シラバス Syllabus

授業名 環境学入門
Course Title Introduction to the Environmental Studies
担当教員 Instructor Name 丸山 めぐみ(Megumi Maruyama)
コード Couse Code NUC186_N20A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2020 UG Nisshin Term2

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

本講義は人間活動が引き起こす環境問題を扱うものであり、 現代問題となっている環境破壊が人間社会に及ぼす影響と環境修復、保全について基本的なことを学ぶ。過去100年の間に、地球環境は人口増加による人為的な農業や産業活動によって著しく攪乱され、人 間のみならず、生態系全体に異変が生ずるまでになった。環境を修復するうえでは、"Frontier Spirit" をどう実践して生かしていけるかがネックとなる。ま た、日本国内だけでなく、世界的な視野を持ってビジネス界に貢献できる能力を持ったリーダーや起業家を育成できるよう、グ ローバル化における課題を満たし、毎年開催されている国際会議の中で決定される環境に関する取り決めについて常にアップデートし、卒 業後もこれを仕事の中に取り込んでいく習慣を学ぶ。
This lecture deals with the environmental problems.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

本科目は教養教育科目の自然を理解する分野に属する。育成するNUCBフロンティア力は実践的思考力、主体的行動力、発展的コミュニケーション力である。対応する学習目標はLG-I( 論理的思考力)、 LG-II( 発展性ある実践を実現するコミュニケーション能力の養成)、 LG-Ⅲ( 情報技術を有効に活用する能力の養成)> 、LGIV( グローバルな視点を備えた思考力、実践力の養成)。

Critical Thinking, Diversity Awareness, Ethical Decision Making and Effective Communication.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 70 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 30 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

第1回目の講義でA とBにグループ分けをする。プレゼンテーションのテーマは下記の順番。各グループ内で発表者の役割分担をし、パワーポイントを使って各自スライド3枚で発表する。 発表者は全員。グループの一人が作成したスライドを準備もせず、 ぶっつけ本番で棒読みするのはNG。必ず皆としっかり役割分担をし、自分の担当部分は責任をもって調べ、自分でスライドを作る。絶対に他人まかせにしない。自分の発表部分のレジュメを当日各自全員が提出すること。これがないと、プレゼンをしても、評価はゼロ!参考文献は著書、新聞、インターネット、すべて必ず明記する。発表時間は各グループ30分以内。発表の日に無断で15分以上遅刻、または欠席した学生は、 特別な事情がない限り、評価点がもらえない。公欠の場合は、最終講義までにレポートを提出すること。

