シラバス Syllabus

授業名 発展途上国の環境問題
Course Title Environmental Problems in Developing Countries
担当教員 Instructor Name 箕浦 宏明(Hiroaki Minoura)
コード Couse Code NUC267_N23B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 教養教育科目100系 / Liberal Arts 100
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2023 UG Nisshin Term4

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は教養教育科目の自然を理解する分野に属する。育成するNUCBフロンティア力は実践的思考力、主体的行動力、 発展的コミュニケーション力である。対応する学習目標はLG-I( データに基づいた論理的思考力)、 LG-II( 国際的な現状 把握能力の養成)、 LG-III( グラフやデータ処理技術を活用し、情報を包括的に把握する能力の養成) 、LGIV( グローバル な視点を備えた思考力、実践力の養成)。
This course belongs to the field of understanding nature in the Liberal Arts Education Course. The NUCB frontier skills to be developed are practical thinking skills, independent action skills, and developmental communication skills. The corresponding learning objectives are LG-I (cultivation of logical thinking based on data), LG-II (cultivation of ability to understand the current international situation), LG-III (cultivation of ability to comprehensively understand information by utilizing graphs and data processing technology), and LGIV (cultivation of thinking and practical skills with a global perspective).

授業の目的(意義) / Importance of this course

発展途上国は、日本を始め欧米が経済発展したスピードの数倍の速さで変化している。先進国の知見や技術を生かした環 境対策を目指すものの、インフラ環境が整っていないばかりか、環境意識と言った心の準備が追いついていない。ここで は、東アジアを対象として、現在、どのような状態にあるかを紹介し、どのよな国際的支援ができるかを考える。
Developing countries are changing several times faster than Japan and other Western countries have developed economically. Although they aim to take environmental measures based on the knowledge and technology of developed countries, they lack the infrastructure and the mental preparedness, such as environmental awareness, to do so. This section introduces the current situation in East Asia and considers what kind of international support can be provided.

到達目標 / Achievement Goal

発展途上国は、都市への人口集中が発展と同時に様々な問題を引き起こしている。社会格差からでる貧困、食糧需給、水 資源等が目に見えた問題であるが、経済優先のための環境意識の低下(あるいは教育不足)等による自然環境の破壊、大気 や水質汚濁、無秩序な資源開発が将来に課された課題となっている点の認識を深める。

In developing countries, the concentration of population in urban areas is causing various problems at the same time as development. Poverty, food supply and demand, water resources, and other problems caused by social disparities are visible, but the destruction of the natural environment, air and water pollution, and unregulated resource development due to a decline in environmental awareness (or lack of education) caused by economic priorities are also issues that will be imposed on the future.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

地球環境、大気環境、気象学、大気化学等の一般知識。データ処理やグラフ等を利用した包括的認知能力。国際社会に向
けた環境行動の認知。

General knowledge of global environment, atmospheric environment, meteorology, atmospheric chemistry, etc. Comprehensive cognitive ability using data processing and graphs. Awareness of environmental behavior towards the international community.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 80 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 20 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

Day4に、中間レポートを課し、講義で紹介した環境問題について、自ら調査し深堀りをした後、自分の意見を添えて レポート提出をしてもらう。 Day7に、講義の振り返りとしての発展途上国における大気環境の課題をまとめ、環境改善に向けた将来取り組むべき 行動について、グループごとに発表してもらう。グループ分けとテーマは、Day6に伝える。テーマの変更はグループ の自主性に任せる。講義中の質問は重要であることを示し、予習時に準備させる。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

第1章 東アジア諸国の大気環境の概要
開発途上国の環境問題について、日本の視点からどのように捉えているか把握し、その上で持続的開発や自然資本の考え 方を学ぶとともに、循環型社会の構築のための課題を整理する。

●使用するケース
第2章 東アジア諸国の大気環境の概要2
政府開発援助の支援による環境改善の方法の一つとなるEANETの活動について紹介する。東アジア13カ国の環境大臣 は、酸性雨を中心として大気環境に関わる実態の把握と相互協力を 目指し、環境モニタリングネットワーク(EANET)を 2000年に創設した。EANETの設立の経緯やその必要性、活動を通じ、東アジアの大気環境をオーバービューする。

第2日(Day2)

第3章 中国の大気環境の課題
中国は、20年前までは発展途上国として日本からODA援助を行ってきたが、この間に驚くほどの経済発展を成し遂げ た。石炭燃焼で生成されるSO2の排出量は2006年に最大となるが その後大気環境改善のため低減する政策をとるな ど、その間大気環境は激変し日本でもその影響が見られた。中国のこれまでの変化と現在の課題について、大気環境法 の整備や重点地区 での大気環境改善について紹介する。

●使用するケース
第4章 中国の大気環境の課題2
中国は、東西南北に広大な国土を有し気候が異なる環境で、地域ごとに異なる様々な大気汚染の課題を有している。ここ では、日中の環境省が開始した日中都市間連携協力事業で対象と した4都市が抱える課題と対策について紹介する。

第3日(Day3)

