シラバス Syllabus

授業名 国際社会論
Course Title Perspectives on the Global Community
担当教員 Instructor Name 藤井 京子(Kyoko Fujii)
コード Couse Code NUC248_N21A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format Live Virtual
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 共通専門教育科目300系 / Specialized Subject 300
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2021 UG Nisshin Term2

授業の概要 Course Overview

● Mission Statementとの関わりについて
 学生がこの講義を受講して学修することによって、国際社会に対する理解・関心を深め、世界的視野とフロンティア・スピリットを身につけることにより、日本のビジネス界に貢献し、また国際的な舞台に立って活躍するよう促進する。
● 授業の目的(意義)・背景・内容・重要性
 本講義では、国際安全保障について、主に国際連合(国連)による平和と安全の維持制度とその実際の運用を検討し、長所・短所、課題などを分析し、その制度のあるべき姿を考察する。
 そうすることによって受講生が国際社会の基本的な枠組を理解し、国際問題に対する関心を深め、世界的視野を身につけるよう促進する。これが本科目の目的(意義)である。
 具体的には、国連の集団安全保障の枠組み・問題を踏まえた上で、発展的トピックとして、日本の普天間基地移設問題や、日本の国連PKO参加問題などについてケース・メソッドの手法で取り組みたい。
● 到達目標
本講義では受講生が、日本をとりまく主要な国際問題を日本の立場からだけではなく、アジアの視点で、さらにはグローバルな視座で捉えて考察し、行動する能力を身につけることができるようにする。

​● ​Connection to our Mission Statement
This course may provide students opportunities to be interested in and understand topics of globalized world, to gain 'Frontier Spirit ' and to be business leaders in the future.
● Importance of this course
​Why do countries use economic, political or armed force, and go to war?
How the system is created? How has it been operated in the situations, disputes or armed conflicts?
Why has it failed to function properly?
What role has it played in keeping the world peace?
How can countries keep peace with malfunctioned security system of the UN?
What system should be designed for the world peace?

In this course, we will conduct group/class discussions using case studies in order to achieve the learning goals. The students attending this course may be required to write a preparatory report and must participate in the discussions.

With this course, students will be interested in world and regional topics and understand the basic framework of the world community.
● Achievement Goal
This course enables students to analyze the questions, which mentioned above, with not only Japanese, but also Asian and global stand point of views.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG4 Effective Communication
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

・多様な問題について解決策を導くための論理的思考力を得る。
・多様性の重要性を理解する。
・論理的かつ明瞭に内容を伝え、記述することができる。

・The logical thinking skills to solve diverse problems.
・The understanding of the importance of diversity (in terms of geography, generation, industry, etc.)
・The ability to convey and describe contents logically and clearly.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 16 平和と公正をすべての人に(Peace and Justice Strong Institutions)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 50 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 50 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

学習方法、レポート、課題に対するフィードバック方法 Course Approach, Report, Feedback methods

● 準備学習(予習・復習等)
 予習では、classroomに掲載された「配布プリント」、関連する教科書の部分や、参考文献などを読んでおいてください。
 復習では、主に「配布するプリント」を読み、要点をまとめて書いてみてください。 「配布プリント」に記載された「今回の目的」が設問形式になっているので、復習のときに、その設問に答えて解答を作成してみること。
 特に、復習において実際に書いてみることが重要です。

なお予習・復習は、授業時間と同じ時間数(予習200分/週、復習200分/週)を行なってください。中央情報センター(図書館)には参考図書が所蔵されているため、積極的な使用を推奨し ます。

● 課題(レポート・提出物など)に対するフィードバック方法
課題については、講義中に指示します。
課題へのコメントは、返却時に行います。

★ 講義内容、課題などに関して質問のある学生さんは、講義の前後に教卓に、又オフィスアワーに研究室に来てください。個別に対応します。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

⑴ 普天間基地の移設問題と国際社会
 日本に駐留する米軍の基地・施設のうち約7割が沖縄にある。それを象徴する問題が普天間基地の移設問題である。この問題の経緯と現状を検討し、日米安全保障条約と日米を巡る安全保障情勢の観点から分析する。

