シラバス Syllabus

授業名 国際法
Course Title International Law
担当教員 Instructor Name 陸 長栄(Choei Riku)
コード Couse Code NUC169_N22B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 共通専門教育科目300系 / Specialized Subject 300
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2022 UG Nisshin Term3

授業の概要 Course Overview

国際法の規律内容などの急激な変化や、国際法概念そのものの歴史的制約性を踏まえつつ、現段階における国際法についての基礎的・体系的な知識を教えることを目的として講義を展開していく。
現在私たちが考える国際法の成立過程は、15世紀末のヨーロッパから始まったのである。その後、約400年の間に、さまざまな理論や国家実行の積み重ねを経て、19世紀後半には、近代的な国際法として完成した。完成してからほぼ150年が経った現在の時点でも、主権国家間の関係を規律する法という国際法の基本的な性格は変化していない。
 しかし、国際経済や国際環境の分野では実に多くの新しいルールが生まれている。さらには、国際法と個人の関わりのあり方や、国家の国際責任なども大きく変化している分野がある。
 要するに、国際法の各分野における重要な基本概念については、その歴史的な背景の叙述を加え、その根源的なあり方を理解できるように努めた。現行制度・プラクティスはどのような歴史的経緯で現行のような形となったのか、なぜ今のような形で存続しているのか、さらには、今後もなお存在し続けることができるのかという問題を念頭において講義を展開する。
 本講義を通じて、国際法上の諸制度の根源的なあり方について関心を促し、現行国際法の基礎的・体系的な知識を習得することができるようにする。国際社会を動かす基本規則があることを意識してもらう。

With the dynamic changes regarding the international laws along with the related historical constraints, this course focuses on the basic and systematic knowledge of international law in the modern age and lay out the lectures and teaching path.
The formation process of international law began in Europe at the end of the 15th century. After 400 years of development, it was completed as modern international law in the latter half of the 19th century through the accumulation of various theories and national practices. In the modern age, almost 150 years after the completion, the basic characteristics of international law, which govern the relationship between sovereign states, has not changed.
However, there are so many new rules in the field of international economy and global environment. In addition, there is a field where the relationship between international law and citizenship and the international responsibility of the nation changes greatly.
In short, we tried to understand the basic background of the international law in addition to the historical background. We discuss how the historical system develops and current practices are rooted, and why the law can continue to exist in the contemporary form and to continue to exist in the future.
Through this course, we will examine the foundations of the international legal system and acquire basic and systematic knowledge of the present international law, with a clear awareness that there are basic rules following which the international community develops.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

国際法に関する基本原理・概念を身に着け、国際政治に関わる様々な論点について理解を深めることができるようになる。また、国際法上の諸問題について分析的に思考することができるようにする。

Based on the understanding of principles and concepts of international law, we aim to analyze various issues and arguments related to international politics. Moreover, students are encouraged to critically think about the limitations of modern international law.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 16 平和と公正をすべての人に(Peace and Justice Strong Institutions)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 60 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 40 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

学習方法、レポート、課題に対するフィードバック方法 Course Approach, Report, Feedback methods

●(予習・復習等)
予習では、配布プリント、教科書の関連部分や参考文献などを読み、講義のポイントを把握しておいてください。
復習では、講義資料の「配布プリント」等を読み、要点をまとめて復習してください。「配布プリント」に記載された<今回の質問>が設問形式になっているので、復習のときに、その設問に答えて解答を作成してみること。
● 課題(レポート・提出物など)に対するフィードバック方法
レポート課題については第1週に説明し、提出期限を第七週の講義時とする予定。
フィードバックについては、返却時の講義中に全般的なコメントを行う。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

第一回
授業導入:年間計画、講義の進め方、勉強方法などを説明する。
総論:国際社会と法
今日の国際社会には、主権国家だけでなく、国連などの国際機関、国境を越えて活動する人権や環境の問題で活躍する多くの非国家アクターが存在する。ただし、注意しなければならないのは、現代においてもなお、国際法の中心的な主体は国家であるという点である。本講義では、国際法を中心に扱い、代表的な事例から国際社会における諸課題を考えていく。その中で取り上げる主な課題は、国際法と国内法の関係、国際法の主体、国家管轄権、海洋利用に関する国際法、人権の国際的な保障、国際経済法、国際環境法、国際紛争処理、武力行使の規制とPKOなどが挙げられる。