第5章 モンゴルの大気環境の課題
モンゴルの人口の半数以上がウランバートルに集結している。ウランバートルは、盆地状地形に広がる都市であるが、 暖房に使用する石炭煙が環境を悪化させている。まず大気汚染の現 状について紹介するとともに、エミッション推計 から見られる排気の実態と大気汚染対策、また、アジアの多くの都市では交通渋滞が引き起こす自動車排気の問題が大 きな課題となって いる。ここでは、それら課題について紹介する。

●使用するケース
第6章 タイの大気環境の課題
タイは、日本、中国、韓国に続く環境先進国であるが、工業化にともなう排気ガスや、自動車排ガスとともに、野焼きに よるヘイズが発生し問題となっている。ここでは、タイ政府から 入手した大気汚染データの解析から見られる現状の大 気汚染の実態を紹介するとともに、水質汚濁や有害廃棄物についても紹介する。

第4日(Day4)

第7章 ミヤンマーの大気環境の課題
ミヤンマーは東アジア諸国の中で経済発展が遅れた国である。大気環境基準もまだ制定されておらず、日本から環境省や 外務所を通じ環境援助を行っている。ここでは、ミヤンマーの最 重要課題である水質環境の問題を取り上げるととも に、大気汚染の対策としてJICAの活動で取り組み始めた環境モニタリングについて紹介する。

●使用するケース
第8章 インドの大気環境の課題
インドはアジアで最も劣悪な環境問題に直面している。大気汚染の行政の政策と対策状況、ならびに汚染の状況を紹介す る。また、環境改善に重要な排出管理についても現状を紹介する。

第5日(Day5)

第9章 SDGs
国連の持続的開発目標が設立された背景を紹介するとともに、17の目標それぞれを国連のレポートを基に紹介する。こ こでは日本の取組みや、各国達成状況、SDGsの課題についても紹 介する。

●使用するケース
第10章 世界の資源と消費
発展途上国の環境実態は、先進国との比較で見ると分かりやすい。特に、モノの流れで大きな違いがあるとともに、課題 が見えてくる。ここでは、国連のグローバル・リソース・アウト ルックを基に、SDGsと関連させながら途上国の課題に ついて紹介する。

第6日(Day6)

第11章 バイオ燃料の課題
開発途上国は、農業資源を基に先進国と交易を行い利を得ている。気候変動問題を発端として、農業資源の中でもバイオ 燃料に注目が集まっている。一方で、バイオ燃料は食料資源でも あり、生物多様性を脅かす生態系資源とも深く関わり 合っている。ここでは、国連環境開発計画(UNEP)のレポートを基にバイオ燃料に関連する環境課題について紹介する。

●使用するケース
第12章 気候変動影響
気候変動は地球環境問題の一つであり、先進国も開発途上国も影響を受ける。しかし、開発途上国の方が、国民の衛 生、食料、インフラ、政府対応が遅れているため、脆弱で、より大き な影響となる。ここでは、気候変動影響がより 懸念されるアフリカの影響について、ユニセフ・レポートより課題をケーススタディとして紹介する。 講義の後半に、Day7で実施するグループ討論のためのグループごとのディスカッションタイムを設ける。

第7日(Day7)

第13章将来の大気環境問題解決に向けて
今後、気候変動に伴う環境変化や社会活動変化が予想されるが、発展途上国では変化に対する脆弱性が懸念される。講義 のまとめとして、将来の環境問題に対応すべく取りうる方策を、 地球環境保全のための資金メカニズムの現状と課題を 含め議論する。考えられる将来の解決策をグループ討議する。
使用するケース7

●使用するケース
同上。グループ発表と討議を2限かけて実施する。

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 20 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 20 %
予習レポート Preparation Report 0 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 40 %
期末試験 Final Exam 30 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 10 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

評価の留意事項
講義中間に実施する中間レポート(上記成績評価では、最終レポートに相当)、期末試験、講義最終で実施するグループ討議のプレゼン内容およびプレゼン作成に係る情報収集とまとめ等の各自の貢献度等、が評価の中心となる。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 授業内で指示する「授業内で指示する」授業内で指示する(授業内で)

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

最新環境百科、G. Tyler Miller, Scott E. Spoolman著、丸善出版、2016、ISBN9784621300015 https://www.acap.asia/publications-eanet/
現代アジアと環境問題:多様性とダイナミズム、豊田 知世, 濵田 泰弘, 福原 裕二, 吉村 慎太郎、花伝社、2020 気象学と地球の環境科学、二宮洸三、オーム社、2020
https://www.unic.or.jp/files/ http://www.env.go.jp/policy/sdgs/guides/SDGsguide-siryo_ver2.pdf https://wedocs.unep.org/handle/20.500.11822/8680 https://www.resourcepanel.org/reports/global-resources-outlook

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

授業で使用するパワーポイントプレゼンファイルは、予め共有するので事前確認をすること。 開発途上国、環境問題、気候変動、地球環境、等のキーワードでインターネット検索し予習を行うほか、講義で出てきた 用語もインターネットを利用して理解を深めること。

担当教員のプロフィール About the Instructor 









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