebook PC, Hiroshi Uchikoga went to Harvard Business School MBA program. After graduation, he returned to Toshiba Headquarters Product Planning division in 1994, where he engaged in; planning advanced notebook PCs, launching Toshiba's first internet service, and standardizing a new generation video disc format.
When he met Mr. Son of Softbank, Hiroshi decided to work as a manager in the investment division, then led the joint venture between GeoCities (US) and Softbank. In 2000, Hiroshi founded Visionare Corporation, a software development company in Japan which eventually pivoted to a license company after acquiring eight patents, and he moved to Sunnyvale, California in 2012 to start up Veam Inc. - both of which are currently working on a path to successful exits. Returning to Japan in 2017, he acted as Business Producer at World Bank's project in Africa and blockchain related businesses.







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