シラバス Syllabus

授業名 地方財政論
Course Title Local Government Finance
担当教員 Instructor Name 中村 宙正(Hiromasa Nakamura)
コード Couse Code NUC290_N21B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format Live Virtual
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 専門教育科目400系 / Specialized Subject 400
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2021 UG Nisshin Fall Intensive

授業の概要 Course Overview

世界的な視野で、ビジネス界に貢献できる指導者、起業家となるために、わが国における地方財政の現状を把握し、私たちの暮らしに身近な側面に関わる社会科学の領域を体系的に捉えることは重要である。ビジネスでの判断力を育成することにつながり、グローバル化における課題を満たし、競争力を維持する人材として踏み出すうえで必要条件である。講義の意義は、資源配分メカニズムにおける地方政府の役割を明らかにすることである。背景には、政府間財政関係における諸対応が、一般住民の良識とかけ離れてきている場面に遭遇する現状がある。内容は、おもに税制の在り方をはじめ、地方分権に関わる財源の移譲を念頭に置き、地方財政の在り方をどのように検討できるか、についてである。重要性は、一人ひとりが少しずつ負担する(寄与する)ことで、地方と国との財政的な関係性を望ましい方向性に変更できることである。本講義は、NUCBフロンティア力の中でもとりわけ「基盤力」および「実践的思考力」の育成を念頭に進められる。
社会科学として地方財政論の入門的な基礎事項を学ぶ。我が国では地方財政の制度的変化が激しく、住民自らの意思と責任で自己統治を行う必要性と、国が地方の自治を促しつつ統治する形式とが拮抗している。歴史的にも三割自治と呼ばれてきたように、不交付団体を除く多くの地方財政は、税源を国から移譲されなければならない現状にある。二重行政の解消、防疫体制、安全保障環境の整備、貿易と金融に立脚する都市、資源・エネルギー政策、食糧自給など、国との財政関係を踏まえ山積する課題について、本講義において検討する。その背景には、国と外国政府との財政関係による影響もある。国際的な協調関係のなかで国が決定する方針には、自治体の財政といえども準拠しなければならなくなる。住民の意思には、地球環境の在り方など国際協調に合意できることと、力の行使に関する分野など合意できないこともあるだろう。
我が国において、地方財政計画は内閣により毎年度作成され、国会に提出され公表されることの意義を理解する。地方分権の必要性を説明できるようになる。ティブー(C.M.Tiebout)の「足による投票」が実際に現象として生じていることを把握する。愛知県の不交付団体は17市町村(令和2年度)と、全国の都道府県のなかで最も多いことを誇れるようになる。

To be a business leader or an entrepreneur who has international point of view, it seems that we need to recognize current status of local government finance. It is important for us to have good judgement in our living system as social science. A meaning of this class is clearing a role of local government in resource distribution mechanism. A background of this class is difficulty in reaching consensus on intergovernmental financial relations. In this class, we learn Japanese tax system and how local finance should be about securing financial resources for decentralization. It is important that appropriate financial relation between region and country is achieved by each and every burden. This course especially targets to nurture 'Foundation' and 'Practical Thinking' of NUCB Frontier spirit.
This course deals with the basic concepts and principles of local government finance in social science. It is necessary that resident’s will and responsibility are to realize the act of self-governing, however central government is often dominant over Local Financial Plan, so institutional changes are drastic in Japan. Historically, it was called Sanwari-jichi which means that local government had just about 33% independent financial resources. Central government is transferring tax revenue sources to a lot of local public bodies except some non-granting groups. In the lecture, we discuss many embarrassing problems of intergovernmental financial relations; for example, elimination of dual administration, epidemic prevention system, improvement of security environment, international trade and financial cities, resource and energy policy, food self-sufficiency, and so on. There is also a financial relation between home country and foreign countries in the background. Municipality finances comply with the policy of central government on international cooperation. The residents are hoping to have consideration for the global environment, whereas some people are loath to admit exercise of force.
At the end of this course, participants are expected to understand the meanings of Local Financial Plan which is created by Cabinet every year, and to be announced from Diet in Japan.
Participants are required to explain necessity of decentralization because many people are moving to new cities as voting by feet. Aichi citizens take pride in their financial power. There are 17 non-granting groups (year 2020) in Aichi prefecture. It is the best in Japan.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