A/B グループ共通テーマ
1福島第一原発事故と現状について( 住民の健康、差別問題、風評被害、原発作業員の現状、東電&政府の対応、核廃棄物、汚染水、放射性物質の年間許容量、世界はどう見ているかなど)参考文献:1)福島原発事故、原子炉に届いた冷却水はほぼゼロだったと判明 NHKメルトダウン取材班 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52931 2)東京電力 福島第一原発1号機から3号機事故の経過の概要
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/outline/2_1-j.html
2日本列島に点在する54基の原子力発電所すべての特徴と過去に起きた福島第一原発以外の主な日本の原子力発電所の事故(もんじゅ、東海村臨界事故など)と、高レベル放射性廃棄物問題について。参考文献:1さようなら、もんじゅ君 高速増殖炉がかたる原発のホントのおはなし 監修 小林圭二 河出書房新書/2 NHK「東海村臨界事故」取材班 朽ちていった命 被爆治療83日間の記録 新潮文庫 ISBN978-4-10-129551-0
3スリーマイル原発やチェルノブイリ原発事故などについて。原発の規模と特徴。なぜ起きたか。周辺住民への事故対応。住民の健康被害。廃炉作業。災害時と現在の放射能汚染レベル。福島第一原発との比較。参考文献:田城明 現地ルポ核超大国を歩く アメリカ、ロシア、旧ソ連 岩波書店
4原子炉輸出について( ロシア、アメリカ、フランス、中国、日本などがどこへ輸出しているか、輸出先においての危険性、安全管理への責任、水不足の国が抱える冷却水の問題、住民へ  の十分な安全性が放置されている倫理問題など)。参考文献:1)WSJ 福島後も加速する途上国での原発建設http://jp.wsj.com/public/page/0_0_WJPP_7000-405651.html 
2)日刊工業新聞 Newswitch日本の原発輸出はふたたび動き出すのか2016.11.15 https://newswitch.jp/p/6798
5海のプラスチック汚染について(汚染源、原因、分布、規模、海洋生物への健康被害、どのような対処法があるか)参考文献:1チャールズ・モア著 プラスチックスープの海 北太平洋巨大ごみベルトは警告する 2 眞淳平著 海はゴミ箱じゃない 岩波ジュニア新書 3 海洋ごみとマイクロプラスチックに関する環境省の取り組み 平成28年12月10日www.env.go.jp/water/marine_litter/00_MOE.pdf#search=%27umino+purasuchikku+gomi%27
6水俣病について(原因物質、動物や人間への健康被害、 企業と政府の住民への対応、チッソのその後、2018年現在に至る訴訟、公害が起きてから賠償金が支払われるまでの道のり)参考文献:1)原田正純著 水俣病 岩波新書ISBN-00-411113-7 2)政野淳子著四大公害病 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害 中公新書 ISBN978-4-12-102237-0  3) 庄司光/宮本憲一著 恐るべき公害 岩波新書
7イタイイタイ病について(原因物質、動物や人間への健康被害、 企業と政府の住民への対応、加害企業のその後、2018年現在に至る訴訟、公害が起きてから賠償金が支払われるまでの道のり)参考文献:1)政野淳子著四大公害病 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害 中公新書 ISBN978-4-12-102237-0 2) 庄司光/宮本憲一著 恐るべき公害 岩波新書
8四日市公害と塵肺訴訟について (原因物質、動物や人間への健康被害、 企業と政府の住民への対応、加害企業のその後、2018年現在に至る訴訟、公害が起きてから賠償金が支払われるまでの道のり)参考文献:1政野淳子著四大公害病 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害 中公新書 ISBN978-4-12-102237-0  2) 庄司光/宮本憲一著 恐るべき公害 岩波新書 3)石炭塵肺訴訟の現状について 環境省http://www.meti.go.jp/committee/summary/0001520/pdf/026_05_00.pdf#search=%27%E3%81%98%E3%82%93%E8%82%BA%E8%A8%B4%E8%A8%9F%27
9 2012年に大阪で発覚した印刷所従業員の胆管がんについて(原因物質、症状、企業の対応)参考文献:1)胆管がんとは 国立がんセンター
https://ganjoho.jp/public/cancer/bile_duct/index.html#a3 
2)東京大学公共政策大学院 岡田幸村 胆管がん訴訟の背景にある「印刷業と胆管がんの関係」に関する分析 2016
http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/~matsumur/healthfinal2016.pdf#search=%27tannkanngansoshou%27
10フェロシルト問題について(石原産業の四日市公害から現在までの汚染物質排出問題)
参考文献:1)飯田孝雄フェロシルトとは?健康文化42号2007年10月http://www.kenkobunka.jp/kenbun/kb42/iida42.pdf#search=%27%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%88%27
2)鳥羽良英「内部統制の理論と制度」石原産業フェロシルト不正処理事件 国元書房2008 http://www.kunimoto.co.jp/contents/businessadminist/download2-2/ishihara.pdf#search=%27%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%88%27
11アスベストについて(どのような物質か、加害企業、アスベスト肺、訴訟など)
参考文献: 1)国土交通省 アスベスト対策Q&A
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/Q&A/index.html
2)厚生労働省 アスベストが原因で発症する病気は?Q&A http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_asbest02.html
3)クローズアップ現代 終わらないアスベスト被害NHK 2016年2月4日放送 http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3765/1.html
12ビキニ環礁水爆実験の被爆者について(第五福竜丸やその他の漁船の被爆者、ビキニ環礁島民の健康被害、訴訟問題、アメリカや日本の政治的な隠ぺい)参考文献:三宅康雄著 死の灰と闘う科学者 岩波新書 ISBN978-4-00-411107-8
レポートについて
就職活動や公欠でプレゼンテーションができなかった学生は、 1 必ずレポートを提出する。期限は7月最後の講義。テーマ:①石 弘之著の「 地球クライシス」洋泉社 2011 ISBN:9784862487407又は②丸山 めぐみ著の「自然科学から見た最近の環境問題」オアシス書房2016 ISBN:9784990437862を読み、各章ごとに内容をまとめ、最後に感想文を書く。また、本が書かれた頃と現在では、どのような変化があったかも合わせて書くこと。レポートは一か月前に作成を始め、期日までに3千字以上1万字以内で提出する。

