シラバス Syllabus

授業名 現代アジアの社会と文化
Course Title Society and Culture of Asia
担当教員 Instructor Name 松尾 信之(Nobuyuki Matsuo)
コード Couse Code NUC247_N22B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 教養教育科目100系 / Liberal Arts 100
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2022 UG Nisshin Term4

授業の概要 Course Overview

「新時代のアジアと世界をつなぐ能力を有している」(mission statement 末尾)とはすなわち、こちら側(アジア)をあちら側(世界)に紹介し、理解してもらったうえで、相互の主張をすり合わせることだと考えます。本科目ではそのために、我々自身の「アジア理解」を深めます。
A. 本科目の意義、 背景、内容、重要性

 意義、背景、重要性は以下の3点です。

 1.アジアの社会、文化に関する基礎的な知識を身に付ける、
 2.世界の他の地域に興味を広げる、
 3.アジアの中での日本の現状・将来について、自分の考えをまとめる、です。

 講義内容として、世界全体から見た、モンスーンアジアとその周辺部(だいたい南アジア、東南アジア、東アジア)との社会と文化との特徴を中心とします。こうした特徴がなぜ、どのように形成されてきたのか、考えます。

講義におけるケースメソッドの導入

 全7回それぞれにおいて、事前指定課題・配布プリントなどを使い、各回の内容に即したテーマに関するディスカッション(まずグループで、次いでクラス全体で)を行います。事前指定課題・テーマなどは各週のシラバスに示してあります。まずグループ毎にディスカッションします。その後、各グループのディスカッション内容を、代表者がクラス全体にプレゼンし、全体で質疑応答をします。


B. 卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連について

 「ディプロマポリシー」の根幹である「建学の精神」に「国際主義」とあり、学生の「広い視野と深い洞察力」を要求している。本科目はそれらの養成を目的としている。

 本科目では、上記のラーニングゴールの確かな実現に向けて、ケース教材を用いた討論授業を行います。本科目の履修者には、討論授業に参加するための予習レポートの作成と、クラスでの積極的な発言が求められます。
我々自身の「アジア理解」を深め、アジアの中の日本、世界の中の日本、という認識をより深めること。

Students are required to learn basic knowledge about Asian history to introduce Asia to the world. Students are supposed to learn asia from ancient to present times, from middle east to far east.
A. Students are required to learn basic knowledge about Asian society and culture,in order to have their own point of view on them.


B. This course intends to foster students' international point of view.

In this course, we will conduct class discussions using case studies in order to achieve the learning goals. The students attending this course may be required to write a preparatory report and must participate in the class discussions.
Students learn basic knowledge about Asian society and culture and have international point of view.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

アジアの歴史、社会に関する基礎的な知識を身に付ける。

Students learn basic knowledge about Asian history

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 16 平和と公正をすべての人に(Peace and Justice Strong Institutions)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 50 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 50 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

学習方法、レポート、課題に対するフィードバック方法 Course Approach, Report, Feedback methods

・準備学習:各週、事前に指定したテキスト(原則として教科書の一部分)を読み、事前課題の答案を作成し、提出(約2時間)。

・教科書について:課題文の過半は指定教科書から取ってあります。その分は配布しない(ただし第1週のみは配布します)ので、必ず教科書を入手してください。


・レポートについて:各週の事前課題の答案を、レポートとします。

・中央情報センターの活用について:教科書、参考書はすべて情報センターに置いてあります。その他の関連する資料も含め、積極的に利用してください。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

1 イントロダクション

まず本科目の目的・内容・計画・具体的進行方法や、学生に望む態度を述べます。

2 モンスーンアジアの気候風土と生業

 世界各地の社会・文化の特徴の最大の決定要因は、その地域の自然地理的特徴(気候風土)と、それに応じた生業とだと考えられています。モンスーンアジアは、世界で最も高温多湿な地域であり、それに適した稲作が中心に、そしてその周辺では麦・雑穀が中心となってきました。


第2日(Day2)

食文化

 気候風土に応じた生活の身近な例として、食文化を取り上げます。モンスーンアジアの食生活は、コメ、魚、豆類が中心で、栄養面からも環境面からも、合理的な選択だったと言えます。現在は地域によりますが、多かれ少なかれ食生活の近代化(欧米化)の功罪を考えます。

第3日(Day3)

気候と生活

 世界で最も高温多湿な地域であるモンスーンアジアにおいて、人々はその気候に応じた生活をしてきました。しかし生活の「近代化(=欧米化)」によって、異なる気候条件の物質文化が持ち込まれています。その意味を考えます。

