授業名 | 国際安全保障論 |
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Course Title | International Security |
担当教員 Instructor Name | 植村 充(Mitsuru Uemura) |
コード Couse Code | NUC184_N25B |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
授業形式 Class Format | On Campus |
単位 Credits | 2 |
言語 Language | JP |
科目区分 Course Category | 共通専門教育科目400系 / Specialized Subject 400 |
学位 Degree | BSc |
開講情報 Terms / Location | 2025 UG Nisshin Term4 |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
安全保障には多義的な意味が存在しますが、特に「国際安全保障」においては一国レベルでの安全保障が議論の対象となります。変化のスピードが一層激しさを増す日本を取り巻く国際情勢において、「何を」「何から」「どのように」守っていくのか。多様化する脅威に関して前提となる知識を適切に身に付けたうえで、問題について思考し、解決の糸口を議論していきましょう。
Security encompasses a range of meanings; however, within the framework of international security, the discourse primarily centers on the security of individual nation-states. In the context of Japan’s increasingly volatile international environment, critical questions arise: What should be protected, from what threats, and through what means. By systematically acquiring a comprehensive understanding of the diverse and evolving nature of contemporary threats, we can engage in analytical reflection on these issues and contribute to the formulation of potential solutions through informed discourse.
授業の目的(意義) / Importance of this course
国際安全保障を理解するためには、安全保障に関する基本的な理論や歴史、そして日本や世界をとりまく現代国際社会の事象に関する基礎的な理解が必要となります。しかし、本講義の主眼は、それらの要素を記憶するだけではなく、学生間の議論やグループワークを通じた具体的な戦略的思考の養成にあります。具体的には、同盟関係、国際秩序、外交政策の成立過程などについて学習を行っていきます。
A comprehensive understanding of international security necessitates a foundational grasp of key security theories, historical developments, and contemporary issues within the international system, both in the context of Japan and globally. However, the central objective of this course extends beyond the mere acquisition of factual knowledge. It aims to cultivate strategic thinking through critical discussions and collaborative group work. Specifically, the course will engage with topics such as the dynamics of alliance formation, the evolution of international order, and the processes underpinning the formulation of foreign policy.
到達目標 / Achievement Goal
本講義の到達目標は、学生各自が日本と世界をとりまく国際情勢について、安全保障論に関する一程度の専門的知見を持って意見を持てるようになることが重要である。また、講義中に出てきたトピックを手掛かりにして、主体的に情報を吸収し、現代社会の問題について関心を持ち続けられることを期待する。
The primary learning objective of this course is to enable students to form informed opinions on international affairs surrounding Japan and the world, grounded in a certain level of specialized knowledge in security studies. Additionally, the course aims to encourage students to actively engage with the topics discussed in class, fostering the ability to independently acquire information and maintain a sustained interest in contemporary global issues.
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)
LG6 Managerial Perspectives (BBA)
LG7 International Perspectives (BA)
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)
LG6 Managerial Perspectives (BBA)
LG7 International Perspectives (BA)
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
多様かつ変化の激しい安全保障に関する基本概念を理解し、日本および世界各地で生じている現象について自分なりの意見が持てるようになる。また問題解決への主体的取り組みを行うための基盤を養成する。
To understand the fundamental concepts of diverse and rapidly changing security issues and to develop the ability to form one's own opinions on phenomena occurring in Japan and around the world. Additionally, to cultivate a foundation for proactive engagement in problem-solving.
SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals
Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
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インプット型 Traditional | 40 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 60 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
●事前学習と事後学習について
事前学習段階では、必要に応じて課題に関連する事前資料(「ケース」ならびに関連資料、参考文献、webページなどの情報)を提供いたしますので、それらを読み込み、講義内容のイメージを膨らませてください。事後学習段階では、講義内で用いたスライドおよびケースを用いてポイントを復習してください。それぞれ2時間を目安に取り組んでください。
●中央情報センター(図書館)を積極的に活用してください。
● レポート、課題に対するフィードバックについて
レポートや課題を課した際は出来る限り講義内でフィードバックを行いますが、Google Classroomを使用する場合もあります。
事前学習段階では、必要に応じて課題に関連する事前資料(「ケース」ならびに関連資料、参考文献、webページなどの情報)を提供いたしますので、それらを読み込み、講義内容のイメージを膨らませてください。事後学習段階では、講義内で用いたスライドおよびケースを用いてポイントを復習してください。それぞれ2時間を目安に取り組んでください。
●中央情報センター(図書館)を積極的に活用してください。
● レポート、課題に対するフィードバックについて
レポートや課題を課した際は出来る限り講義内でフィードバックを行いますが、Google Classroomを使用する場合もあります。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
ガイダンス:講義の計画、予習・復習の方法などを説明する。また学生達の興味関心についてアンケートを行っていく。
●使用するケース
ウクライナ戦争の出口戦略と国際安全保障想定される問い。
・ウクライナ戦争は「軍事的勝利」で終結する可能性があるのか?
