シラバス Syllabus

授業名 国際政治
Course Title International Politics
担当教員 Instructor Name 植村 充(Mitsuru Uemura)
コード Couse Code NUC192_N25A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 共通専門教育科目300系 / Specialized Subject 300
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2025 UG Nisshin Term2

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

現在の世界で生じている戦争、紛争、経済摩擦など様々な現象は私達の生活に大きな影響を与えています。これらの出来事について、自分の頭で思考し、自分なりの意見を持つこと。解決の糸口を見つける意思を持つこと。当事者の方々に共感することは、社会に出てから自律的な市民になるために欠かせない資質となります。本講義においては、国境を越えて表出する諸問題を理解するために、NGOや地域共同体、ICJ・ICCといった国際アクターの理解と難民問題、環境問題、貧困問題などの事象について深堀していきます。
The various phenomena occurring in the world today, such as wars, conflicts, and economic frictions, have a significant impact on our daily lives. It is essential to think critically about these events, form our own opinions, and have the willingness to seek solutions. Developing empathy for those directly affected is also a crucial quality for becoming an autonomous citizen in society.

In this lecture, we will delve into transnational issues by examining the roles of international actors such as NGOs, local communities, the ICJ (International Court of Justice), and the ICC (International Criminal Court). We will also explore key global challenges, including refugee crises, environmental issues, nuclear proliferation, and poverty.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本クラスにおいては、国際政治の理論や現代国際社会の出来事の細かい知識を覚えることが目的ではありません。勿論一定の知識を有することは確かな思考を行う上での重要な武器となりますが、それ以上に世界中で生じている様々な諸問題に対して、多角的に考え、問題解決のための論理的思考を行うことを通じて、大学卒業後も皆さんが活躍するための基盤となる能力を養成します。
In this class, the goal is not to memorize theories of international politics or detailed knowledge of contemporary international events. While having a certain level of knowledge is undoubtedly a crucial tool for engaging in rigorous thinking, it is even more important to approach the various issues arising around the world from multiple perspectives and develop logical thinking aimed at solving these problems. This will help you build the foundational skills needed to succeed after graduating from university.

到達目標 / Achievement Goal

① トピックに対する理解を深め、その背後に存在する国際政治の理論を理解する。
② トピックについて多角的な角度から分析をする柔軟性を養成する。
③ トピックについて自分自身の意見を論理的に構築する能力を養成する。

① Deepen your understanding of topics and the international political theories behind them.
② Develop the flexibility to analyze topics from multiple perspectives.
③ Cultivate the ability to construct your own opinions on topics logically.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

① 多角的な視野に基づいて論理的に思考する能力の向上
② 複雑な状況を適切に理解する能力の向上
③ 国際政治・現代世界に関する知識の獲得または向上

① Enhance the ability to think logically based on a multifaceted perspective.
② Improve the ability to accurately comprehend complex situations.
③ Acquire or advance knowledge of international politics and the contemporary world.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 40 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 60 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

●事前学習と事後学習について 
事前学習段階では、必要に応じて課題に関連する事前資料(「ケース」ならびに関連資料、参考文献、webページなどの情報)を提供いたしますので、それらを読み込み、講義内容のイメージを膨らませてください。事後学習段階では、講義内で用いたスライドおよびケースを用いてポイントを復習してください。それぞれ2時間を目安に取り組んでください。
●中央情報センター(図書館)を積極的に活用してください。
● レポート、課題に対するフィードバックについて
レポートや課題を課した際は出来る限り講義内でフィードバックを行いますが、Google Classroomを使用する場合もあります。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

(1) ガイダンス:講義計画、Term1国際政治との接続、講義の進め方、評価方法などについて説明する。
(2) 国際政治を学ぶ意義、学生の関心テーマの把握、Term1国際政治の内容の確認。

第2日(Day2)

国際社会のアクター① NGO:近年、国際社会における主要なアクターとして市民やNGO活動の重要性が指摘されてきている。国境を越えた彼らの連帯と国際政治への関わりについて具体的事例を通して学習していく。

●使用するケース
児童労働問題とファストファッション業界
想定される問い。
・NGOのキャンペーンの成功要因と課題は何か?
・企業のサプライチェーン管理において、どのような透明性の確保が求められるか?
・消費者の行動(不買運動など)は企業にどのような影響を与えるか?

