シラバス Syllabus

授業名 中東の社会と文化
Course Title Society and Culture in the Middle East
担当教員 Instructor Name 棚橋 由賀里(Yukari Tanahashi)
コード Couse Code NUC265_N24B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 共通専門教育科目200系 / Specialized Subject 200
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2024 UG Nisshin Term4

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本学のミッションステートメントが目指す人材は、多様性を前提としたグローバル化社会で生き抜く人材である。本科目は、グローバル化社会において避けることにできない文化や価値観の異なる世界を内側から知り、異文化理解を促すことを目的とする。
This course intends to develop the ability to understand cultures and values different from oneself internally and accept diversity in a globalized society. This ability is essential for the global leaders that the NUCB mission envisions.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本講義では、中東地域における政治、文化、社会を学ぶ。中東諸国は、石油や天然ガスなど豊富な資源を理由にビジネス界から注目される一方、独裁的な政治指導者の台頭、それに対する抗議デモ、内戦の発生など不安定な情勢でも知られている。受講生は、中東諸国でこれまでどのような政治対立が生じてきたのか、それはなぜか、地域特有の政治、社会、文化的背景から理解することを目的とする。
In this course, students will study politics, culture, and society in the Middle East. While Middle Eastern countries are attracting attention from the business sectors for their abundant natural resources such as oil and natural gas, they are also known for their unstable situations, including the rise of autocratic political leaders, protests against them, and civil wars. In this course, students will understand the political conflicts that have emerged in Middle Eastern countries and consider the reasons, in the context of the regional-specific political, social, and cultural backgrounds.

到達目標 / Achievement Goal

受講生は、中東地域で過去に生じた政治的対立を少なくとも三つ取り上げ、それらの原因について、地域特有の要因に言及しながら説明できる。

Students will be able to identify at least three political conflicts that have occurred in the Middle East region in the past and explain their causes using region-specific factors and basic political science keywords.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

・中東の歴史、宗教、文化、社会について基本的な知識が身につく
・自分とは異なった文化に興味を持ち、受け入れることができる
・自分の文化や価値観を相対的に捉えることができる

・Students acquire basic knowledge about history, religion, culture and society in the Middle East.
・Students get interested in other cultures and appreciate them.
・Students are able to see their own cultures and values in a broader perspective.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 16 平和と公正をすべての人に(Peace and Justice Strong Institutions)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 50 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 50 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

<学習方法>
・予習:授業前日までにレジュメをGoogle classroomにアップロードするので、受講生は自らダウンロードし予習に役立てる。
・復習:レジュメの最後に復習問題を記載するので、小テストに向けて復習問題を中心に勉強することを推奨する。それぞれ100分を目安とする。
<予習レポート>
・毎回全員要提出。授業前に予習レポート課題をGoogle classroomで作成する。Google classroom経由で予習レポートを各授業日の前日までに提出すること。
<中央情報センターの活用>
中東に関する知識や理解は、新聞、雑誌、インターネット、映画などまざまざなメディアを使って深めることができる。情報センターでこれらを積極的に活用してほしい。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

【ガイダンス】
・本講義のねらい、概要、成績評価方法を説明する。
【イスラームの基礎】
・イスラームの歴史と基本事項について学ぶ。

●使用するケース
ハラール食品
※オリジナルケース。変更可能性あり。

第2日(Day2)

【イスラーム経済】
・利子を禁じるイスラームの教義に沿った経済のあり方について学ぶ。
・小テスト①

●使用するケース
イスラーム経済
※オリジナルケース。変更可能性あり。

第3日(Day3)

【イスラームと国家】
・中東諸国における宗教の政治の関係とは何か。宗教は中東の国家建設にどのような役割を果たしたのか。イスラームと世俗主義国家の両立は可能か。これらの問いについて考察する。
・小テスト②

●使用するケース
アラブの春
※オリジナルケース。変更可能性あり。

第4日(Day4)

【中東の国際関係】
・中東諸国と欧米諸国はなぜ対立する場合があるのか、その背景について考察する。
・小テスト③

●使用するケース
イラク戦争※オリジナルケース。変更可能性あり。

第5日(Day5)

【イスラーム主義と内戦】
・中東諸国で歴史的に発生してきた(現在進行形で発生している)内戦について理解し、その要因を考察する。
・小テスト④


●使用するケース
イスラーム主義と内戦
※末近浩太著(2018)『イスラーム主義――もう一つの近代を構想する』岩波新書、第7章の内容を一部抜粋、要約して講師が作成したオリジナルケース。変更可能性あり。

第6日(Day6)

【中東の社会とジェンダー】
・イスラームにおける女性の教育、就労、結婚について考える。
・小テスト⑤

●使用するケース
イスラームとジェンダー※鳥山純子著(2018)「ジェンダーから考えるイスラーム」小杉泰他編(2018)『大学生・社会人のためのイスラーム講座』ナカニシヤ出版を講師が一部抜粋・編集して作成したオリジナルケース。変更可能性あり。

第7日(Day7)

【パレスチナ問題】
・パレスチナの紛争はなぜ起こっているのか、なぜ虐殺を止められないのか、その背景について考察する。
・小テスト⑥

●使用するケース
岡真理著(2023)『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』大和書店、鈴木啓之、児玉恵美編(2024)『パレスチナ/イスラエルの〈いま〉を知るための24章』明石書店を講師が一部抜粋・編集して作成したオリジナルケース。変更可能性あり。

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 40 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 40 %
予習レポート Preparation Report 10 %
小テスト Quizzes / Tests 10 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 40 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

・全員ネームプレート必須。大人数授業(100人超)の場合、ネームプレートを出している人を優先的にあてます。発言機会を作るためにも必ずネームプレートを出してください。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 末近浩太「中東政治入門」筑摩書房(2020)9784480073440

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

私市正年他編(2017)『中東・イスラーム研究概説――政治学・経済学・社会学・地域研究のテーマと理論』明石書店
末近浩太(2018)『イスラーム主義――もう一つの近代を構想する』岩波書店
小杉泰他編(2018)『大学生・社会人のためのイスラーム講座』ナカニシヤ出版
西尾哲夫・東長靖(2021)『中東・イスラーム世界への30の扉』ミネルヴァ書房
岡真理(2023)『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』大和書房
その他、授業中に参考文献リストを配布する。

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

初年度担当科目

担当教員のプロフィール About the Instructor 

京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科 特任研究員
研究分野:前近代モロッコのスーフィズム
2020年3月 修士(地域研究)取得(於京都大学)
2024年3月 博士(地域研究)取得(於京都大学)

Postdoctoral fellow, Graduate School of Asian and African Area Studies, Kyoto University
Field of research: Sufism in premodern Morocco
MA in Area Studies at Kyoto University, March 2020
Ph. D. in Area Studies at Kyoto University, March 2024

(実務経験 Work experience)

・2024年4月〜現在
 京都芸術大学芸術教養科目「中東の文化と言語」担当講師として、アラビア語文法と中東・イスラームの文化について講義
・2024年4月〜現在
 立命館大学教養科目「イスラーム世界の多様性」担当講師として、イスラームの概論を講義

April 2024-present
As lecturer of liberal arts subject "Culture & Language of Middle East," lecture on Arabic grammar and culture of Middle East and Islam at Kyoto University of the Arts.

April 2024-present
As lecturer of liberal arts subject "Diversity of the Islamic World," lecture on an overview of Islam.






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