・領土問題をめぐる交渉は可能か?「クリミアを認める代わりに戦争終結」は現実的か?
・「戦争の長期化」と「早期停戦」のどちらがウクライナにとって有利か?
・国際社会が停戦合意を成立させるための条件とは?
第2日(Day2)
国際社会の捉え方:第1イメージ(個人レベル)、第2イメージ、第3イメージなどを紹介し、私達が普段どのような視点で国際関係を見ているのかを紹介していく。●使用するケース
指導者が変われば平和は訪れるのか?—ウクライナ戦争の事例から考える想定される問い。
プーチンが交代すれば戦争は終結するのか?
ロシアの権威主義体制は指導者交代によって変わるのか?
国内の政治状況が戦争継続に与える影響は?
第3日(Day3)
安全保障の概念と仕組み:何から(侵略、ハイブリッド戦争、自然の驚異、国際テロ)、何を(領土、国民の命、経済、価値)、何によって(軍事力、外交、同盟)守るのが重要なのか説明する。●使用するケース
安全保障の概念とテロリズムへの対抗手段想定される問い。
・テロリズムはなぜ防ぎにくいのか
・軍事介入はテロの根本的解決につながるのか?
・日本は今後、どのようなテロリズムの脅威に直面する可能性があるか?
第4日(Day4)
同盟について:国際安全保障の第一義的な目的はやはり、国家の存立を確保するということであり、歴史を通じてバランス・オブ・パワー、集団安全保障、集団防衛などの諸概念が生まれてきた。本時は、これらの諸概念がいかに現代において応用可能であるかを考える。●使用するケース
同盟を用いた安全保障の確保:理論と現実「安心供与」「見捨てられ」「巻き込まれ」「ただ乗り」の戦略的アプローチ想定される問い。
日米同盟は日本にとって十分な「安心供与」を提供しているか?
アメリカが日本を「見捨てる」リスクはどれくらいあるのか?
日本は「ただ乗り」しているのか、それとも適切な貢献をしているのか?
第5日(Day5)
経済安全保障:各国の経済的な結びつきが強まっている現代世界においては、経済的手段も安全保障を確保する上では重要な要素になっている。本時には、どのような経済的手段が使われているかを紹介していく。●使用するケース
経済安全保障と国家戦略想定される問い。
・米中の技術戦争は、国家の安全保障にどのような影響を与えるか?
・制裁の副作用(エネルギー価格高騰・第三国への影響)をどう考えるか?
・経済制裁が長期的に持続可能な政策か?
第6日(Day6)
日本の安全保障①(第二次世界大戦後から2010年代まで):日本を取り巻く国際情勢の変化を理解するためには、日本がこれまでにとってきた安全保障政策の変遷を理解する必要がある。本時は第二次世界大戦後からの重要な論点を紹介する。●使用するケース
日本の安全保障政策の変遷と憲法9条の解釈想定される問い。
・日本は集団的自衛権をどこまで認めるべきか?
・安保関連法は、9条の「平和主義」と両立できるのか?
・ 同盟国(米国)との関係を考えた場合、日本はどのような安全保障戦略をとるべきか?
第7日(Day7)
日本の安全保障②(2020年代の国際情勢):現代日本をとりまく、安全保障上のリスクを包括的に理解し、これからの日本の安全保障政策について考察する。●使用するケース
台湾有事における各国の動向と日本の舵取りについて考える。想定される問い。
・日本は台湾防衛にどこまで関与すべきか?
・台湾有事の際、自衛隊の活動範囲をどこまで広げるべきか?
・米国が台湾防衛に関与した場合、日本の安全保障上のリスクは?
