シラバス Syllabus

授業名 環境学入門
Course Title Introduction to Environmental Studies
担当教員 Instructor Name 箕浦 宏明(Hiroaki Minoura)
コード Couse Code NUC172_N24A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 教養教育科目100系 / Liberal Arts 100
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2024 UG Nisshin Term1

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は教養教育科目の自然を理解する分野に属する。育成するNUCBフロンティア力は実践的思考力、主体的行動力、 発展的コミュニケーション力である。対応する学習目標はLG-I( 物理化学に基づいた論理的思考力)、 LG-II( 国際的 な現 状把握能力の養成)、 LG-III( コンピュータ・シミュレーションやデータ処理技術を理解し、情報を有効に活用す る能力 の養成) 、LGIV( グローバルな視点を備えた思考力、実践力の養成)。
This subject belongs to the field of understanding the nature of liberal arts education subjects. The NUCB frontier skills to be nurtured are practical thinking skills, independent action skills, and developmental communication skills. Corresponding learning goals are LG-I (Logical thinking ability based on physical chemistry), LG-II (Cultivation of international current situation grasping ability), LG-III (Development of ability to effectively utilize information though understanding computer simulation and data processing).

授業の目的(意義) / Importance of this course

オゾンやPM2.5は馴染み深い大気汚染物質であるが、それらがなぜ問題となっているか、大気の物理化学から生成メカ ニズムを理解する。オゾンやPM2.5を始めとする環境負荷物質の低減のために、何をなすべきかを考える。加えて近年の話題となっている地球温暖化や身近な問題として都市のヒートアイランドについても現状把握をする。
Ozone and PM2.5 are familiar air pollutants, but we will understand why they become problems and the mechanism of their formation from the physical chemistry of the atmosphere. And also, we think about what should be done to reduce environmentally hazardous substances such as ozone and PM2.5. In addition, the current situation of global warming, which has become a hot topic in recent years, and urban heat islands as a familiar problem will also be assessed.

到達目標 / Achievement Goal

人間活動により排出される汚染物質が、大気中で光化学反応を経てオゾンやPM2.5を生成することを理解する。そのう えで、沿道や都市と言った局所場で排出された汚染物質が、中京圏、日本全体、東アジア、北半球の大気環境と深い関わ り合いを持ち、環境改善には、国際協力が究極的に必要であることの認識を深める。

Understand that pollutants emitted by human activity undergo photochemical reactions in the atmosphere to produce ozone and PM2.5. Based on the mechanizmus, deepen the recognition that pollutants emitted in local areas such as roadsides and cities are closely related to the atmospheric environment in the Chukyo area, Japan as a whole, East Asia, and the Northern Hemisphere, and international cooperation is ultimately necessary for environmental improvement.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

地球環境、大気環境、気象学、大気化学等の一般知識。コンピュータ・シミュレーションや大量データ処理等の利用効果
の認知。国際社会に向けた環境行動の認知。

General knowledge of global environment, atmospheric environment, meteorology, atmospheric chemistry, etc. Recognition of the effects of use such as computer simulation and mass data processing. Awareness of environmental behavior towards the international community.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 80 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 20 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

講義中間に大気環境に関する課題を中間レポートとして提出し、環境課題への自主的な深掘り調査を図るとともに、講義最終で講義の振り返りとしての大気環境の課題と、環境改善に向けた将来取り組むべき行動について、グループごとに発表してもらう。そのために、グループ分けと最後のディベートへの準備を促す。グループ討議で得られた知見と自分の考えをまとめて、参加者の相互評価を課す。講義中の質問は重要であることを示し、予習時に準備させる。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

第1章 大気環境とは
我々が生活している大気環境について、惑星としての地球からはじめ、大気の構造、太陽を起源とするエネルギー平衡に ついて論じ、地球環境と地球システム全体の理解をすすめる。

●使用するケース
第2章 大気の組成と循環
地球システムにおける大気の鉛直構造や運動を論じ、大気大循環を海洋循環を交え示すことで、地域ごとに顕在化してい る大気汚染について、地球全体と深い関係がある点を示す。

第2日(Day2)

第3章 気象、ローカルな大気の運動
都市で大気汚染が顕在化する際、都市から出た汚染物質がそのまま影響しているのではなく、海陸風等の局所循環で輸送 されその間にオゾンやPM2.5等が生成する点を示し、大気汚染がダイナミックに変化する点を示す。大気の運動は、熱の移動が原動力である。都市部では多くのエネルギーが消費され、ヒートアイランドを形成し、大気の運動や汚染に深く関わっている。これらの点についても言及する。

