シラバス Syllabus

授業名 国際関係論
Course Title International relations
担当教員 Instructor Name 千坂 知世(Tomoyo Chisaka)
コード Couse Code NUC197_N24A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 共通専門教育科目300系 / Specialized Subject 300
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2024 UG Nisshin Term2

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

国際関係論は、国家間の戦争を回避し、平和裏に紛争を解決するための知恵を探求する学問である。今日、NUCBのMission Statement「ビジネス界や社会の発展をもたらす知識の創出」を目指すためには、一国内の政治にとどまらず、国家間の協力、国家と様々なアクターとの協働を実現するための課題を理解する必要性が生じている。本授業では、それらのイシューについて、国際関係論の分析枠組みに基づいて理解していく。
International Relations is the study of the wisdom to avoid war among nations and to resolve conflicts peacefully. Today, in order to achieve the mission statement of NUCBA "creating knowledge that brings about development of the business world and society," it is necessary to understand the politics in one country but also the issues of cooperation among nations and collaboration between nations and various actors. In this class, students will understand those issues based on the analytical framework of international relations theory.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本講義では、国際関係論の基礎的な概念や理論を、ケースを用いて学ぶ。本講義は、学生が国際関係論に関する基礎知識を身に着け、国家間の武力紛争など現在進行形で生じている事象や過去の事象が発生した原因を論理的に分析する力を身に着けることを目標とする。
In this course, students will learn basic concepts and theories of international relations theory by using cases. The goal of this course is to provide students with a basic knowledge of international relations theory and the ability to logically analyze ongoing events such as armed conflicts between states and the causes of past events.

到達目標 / Achievement Goal

講義を通して、以下のことができるようになることを目標とする。
①国際関係論の基礎的な用語・概念を修得し、3 つ以上説明できるようになる。
②国際関係論の主要な研究テーマを 2 つ以上取り上げ、自分の言葉で論理的に説明できるようになる。

The goal of the course is for students to be able to do the following
(1) Students will learn basic terms and concepts of international relations theory and be able to explain at least three of them.
(2) Students will be able to take up at least two major research themes in international relations and explain them logically in one's own words.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

・国際関係論に関する基本的知識
・論理的思考力、分析力


Basic knowledge of international relations
Ability to think logically and analyze

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 16 平和と公正をすべての人に(Peace and Justice Strong Institutions)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 50 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 50 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

【学習方法】
・予習:毎回レジュメとケースを授業日の前日までにGoogle classroomにアップロードする予定である。受講生は、授業前にレジュメとケースの資料を自分でダウンロードし、予習することが求められる。
・復習:2周目以降毎回小テストを行うため、受講生は授業内容やディスカッション内容を講義ノートとしてまとめ、よく復習することが推奨される。
【予習レポート】
・受講生は、毎回の授業で前日までにGoogle classroom経由でケースに対する予習レポートを提出する。
【課題に対するフィードバック】
・レポートに対するフィードバックはGoogle classroomの限定コメントを通じて行う。小テストについては授業中に間違いの多かった問題について解説を加える。
【中央情報センター(図書館)の活用】
・予習と復習は、各200分/週を目途に行うことが望ましい。質問についてはオフィスアワーに研究室で個別に対応する。中央情報センター(図書館)には参考図書が所蔵されているため積極的な使用を推奨する。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

【ガイダンス】
・授業の概要、進め方、評価方法を説明します。
【主権国家体制】
・国際関係を分析するための主要アクター「主権国家」とは何かを理解する。
【アナーキーと国際政治】
・「国際政治はアナーキーである」とは何を意味するのか、なぜアナーキーであれば国際秩序の達成が難しいのか、検討する。

●使用するケース
第一次世界大戦
※オリジナルケース。変更可能性あり。

第2日(Day2)

【制度】
・制度とは何か、国際制度はどのように国家間関係の協調を促すのか、安全保障分野を中心に検討する。

●使用するケース
湾岸戦争
※Thompson, A. (2006). "Coercion Through IOs: The Security Council and the Logic of Information Transmission," International Organization 60, 1-34. の一部抜粋・要約をもとに、講師が作成したオリジナルケース。変更可能性あり。

第3日(Day3)

【規範】
・規範とは何か。規範はどのように生成され、広まるのか考察する。

●使用するケース
核のタブー
※Tannenwald, N.(1999) "The Nuclear Taboo," International Organization 53, 433-68.をもとに講師が一部抜粋、要約して作成したオリジナルケース。変更可能性あり。

第4日(Day4)

【国際交流・アイデンティティ】
・ヒトやモノの国境を越えた移動が活発になり国際交流が進むと、アイデンティティにどのような影響を与え、ひいては国家間関係にどのような影響をもたらすのか、考察する。