第4日(Day4)

1.物質文化と精神文化

 ここまでモンスーンアジアに関して学んだように、ある社会における物質文化(物質面での活動に関する文化。例えば衣食住を中心とした生活文化に近い)は気候風土に沿ったものにならざるをえません。すなわち固有性が強く、他地域のものを簡単に導入することは難しいはずです。しかし精神文化(精神面での活動に関する文化:言語、宗教、芸術など)は気候風土に左右される面は少なく、他地域に広がることが可能と考えられています。

2.インド文化と中国文化の広がり

 上記の点を東南アジアを例にして考えます。東南アジアは気候風土の面では、東アジア東南沿海部と共にモンスーンアジア中心部であり、この地域は物質文化の面でも共通性が強いです。しかし精神文化の面では、気候風土的には異なる、インド文化と中国文化(黄河流域に生まれた文化)を受け入れてきました。

第5日(Day5)

民族・国境の形成 1.他地域の例

世界において、「近代的」な民族・国家・国境がいかに生まれたか見ていきます。前近代においては、世界中で(西欧においても)民族・国家・国境は今よりもずっとゆるやかであいまいでした。近世西欧において「近代的」民族・国家・国境が生まれました。近代においては西欧が世界中にこうした「近代的」民族・国家・国境を押し付けていきました。

第6日(Day6)

民族・国境の形成 2.前近代のアジア

 東南アジア、中国、日本などの例を見ます。現在の国家の原型となる民族・国家が徐々に形成されてくるのですが、他地域の前近代国家同様、「民族意識」は希薄で、国境もあいまい、かつ流動的でした。特に東南アジア島嶼部においては、現在の国家の中核となる民族・国家は未形成でした。

第7日(Day7)

民族・国境の形成 3.近現代のアジア
 
 欧米の進出によりアジアの諸地域は欧米的国家となるか、植民地化されるか、となりました。そのために現在の国家・国境の原型が形成されました。しかし当然、その「国境」内部には当然、多数の民族が存在し、また「国民意識」は概して希薄です。独立後の諸国家にとって、「国民統合」が大きな課題です。
 また日本と周辺諸国との「領土問題」についても、日本が明治維新以後に周辺諸国よりも早く、西欧的な民族・国家・国境を受け入れました。このことが現代における周辺諸国との見解の相違の出発点と言えます。

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 20 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 20 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 40 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

 配点については、クラス第1週のスライドの記載を正式版とします(理由:上記では配点を5パーセント刻みでしか設定できない、上記「授業内での挙手発言 Class Contribution」に本科目ではクラス内での他の平常点を含んでいる、など)。

受講態度が、他の受講生の講義参加を妨げるようなものであった場合は、減点します。

 課題の提出期限は厳守してください。期限後の提出は大きく減点します。

(単位修得の最低条件)ターム内で最低一度は、全体討論で挙手・発言してください。なお松尾はもちろん発言記録を取ってますが、漏れがあるといけないので、発言者は念のため発言直後に、発言者は念のため発言した週の終了時に、松尾に「発言記録カード」(クラスルームにフォーマットを添付)を提出してください。

 必須ではない課題(以下の1、2)

1.各週のグループディスカッションの内容を、数百字程度にまとめてください。提出は任意で、必須ではありません。ルーム単位ではなく、各個人での提出ですが、ルーム番号は明記してください。成績評価においては、提出者へのボーナス点として加算します(一回につき1-5点)。提出期限は翌週クラス開始時点。下記のファイル名にしてクラスルームに(ファイル名:学籍番号 氏名 第〇週の任意課題)。

2.各週の課題に対する自分の答案を、クラスでの討論の前に紹介してくれる方を募集します。プレゼンソフトを使ってください。希望者は講義の週の月曜日までに、松尾宛にメールで発表用ファイルを添付してください。お願いするかどうか、返信いたします。ボーナスは10点。

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重点クラブのレポート試験について

 松尾は経験上、レポート試験と定期試験とを、公平に成績評価することがとても困難であると感じています。従って重点クラブのレポート試験は行いません。重点クラブのみなさま、申し訳ありません。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 今井昭雄 編集代表「東南アジアを知るための50章」中公文庫プレミアム(2014)978-4750339795

