シラバス Syllabus

授業名 比較政治学
Course Title Comparative Politics
担当教員 Instructor Name 植村 充(Mitsuru Uemura)
コード Couse Code NUC243_N25A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 共通専門教育科目200系 / Specialized Subject 200
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2025 UG Nisshin Spring Intensive

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

貧困、少子化問題、選挙参加率の低下など、日本で生じている諸問題は、程度の差はあれ世界各国でも同様に生じています。これらの問題と密接に結びつくのが私達の生活をとりまく、政治制度です。この政治制度について、比較の視点を導入しながら、自分自身の頭で思考することは、皆さんの生活を考える上で重要なことです。本講義においては、様々な政治制度に触れつつ、思考のフレームワークの習得と実践を行っていきます。
Issues such as poverty, declining birth rates, and decreasing voter turnout, which are occurring in Japan, are also present to varying degrees in many other countries around the world. These issues are closely linked to the political systems that shape our daily lives. Thinking critically about these political systems from a comparative perspective is essential for understanding our own lives. In this lecture, we will explore various political systems while developing and applying analytical frameworks for critical thinking.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本クラスにおいては、比較政治学で通常取り扱われる各国の各種政治制度の暗記が目的ではありません。むしろ「このような制度」だったら、「このような結果になる」という因果関係に関する思考力を身に付けていくことに主眼を置きます。そのため、思考をするための前提知識は必要となりますが、原因と結果がいかにして結びついているかを考える、そのような論理的思考力を鍛える課題を課していきます。
The goal of this class is not to simply memorize various political systems from different countries, as is typically done in comparative politics. Instead, the primary focus is on developing the ability to think critically about causal relationships—understanding that "if a system is designed in a certain way, it may lead to certain outcomes." While some foundational knowledge is necessary for critical thinking, the emphasis will be on assignments that strengthen logical reasoning by examining how causes and effects are connected.

到達目標 / Achievement Goal

① 政治的問題に対する理解を深め、その背後に存在する比較政治学の理論を理解する。
② 制度の改善のために、多角的な視点から物事を分析する柔軟性を養成する。
③ 因果関係について、自身の頭で論理的に捕捉する能力を養成する。

① Deepen understanding of political issues and grasp the comparative politics theories behind them.
② Develop flexibility in analyzing issues from multiple perspectives to improve political systems.
③ Cultivate the ability to logically identify and comprehend causal relationships independently.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG6 Managerial Perspectives (BBA)
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

① 因果関係を説明するための論理力と発信力
② 世界の政治課題と取り組みに対する知識の獲得
③ 様々な角度から課題を見通す分析力

① Logical reasoning and communication skills for explaining causal relationships.
② Acquisition of knowledge about global political issues and initiatives.
③ Analytical ability to assess issues from multiple perspectives.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 40 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 60 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

●事前学習と事後学習について 
事前学習段階では、必要に応じて課題に関連する事前資料(「ケース」ならびに関連資料、参考文献、webページなどの情報)を提供いたしますので、それらを読み込み、講義内容のイメージを膨らませてください。事後学習段階では、講義内で用いたスライドおよびケースを用いてポイントを復習してください。それぞれ2時間を目安に取り組んでください。
●中央情報センター(図書館)を積極的に活用してください。
● レポート、課題に対するフィードバックについて
レポートや課題を課した際は出来る限り講義内でフィードバックを行いますが、Google Classroomを使用する場合もあります。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

(1) ガイダンス:講義計画、講義の進め方、評価方法などについて説明する。
(2) 比較政治学を学ぶ意義、学生の関心テーマの把握、因果的推論について解説する。 

●使用するケース
少子化の原因は?各種統計データから日本の少子化問題の原因を探る。
想定される問い。
少子化の最大の原因は何か?
どのようなデータがあれば、因果関係をより明確にできるか?
現在の少子化対策(児童手当、育休制度)は十分に効果があるか?

第2日(Day2)

政治体制:世界には民主主義体制の他に権威主義体制、全体主義体制など様々な政治体制が時代や地域に応じて誕生してきた。本時においては、これらの政治体制への理解を踏まえて、日本の民主主義体制の特殊性とその現在地点を学習する。

●使用するケース
緊急事態における民主主義の試練:コロナ・パンデミックの事例から
想定される問い。
日本のコロナ対応は「民主主義の強さ」か「弱さ」か?
中国のような権威主義体制の迅速な対応は、民主主義とどこまで両立できるか?
緊急事態における政府の権限をどこまで拡大すべきか?

第3日(Day3)

選挙制度:民主主義体制にとって、最も重要な要素の1つが、代表者を決める選挙制度である。本時は、日本の選挙制度について、どのような特殊性と課題が存在するか、世界各国の選挙制度との比較を踏まえて学習する。

●使用するケース
多数決以外の決め方:最も民意を反映する選挙制度を考える。

第4日(Day4)

執政制度:政治的トップリーダーと国民の間にどのような関係が結ばれているのか、これを考える上で重要になるのが執政制度である。本時は、いわゆる大統領制、議院内閣制を初めとする諸執政制度について学習し、統治のあり方について考える。

●使用するケース
首相の交代頻度と政権の安定性:
想定される問い。
首相の交代頻度の高さは、民主主義の欠陥か?適応力の証か?
日本の首相が安定して政権運営をするために必要な制度改革とは何か?