●使用するケース
第4章 大気汚染と環境基準
光化学反応を経て生成するオゾンやPM2.5が、大気中でどのような反応のもとで生成するか概要を示し、大気環境基準 が制定された経緯を紹介する。

第3日(Day3)

第5章 オゾン、生成メカニズムと特徴
今日、日本を始め多くの環境先進国で大気環境の最後の課題となっているオゾンについて、どにのように生成し、どのよ うにす反応消滅するか、そのメカニズムについて観測データや大気シミュレーションから示し、オゾンの課題解決が難し い点を示す。

●使用するケース
第6章 PM2.5、生成メカニズムと特徴
PM2.5が問題として取り上げられた背景にあるヒトへの健康影響や、PM2.5が大気中で生成するメカニズムを示し、研 究から明らかになった特徴を示す。

第4日(Day4)

第7章 広域-都市の大気環境モニタリング
住民の健康影響を大気汚染から守るため、オゾンやPM2.5の濃度は全国で1500箇所以上でモニタリングされている。ま た、大気汚染物質は局所循環する間に変質する。都市から広域の空間スケールで大気汚染物質がどのような振る舞いをす るか、観測結果から紹介する。

●使用するケース
第8章 沿道-局所の大気環境モニタリング
自動車の排気ガスは、オゾンやPM2.5等の広域大気汚染物質の一つであるほか、歩道を歩く人に直接影響を及ぼす。沿道 や交差点の局所で排気ガスがどのような振る舞いをしているかを示すとともに、排気ガス規制とともに大気環境が改善さ れた点を紹介する。

第5日(Day5)

第9章 大気汚染の予測 (大気モデル)
大気汚染物質は、時間と空間でダイナミックに変化する。ヒトの健康を保護したり大気環境改善のためには、計算モデル シミュレーションが不可欠である。ここでは、広域から沿道まで目的ごとに異なる最新の大気モデルについて紹介する。

●使用するケース
第10章 大気汚染の予測 (エミッションインベントリー)
エミッションインベントリーは、大気汚染対策に必須なデータであり、大気シミュレーションは目的により種々の空間スケールで開発され使用されている。ここでは、第9章から引き続き、大 気モデルで使用するエミッションインベントリーについて紹介する。

第6日(Day6)

第11章 酸性雨
オゾンやPM2.5に対して、酸性雨はより広域に作用し、生体系への影響が依然と懸念されている事象である。米国や欧 州では独自の酸性雨ネットワークが運営され、日本でも東アジア酸性雨ネットワーク(EANET)に属している。ここでは EANETの活動と酸性雨の実態について紹介する。

●使用するケース
第12章 地球規模汚染と温暖化影響
フロンを始めとするオゾン層破壊物質(ODS)の使用は世界規模で規制されている。オゾン層がどうして破壊されるかその メカニズムを紹介するとともにODSの観測についても言及する。さらに、ODSを始めとするCO2以外の地球温暖化物質 が温暖化につながるメカニズムについて紹介する。

第7日(Day7)

第13章 大気環境改善に向けて
将来の大気環境改善に向けて、温暖化ガスの排出抑制やそれとリンクしたエネルギー問題がある。さらに、水、食糧、廃 棄物の問題も大きな解決課題である。これら、今後取り組まなければならない課題についてグループ討論を通じて考察す る。

●使用するケース
グループごとに課題と対策、そこに含めれる新たなビジネスチャンスについて、グループごとにプレゼンを作成し、課題 の整理とさらなる問題点について討論する。

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 20 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 20 %
予習レポート Preparation Report 0 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 40 %
期末試験 Final Exam 30 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 10 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

講義中間に実施する中間レポート(上記成績評価では、最終レポートに相当)、期末試験、講義最終で実施するグループ討 議のプレ ゼン内容およびプレゼン作成に係る情報収 集とまとめ等の各自の貢献度等が評価の中心となる。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 授業内で指示する「授業内で指示する」授業内で指示する(授業内で)

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

最新環境百科、G. Tyler Miller, Scott E. Spoolman著、丸善出版、2016、ISBN9784621300015 ほか

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

授業前に配布する資料を確認し、その中で使用されている語彙を予めインターネットを利用して理解する。
地球環境、大気環境、気象学、大気化学等のキーワードでインターネット検索し予習を行うほか、講義で出てきた用語も
インターネットを利用して理解を深めること。

担当教員のプロフィール About the Instructor 









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