第二回
国際法と国内法の関係
国際法と国内法という二つの法をどのように関係づけるかは色々な点から考察されてきた。この問題は国際法を国内法から独立した法と見るかどうかにもかかわるものでもある。両者はいったいどのような関係にあるのだろうか。国際法は国家間の法、国内法はそれぞれの国の法というように両者は全く関わり合いがなく、すみわけがなされているのだろうか。ある紛争において適用されるのはどちらの法なのだろうかについて説明する。

●使用するケース
第一回
要点①国際社会における法としての国際法について理解していく
例:2003年イラク問題
・どういう事件なのか?
・国際法はどのような役割を果たしたのか?

要点②様々な形態の国際法について見ていく。
例:古代の東アジア世界の華夷思想(朝貢制度)
・その思想の内容は何か?
・その思想は中国や東アジア地域にどんな影響をもたらした?

第二回
要点①国際法秩序における国際法の地位について理解してみよう。
例:1872年アラバマ号事件の仲裁判決
・この事件をはじめ、どんな原則が出てきたのか?
・その原則の内容は何か?重要視された理由は?

要点②国際法上の義務の分類と国内的実現を考えよう。
例:航空機の不法奪取に重い刑罰を科す条約(1970年ハーグ条約)
・その条約の内容は何か?
・どうしてその条約所定の行為を犯罪として処罰できる国内法令を整備する必要があるのか?

第2日(Day2)

第三回
国際法の主体⑴――国家
国際法は現在もなお、基本的には国家間の関係を規律する準拠である。それでは、国際法上の国家、言い換えれば国際法の主体としての国家とはどのようなものを目指すのであろうか。また、国家のあり方が変更されたとき、国際法上はどのような問題が生じるか?

第四回
国際法の主体⑵――準国家団体・国際組織・個人・その他
現代においても国家が国際の行為主体の中心を占めることは疑いがない。しかし、国家関係において国家以外の行為体が次第に重要な役割を担うようになっているのも確かである。今回では、これらの主体が国際法上にいかなる根拠に基づき、いかなる権利義務を有するかを明らかにする。また、近年ますますその重要性が高まりつつある非政府間組織の国際法上の地位についても考える。

●使用するケース
第三回
要点①国際法上の国家はどのようなものなのかについて理解してみよう。
例:1933年のモンテビデオ条約
・その条約の内容は何か?
・国家の資格要件としてどう引用されたのか?

要点②国家承継について考えよう。
例:1990年代以降、ソ連邦やユーゴスラビア連邦の解体
・どういう事件なのか?
・どのような形で承継国に引き継がれるか?

第四回
要点①国際法における国際組織の主体性について明らかにしてみよう。
例:2011年に国際組織条約法条約には国際組織をどう定義したのか?
・国際組織の定義は何か?
・国際組織は加盟国の範囲、活動の目的、権限の強さからどう分類されたのか?

要点②個人の国際法上の権利能力を考えよう。
例:1919年ベルサイユ条約
・その条約の内容は何か?
・その条約は個人にどんな資格を与えたのか?

第3日(Day3)

第五回
国家管轄権
国家は国内統治のために管轄権を行使するが、それが従来は原則として国境でとどまった。ボーダレスな今日の世界では、国家管轄権が国境を越えて伸びていき、国際紛争の要因になる。今回は、管轄権を行使する最も重要な基盤である領域の中であっても、外国の行為や外国の国有財産に対しては、なぜ国家は管轄権を行使できない場合があるのだろうかということについて説明する。

第六回
人権の国際的保障⑴
20世紀半ば、第二次世界大戦の経験を大きな転機として、国連を中心とした人権の国際的保障の取り組みが始まった。それは具体的にどのような手法をとり、どのように発展してきたのだろうか。国際法の枠組みによって、国家の管轄下にある個人の人権保障は図るための、何らかの仕組みや工夫はあるだろうかということについて紹介する。

●使用するケース
第五回
要点①国際管轄権の意味と意識を考えよう。
例:国連海洋法条約
・その条約の内容は何か?
・諸国の共通利益を実現するために、その条約は海賊についてどのように取り組んでいるのか?