第5日(Day5)

議会制度:日本においては衆議院・参議院という役割の異なる二院が国会に存在する。選挙で選ばれた代表者達がいかなるルールに基づいて議論を行っているのかを理解することは、政治の結果について考える上で重要である。本時は世界各国の議会制度を広く概観し、日本の特殊性と課題について考える。

第6日(Day6)

司法制度:司法制度とは端的にいうと「裁判所」の在り方を決めるルールのことである。裁判所は、国民同士の関係を規定するだけではなく、「法の番人」として法律の内容や政府の行政行為にも大きな影響を与える。本時はこの司法制度の多様性を理解し、適切な司法制度の意義について考察する。

●使用するケース
司法の独立と政治的圧力——アメリカ vs. 日本:
想定される問い。
司法の独立とは何か?
政府の介入はどこまで許されるべきか?
日本の司法制度改革を考える。

第7日(Day7)

中央・地方関係:私達は国の機関以上に県や市町村の機関(県庁や市役所など)に、日常的に関わる。これは、国レベルの政治制度と同様に、地方政府の制度が重要な証拠である。本時は、中央・地方関係について日本の事例と各国の事例を比較し、その多様性について理解を深める。

●使用するケース
地方政府のリーダーシップと政策決定——フランスと日本:
想定される問い。
地方自治の範囲はどこまで認めるべきか?
知事が独自の制作を進めることのメリット・デメリットは何か?

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 20 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 40 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 60 %
予習レポート Preparation Report 20 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 20 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

定期試験 Final Exam

あり

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

本講義において、期末試験の時を除いて、明確な正解を述べる必要はありません。むしろ皆さんが自分自身で考えた意見を積極的に述べることを歓迎いたします。
クラス貢献度 60点 (60%)
予習レポート20点(20%)
期末試験20点(20%)

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 岩崎正洋、松尾秀哉、岩坂将充「よくわかる比較政治学(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ」ミネルヴァ書房(2022)978-4623094646

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

これらの著作は、授業内容について理解を助けるものとなりますが、必須のものではないです。興味が出てきたら是非手にとってお読みください。
① 建林正彦、曽我謙悟、待鳥聡史(2008)『比較政治制度論』有斐閣アルマ
② 川人貞史、吉野孝、平野浩、加藤淳子(2011)『現代の政党と選挙』有斐閣アルマ

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

初年度担当科目

担当教員のプロフィール About the Instructor 

東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士課程、同博士課程修了。博士(学術)。
専門は国際関係論、EU研究、移民・難民研究、フランス政治、EU外交・安全保障政策など。
2024年9月よりストラスブール政治学院( Institut d’études politiques de l’Université de Strasbourg / Sciences Po Strasbourg)へ留学。

主な論文に
1.植村充(2024)「EU共通移民、庇護政策の発展とフランスへの影響 -受容を巡る政治力学とその帰結ー」東京大学博士学位論文
2.植村充(2024)「EUによる国際刑事裁判の追求とその含意 ーウクライナにおけるロシアの戦争犯罪追及の実践からー」 『日本EU学会年報』第44号 pp.163-185
3.植村充(2023)「労働移民に関するEU共通政策化の試み -フランスの高技能労働者獲得政策に与えた影響の分析ー」 『移民政策研究』第15号 pp.146-160
4.植村充(2022)「CJEUの司法管轄権の拡大と移民・庇護申請者領域への影響 ー司法管轄権の拡大から10年間の検討と理論的含意ー」 『日本EU学会年報』第42号 pp.97-121

Completed a doctoral program in International Social Sciences at the Graduate School of Arts and Sciences, the University of Tokyo, in 2024, earning a Ph.D. (Arts).
Specializes in International Relations, EU Studies, Migration and Refugee Studies, French Politics, and EU Foreign and Security Policy.
Studying abroad at Institut d’études politiques de l’Université de Strasbourg / Sciences Po Strasbourg from September 2024.

Publications

1. "The Development of the EU Common Migration and Asylum Policy and Its Impact on France – The Political Dynamics of Reception and Its Consequences"
Doctoral Dissertation, The University of Tokyo

2. "The EU’s Pursuit of International Criminal Justice and Its Implications – Examining the Prosecution of Russian War Crimes in Ukraine"
Annual Bulletin of the Japan Association for European Studies, Vol. 44, pp. 163-185

3. "EU’s Attempt to Form a Common Policy on Labor Migration – An Analysis of Its Impact on France’s High-Skilled Worker Recruitment Policy"
Journal of Migration Policy Studies, Vol. 15, pp. 146-160

4. "The Expansion of the CJEU’s Jurisdiction and Its Impact on Migration and Asylum Applicants – A Ten-Year Review of Jurisdictional Expansion and Its Theoretical Implications"
Annual Bulletin of the Japan Association for European Studies, Vol. 42, pp. 97-121

(実務経験 Work experience)

東京大学教養学部ティーチング・アシスタント 科目「日本の政治」(2016)
私立安田学園中学校・高等学校 社会科・公民科非常勤講師(2016-2018)
豊島岡女子学園中学校・高等学校 英語科専任教諭(2018-2024)
法政大学人間環境学部兼任講師 科目「平和学」「人間の安全保障」(2019-2024)


Teaching Assistant, College of Arts and Sciences, The University of Tokyo, Course: "Japanese Politics"(2016)
Part-time Lecturer in Social Studies and Civics, Yasuda Gakuen Junior & Senior High School (2016-2018)
Full-time English Teacher, Toshimagaoka Girls’ Junior & Senior High School (2018-2024)
Part-time Lecturer, Faculty of Human Environment, Hosei University (2019-2024), Courses: "Peace Studies" and "Human Security"






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