シラバス Syllabus

授業名 政治学
Course Title Political Studies
担当教員 Instructor Name 植村 充(Mitsuru Uemura)
コード Couse Code NUC211_N25B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 教養教育科目100系 / Liberal Arts 100
専門専門科目200系 / Specialized Subject 200
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2025 UG Nisshin Term3

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

「政治」とは何か、これを一言で言い表すのは簡単ではありません。ある学者は、「諸価値の権威的配分(だれが、何を、どのように得るか)」とみなし、また他の学者は、「複数の人々が言葉を介して自由に行為する、公共的な営み」と考えました。実際、「世界に住むのは一人ではなく、複数の人間である」以上、私達の生活を取り巻くあらゆる環境において「政治」とみなされる現象はそこかしこに存在しており、私達の生活と切り離せないものです。この講義を通して、政治という営みについて考えていきましょう。
Defining "politics" in a single phrase is not easy. One scholar views it as "the authoritative allocation of values (who gets what, when, and how)," while another sees it as "a public activity in which multiple people act freely through language." In reality, political phenomena can be found everywhere in the environments surrounding our daily lives, making politics inseparable from our existence. Through this lecture, let us explore the nature of political activity.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本クラスにおいては、政治学の理論や現代社会の出来事の細かい知識を覚えることが目的ではありません。勿論社会に対する一定の知識を有することは確かな思考を行う上での重要な武器となりますが、それ以上に世界中で生じている様々な諸問題に対して、多角的に考え、問題解決のための論理的思考を行うことを通じて、大学卒業後も皆さんが活躍するための基盤となる能力を養成します。
In this class, the goal is not to memorize political science theories or detailed knowledge of contemporary societal events. Of course, having a certain level of knowledge about society is an important tool for developing sound thinking. However, more than that, this course aims to cultivate the ability to think from multiple perspectives and engage in logical reasoning to address various global issues. Through this process, you will develop fundamental skills that will serve as a foundation for your success even after graduation.

到達目標 / Achievement Goal

① トピックに対する理解を深め、その背後に存在する政治学の理論を理解する。
② トピックについて多角的な角度から分析をする柔軟性を養成する。
③ 学生間で様々なトピックについて意見の交換を行うことによって、多様な価値観の存在を理解する。

① To deepen understanding of the topic and the political theory behind it.
② To develop flexibility to analyze topics from a variety of angles.
③ To understand the existence of diverse values by exchanging opinions on various topics among students.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

① 多角的な視野に基づいて論理的に思考する能力の向上
② 複雑な状況を適切に理解する能力の向上
③ 政治・現代社会に関する知識の獲得または向上

① Improvement of the ability to think logically based on a multifaceted perspective.
② Enhancement of the ability to properly understand complex situations.
③ Acquisition or improvement of knowledge related to politics and contemporary society.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 40 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 60 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

●事前学習と事後学習について 
事前学習段階では、必要に応じて課題に関連する事前資料(「ケース」ならびに関連資料、参考文献、webページなどの情報)を提供いたしますので、それらを読み込み、講義内容のイメージを膨らませてください。事後学習段階では、講義内で用いたスライドおよびケースを用いてポイントを復習してください。それぞれ2時間を目安に取り組んでください。
●中央情報センター(図書館)を積極的に活用してください。
● レポート、課題に対するフィードバックについて
レポートや課題を課した際は出来る限り講義内でフィードバックを行いますが、Google Classroomを使用する場合もあります。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

(1) ガイダンス:講義計画、講義の進め方、評価方法などについて説明する。
(2) 政治学を学ぶ意義の説明、学生の関心テーマの把握を行う。

第2日(Day2)

政治の単位:国家の成立過程、各国内統治機構(立法・行政・司法・他アクター)の性質、国際社会の構成要素について説明する。政治が営まれる各次元について学習する。

●使用するケース
国家の起源と統治の選択:ホッブズ、ロック、ルソーの視点
想定される問い。
・新興国家は強力な統治体制を導入すべきか?その利点とリスクは?
・国は権力分立を導入し、市民の自由を保護すべきか?その実現方法は?
・新興国家はどの程度市民の直接的な意思決定を取り入れるべきか?

第3日(Day3)

決め方の政治学:民主主義について考える。民主主義の歴史、世界各国の政治体制とその現状、選挙の仕組みについて学習する。

●使用するケース
自由か、民主か?―統治の理想と現実
想定される問い。
・自由主義と民主主義の違いとは?
・民主主義が行き過ぎるとどうなるか?
・自由主義が行き過ぎるとどうなるか?
・「自由があること」と「平等があること」は両立可能か?

第4日(Day4)

結果に対する政治学(福祉と政治):私達はどこまでの格差を許容できるか。リベラリズム、リバタリアニズム、ジョン・ロールズ正義論に対する理解。功利主義基準、ナッシュ基準、マクシミン基準、公正について学習を行う。

●使用するケース
税金の使い道:公正な社会とは?
想定される問い。
・どこまでの格差を許容すべきか?
・公正な分配基準とは?
・租税抵抗を減らすためには?

