シラバス Syllabus

授業名 起業家行動論
Course Title Entrepreneurial Leadership
担当教員 Instructor Name 内古閑 宏(Hiroshi Uchikoga)
コード Couse Code NUC180_N24B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 4
言語 Language JP
科目区分 Course Category 専門教育科目400系 / Specialized Subject 400
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2024 UG Nisshin Term3

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は本校のミッションである;
The School’s mission is to develop leaders who, through a ‘Frontier Spirit’, are equipped to succeed in the globalized business reality. These leaders will have the ability to bridge the gap between New Asia and the rest of the world, and to bring innovation and high ethical standards to their management practices.
を達成する目的で設計されています。
The course was designed to fulfill the NUCB Mission below ;
“The School’s mission is to develop leaders who, through a ‘Frontier Spirit’, are equipped to succeed in the globalized business reality. These leaders will have the ability to bridge the gap between New Asia and the rest of the world, and to bring innovation and high ethical standards to their management practices.”

授業の目的(意義) / Importance of this course

本科目では、ベンチャー企業や新規事業の立ち上げについて取り上げたハーバード・ビジネス・スクールのベストセラー・ケースを中心にケース・ディスカッションを行い、起業家の思考・意思決定・行動についての知見を広め、不確実性の高い時代を生き抜くための気づきを得ていきます。また、新しい価値を創出する事業を社会に広めるために必要不可欠となるプレゼンテーション力を、ハーバード式プレゼン学習を基に実践していきます。
This course will feature Harvard Business School's best-selling cases with topics on new ventures and start-ups. The case study and discussion will help broaden participants' knowledge of entrepreneurial thinking and decision-making, which will help them survive in the uncertain times ahead.
In addition, the course will focus on building presentation and communication skills, which are indispensable when creating new and valuable businesses for society.

到達目標 / Achievement Goal

- 世の中に新しい価値をもたらす起業家についての知見を習得し、それを参照しながら未来のビジネスを構築していくようになる。
- 学生が自分のビジネス・アイディアを公の場で多くの人に伝え、説得していく基礎力を身につける。

★Students will gain knowledge about entrepreneurs who bring new values to the world. They will refer to them when they build their businesses.
★Students will acquire fundamental skills to communicate their ideas and persuade others.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

以下の力を養う科目です。

・課題を見極めて分析し、解決策を導き提案する力
・多様な意見に反応しながら議論を深めていく力
・チームワークを醸成する力
・心動かすプレゼンテーションをする力

In this course, you will acquire the following capabilities;

★Identify and analyze issues and propose solutions
★To deepen discussions while responding to diverse opinions
★To foster teamwork
★To make inspiring presentation

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 15 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 85 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

(学習方法)
 本コースの講義は、1,2限はケース・ディスカッション形式で行われます。受講者はアサインメントに記載した質問事項に関して議論をする準備をして来てください。クラス討議中に準備してきた内容について発言並びにプレゼンテーションするよう講師から促されます。講義の進め方・準備に関してはケースブックが配布されるタイミングで、詳細の指示を致します。3,4限はプレゼンテーションについて基礎から本格的なプレゼンまで、実践を中心に行なっていきます。

(各セッションのケース予習レポート)
計7回のセッションに関して事前に提示された課題に関し、ケースを分析・考察した予習レポートを毎回提出していただきます。課題は開講前に詳細に告知します。提出締め切りは各Sessionの開始直前までとします。

レポート、ディスカッション中の発言、プレゼンテーションについては適宜フィードバックをしていきます。
プレゼンテーションに関しては、参加者同士の相互フィードバックも行います。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Session1 (2024/9/9 AM)
(主題)成熟業界における起業家
(Session1 ケースの概要)
1980年には、テキサスのオースティンに1店舗しかなかった店が、2004年には144店舗になっていた。『フォーチュン』誌では、アメリカで最も働きがいのある企業ランキングに、7年連続選ばれた。最終的な収益に基づくインセンティブ。モラールの調査。給与の最高額は平均給与の8倍を超えてはならないというルール。成熟業界において傑出した業績を生み出すためのイノベーション。そのユニークなポジショニングにより、2017年に約1兆4千億円でアマゾンに買収されるまでに企業価値を昇華させたその秘訣を探っていきます。

Session 2((2024/9/9 PM)
(主題)心を動かすプレゼン
(Session 2 概要と実践)
心を動かすプレゼンテーションについて議論していきます。
リンクドイン社のエクササイズをもとに各人がプレゼンを実施します。

●使用するケース
Session 1: ホールフーズマーケット (HBS)、英文ケース:Amazon Acquires Whole Foods (B) (HBS)

第2日(Day2)