この科目に対する自学自習方法として
講義は、教科書に沿って進める。講義方法は、パワーポイント及び、DVDを使用したものとする。 講義内容は、一回ごとにキーワードをおさえ、ノートにまとめるとよい。ビデオの内容はテスト範囲に入るので、必ずメモをとりながら見る。グループごとのプレゼンテーションもしっかり聞き、メモをとること。 授業では、教科書を参考にしながら、予習・復習しておくこと。また、興味をもった内容については、参考文献も積極的に読むこと。日々、新聞や専門の学術雑誌を通して、環境問題を自分なりにアップデートしていく事も重要である。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

第1回 第1章 環境学入門
20世紀は、 限りある地球資源を大量消費した時代であったが、後半になって、地球資源の枯渇と環境破壊の影響が問題視されるようになってきた。本講義では、21世紀の環境をもう少し深く科学と関連付け、環境汚染がなぜ危険なのか、なぜ人体や生態系へ取り返しのつかない影響を及ぼすのか、過去に公害を見て見ぬふりをしてきた政府や加害企業の倫理観など、環境全体と人間社会との関連性、人類の生態系全体に対する責任などについて論じる。

●使用するケース
第2回 第2章 人類が有史依頼、初めて経験する人為的な環境異変
20世紀の後半から21世紀にかけて、地球全体として起こっている人為的な環境異変について注意を促す。地球温暖化、 海洋の異常現象、大気汚染など、環境異変に対する現実的な政策について学ぶ。

第2日(Day2)

第3回 第3章 現在世界が直面している環境問題
2011年3月11日に福島で起きた原発事故はチェルノブイリ原発事故と同レベルのレベル7級の事故であった。放射能汚染は非常に長期に地球環境を汚染するだけでなく、人体への影響、生 態系への影響が非常に深刻である。本講義では放射能汚染について学ぶ。

●使用するケース
第4回 第7章 残留性有機化合物 &  第21章 ごみ問題とバーゼル条約 
人工的に作られた化学合成物質は、人間社会を非常に便利に、豊かにしてきたが、分解に非常に時間がかかる。本 講義では残留性汚染物質による健康障害と汚染への取り組みについて学ぶ。

第3日(Day3)

第5回 第8章 農薬と輸入作物の問題点
人類にとって一番大事な食糧の確保は、農業にかかっていると言っても過言ではない。しかし、最近では農薬やGMOの問題がTPPと関連して、非 常に深刻になってきている。本講義では、人工化学物質である農薬やGMO、日本の輸入食品などについて学ぶ。

●使用するケース
第6回 第19章 森林の保全 &  第20章 生物多様性の減少
森林減少とそれに伴う生物多様性の減少、対策としての適切な森林管理について学ぶ。

第4日(Day4)

第7回 第5章 オゾン層破壊 &  第13章 酸性雨 
本講義では、オゾン層破壊物質や、酸性雨の原因となる大気汚染物質について概説し、オ ゾン層の保護対策や酸性雨の防止対策について学ぶ。

●使用するケース
第8回 第4章 地球温暖化  
温室効果ガスがもたらす影響についての対策に関しては、まだかなり地域格差がある。本講義では、地 球温暖化防止への世界の取り組みについて概説し、炭素税および排出権取引について説明する。

第5日(Day5)