第5日(Day5)

つながりに関する政治学:世界各地で生じている分断を理解するための方策について学習する。


●使用するケース
社会の分断をどう克服するか?―極右の台頭と民主主義の未来
想定される問い。
・日本の政治における「極端な意見」はどのような形で現れているか?(ネット右翼、ヘイトスピーチなど)
・世界各国の極右政党の政策とその支持層を比較し、日本における影響を考える。

第6日(Day6)

境界に関する政治学:移民・難民を巡る政治、ジェンダーを巡る政治について学習する。

●使用するケース
ジェンダー平等と政治―日本はどこに向かうべきか?
想定される問い。
・日本のジェンダー規範は、どの国のモデルに近いのか?どこが違うのか?
・日本のジェンダー平等を進めるには?日本に適した制度はどれか?それを実現するための課題は何か?

第7日(Day7)

行動に関する政治学:経済的・物質的に豊かになっただけではなく、SNSが広く普及した現代社会においては、市民が日常的にコミュニティを形成し、政治に参加することが可能になった。本時は、世界各国で行われる政治行動と日本の特殊性について考える。

●使用するケース
政治参加の新しい形―SNS時代の市民行動
想定される問い。
・政治参加に関する日本独自の課題とは?
・SNS時代の「ポピュリズム」と政治参加の関係とは?
・企業や学校における「政治的中立性」と政治参加のバランスをどう考えるか?

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 20 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 40 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 60 %
予習レポート Preparation Report 20 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 20 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

定期試験 Final Exam

あり

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

本講義において、期末試験の時を除いて、明確な正解を述べる必要はありません。むしろ皆さんが自分自身で考えた意見を積極的に述べることを歓迎いたします。
クラス貢献度 60点 (60%)
予習レポート20点(20%)
期末試験20点(20%)

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 川出良枝、谷口将紀「政治学 [第2版]」東京大学出版会(2022)978-4130322355

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

授業の内容を包括するものではないですが、政治学の理解を深めることができる著作になっています。

① 宇野重規 (2018) 『未来をはじめる: 「人と一緒にいること」の政治学』東京大学出版会
② 井出栄作、宇野重規、坂井豊貴、松沢裕作 (2017) 『大人のための社会科 -- 未来を語るために』有斐閣
③ 砂原 庸介, 稗田 健志, 多湖 淳 (2020)『政治学の第一歩[新版]』有斐閣ストゥディア

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

初年度担当科目

担当教員のプロフィール About the Instructor 

東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士課程、同博士課程修了。博士(学術)。
専門は国際関係論、EU研究、移民・難民研究、フランス政治、EU外交・安全保障政策など。
2024年9月よりストラスブール政治学院( Institut d’études politiques de l’Université de Strasbourg / Sciences Po Strasbourg)へ留学。

主な論文に
1.植村充(2024)「EU共通移民、庇護政策の発展とフランスへの影響 -受容を巡る政治力学とその帰結ー」東京大学博士学位論文
2.植村充(2024)「EUによる国際刑事裁判の追求とその含意 ーウクライナにおけるロシアの戦争犯罪追及の実践からー」 『日本EU学会年報』第44号 pp.163-185
3.植村充(2023)「労働移民に関するEU共通政策化の試み -フランスの高技能労働者獲得政策に与えた影響の分析ー」 『移民政策研究』第15号 pp.146-160
4.植村充(2022)「CJEUの司法管轄権の拡大と移民・庇護申請者領域への影響 ー司法管轄権の拡大から10年間の検討と理論的含意ー」 『日本EU学会年報』第42号 pp.97-121

Completed a doctoral program in International Social Sciences at the Graduate School of Arts and Sciences, the University of Tokyo, in 2024, earning a Ph.D. (Arts).
Specializes in International Relations, EU Studies, Migration and Refugee Studies, French Politics, and EU Foreign and Security Policy.
Studying abroad at Institut d’études politiques de l’Université de Strasbourg / Sciences Po Strasbourg from September 2024.

Publications

1. "The Development of the EU Common Migration and Asylum Policy and Its Impact on France – The Political Dynamics of Reception and Its Consequences"
Doctoral Dissertation, The University of Tokyo

2. "The EU’s Pursuit of International Criminal Justice and Its Implications – Examining the Prosecution of Russian War Crimes in Ukraine"
Annual Bulletin of the Japan Association for European Studies, Vol. 44, pp. 163-185

3. "EU’s Attempt to Form a Common Policy on Labor Migration – An Analysis of Its Impact on France’s High-Skilled Worker Recruitment Policy"
Journal of Migration Policy Studies, Vol. 15, pp. 146-160

4. "The Expansion of the CJEU’s Jurisdiction and Its Impact on Migration and Asylum Applicants – A Ten-Year Review of Jurisdictional Expansion and Its Theoretical Implications"
Annual Bulletin of the Japan Association for European Studies, Vol. 42, pp. 97-121

(実務経験 Work experience)

東京大学教養学部ティーチング・アシスタント 科目「日本の政治」(2016)
私立安田学園中学校・高等学校 社会科・公民科非常勤講師(2016-2018)
豊島岡女子学園中学校・高等学校 英語科専任教諭(2018-2024)
法政大学人間環境学部兼任講師 科目「平和学」「人間の安全保障」(2019-2024)


Teaching Assistant, College of Arts and Sciences, The University of Tokyo, Course: "Japanese Politics"(2016)
Part-time Lecturer in Social Studies and Civics, Yasuda Gakuen Junior & Senior High School (2016-2018)
Full-time English Teacher, Toshimagaoka Girls’ Junior & Senior High School (2018-2024)
Part-time Lecturer, Faculty of Human Environment, Hosei University (2019-2024), Courses: "Peace Studies" and "Human Security"






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