地方財政計画、地方税、地方交付税、国庫支出金、地方譲与税、地方債、財政力指数、基準財政収入額、基準財政需要額、足による投票、政府間財政関係

Local Financial Plan, local tax, local allocation tax, national treasury disbursements, local gift tax, local bonds, financial strength index, standard financial income, standard financial demand, voting by foot, intergovernmental financial relations

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 50 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 45 %
フィールドメソッド Field Method 5 %
合計 Total 100 %

学習方法、レポート、課題に対するフィードバック方法 Course Approach, Report, Feedback methods

・準備学習(予習復習等)・・・ 講義スケジュール① 足による投票、政府間財政関係、財政力指数、について事前に調べておく(45分)、使用するケース① 教科書の第3章を事前に精読する(45分)、 講義スケジュール② 教科書第4章から第8章を事前に精読する(60分)、使用するケース② 地方税の体系(教科書p.48)、「地方交付税 法定率の推移」(財務省公表資料)、普通交付税の概要(教科書p.98)、国庫支出金の状況(教科書p.146)、および関連する事項や資料等を事前に確認しておく(60分)、 講義スケジュール③ 地方交付税法第7条、総務省「令和3年度地方財政計画」を事前に確認し、教科書第9章を事前に精読する(45分)、使用するケース③ 教科書p.166にある 図9-2 地方債計画と地方財政計画との関係、について十分に理解を深める(45分)、講義スケジュール④ 公会計と企業会計の違いについて事前に調べ、教科書第11章・第12章を精読する(60分)、 使用するケース④ 愛知県岩倉市「地方公会計の財務書類(解説)―整備スケジュールと財務書類の見方―」を教材として、公会計について十分に理解を深める(60分)、 講義スケジュール⑤ 海外の地方財政の動向に関心をもち情報を確認する(40分)、使用するケース⑤ アメリカ、フランス、中国における地方財政のケースについて、シンクタンクによる調査報告書などを多読する(60分)、講義スケジュール⑥ 総務省が刊行している令和3年版地方財政白書についてPDFファイルをダウンロードし事前に閲覧する(40分)、使用するケース⑥ 講義のなかで解説した内容をふまえ、要点である文書を精読し、基本である図表について習得する(40分)、 講義スケジュール⑦ 教科書の終章を精読する(30分)、使用するケース⑦ 地方財政が創り出す希望について、講義の内容全体を通して、自分の表現で構想できるようにする(60分(および今後将来に向けて))。
・課題(試験・レポート等)に対するフィードバック方法 ・・・ 試験の出題内容は可能な限り事前に通知し、試験準備が各学生の学習機会につながるようにする。したがって試験のフィードバックを必要としないよう、事前に対応しておく。それでも必要が生ずる場合には、郵便、電子メールなどで対応する。レポートは講義内でコメントを付して返却する。個別に質問を受ける場合には、必ず対応する。
・中央情報センター(図書館)の活用について ・・・ 参考文献および国内外の学術論文の閲覧にご活用ください。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

地方財政とはなにか
- 政府間財政関係を検討する社会科学について

財政力指数の算出方法、および統計数値の分析について
地域住民の意思と中央政府の方針、および外国政府との関係性について
人間社会と人間社会を地方政府を中心として結ぶ公的貨幣現象について

●使用するケース
日本の地方財政の現状と課題、
提供機関:総務省(「令和3年度の地方財政の課題」令和2年9月30日、などを活用)
地方財政審議会(「令和3年度地方税制改正等に関する地方財政審議会意見」令和2年11月17日、などを活用)
愛知県総務局総務部市町村課 (「2020年度普通交付税(市町村分)決定額及び財政力指数」などを活用)

