シラバス Syllabus

授業名 上級マクロ経済学
Course Title Advanced Macroeconomics
担当教員 Instructor Name 岩田 正隆(Masataka Iwata)
コード Couse Code NUC230_N24B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 専門教育科目300系 / Specialized Subject 300
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2024 UG Nisshin Term4

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目はMission Statementのうち「ビジネス界や社会の発展をもたらす知識の創出」と強く関連しています。
具体的には、現代的な貨幣経済のメカニズムを理解し、あるべき経済政策の姿を是々非々で理性的に検討できる人物を育成することにより、上記の目的の達成を目指します。
The content of the current course is strongly related to such part of the Mission Statement as "to create knowledge that advances business and society." In practice, we are going to achieve such an objective as above by educating such persons who comprehend modern system of monetary economy and can evaluate various economic policies in a reasonable way.

授業の目的(意義) / Importance of this course

政策に関する財源の必要性を否定する、或る種の異端と言える経済理論、「現代貨幣理論」を学びます。既存の主流派経済学の主張を相対化して評価できるようになることが本講義の意義です。
In the current course, we study a new and rather unorthodox wave of macroeconomics, namely the Modern Monetary Theory. Students in this course shall gain such a new point of view from which they can evaluate the performance of the current orthodox macroeconomics for policymaking in a relativistic way.

到達目標 / Achievement Goal

表券主義とよばれる新しい視点から貨幣経済を俯瞰し政府支出について議論することができるようになることを目的とします。


We aim to educate such persons who can discuss appropriate ways of government expenditure based on a new viewpoint so-called "Neo-Chartalism."

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

不況に関する分析的な判断能力、
金融政策をもちいた不況対策にかんする先端的な技術の知識

Analytical thinking about economic diffusion,
Knowledge about a bundle of edgy technique of recession measures using monetary policies.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 10 人や国の不平等をなくそう(Reduced Inequality)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 50 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 50 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

●レポートについて:レポートとして(注釈の入った)要約を提出していただきます。
 また、内容について問(とい)を立て、それに答えるエクササイズをしていただきます。
 要するに卒論を書くための準備的トレーニングです。

●試験に対する学習方法:教科書の理解を前提に論述する問題が出ます。
 それに答えられるように勉強をしてきて下さい。

※強化クラブレポートをこの科目に適用するのは止めておいた方がよい、と講師からはおすすめします。
 試験を回避して単位取得を目指す者には、極めて高い理解水準を求める方針だからです。

●この科目に対する自学自習方法:
 予習範囲を開示しますのでその指示に従って予習をしてください。
 復習については、アップロード予定の板書ファイルを手がかりにしながら教科書を読み進んでください。

●ケースや教科書を用いた予習45分~1時間30分、
 教科書の読解を主とする復習に1時間30分~2時間強を想定しています。
 教科書は予復習のどちらでも読解するので、予習で読解に時間をかければ復習の時間はその分縮む想定です。

●レポート(もしあれば)に対するフィードバックはコースの最終回の時間を使って丁寧に行う予定です。

●中央情報センター(図書館)を利用する予定はありません。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

ガイダンス
および
貨幣経済と政策に関する基本的な話


●使用するケース
前半は特になし。
ただし、円の価値変動に関するIMFの意見を参照して議論する可能性あり。
また、新自由主義的な政府と、ケインジアン的政府の比較をする可能性あり。

国債残高の累増 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/004.pdf
財政赤字と財務省 https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/202007_02.pdf

第2日(Day2)

貨幣の受取可能性、または貨幣の価値の基本的な根拠について

●使用するケース
ドイツのハイパーインフレ https://press.share-wis.com/german-hyperinflation
財務省の意見書 https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140530s.htm

第3日(Day3)

負債貨幣の理論と表券主義

●使用するケース
※教科書のページ指定は変更される可能性がある

pp.43-46
日本の歴史上のトンネリング事例 https://www.b.kobe-u.ac.jp/~uchida/CRSF/PDF/022_Yuki.pdf

第4日(Day4)

通貨の無限発行可能性、インフレーション、財政健全化

●使用するケース
※教科書のページ指定は変更される可能性がある

p.54
金銀複本位制 https://asia-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=15464&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1
始皇帝の銭票 https://www.imes.boj.or.jp/cm/research/kinken/mod/gra_china6.pdf
pp.96-98
pp.98-100
pp.102-104
pp.112-118

第5日(Day5)

租税政策、機能的財政論、
すこし日本の財政の話

●使用するケース
※教科書のページ指定は変更される可能性がある

pp.145-146、pp.59-62、
pp.134-140
財政赤字の国際比較 https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-comparison.html
双子の赤字 https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/prj/sbubble/history/history_01/analysis_01_01_03.pdf
一部の黒字 https://www.iima.or.jp/docs/newsletter/2021/nl2021.18.pdf
税  https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page03.htm

※これ以降の話にまで到れるか分からないため、翌週と予習範囲が重複する。
pp.159-161
p.155
pp.157-158
フーバーダム http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranB/WAll.cgi?db3=096

第6日(Day6)

就業保証プログラムと、そのケインジアン的性格について

●使用するケース
※教科書のページ指定は変更される可能性がある

pp.159-161
p.155
pp.157-158
フーバーダム http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranB/WAll.cgi?db3=096
※ここまで先週と重複する予習範囲

pp.173-174
pp.175-179
pp.185-189

第7日(Day7)

MMTから見た日本経済

●使用するケース
※教科書のページ指定は変更される可能性がある

pp.195-196
pp.196-198
pp.198-199, pp.205-206
pp.200-201, pp.206-209
pp.203-205
財務省(2002)「ムーディーズ宛返信大要」 https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140523m.htm
p.230, p.239
pp.243-246

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 30 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 30 %
予習レポート Preparation Report 0 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 20 %
期末試験 Final Exam 50 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 島倉 原「MMT講義ノート:貨幣の起源、主権国家の原点とは何か」白水社(2022)978-4560094334

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

[1]L・ランダル・レイ『MMT現代貨幣理論入門』東洋経済新報社、2019年、ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4492654880
[2]ステファニー ケルトン『財政赤字の神話: MMTと国民のための経済の誕生』早川書房、2020年、ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4152099662
[3]望月 慎『図解入門ビジネス 最新MMT[現代貨幣理論]がよくわかる本』秀和システム、2020年、ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4798060439
[4]L・ランダル・レイ『ミンスキーと〈不安定性〉の経済学:MMTの源流へ』白水社、2021年、ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4560098318
[5]岩井 克人『貨幣論 (ちくま学芸文庫)』筑摩書房、1998年、ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480084118

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

特になし

担当教員のプロフィール About the Instructor 

●学位と取得大学
 修士(経済学)東京大学
 博士(経済学)東京大学
●研究分野
 貨幣経済、労働経済、チープトーク
●主な論文
 「Three Essays on Monetary Exchanges through Shops」、東京大学経済学研究科博士論文、2008年
 「Aggregative Approach to Cheap Talk Credibility: A Survey」、名古屋商科大学論集57巻第2号、2013年
 「貧富の経験、判断、債券市場」、名古屋商科大学論集58巻第2号、2014年
●主な著書
 「多様化する社会と多元化する知−−「あたり前」を疑うことで見える世界」
 ナカニシヤ出版(2017)、共著、ケース&ディスカッション2を担当

Academic Degree: Ph.D of economics, Graduate School of Economics, University of Tokyo.

Research Interest: Monetary Exchange, Cheap Talk







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