●使用するケース
留学
※Jones, Calvert W. “Exploring the Microfoundations of International Community: Toward a Theory of Enlightened Nationalism.” International Studies Quarterly 58, no. 4 (2014): 682 705. を講師が一部抜粋、要約して作成したオリジナルケース。変更可能性あり。

第5日(Day5)

【国内政治体制と国際関係】
・なぜ国家は戦争をするのか、その要因を国内政治体制から検討する。

●使用するケース
フォークランド戦争
※オリジナルケース。変更可能性あり。

第6日(Day6)

【対外政策決定と外交】
・対外政策の決定過程のタイプに与える国内政治の影響を学ぶ。

●使用するケース
キューバ危機
※グラハム・アリソン、フィリプ・ゼリコウ(2023)『決定の本質:キューバ・ミサイル危機の分析(第4版)』(漆島稔訳)日経BPを講師が一部抜粋・編集して作成したオリジナルケース。変更可能性あり。

第7日(Day7)

【内戦と平和構築】
・内戦はどのような場合に発生するのか。国際社会の関与は内戦の終結にどのような影響をもたらすのか、考察する。

●使用するケース
シリア内戦
※東大作著『内戦と和平』(2020)中公新書、第4章の内容を講師が一部抜粋、要約して作成したオリジナルケース。変更可能性あり。

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 60 %
予習レポート Preparation Report 10 %
小テスト Quizzes / Tests 30 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

・全員ネームプレート必須。大人数授業(100人超)の場合、ネームプレートを出している人を優先的にあてます。発言機会を作るためにも必ずネームプレートを出してください。
・小テストは持ち込み不可。レジュメやノートを見てはいけません。携帯電話は禁止。PCからのみ受験可能。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 多湖淳「戦争とは何か」中公新書(2020)

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

・小川浩之他(2018)『国際政治史』有斐閣
・砂原庸介、稗田健志、多湖淳(2020)「政治学の第一歩(新版)」有斐閣
・山影進(2012)『国際関係論講義』東京大学出版会
・山本吉宣(2008)『国際レジームとガバナンス』有斐閣
・山本吉宣・河野勝編(2005)『アクセス安全保障論』日本経済評論社
・藤原帰一(2013)『戦争の条件』集英社新書
・中西寛・石田淳・田所昌幸(2021)『国際政治学(第6版)』有斐閣
その他、授業中に参考文献を紹介する。

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

・ゆっくりと繰り返し説明することで、分かりやすい授業を心がける。
・グループワークを行うなど受講生ができるだけ全員発言する機会を作る。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

【学歴】
大阪大学外国語学部外国語学科ペルシャ語専攻 卒業
大阪大学大学院国際公共政策研究科国際公共政策専攻 博士前期課程 修了
大阪大学大学院国際公共政策研究科比較公共政策専攻 博士後期課程 修了 

【研究分野】
比較政治学(選挙権威主義)、中東地域研究(イラン研究)

【Education】
Ph.D. Graduate School of International Public Policy, Osaka University
M.A. Graduate School of International Public Policy, Osaka University
B.A. Department of Foreign Studies, Osaka University

【Major】
Comparative Politics (Electoral authoritarianism), Middle Eastern Studies (Iranian studies)

(実務経験 Work experience)

2023年4月 - 2023年8月 Stanford University, Iranian Studies Program, Zahedi fellow
2022年9月 - 2023年8月 Stanford University, Abbasi Program in Islamic Studies, Visiting Scholar
2021年10月 - 2023年8月 日本学術振興会特別研究員(PD)
2019年4月 - 2021年9月 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2019年1月-2020年3月 University of Tehran, Visiting Student
2016年4月 - 2018年3月 笹川平和財団中東イスラム事業グループ研究員

2023 - 2023 Zahedi fellow, Iranian Studies Program, Stanford University
2022 - 2023 Visiting Scholar, Abbasi Program in Islamic Studies, Stanford University
2021 - 2023 Postdoctoral fellow, Japan Society for the Promotion of Science (PD)
2019 - 2021 Research Fellowship for Young Scientists, Japan Society for the Promotion of Science (DC2)
2019 - 2020 Visiting Student, University of Tehran
2016 - 2018 Associate Program Officer, Middle East and Islam Program Department, Sasakawa Peace Foundation

Refereed Articles

  • (2024) Iran’s Revolutionary Forces and Palestine: Relationship Development and Current Situation. The Middle East Studies (551):
  • (2024) The Conflict Within: The Politics of Parliamentary Election Management in Iran. Democratization
  • (2024) Managing Elections in Iran: The Role of Iran’s Ministry of Interior in Parliamentary Elections. Middle East Journal
  • (2023) How Iranians See the IRGC Oversea Deployments? An Analysis of the Survey Experiment. Ajia Keizai 64(1):
  • (2020) The Supreme Leader’s Legitimacy Crises and Candidate Screening in Iran’s Post-Khomeini Parliamentary Elections. International Public Policy Studies 25(1): 24320870






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