第2日(Day2)

地方税、地方交付税、国庫支出金
- 一般補助金、特定補助金、包括補助金、などの概念を確認する

地方税の課税形態と政府間財政関係
自主財源と依存財源、一般財源と特定財源
地方交付税に関する法定率について

●使用するケース
地方交付税の法定率、
提供機関: 財務省(「地方交付税 法定率の推移」(2019年11月6日)などを活用)

第3日(Day3)

地方財政計画と地方債計画
- 地方債、地方財政計画、総務省の役割、について学ぶ

依存財源である地方債について、またその起債について
2000(平成12)年に施行された地方分権一括法について
総務省、財務省、内閣、国会の関わり合いについて

●使用するケース
地方交付税法第7条の規定に基づくことについて、
提供機関: 総務省 (令和3年度地方財政計画の概要、などを活用)

第4日(Day4)

地方公会計、地方財政制度
- 官庁会計、地方公営企業、企業会計方式の導入、について学ぶ

地方自治体の財務と予算
自治事務・法定受託事務と義務付けの関係
国と地方の財政負担の区分

●使用するケース
地方公会計と企業会計の違い、
提供機関: 愛知県岩倉市(「地方公会計の財務書類(解説)―整備スケジュールと財務書類の見方―」などを活用)

第5日(Day5)

海外の地方財政
- アメリカ、フランス、中国における地方政府の財政動向

アメリカにおけるデトロイト市の財政破綻(2013年7月18日)
フランスにおけるコミューン、デパルトマン、レジオンの3層構造
中国における地方融資平台の動向

●使用するケース
アメリカ、フランス、中国における地方財政のケース、
提供機関: 野村資本市場研究所(江夏あかね「デトロイト市の連邦破産法第9章適用申請と地方債市場への影響」資本市場クォータリー 2013 Autumn、林宏美「フランスの地方自治体ファイナンスの実情―1980年代以降進展した地方分権改革―」資本市場クォータリー 2008 Summer、関根栄一「中国の地方債務をどのように捉えるべきなのか」季刊中国資本市場研究 2013 Autumn、などを活用)

第6日(Day6)

地方財政白書
- 令和元年度の地方財政の状況、令和3年度の地方財政、などについて

令和元年度の歳入と歳出(目的別歳出、性質別歳出)
一部事務組合等、地方公営企業等の状況
最近の地方財政をめぐる諸課題への対応

●使用するケース
統計で確認する地方財政について、
提供機関: 総務省(令和3年版地方財政白書、などを活用)

第7日(Day7)

地方財政論を未来の構想にどう活かすか
- 共同体的人間関係の充実をめざして

学問としての地方財政 ― 自己の「生」、歴史的責任、自然と人間社会
日本国の研究(猪瀬直樹元東京都知事の考察などから学ぶ)
庶民を大切にする改革(歴史、いま、これから)

●使用するケース
地方財政が未来を構想するケース、
提供機関: 日本地方財政学会、猪瀬直樹元東京都知事(著書を活用)、減税日本(著書を活用)

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
予習レポート Preparation Report 0 %
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 15 %
ケース試験 Case Exam 25 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 10 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
小テスト Quizzes / Tests 20 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 30 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

ケースメソッドではディスカッションを行います。内容を深く理解している方ほど、多く発言できましょう。アクティブ・ラーニング(発言、ケース試験、相互評価)は 評価の5割をしめます。そのほか小テスト、期末試験の答案が評価の5割をしめます。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 神野直彦、小西砂千夫「日本の地方財政 第2版」有斐閣(2020)978-4-641-16575-5

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

[1] 林宜嗣『地方財政 新版』有斐閣ブックス、2008年、ISBN978-4-641-18364-3
[2] 中井英雄・齋藤愼・堀場勇夫・戸谷裕之『新しい地方財政論 新版』有斐閣、2020年、ISBN978-4-641-22156-7
[3] 沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ』有斐閣ブックス、2017年、ISBN978-4-641-18435-0
[4] 水谷守男・宮野俊明・菊地裕幸・菊池裕子『地方財政を学ぶ』勁草書房、2017年、ISBN978-4-326-50437-4
[5] 兼子良夫『地方財政』八千代出版、2012年、ISBN978-4-842-91573-9