要点②国家管轄権の行使の根拠や優劣に関する基準について説明する。
例:ローチュス号事件
・どういう事件なのか?
・常設国際司法裁判所はそれについてどう裁判したのか?

第六回
要点①国際憲章体制下での人権保障について理解してみよう。
例:世界人権宣言
・その宣言の内容は何か?
・その宣言の出現は世界にどんな影響をもたらした?

要点②人権条約の履行確報の仕組みを勉強しよう。
例:国際的な履行確保の制度を運用する条約機関―自由権規約委員会
・その機関の役割は何か?
・今までどんな取り組みが出てきたのか?

第4日(Day4)

第七回
人権の国際的保障⑵
本講義では、人権保障に関する国際法の実体的な規範の主なものを概観する。もっとも根幹的な権利としての人間の生存に関わる権利(特に生命権)、しかも、生命権に次ぐ基本的な権利といえる身体の安全にかかわる権利、さらに、人権保障にかかわる国際法を通底する大原則である無差別・平等原則の順にみてみよう。

第八回 国際経済法
国際法は、ヨーロッパ諸国による経済活動の世界的な希望での拡大に伴って発展してきた。しかし、国際的な経済活動そのものを規律する習慣国際法は少なく、国際的な経済活動は、主に条約や国内法、さらに分野ごとに国際機関あるいは企業や民間団体によって形成されたルールによって規律されている。そのような重層的な規範が存在する中で、どのように国際的な制度や秩序が形成され、それらはどのような内容なのだろうかということについて紹介する。

●使用するケース
第七回
要点①生存に関わる権利に関することを理解してみよう。
例:自由権規約では6条2項は死刑に関する規定
・死刑に関する規定とはどんな内容か?
・現実にはどう運用されているのか?

要点②差別の禁止・平等についてみてみよう。
例:日本の判例で、旧国民年金の国籍条項をめぐる事案
・どういう事件なのか?
・どの条項は何を規定してきたのか?

第八回
要点①国際経済法の意義や規律対象は何かを理解していく。
例:非貿易的関心事項
・その事項は何を規制してきたのか?
・その事項の内容は何か?

要点②世界貿易機関について検討する。
例:ソ連の崩壊による東西冷戦の終結。
・WTO設立後、合意形成は難しくなったのか、順調になったのか?
・WTOは世界における経済に与える影響は何か?

第5日(Day5)

第九回 国際環境法
本講義は地球温暖化、PM2.5などの越境大気汚染、海洋汚染、化学汚染、野生動植物の絶滅など、現代の環境問題に、国際法がいかに対処してきたの、その課題は何か、などについて探究する。

第十回 国際紛争処理
本講義では、国際紛争処理の様々な手法・手続き・制度について俯瞰し、それぞれの要素が、それぞれ紛争のいかなる意味での解決に向けて、どのような考え方を背景にして、どのような機能を果たそうとするのかについて考える。

●使用するケース
第九回
要点①国際環境法の展開について見てみよう。
例:トレイル溶鉱所事件仲裁判決
・どういう事件なのか?
・最後に賠償責任を認めた国はどこなのか?

要点②国際環境法の目的と特徴は何かを考えよう。
例:環境・生態系保全規定の挿入(国連海洋法条約など)
・なぜそれらの条約を挿入されたのか?
・それらの条約はどのような役割を果たしたのか?

第十回
要点①国際社会では紛争はどのように処理されるかについて考えよう。
例:国連憲章は33条1項で紛争処理に関する規定
・国際紛争は国際紛争における取組みは何か?
・国連憲章は世界平和にどんな影響をもたらした?

要点②国際紛争の伝統的処理手法は何かについて理解しよう。
例:日露戦争で日本に急行するロシアのバルチック艦隊が途中で中立国英国の漁船団を誤認による砲撃したの件。
・どういう事件なのか?
・その事件をどう解決されたのか?