●使用するケース
⑵ 普天間基地の移設問題: どのように解決することができるか?
考慮に入れること
・これまでの経緯と現状
・日米安全保障条約
・日米を巡る安全保障、経済情勢

第2日(Day2)

⑴ 朝鮮戦争と国連の集団安全保障
 国連の枠組での平和を維持する制度(=集団安全保障)の仕組が、最初に発動された事例が朝鮮戦争(1950〜53年)であった。その制度の仕組み確認し、朝鮮戦争でどのように運用されたのかを検討する。また、その後の朝鮮半島情勢も概観する。

⑵ 湾岸危機と国連の集団安全保障
 1990年のイラクのクウェート侵攻(湾岸危機)への対応では、国連の集団安全保障が典型的に運用されたと言われている。国連による事態の認定、非軍事的強制措置(経済制裁・外交的制裁など)・軍事的強制措置の実施、並びにその問題点を検討する。

●使用するケース
⑴ 湾岸危機における日本の対応は?
⑵ 日本は国連集団安全保障の枠組での軍事行動にどのように協力できるか、又はすべきか。

第3日(Day3)

⑴ 難民問題と国際社会
2015年にはシリア難民を中心に約150万人超の難民・移民が欧州へ入ったと見られ、それ以降も難民流入の動きは続いている(2010年〜17年に欧州に渡った難民・移民は320万人)。
 「難民」は「移民」とどう違うのか。国連の難民を支援する制度はどうなっているのか。また、各国の受入れ状況、日本の受け入れ実績などを検討する。

●使用するケース
⑵ 日本は難民問題にどう取組むのか。
考慮に入れること
・難民問題の経緯と現状
・UNHCRおよびUNRWAを中心とする国連の取組み
・難民出身国、受入国の状況
・欧米先進国の取り組み
・日本の取組の経緯と現状、展望(日本はどう対応すべきか)など

第4日(Day4)

⑴ 国連平和維持活動(PKO, Peacekeeping Operations)とは
 国連の集団安全保障制度が機能麻痺に陥った冷戦期に、PKOの制度が発達した。軍事監視団の例である湾岸戦争後のUNIKOM(1991〜2003年)と第1回の平和維持軍であるUNEF(1956年〜1967年)の事例を検討しつつ、PKOとは、元々どのような活動であるのかを検討する。 

⑵ 冷戦後の紛争と国連の紛争解決機能の強化
 冷戦後に国連の紛争解決機能を強化するため、『平和への課題 1992年』に基づき平和強制部隊(強化されたPKO平和維持部隊)が提案された。その構想が実施されたのがソマリア内戦におけるUNOSOM IIである。その軍事行動とその失敗、並びに、その直後のルワンダ内戦への国連の取組みを検討する。

●使用するケース
日本は国連PKOにどのように貢献すべきか?
考慮に入れること
・PKOに軍事要員、文民要員を多く派遣している国は?
・これまでの日本の協力状況
・日本のPKO参加5原則
・自衛隊の南スーダンPKOからの撤退
・欧米先進国のPKOへの関わり方は?

第5日(Day5)

⑴ 日本の死刑制度と国際社会
 死刑とは各国の国内法(刑法)に違反した場合の処罰の1つである。国際社会では死刑を廃止する傾向にあり、世界の3分の2以上の国が死刑を廃止・停止している。先進国では、米国と日本のみが死刑制度を存置し死刑を執行している。なぜ死刑制度を廃止すべきなのか等、死刑制度を巡る基礎知識を確認する。

●使用するケース
⑵ 日本は死刑制度を廃止すべきか
考慮に入れること
・国際社会における死刑廃止の潮流
・死刑に関連する人権条約および文書、日本国憲法
・死刑廃止に関連する国連総会、人権理事会、自由権規約委員会などの決議や報告書
・死刑存置国の状況
・死刑の存置が、犯罪抑止効果を有するか否か
・冤罪の可能性
・遺族の感情、社会への影響
・死刑廃止後の最高刑を無期懲役から終身刑へ 等