Session 3(2024/9/16 AM)
(主題)研究者と起業家
(Session 3 ケースの概要)
MITのロバート・ランジャー(Langer)教授の研究室は、バイオ医療関連の中堅企業およびスタートアップの企業で活用される研究論文、特許、技術ライセンスの宝庫であった。こうした優れた研究成果を生み出すLanger教授のリーダーシップとベンチャービジネスについて探っていきます。

Session 4(2024/9/16 PM)
(主題)プレゼンテーションを設計する
(Session 4 の概要と実践)
プレゼンソフトを立ち上げる前にやることについて議論していきます。
内容を聞き取ってプレゼンする練習をします。

●使用するケース
Session 3: ランガー研究室:科学の商業化 (HBS)

第3日(Day3)

Session 5(2024/9/23 AM)
(主題)破壊的イノベーションと起業家
(Session 5 ケースの概要)
ネットフリックス・インク(ネットフリックス)はビデオコンテンツのデジタル配信への移行を成功させる前に、それまで映画レンタルのマーケット・リーダーであったブロックバスターを追い越した。しかし、ネットフリックスはその成功にもかかわらず、2017年には定評のある主流のコンテンツ制作会社やデジタルの新興企業など多くの競合企業によって、ネットフリックスが以前の優位性を再現することを難しくしていた。批評家たちは、ネットフリックスの加入者獲得数の鈍化と債務水準の上昇を指摘していた。ネットフリックスの最高経営責任者は様々なデジタル競合他社からの破壊工作に直面していた。彼はどう答えるべきか?ネットフリックスは、引き続きコンテンツ制作会社として、ハリウッドの業界リーダーたちと競争すべきか?全員のインセンティブを整合性のとれたものにするため、他のメディア会社と提携をすべきか?

Session 6(2024/9/23 PM)
(主題)ビジネスアイディアをプレゼンする
(Session 6 の概要と実践)
ビジネスアイディアをプレゼンにする際に何が重要か?エレベータピッチとは?について議論します。
エレベーターピッチの実践を行います。

●使用するケース
Session 5: ネットフリックス:ディスラプターが破壊の危機  (IVEY)

第4日(Day4)

Session 7(2024/9/30 AM)
(主題)規制業種へ挑戦する起業家
(Session 7 概要)
2015年、ウーバーはこの種のものの中でおそらく最大規模のポイント・ツー・ポイント輸送ネットワークを築いていた。それは文字通り世界の移動方法を変革するものである。しかし、フェデックスのような典型的輸送ロジスティック企業とは異なり、ウーバーは非常に軽量なインフラを有していた。車両は所有せず、ドライバーも雇用しない。そのため車両のメンテナンス費用を払うこともなかった。代わりにこのネットワークでは、ドライバーと乗客というピア・ツー・ピア(同等の立場で)の調整をすることに依存した。これは高度なソフトウェアと巧みな評価システムが可能にしたものである。しかしウーバーは、早くから目覚ましい成功を遂げたにもかかわらず、激しい賛否両論を巻き起こす企業であった。ベンチャービジネスが破壊的に市場参入していく賛否を議論していきます。

Session 8(2024/9/30 PM)
(主題)メディアと起業家
(Session 8 の概要と実践)
事業ステージのどこかで起業家はメディア対応を迫られるようになります。
起業家とメディア対応について、ライブドアの事例をもとに議論をしていきます。
記者会見のロールプレイを行います。

●使用するケース
Session 7: ウーバー:世界の移動手段を変革する (HBS)

Session 8: ライブドア(NUCB)

第5日(Day5)

Session 9(2024/10/7 AM)
(主題)日本企業と海外企業の提携によるベンチャービジネス
(Session 9 ケースの概要)
Woven Coreは、トヨタ自動車が設立した子会社で、主に自動運転・運転支援ソフトウェアを開発している。2018年の設立以降、「シリコンバレーのイノベーションと、日本のクラフトマンシップの融合」を掲げ、海外のタレント人材採用やM&Aを含む、一千億円規模の積極的な投資をしてきた。しかし、2022年に入り原材料高やインフレで景気の先行きが不透明になり、自動運転業界にも強烈な逆風が吹き始めている。本ケースは、Woven Coreで自動運転技術を統括する技術経営トップの目線に立ち、トヨタのような日本企業がシリコンバレー流を取り入れる際の苦悩を描きながら、顧客目線に立った長期的な技術投資戦略のあるべき姿について議論をしていきます。

Session 10(2024/10/7 PM)
(主題)
(Session 10 の概要と実践)
プレゼン資料作成術についての議論をしていきます。
プレゼンシナリオからプレゼン資料を起こしていきます。

●使用するケース
Session 9: Woven by TOYOTA (NUCB)

Session 10: 教科書「社外プレゼンの資料作成術」

第6日(Day6)