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

本学での地方財政論の担当は初年度となります。私たちの暮らしに身近な予算制度を対象とする社会科学です。深い関心を抱いて頂けるよう努めます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

財政学、公共経済学(地方財政論を政府間財政関係の領域に含む)は、現在の状況や課題と向き合う経済理論ですが、そこから導き出される結論は、常識や現状の利害関係と対照的な場合が多くあります。経済学の基礎理論から、どのような意図を読み解くことができるか、適切に判断できる必要がありましょう。

学位と取得大学
修士(経済学)(北海道大学)
博士(経済学)(北海道大学)

研究分野
進化財政学、公債市場補完制度

Please study the theory of public economics and finance even though your major is not belonging to a field of economic theory. We need to know an implication of Economics because our work and life are invaluable.

Degree and Acquired Institution
M.A. (Economics) Hokkaido University
Ph.D. (Economics) Hokkaido University

Field of study
Evolutionary Public Finance, Economics for the complement system of public bond market

(実務経験 Work experience)

北海道大学大学院経済学研究科専門研究員として、2010年4月、財政学を専攻する配属となり、経済政策講座および社会経済・歴史分析講座での研究に従事する。その後、2016年度より、名古屋商科大学経済学部において、財政学、公共経済学を担当する非常勤講師として公募で採用される。公共経済に必要な財源を確保する方法について租税、印紙収入、事業収入、公債など既存の方法では十分にまかなえない現状を鑑み、公債市場補完制度(裁量的な新規株式公開市場である指定アドバイザー制度、および地域通貨の分散型発行方式を指定アドバイザー制度の市場参加者のあいだで流通させる市場関係者地域通貨を組み合わせて、新たな財源を確保する方法)の整備に向けた基礎研究を遂行している。なお、2021年度から地方財政論を担当するが、公共経済学における政府間財政関係の領域である。

主な職歴
2010年度~2014年度 北海道大学大学院経済学研究科専門研究員
2016年度~2021年度 名古屋商科大学経済学部非常勤講師

Work experience (both teaching and non-teaching)
2000.10~2005.3 Teaching Assistant in Financial Economics, Hokkaido University
2005. 4 ~2006.3 Lecturer in Economics, Sapporo International University
2006. 5 ~2007.5 Lecturer in Law, Business, Book-keeping, and Essay, SANNO College (Sapporo)
2007. 4 ~2008.3 Research Assistant in Financial Economics, Hokkaido University
2008. 5 ~2009.5 Public Servant in Consumers Cooperative Co-op Sapporo
2009.10~2012.9 Lecturer in Human Resource and Small and Medium Enterprises, Tomakomai Komazawa University
2010. 4 ~2015.3 Research Specialist in the Graduate School of Economics and Business Administration, Hokkaido University
2010. 9 ~2013.3 Lecturer in Financial Economics, Rakuno Gakuen University
2011. 4 ~2011.9 Lecturer in Small and Medium Enterprises, Sapporo Gakuin University
2012. 4 ~2013.3 Public Researcher in Organization for Small & Medium Enterprises and Regional Innovation, JAPAN
2013. 4 ~2022.3 Lecturer in Economics and others, Tokyo Seitoku University
2013.10~2022.3 Lecturer in Public Finance and others, Shobi University
2017. 4 ~2020.3 Lecturer in Human Resource, Accounting, Money Business, and Venture Business, Saitama Women's Junior College
2015. 5 ~2016.3 Lecturer in Production Factor and Industrial Management Engineering, Nagaoka University of Technology
2017. 4 ~2018.3 Same as above
2019. 4 ~2020.3 Same as above
2021. 4 ~2022.3 Same as above
2016.12~2022.3 Lecturer in Public Finance and Economics, Nagoya University of Commerce & Business






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