第6日(Day6)

⑴ 希望学生による「関心のあるテーマ・プレゼン」
 本講義の内容に関連したテーマで、希望する学生(4人程度)がプレゼンテーションを実施し、質疑応答を行う。

⑵ 生物資源を巡る対立と生物多様性条約・名古屋議定書
 生物資源の原産国(主に途上国)と利用国(主に先進国)の間で、資源の利用と利益配分を巡って対立が生じている。その対立状況を見て、生物多様性条約の関連規定を確認し、名古屋議定書・愛知目標においてどのように解決されたのか、解決されなかったのかを検討する。


●使用するケース
⑵ 生物資源を巡る対立: 日本の産業界はどう対応するのか
考慮に入れること
・名古屋議定書への加入は進んでいるか。
・関連する製薬、化粧品、食品メーカー等の会社の対応は?
・欧米の大手会社の対応は?
・資源の原産国の対応は?

第7日(Day7)

⑴ 帰還兵の問題とイラク戦争
 ‘テロとの戦い’から帰還した兵士がPTSD(心的外傷後ストレス障害)やTBI(外傷性脳損傷)に悩まされ、米国や英国における社会問題となっている。戦争のもう1つの側面‘兵士の心が壊れる’という状況をイラク戦争・占領の合法性と合わせて検討するケースを利用する。

⑵ アラブの春と国連の取組み
 中東・北アフリカにおける民主化運動(アラブの春)以降の混乱から生じたリビア内戦と、国連の取組みを主にリビア政府に対する非軍事的・軍事的強制措置の実施について検討する。また、シリア問題・イエメン問題への国連の取組みと比較する。
また、復習として今期での各講義におけるポイント、主に国連を中心とする平和の維持とその限界を考察する。そして定期試験に向けての学修方法を説明する。

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
予習レポート Preparation Report 5 %
コールドコール Cold Call 5 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 10 %
ケース試験 Case Exam 5 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 5 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
小テスト Quizzes / Tests 20 %
最終レポート Final Report 50 %
期末試験 Final Exam 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

● 原則として次の3つを評価の基準とする予定です(受講生数・授業形態によって変更の可能性あり)。
(1)定期試験    50点
(2)平常点   50点
(3)単位取得の必要条件として定期試験で10点以上を取ること。

なお平常点50点とは、レポート・提出物・講義に貢献する発言や行動(原則として2点×回数)・ディスカッションへの参加状況などの合計です。
発言については、点数に加算されるか否かは教員が判断しますが、点数にこだわらず活発に発言してください。
他の平常点(上記50点以上の点数・受講態度など)は総合的な評価をするとき考慮に入れます。

●重点強化クラブの学生も、通常の学生と同様、上記の通りの評価とします。
 なお、定期試験の設問を選択制にするなど、重点強化クラブの学生に不利にならないよう対策をとります。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 村田 晃嗣 ・君塚 直隆 ・石川 卓 ・栗栖 薫子 ・秋山 信将 「国際政治学をつかむ [ 新版 ] (変更の可能性あり)」有斐閣(2015)978-4-641-17722-2