Session 11(2024/10/14 AM)
(主題)国家の「ゼロ・トゥ・ワン」
(Session 11 ケースの概要)
第二次世界大戦終戦直後、日本は米国GHQの占領下に置かれた。終戦直後の晩秋、外務大臣に就任して間もない吉田茂は24歳年下の白洲にGHQとの交渉役を委ねた。そして終戦から6年後、サンフラシスコ講和条約を締結。焼け野原から経済大国の道へと日本は「ゼロ・トゥ・ワン」を成し遂げた。激動の戦後を吉田の右腕として生きた白洲次郎という人物を通して、「国家の立ち上げ」というベンチャー・プロジェクトについて議論していきたいと思います。

Session 12(2024/10/14 PM)
(主題)プレゼンテーションの練習
(Session 12 の概要と実践)
プレゼンテーションの練習をする際に心がけることは?何を気にするか?について議論をしていきます。
最終日のピッチ・セッションに向けて準備を究めます。

●使用するケース
Session11: 白洲次郎 プリンシプルのない日本 (NUCB) (ケースライター招聘予定)

第7日(Day7)

Session 13(2024/10/21 AM)
(主題)起業家の基(もと)はどこにあるのか?
(Session 13 ケースの概要)
本ケースは、スティーブ・ジョブスとプロバスケットボールチームのコーチであるフィル・ジャクソンが、どのような信念を基盤として活動していたかについて記述されている。イノベーションの基を訪ねるべく、本ケースを題材に議論をしていきます。総括として、ベンチャービジネスのピッチ・セッションを設けます。

Session 14(2024/10/21 PM)
(主題)心を動かすプレゼンテーションを実現する
(Session 14 の概要と実践)
「起業家行動論」ピッチ・セッションを実施します。
今まで習得してきた知見をもとに相互にフィードバックを行い、心を動かすプレゼントとは?について究めていきます。

●使用するケース
Session13: Zen for Strategy (abridged) (NUCB)

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 10 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 40 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 10 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • ピーター・ティール「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか」NHK出版(2014)978-4140816585
  • クレイトン・クリステンセン / スコットアンソニー「イノベーションの最終解」翔泳社(2010)978-4798132310
  • 前田鎌利「社外プレゼンの資料作成術」ダイヤモンド社(2016)978-4478068267
  • 伊藤羊「世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術 1分で話せ」SB Creative(2018)978-4-7973-9523-5

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

・「サーチ・インサイド・ユアセルフ」チャディー・メイ・タン著 英治出版
・「プリンシプルのない日本」白洲次郎 新潮文庫

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

2024年度から新設された科目です。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

1998年慶應義塾大学理工学部修士課程修了。(株)東芝入社、世界初のノートパソコンを設計したハードウェア設計部に所属。1994年ハーバード・ビジネス・スクール経営大学院修士課程修了(MBA)後、東芝本社パソコン商品企画部にて新型ノートパソコンの企画、インターネット・サービスの立ち上げ、ネット接続型次世代DVD規格の策定に従事。1997年ソフトバンク(株)入社、企業投資室にてスカパーの立ち上げ、インターネット企業投資を実施。ソフトバンクと米国ジオシティーズの合弁会社、ジオシティーズ・ジャパン(株)の設立、事業立上げを指揮。2000年ヴィジョネア(株)を創業、DVDとインターネットの連動技術で事業構築、特許権利化後にライセンスビジネスにピボットし現在に至る。2012年米国シリコンバレーに移り住みYouTuber向けアプリ開発のVeamInc.設立・創業、現在に至る。帰国後アフリカにおける世銀のプロジェクト、ブロックチェーンのビジネス・プロデュースに関与。

Education
Masters Degree in Business Administration, Harvard Business School
Master of Engineering in Mechanical Engineering, Keio University
Bachelor of Engineering in Mechanical Engineering, Keio University

After joining Toshiba's Computer Division in 1988 where he was involved in designing the world's first notebook PC, Hiroshi Uchikoga went to Harvard Business School MBA program. After graduation, he returned to Toshiba Headquarters Product Planning division in 1994, where he engaged in; planning advanced notebook PCs, launching Toshiba's first internet service, and standardizing a new generation video disc format.
When he met Mr. Son of Softbank, Hiroshi decided to work as a manager in the investment division, then led the joint venture between GeoCities (US) and Softbank. In 2000, Hiroshi founded Visionare Corporation, a software development company in Japan which eventually pivoted to a license company after acquiring eight patents, and he moved to Sunnyvale, California in 2012 to start up Veam Inc. - both of which are currently working on a path to successful exits. Returning to Japan in 2017, he acted as Business Producer at World Bank's project in Africa and blockchain related businesses.







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