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

中村武久・中須賀常雄「マングローブ入門」めこん、1998,4-8396-0117-8

アジアプレス・インターナショナル編「アジアの傷 アジアの癒し」4-8331-1055-5

森枝卓士「アジア菜食紀行」講談社現代新書、1998,4-06-149421-x

巌谷国士「アジアの不思議な町」

野村進『アジアの歩き方』講談社現代新書、2001,4-06-149576-3

中村茂樹など「アジアの水辺空間」鹿島出版会、19994-306-07223-1

酒井亨「はー(「口」へんに「合」)日族(ハーリーズー)」光文社、2004,4-334-03248-6

亜洲奈 みづほ『「アジアン」の世紀』中公新書ラクレ, 2004

奥野卓司『日本発イット革命』岩波書店, 2004、4-00-024233-4

アジア太平洋資料センター『徹底解剖100円ショップ』コモンズ, 2004、4-906640-74-5

江上剛『戦いに終わりなし―最新アジアビジネス熱風録』文藝春秋, 2008/04, 4163701001

大塚茂『アジアをめざす飽食ニッポン』家の光協会, 2005/06, 4259546767

大泉啓一郎「老いてゆくアジア」 (中公新書 1914) (2007/09) ISBN-10: 4121019148

宮崎正勝「 グローバル時代の世界史の読み方」(吉川弘文館 歴史文化ライブラリー183) (2004/11) ISBN-10: 4642055835

マーヴィン・> ハリス『食と文化の謎』岩波現代文庫, 2001/10, ISBN-10: 4006030469

小泉武夫『 発酵は力なり―食と人類の知恵』 日本放送出版協会 NHKライブラリー, 2004/05, ISBN-10: 4140841834

佐藤洋一郎『 稲の日本史』 角川書店 角川選書, 2002/06, ISBN-10: 4047033375

石弘之『地球・環境・人間(2)』  岩波科学ライブラリー, 2008/02, ISBN-10: 4000074814

佐藤 洋一郎 , 渡邉 紹裕 「塩の文明誌―人と環境をめぐる5000年」 NHKブックス 2009

田中 優子 グローバリゼーションの中の江戸 (岩波ジュニア新書 〈知の航海〉シリーズ) 新書 – 2012/6/21 ISBN-13: 978-4005007172

村上 隆 金・銀・銅の日本史 (岩波新書) 新書 – 2007/7/20 ISBN-13: 978-4004310853

石毛 直道  世界の食べもの――食の文化地理 (講談社学術文庫)  2013/5/10 4062921715

水野 和夫 「100年デフレ―21世紀はバブル多発型物価下落の時代」 日経ビジネス人文庫 2009

フェリペ フェルナンデス=アルメスト (小田切勝子 訳)
「水野 和夫
「100年デフレ―21世紀はバブル多発型物価下落の時代」
日経ビジネス人文庫 2009

フェリペ フェルナンデス=アルメスト (小田切勝子 訳)
「食べる人類誌―火の発見からファーストフードの蔓延まで」
ハヤカワ・ノンフィクション文庫 2010

食と農の未来―ユーラシア一万年の旅 (地球研叢書) 単行本 – 2012/4 佐藤 洋一郎 ISBN-13: 978-4812211762

松島 大輔 (著) 空洞化のウソ――日本企業の「現地化」戦略 (講談社現代新書) 新書 – 2012/7/18 ISBN-13: 978-4062881630

カビール セガール 貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで 2016/4/22 早川書房

杉山 伸也 (著) グローバル経済史入門 (岩波新書) 新書 – 2014/11/21 ISBN-13: 978-4004315124

伊東 俊太郎 近代科学の源流 (中公文庫) 文庫 – 2007/9/22  ISBN-13: 978-4122049161

田家 康 気候文明史 2010/2/20 日本経済新聞出版社 4532167310

石毛 直道  世界の食べもの――食の文化地理 (講談社学術文庫)  2013/5/10 4062921715

張 競「中華料理の文化史」筑摩書房(ちくま文庫)(2013)

末廣昭「変容するアジアの、いま」弦書房 (2016)978-4863291409

野地 秩嘉 「アジアで働くいまはその時だ」(2014)日経BP社

駒形哲也 「東アジアものづくりのダイナミクス」明徳出版社(2017)978-4896197235

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

平均前後の評価だったので、よりよい評価が得られるよう努力します。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

文学修士 東京大学

研究分野:アジア史、東南アジア社会

M.A. University of Tokyo

Asian history, Society in Southeast Asia

Refereed Articles

  • (2016) Vietnamese History Seen from the Mountain Areas. Grants-in-Aid for Scientific Research - JSPS






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