第9回 第10章 地下水、河 川および海洋汚染 & 第6章 世界に蔓延する公害
本講義では、水質汚濁と水俣病について取り上げ、21世紀の水資源政策について学ぶ。

●使用するケース
第10回 第9章 環境ホルモン  
最近、環境ホルモンが人体に及ぼす影響が懸念されてきている。本講義では環境ホルモンの原因物質について言及し、生 命体への保護対策について学ぶ。

第6日(Day6)

第11回 第18章 感染症 &  第6章 世界に蔓延する公害  
最近、人間の生活の変化が新たなウイルスの登場を引き起こしている。また、アスベストのような潜伏期間の長い汚染物質が人体に影響を及ぼし始めている。本講義では、ウイルスと汚染物質対策について考える。

●使用するケース
第12回 第17章 武器による環境破壊 
20世紀以降の世界は、二つの世界大戦を経て、核兵器に代表される大量破壊兵器の進歩が著しく、同時に貧者の兵器とも言われる対人地雷や生物兵器、化学兵器などが次々と開発されてきた。中でも、核廃棄物から転用される劣化ウラン弾やクラスター爆弾は、内戦の続く国の人々を汚染で苦しめている。

第7日(Day7)

第13回 環境問題と倫理
一昔前までは、大規模な国家プロジェクトなどは住民不在、環境アセスメントなど皆無の状態で否応なしに施行されていた。しかし、これによって住民が受けた被害ははかりしれない。四大公害病など、いまだに住民の健康状態は改善されていない。産業界は利益を重視する姿勢に偏りすぎているきらいがある。また、これを奨励する政治家、そして快適な生活を追い求め、被害を受けている人々を顧みない私たち一人一人の倫理観を今一度正していく必要がある。

●使用するケース
第14回 第23章 地球環境の保全と管理
環境問題は、地球全体として取り組むべき問題であり、最近、世界的にもいくつかの国際協力や取り決めが行われてきている。今後は、発展途上国に協力援助を惜しまず、世界全体としての努力が重要である。

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 0 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 0 %
予習レポート Preparation Report 0 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 70 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 30 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

プレゼンテーションが30%、できない場合は、レポート30%。環境問題のDVD感想文10%。定期テスト60%で合計100%。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 丸山めぐみ「 「21世紀の地球環境- The Earth's Environment of the 21st Century」」オアシス書房(2017)9784990437800

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

[1] 深海 浩著 「 変わりゆく農薬」1998化学同人 ISBN4-7598-0854-X
[2]原田正純著「環境と人体」2002 世界書院 ISBN: 9784792710408
[3] 石 弘之著の「 地球クライシス」洋泉社 2011 ISBN:9784862487407
[4]D.H.メドウズ/D.L.メドウズ/ラーンダズ.J/W.W.ベアランズIII世共著「 成長の限界」 ダイヤモンド社 ISBN: 9784478200018
[5]J.アンドリュース/P.ブリンブルコム/T.ジッケルズ/P.リス 共著 渡辺正 訳 2001年 「 地球環境化学入門」 シュプリンガー・n フェアラーク東京 ISBN: 9784431711117
[6]大石正道著1999年「 生態系と地球環境のしくみ」日本実業出版社 ISBN: 9784534029218
[7]西村雅吉著2001年「環境化学」裳 華房ISBN: 9784785330590
[8]レイチェル・> カーソン著 「沈黙の春」新潮文庫 ISBN4-10-207401-5
[9]三宅泰雄著 2011年「死の灰と闘う科学者」岩波新書 ISBN978-4-00-411107-8
[10]もんじゅ君著 小林圭二監修 さようなら、もんじゅ君 河出書房新社 ISBN978-4309245867
[11]庄司光/宮本憲一 共著 「恐るべき公害」岩波新書 521 1972年
[12]政野淳子著 四大公害病 水俣病、: 新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害 中央公論新社刊 中公新書237 ISBN9784121022370

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

The students are improving good communication skills throughout their presentations on the Environmental Problems.

担当教員のプロフィール About the Instructor 



Refereed Articles

  • (2009) Deforestation Analysis along the BR163 Highway in Mato Grosso-Amazonia, using multi-temporal Landsat TM data.. Proceedings of the 47th Autumn Conference of the Remote Sensing Society of Japan 2009年11月(pp.191-192):






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