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
① 期末試験 20点
② 授業内貢献 60点
③ 予習レポート 20点
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 20 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 40 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 60 % |
予習レポート Preparation Report | 20 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 20 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
定期試験 Final Exam
あり評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
成績評価の構成は以下の通りです。① 期末試験 20点
② 授業内貢献 60点
③ 予習レポート 20点
教科書 Textbook
- 鶴岡路人「はじめての戦争と平和(ちくまプリマ―新書475)」筑摩書房(2024) 978-4480685087
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
これらの著作は、授業内容について理解を助けるものとなりますが、必須のものではないです。興味が出てきたら是非手にとってお読みください。
① 宮岡勲(2023)『入門講義 安全保障論 第2版』慶應義塾大学出版会
② 多湖淳 (2024)『アカデミックナビ-国際関係論-』勁草書房
③ 高坂正堯 (2017)『国際政治 - 恐怖と希望』中央公論新社
① 宮岡勲(2023)『入門講義 安全保障論 第2版』慶應義塾大学出版会
② 多湖淳 (2024)『アカデミックナビ-国際関係論-』勁草書房
③ 高坂正堯 (2017)『国際政治 - 恐怖と希望』中央公論新社
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
初年度担当科目
担当教員のプロフィール About the Instructor
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士課程、同博士課程修了。博士(学術)。
専門は国際関係論、EU研究、移民・難民研究、フランス政治、EU外交・安全保障政策など。
2024年9月よりストラスブール政治学院( Institut d’études politiques de l’Université de Strasbourg / Sciences Po Strasbourg)へ留学。
主な論文に
1.植村充(2024)「EU共通移民、庇護政策の発展とフランスへの影響 -受容を巡る政治力学とその帰結ー」東京大学博士学位論文
2.植村充(2024)「EUによる国際刑事裁判の追求とその含意 ーウクライナにおけるロシアの戦争犯罪追及の実践からー」 『日本EU学会年報』第44号 pp.163-185
3.植村充(2023)「労働移民に関するEU共通政策化の試み -フランスの高技能労働者獲得政策に与えた影響の分析ー」 『移民政策研究』第15号 pp.146-160
4.植村充(2022)「CJEUの司法管轄権の拡大と移民・庇護申請者領域への影響 ー司法管轄権の拡大から10年間の検討と理論的含意ー」 『日本EU学会年報』第42号 pp.97-121
専門は国際関係論、EU研究、移民・難民研究、フランス政治、EU外交・安全保障政策など。
2024年9月よりストラスブール政治学院( Institut d’études politiques de l’Université de Strasbourg / Sciences Po Strasbourg)へ留学。
主な論文に
1.植村充(2024)「EU共通移民、庇護政策の発展とフランスへの影響 -受容を巡る政治力学とその帰結ー」東京大学博士学位論文
2.植村充(2024)「EUによる国際刑事裁判の追求とその含意 ーウクライナにおけるロシアの戦争犯罪追及の実践からー」 『日本EU学会年報』第44号 pp.163-185
3.植村充(2023)「労働移民に関するEU共通政策化の試み -フランスの高技能労働者獲得政策に与えた影響の分析ー」 『移民政策研究』第15号 pp.146-160
4.植村充(2022)「CJEUの司法管轄権の拡大と移民・庇護申請者領域への影響 ー司法管轄権の拡大から10年間の検討と理論的含意ー」 『日本EU学会年報』第42号 pp.97-121
Completed a doctoral program in International Social Sciences at the Graduate School of Arts and Sciences, the University of Tokyo, in 2024, earning a Ph.D. (Arts).
Specializes in International Relations, EU Studies, Migration and Refugee Studies, French Politics, and EU Foreign and Security Policy.
Studying abroad at Institut d’études politiques de l’Université de Strasbourg / Sciences Po Strasbourg from September 2024.
Publications
1. "The Development of the EU Common Migration and Asylum Policy and Its Impact on France – The Political Dynamics of Reception and Its Consequences"
Doctoral Dissertation, The University of Tokyo
2. "The EU’s Pursuit of International Criminal Justice and Its Implications – Examining the Prosecution of Russian War Crimes in Ukraine"
Annual Bulletin of the Japan Association for European Studies, Vol. 44, pp. 163-185
3. "EU’s Attempt to Form a Common Policy on Labor Migration – An Analysis of Its Impact on France’s High-Skilled Worker Recruitment Policy"
Journal of Migration Policy Studies, Vol. 15, pp. 146-160
4. "The Expansion of the CJEU’s Jurisdiction and Its Impact on Migration and Asylum Applicants – A Ten-Year Review of Jurisdictional Expansion and Its Theoretical Implications"
Annual Bulletin of the Japan Association for European Studies, Vol. 42, pp. 97-121
(実務経験 Work experience)
東京大学教養学部ティーチング・アシスタント 科目「日本の政治」(2016)
私立安田学園中学校・高等学校 社会科・公民科非常勤講師(2016-2018)
豊島岡女子学園中学校・高等学校 英語科専任教諭(2018-2024)
法政大学人間環境学部兼任講師 科目「平和学」「人間の安全保障」(2019-2024)
私立安田学園中学校・高等学校 社会科・公民科非常勤講師(2016-2018)
豊島岡女子学園中学校・高等学校 英語科専任教諭(2018-2024)
法政大学人間環境学部兼任講師 科目「平和学」「人間の安全保障」(2019-2024)
Teaching Assistant, College of Arts and Sciences, The University of Tokyo, Course: "Japanese Politics"(2016)
Part-time Lecturer in Social Studies and Civics, Yasuda Gakuen Junior & Senior High School (2016-2018)
Full-time English Teacher, Toshimagaoka Girls’ Junior & Senior High School (2018-2024)
Part-time Lecturer, Faculty of Human Environment, Hosei University (2019-2024), Courses: "Peace Studies" and "Human Security"