第3日(Day3)

国際社会のアクター② 地域共同体:欧州連合(European Union)をはじめとして、世界の諸地域には、地域共同体が存在する。ASEAN、AU(アフリカ連合)など、地域の安定に寄与する政治体の特性と課題について具体的事例を通して学習していく。


●使用するケース
EUにおける避難民分担の課題と地域共同体の役割
想定される問い。
・2015年に提案された「難民割り当て制度」は公平だったか?どのような問題点があったか?
・地中海沿岸国(ギリシャ・イタリアなど)と東欧諸国(ポーランド・ハンガリーなど)の立場の違いは何か?どの国がより負担を負うべきだと考えるか?
・あなたがEUの政策決定者だった場合、どのような政策を採用するか?理由とともに提案せよ。

第4日(Day4)

国際社会のアクター③ 国際司法裁判所、国際刑事裁判所:国際社会のなかでいわゆる「国際正義」を追求する組織としてこれらの国際組織が挙げられる。崩壊する国際秩序の中で、いかにこれらの組織が行動し、主権国家の行動に影響を与えているかを学習する。

●使用するケース
国際司法裁判所(ICJ)・国際刑事裁判所(ICC)の役割と限界
想定される問い。
・国際司法制度は、主権国家の行動をどこまで制約できるのか?
・国際裁判は紛争解決の手段として十分機能しているか?
・国連安保理や主要国の影響を受けない国際司法制度を作ることは可能か?

第5日(Day5)

越境する問題群① 移民・難民問題
:現代国際社会において、人の移動(強制・自由意志)は過去例をみないほどに増加している。この人の移動の増大に伴って、特に受け入れ国側の社会不安は日に日に強さをましている。本時は、人の移動が引き起こす諸問題と人の受け入れを巡る倫理的な問題について理解を深めていく。

●使用するケース
日本における移民・難民問題:受け入れの現実と倫理的課題
・なぜ日本の難民認定率は低いのか?
・日本の「仮放免制度」にはどのような課題があるか?
・ミャンマーの事例を踏まえ、日本はどのような難民政策をとるべきか?

第6日(Day6)

越境する問題群② 環境問題
:世界規模での環境問題の悪化は、人々の生活空間に対して直接的に影響を及ぼすのに加え、水資源の利用を巡る国家間の紛争など、2次的な問題を引き起こす重要なイシューである。本時においては、環境問題に対する各国の協力がいかに進展し、他方で阻害されているのかを学習していく。

●使用するケース
国際環境問題:協力と対立のダイナミクス 
想定するされる問い。
パリ協定の「公平性」についてどう考えるか?先進国と途上国の負担は均等であるべきか?
アメリカが気候変動政策を変えるたびに国際協力が揺らぐが、これを防ぐ仕組みはあるか?
日本のような中規模経済国はどのような役割を果たすべきか?

第7日(Day7)

越境する問題群③ 貧困問題
:戦争の不在だけでは人々の生活を保障しているとは言えない。グローバル化が進展する中で、発展途上国と先進国の間にある経済格差は埋まらないままである。本時は、同領域における現在の課題と国際社会のアプローチを理解する。

●使用するケース
国際貧困問題:経済格差と国際社会の対応
想定される問い。
・ODAは発展途上国の経済成長に本当に役立っているのか?
・開発援助をより効果的にするためにはどのような方法があるか?
・債務問題を回避しつつ援助を行うには、どのような仕組みが必要か?

