シラバス Syllabus

授業名 上級ミクロ経済学
Course Title Advanced Microeconomics
担当教員 Instructor Name 吉野 一郎(Ichiro Yoshino)
コード Couse Code NUC172_N20A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2020 UG Nisshin Term2

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

この講義では、ミクロ経済学の基本的考え方を使って現実の問題を分析することを主な内容とします。講義名の『上級』が意味するところは、理 論的な概念を『学ぶ』という段階の一段上である『使う』という段階を目指しているということです。講義では。教 科書で説明しているミクロ経済学の概念を説明したあとで、それに関連する現実の問題を教科書のコラム、ケーススタディ、あるいは新聞記事で読み、 その上で自己分析をしていきます。自己分析の過程ではグループでの討論およびプレゼンテーションを活用します。他 の受講生と情報交換をしながら自分の考えをクリアにしていきます。講義では、全部で6つのワークシートを作成・提出してもらい、そ の中の3つではグループ討論を行なっています。グループ討論を適用するテーマでは、現 実の問題に対する解決策あるいは新しいビジネスの提案等を模索していきます。  
This course offers you a good opportunity to apply microeconomics concepts for problems to be solved. "Advanced" means you can 
step forward from just learning ideas and analytical tools to using them; seeking problems and finding solutions. In lectures, we confirm basic microeconomics ideas in the textbook before analyzing problems given by columns, case studies in the textbook or articles in daily newspapers. In the process of analyzing problems, especially in types of problems we need to find new prescriptions or new approaches to them, you take part in group discussions. 


到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG4 Effective Communication

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

現実の市場で起こっている現象について、経済学が提供する需要曲線と供給曲線という道具を使って説明することができるようになります。当てずっぽうではなく、きちんと論理的な根拠を持って経済現象を把握することうようになります。

You can analyze what is actually happening in the market on the solid ground. You will tell the logical explanation from ad hoc ones.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 70 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 30 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

ワークシートを3回配布して、グループでの討論をした上で各自完成して提出してもらいます。
あと、各自のミクロ経済学における問題を設定して、プレゼンテーションをしてもらいます。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

市場における需要と供給について学びます。ミクロ経済学で学んだ需要と供給の意味について再確認します。その上で、需要サイドと供給サイドをマッチングさせる価格調整メカニズムと均衡価格について考察します。































●使用するケース
●使用するケース
価格調整メカニズムゲーム:まずある製品についての提案をします。それでクラスの中で需要サイドと供給サイドに分かれてもらい、需要サイドの各学生には取引する製品に対する価値を決めてもらい、供給サイドの各学生には製品に対する生産費用についての割り振りを行います。需給サイドの自由な交換を行ってもらい、実際の取引価格と均衡価格の関係を考察します。

第2日(Day2)

市場における需要と供給の意味を踏まえて、市場における交換から生み出される価値について考察します。利潤と消費者余剰の考え方について説明します。前週のゲームの結果から、自由交換市場が実現した価値と理想的な価値の大きさとのズレという観点から、「効率性」という概念について考えてみます。

●使用するケース
●使用するケース
ケース『このスーツいくらで売りますか?』(自主作成)

第3日(Day3)

独占企業の独占価格付けについての説明をします。その上で、需要の価格弾力性によるグループ別価格差別、品質と価格を組み合わせることによる価格差別、時間を利用した価格差別などについて考察します。

●使用するケース
●使用するケース
ケース『返品したいので返金して下さい!』(自主作成)

第4日(Day4)

抱き合わせ販売について考察します。二つの異なる製品を組み合わせて販売することで、企業はうまく価格付けすることによって利潤を増やすことができることを説明します。また、特に組み合わされる製品が補完的なものである場合やい一方の製品が独占的な地位を気づいている場合、抱き合わせ販売が市場における競争を制限してしまう可能性があることについても言及します。


●使用するケース
●使用するケース
マイクロソフト事件:参考文献「競争の戦略と政策」第10章4節より作成。

第5日(Day5)

複占企業の価格付けについて説明します。ベルトラン競争、クールノー競争の市場で、均衡価格がどのように決まるのかについて考察します。

●使用するケース
●使用するケース
牛丼の価格付け:牛丼の需要、生産費用についての情報を提示するものを自主作成したもの。

第6日(Day6)

略奪価格について説明します。既存企業が利益をあげている市場に新規に企業が参入しようとするとき、既存企業が新企業の参入を阻止するような価格付けをする場合がある。その中でも最も攻撃的な略奪価格について考察する。

●使用するケース
●使用するケース
航空市場の略奪価格問題:教科書Case Study12(300 - 301ページ)

第7日(Day7)

ネットワーク外部性について考察します。特に、間接的なネットワーク外部性が働くプラットフォーム型の市場について考えて見ます。

●使用するケース
●使用するケース
プラットフォームとネットワーク外部性:教科書コラム11(221 -222ページ)

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 10 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 10 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 50 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

3回のワークシートは小テストとして評価します。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 

柳川隆・町野和夫・吉野一郎「ミクロ経済学・入門:ビジネスと政策を読みとく新版」有斐閣(2015)978-4-641-22047-8

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

[1]伊藤秀史『ひたすら読むエコノミクス』有斐閣、2012、ISBN(13桁または10桁)
[2]神取道宏『ミクロ経済学の力』日本評論社、2014、ISBN(13桁または10桁)
[3] 神戸伸輔『入門 ゲーム理論と情報の経済学』日本評論社、2004 
 [
[4] 岡田 章『ゲーム理論・入門』有斐閣、2014 

[5] 尾山大輔・安田洋祐『改訂版 経済学で出る数学』日本評論社、2013 





授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

数学的な説明をできるだけ避けて理解ができるように工夫するよう努めています。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

学位と取得大学:
修士(経済学)一橋大学、M.Sc.(経済学)ロンドンスクールオブエコノミクス

研究分野:
応用ミクロ経済学、産業組織論、競争政策

主な論文:
”Overusing a bypass under asymmetric access regulation: Strategic
investment with spillovers" (2015), with Mizuno, K., Journal of Regulatory Economics
47(1), 29-57
"Distorted Access Regulation with strategic investments:Regulatory non-commitment and spillovers revisited"(2012), with Mizuno,K., Information Economics and Policy 24(2), 120-131

主な著書:
『ミクロ経済学入門:ビジネスと政策を読み解く 新版』(共著)、有斐閣、2015年
『競争の戦略と政策』(分担執筆)、有斐閣、2006年

Degree and university accredited:
Master(Economics)@HItotsubashi University
Master of Science(Economics)@ London School of Economics

Research Fields:
Applied Microeconomics, Industrial Organization, Competition Policy

Articles Published:
”Overusing a bypass under asymmetric access regulation: Strategic
investment with spillovers" (2015), with Mizuno, K., Journal of Regulatory Economics
47(1), 29-57
"Distorted Access Regulation with strategic investments:Regulatory non-commitment and spillovers revisited"(2012), with Mizuno,K., Information Economics and Policy 24(2), 120-131

Books Published:
”Introduction to Microeconomics for Business and Public Policy new edition"(2015) Yuhikaku
"Competition: Strategy and Policy" (2006) Yuhikaku











Refereed Articles

  • (2015) Overusing a bypass under cost-based access regulation: underinvestment with spillovers. Journal of Regulatory Economics 47(1): 0922-680X
  • (2012) Distorted access regulation with strategic investments:Regulatory non-commitment and spillovers revisited. Information Economics and Policy 24(2): 1676245
  • (2009) Rail Reform in EU and Germany. The Kokumin-keizai Zasshi 199(5): 3873129






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