第6日(Day6)

第十一回
海洋利用に関する国際法(ケースメソッド)
海は地球上の7割をしめ、海に関する法は「海洋法」と称され、最も古くて、最も新しい法」と言える。今回は、公海上での外国船舶による日本調査捕鯨船への妨害行為に対して、いかなる措置をとれるのかについて紹介する。

●使用するケース
第十一回
要点①ICRW や、同条約に基づいて設立された国際捕鯨委員会(IWC) について説明する。
例:2014年3月31日、国際司法裁判所(ICJ)は、「南極海における捕鯨」事件について判決を言い渡した。
・南極海捕鯨事件において国際法(国際捕鯨取締条約)はどんな役割を果たしたのか?
・南極海捕鯨案とSDGsの関連性を如何に理解すればよいのか?

要点②南極海捕鯨案の判決結果と今後の南極海調査捕鯨計画の策定に際して与える影響について考える
例:2015 年 10 月 6 日に日本政府は新しい留保を含む選択条項受諾宣言を寄託した。
・敗訴した日本は、新しい留保を含む選択条項受諾宣言を寄託した目的は何か?どんな効果をもたらしたのか?
・これからの日本捕鯨は国際法にどう影響されるのか?
・日本の調査捕鯨に関する今後の展望

第7日(Day7)

第十二回 武力行使の規制
伝統的な国際法で国家に認められていた「戦争の自由」は、国際連盟規約、不戦条約を経て、国際連合憲章に至る過程で徐々に制限されるようになってきた。現代国際法の下で、国家による武力の行使はどのような場合に禁止され、どのような場合に認められるのだろうかということについて説明する。

第十三回
平和と安全の維持
戦争の自由が認められていた伝統的国際法の下で、国家は自国の安全を確報するために「軍備の自由」と「同盟の自由」を享受し、軍事同盟関の「勢力均衡」が国際安全保障のための有効な手段と考えられた。国際連盟規約で導入され、国際連合憲章で強化された「集団安全保障」の制度は、勢力均衡に変わる有効な枠組み足りえたのか、また、そうした枠組みに依頼して行われた「湾岸戦争」や「イラク戦争」は、集団安全保障が有効に機能した事例といえるだろうかということについて紹介する。


●使用するケース
第十二回
要点①国際武力不行使原則の発展について理解してみよう。
例:国際連盟条約
・その条約はどんな内容か?
・戦争・武力行使の違法化にどんな影響をもたらした?

要点②武力不行使原則の例外は何かについて見てみよう。
例:1837年のカロライン事件
・どういう事件なのか?
・その事件で自衛権にどんな影響をもたらした?

第十三回
要点①国際国際連合と国際連盟の集団安全保障について理解してみよう。
例:1935年イタリアによるエチオピア侵攻の際の対伊経済制裁の失敗例
・どういう事件なのか?
・普遍的な実施を確保するためには、どんな体制が求められるのか?

要点②国連平和維持活動について考えよう。
例:冷戦の終結により、地域紛争や民族紛争が多発するようになった。
・どんな事件が起きたのか?
・国連平和維持活動それらにどんな役割を果たしていたのか?

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 30 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 30 %
予習レポート Preparation Report 0 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 30 %
最終レポート Final Report 40 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 柳原正治、森川幸一、兼原敦子「プラクティス国際法講義 〈第3版〉」信山社(2017)9784797224528

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

森川幸一、森肇志、岩月直樹、藤澤巌、北村朋史「国際法で世界がわかる―ニュースを読み解く32講 」岩波書店(2016)9784000229555

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

初年度担当科目

担当教員のプロフィール About the Instructor 



Refereed Articles

  • (2020) A Study on the Negative Externality of USD Liquidity--Based on the Asset Allocation Efficiency of US Treasury Securities. The Singapore Economic Review (SSCI) 66(3):
  • (2020) The Domestic Politics of the Yen’s Re-internationalisation: Dynamic Interaction and the Core Executive. Asian Studies Review (SSCI, Q1) 45(3):
  • (2020) Empirical study on intra-regional bond investment: an application to East Asia. Asian Pacific Economic Literature(SSCI) 34(1):
  • (2018) Recent Developments in China’s Labour Market: Labour Shortage, Rising Wages and Their Implications. Review of Development Economics 22(3):
  • (2018) Are China’s Unit Labor Costs still Competitive? A Comparison with ASEAN Countries. Asian Pacific Economic Literature (SSCI) 32(1):






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