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 20 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 40 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 60 %
予習レポート Preparation Report 20 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 20 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

定期試験 Final Exam

あり

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

本講義において、期末試験の時を除いて、明確な正解を述べる必要はありません。むしろ皆さんが自分自身で考えた意見を積極的に述べることを歓迎いたします。
クラス貢献度 60点 (60%)
予習レポート20点(20%)
期末試験20点(20%)

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 村田晃嗣、君塚直隆、石川卓、栗栖薫子、秋山信「国際政治学をつかむ(第3版)」有斐閣(2022)978-4641177314

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

これらの著作は、授業内容について理解を助けるものとなりますが、必須のものではないです。興味が出てきたら是非手にとってお読みください。
1) 多湖淳 (2024)『アカデミックナビ-国際関係論-』勁草書房
2) 高坂正堯 (2017)『国際政治 - 恐怖と希望』中央公論新社
3) Steven C. Roach, Alexander D. Barder (2024) International Relations The Key Concepts 4th Edition Routledge.

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

初年度担当科目

担当教員のプロフィール About the Instructor 

東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士課程、同博士課程修了。博士(学術)。
専門は国際関係論、EU研究、移民・難民研究、フランス政治、EU外交・安全保障政策など。
2024年9月よりストラスブール政治学院( Institut d’études politiques de l’Université de Strasbourg / Sciences Po Strasbourg)へ留学。

主な論文に
1.植村充(2024)「EU共通移民、庇護政策の発展とフランスへの影響 -受容を巡る政治力学とその帰結ー」東京大学博士学位論文
2.植村充(2024)「EUによる国際刑事裁判の追求とその含意 ーウクライナにおけるロシアの戦争犯罪追及の実践からー」 『日本EU学会年報』第44号 pp.163-185
3.植村充(2023)「労働移民に関するEU共通政策化の試み -フランスの高技能労働者獲得政策に与えた影響の分析ー」 『移民政策研究』第15号 pp.146-160
4.植村充(2022)「CJEUの司法管轄権の拡大と移民・庇護申請者領域への影響 ー司法管轄権の拡大から10年間の検討と理論的含意ー」 『日本EU学会年報』第42号 pp.97-121

Completed a doctoral program in International Social Sciences at the Graduate School of Arts and Sciences, the University of Tokyo, in 2024, earning a Ph.D. (Arts).
Specializes in International Relations, EU Studies, Migration and Refugee Studies, French Politics, and EU Foreign and Security Policy.
Studying abroad at Institut d’études politiques de l’Université de Strasbourg / Sciences Po Strasbourg from September 2024.

Publications

1. "The Development of the EU Common Migration and Asylum Policy and Its Impact on France – The Political Dynamics of Reception and Its Consequences"
Doctoral Dissertation, The University of Tokyo

2. "The EU’s Pursuit of International Criminal Justice and Its Implications – Examining the Prosecution of Russian War Crimes in Ukraine"
Annual Bulletin of the Japan Association for European Studies, Vol. 44, pp. 163-185

3. "EU’s Attempt to Form a Common Policy on Labor Migration – An Analysis of Its Impact on France’s High-Skilled Worker Recruitment Policy"
Journal of Migration Policy Studies, Vol. 15, pp. 146-160

4. "The Expansion of the CJEU’s Jurisdiction and Its Impact on Migration and Asylum Applicants – A Ten-Year Review of Jurisdictional Expansion and Its Theoretical Implications"
Annual Bulletin of the Japan Association for European Studies, Vol. 42, pp. 97-121

(実務経験 Work experience)

東京大学教養学部ティーチング・アシスタント 科目「日本の政治」(2016)
私立安田学園中学校・高等学校 社会科・公民科非常勤講師(2016-2018)
豊島岡女子学園中学校・高等学校 英語科専任教諭(2018-2024)
法政大学人間環境学部兼任講師 科目「平和学」「人間の安全保障」(2019-2024)


Teaching Assistant, College of Arts and Sciences, The University of Tokyo, Course: "Japanese Politics"(2016)
Part-time Lecturer in Social Studies and Civics, Yasuda Gakuen Junior & Senior High School (2016-2018)
Full-time English Teacher, Toshimagaoka Girls’ Junior & Senior High School (2018-2024)
Part-time Lecturer, Faculty of Human Environment, Hosei University (2019-2024), Courses: "Peace Studies" and "Human Security"






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