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

[1]横田洋三 編『国連による平和と安全の維持 』国際書院、2007年2月。 978-4-87791-166-9。
[2]国際法学会 編『国際関係法辞典 第2版』三省堂、2005年, 4-385-15751。
[3]北岡伸一『グローバルプレーヤーとしての日本』NTT出版、2010年12月。 978-4-7571-4092-9 。
[4]北岡伸一『国連の政治力学』中央公論新社、2007年。 978-4-12-101899-1 。
[5]最上俊樹『国境なき平和に』みすず書房、2005年。4-622-07184-3。
[6]大芝・藤原・山田 編『平和政策 〜Building Peace 』有斐閣ブックス、2006年10月。4 -641-18343-0
[7]松浦博司『国連安全保障理事会 〜その限界と可能性 』東信堂、2009年6月。9 78-4-88713-920-6
[8]臼井・馬橋 編『新しい国連 〜冷戦から21世紀へ』有新堂,、2004年。4-8420-5549-9
[9]上杉勇司『変わりゆく国連PKOと紛争解決』明石書店、2004年。4-7503-1928-7
[10]篠田秀朗『平和構築入門』(ちくま新書)筑摩書房、2013年。978-4-480-06741-8。
[11]山本・川口・田中 編著『国際平和活動における包括的アプローチ』内外出版、2012。978-4-905285-12-0 C3031。
[12]緒方貞子『共に生きるということ』PHP研究所、2013年。978-4-569-78214-0。
[13]佐渡友・信夫『国際関係論(Next 教科書シリーズ)』弘文堂、2013年。978-4-335-00203-8。
[14]デイヴィッド・フィンケル (著)・古屋 美登里 (訳)『帰還兵はなぜ自殺するのか』 亜紀書房, 2015年2月。475051425X。
[15]杉本明子『国際的難民保護と負担分担 〜新たな難民政策の可能性を求めて』法律文化社、2018年。978-4-589-03924-8。
[16]パスカル・ボニファス『現代地政学 国際関係地図』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2019/2/22。978-4799324318。

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

⑴ 講義の進行速度が早過ぎるという指摘と、遅いという双方の指摘がありました。
皆さんの顔を見ながら、また質疑応答を取り入れて、一層、適正な進行に努めます。

⑵ 全体討論の際に、もっと白板に書いて欲しいという指摘がありました。
出来るだけ、記入を増やします。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

● 学位と取得大学 : 国際学修士、 津田塾大学

● 研究分野
国際法(特に、国際人道法と国際人権法の交錯)、国際連合の強制行動に関連する国際法上の諸問題など)。

● 主な論文
1.「イラク占領下における英国部隊と文民の人権保護」
NUCB Journal of Economics and Information Science , Vol.58 No.1, July 2013.

2.「国連保護部隊(UNPROFOR)オランダ大隊による行為の帰属
〜 スレブレニツァ虐殺に関連するNuhanović事件とMustafić-Mujić事件」
NUCB Journal of Economics and Information Science , Vol.59 No.1, July 2014.

3.「 ‘スレブレニツァ母連合・その他’ 事件に関するハーグ地方裁判所判決(2014年7月16 日)
〜 “ 実効的支配 ” に基づくUNPROFORオランダ大隊の行為の帰属」
NUCB Journal of Economics and Information Science , Vol.60 No.1, August 2015.

4.「 Jaloud 対 オランダ事件に関する欧州人権裁判所判決(2014年11月20日)
〜 イラク平和安定化部隊(SFIR)オランダ部隊の行為への欧州人権条約の適用」
NUCB Journal of Economics and Information Science , Vol.61 No.1, August 2016.

● M.A of International Relations, Tsuda College

● International Law( interaction of International Humanitarian Law & International Human Rights Law, Legal
issues on Enforcement Actions of the United Nations )

● Articles
1. ‘Human Rights of Iraqi Civilians during the British Occupation of South-East Iraq :Al-Skeini Judgment of the European Court of Human Rights’
NUCB Journal of Economics and Information Science , Vol.58 No.1, July 2013.

2. ‘Attribution of Dutchbat Conduct at Srebrenica and Liability of the Netherlands in Nuhanović and Mustafić-Mujić’
NUCB Journal of Economics and Information Science , Vol.59 No.1, July 2014.

3. ‘Mothers of Srebrenica et al. v. State of the Netherlands and the UN:Attribution of Conducts based on Effective Control’
NUCB Journal of Economics and Information Science , Vol.60 No.1, August 2015.

4. ‘The Case of Jaloud v. Netherlands(20 Nov. 2014) : Extra-territorial Application of the European
Convention on Human Rights to Conducts of Dutch Contingent under SFIR’
NUCB Journal of Economics and Information Science , Vol.61 No.1, August 2016.







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