シラバス Syllabus

授業名 異文化コミュニケーション
Course Title Intercultural Communication
担当教員 Instructor Name 鎌田 真弓(Mayumi Kamada)
コード Couse Code NUC168_N23B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 教養教育科目100系 / Liberal Arts 100
専門専門科目200系 / Specialized Subject 200
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2023 UG Nisshin Term3

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

国際的なビジネスの舞台で活躍するには、多様な文化や価値を尊重し、柔軟に対応する力が必要です。本科目では文化の多様性を理解し、ビジネスや社会生活で必要とされるコミュニケーション能力を高めます。
It is indispensable for a business leader to appreciate diversity in cultures and values, and to adapt herself/himself to a different social environment. This course fosters students' understanding of cultural diversity and enhances their communication skills.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本科目は、社会の多様性を理解し、異なる文化を持つ人びととのコミュニケーションの能力を身につけることを目的としています。そうしたコミュニケーション能力は、今日ビジネス界でも重視されている、ダイバーシティ・マネジメントの基礎力となります。
The objective of this course is to enhance students’ receptive minds towards diversity and to improve communication skills with people of different cultural backgrounds. Intercultural communication skills shall underpin the practices of diversity management, which are highly appreciated in business communities.

到達目標 / Achievement Goal

本科目で取り扱う「文化」は、国家や民族集団が共有する文化のみではありません。また「コミュニケーション」も言葉だけでなく、非言語コミュニケーションが重要です。身近な事例を取り上げて、こうした様々な文化を内包する社会を理解し、多様性の中でのコミュニケーション力を養います。

‘Culture’ in this course is defined broadly, which includes not only ethnic and national cultures. Furthermore, ’communication’ includes both verbal and nonverbal communication. Students are encouraged to appreciate the cultural diversity of society and their multicultural identities. By analyzing various cases, students shall understand the diversity in a society, and acquire practical intercultural communication skills.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

日々の生活の中での多様性やや異なる価値観に気づくことで、実践的な異文化コミュニケーション力を身につけます。

Students are expected to recognize cultural diversity and the different value systems of their surrounding environment and acquire practical intercultural communication skills.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 17 パートナーシップで目標を達成しよう(Partnerships to achieve the Goal)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 40 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 60 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

予習・復習は、予習アサインメントとリアクションペーパーを義務付けていますので、120分程度(予習60分、復習60分)および定期試験前の復習を300分程度行ってください。ケース・資料・授業用PPTは事前にGoogle Classroomにアップロードしています。
予習アサインメントやリアクションペーパーでの質問や意見は、Google Classroomでお答えしたり、あるいは授業中に紹介したりして、議論を深めたいと思います。個別の質問はオフィスアワーを活用してください。
ウェブサイトの情報はとても有効ですが、信頼できないサイトも多いです。図書館には参考図書や授業で使用する映画が所蔵されていますから、積極的な利用を推奨します。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

イントロダクション
1-1 言語コミュニケーション、非言語コミュニケーション
 コミュニケーションには、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションがあります。特に、非言語コミュニケーションは重要です。ここでは、「コミュニケーション」を様々な角度からとらえてみます。アイスブレークも行いたいと思いますので、ノート、筆記用具、教科書を持参してください。
1-2 見える文化・見えない文化
「文化」は、国家や民族集団のみで異なるものではありません。国内の様々な地域、男性と女性、上司と部下、親と子、魚屋と医者など、様々な社会集団が持つ共通の価値観・倫理観があります。「文化」を多角的に理解します。

●使用するケース
タケシさんの面談予約(鎌田作成)
動画:日本手話(明晴学園)

第2日(Day2)

異文化接触
2-1 文化と価値観
様々な角度から「文化」を捉え、皆さんが日常的に体験している「異文化」と、そうした異文化接触による摩擦について考えます。
2-2 コミュニケーション・スタイルの違い
「物事をはっきり言う人」「表現力の豊かな人」「おとなしい人」などと評されるさまざまなタイプの人がいます。個人差だけでなく、文化によるコミュニケーションスタイルや、好ましいとされるスタイルの違いを考えます。

●使用するケース
「もうこりごりホストファミリー」『ケースで学ぶ異文化コミュニケーション』pp.24-26.
葉子さんとアランさんのすれ違い(鎌田作成)

第3日(Day3)

グローバルスタンダード
3-1 ジェンダーとセクハラ
ジェンダーとは社会的・文化的につくられた性別のことを指します。ジェンダーをつくり出してしまうコミュニケーションについて考えます。
3-2 笑いと怒り
笑いや怒りの表現方法も文化によって異なります。ケースや動画を使って異文化コミュニケーションがうまくいかない状況を考えます。

●使用するケース
「セクハラ社長との戦い」『ケースで学ぶ異文化コミュニケーション』pp.67-70.
「生牡蠣で吐き気」『ケースで学ぶ異文化コミュニケーション』p.141.

第4日(Day4)

コミュニケーションを歪めるもの
4-1 マイクロアグレッション:悪気はないけれど・・・
悪気のない言葉が相手を傷つけることがあります。「エスノセントリズム 」や「ステレオタイプ」や「偏見」の視点からコミュニケーションを考えます。
4-2 「差別」について考える
差別が生まれる過程を実験した動画などを観てディスカッションをするとともに、そうした状況を変えるコミュニケーションの方法も考えてみます。

●使用するケース
「同性愛者ってどんな人?」『ケースで学ぶ異文化コミュニケーション』pp.79-81.
「ユンさんの葛藤」『ケースで学ぶ異文化コミュニケーション』pp.14-15.
動画:青い目茶色い目

第5日(Day5)

様々な場面での異文化コミュニケーション
映画の場面を使って、異文化間のコミュニケーションがうまくいっていない状態を観察し、その要因を分析します。

●使用するケース
ジェフさんの休職命令(鎌田作成)
動画:畏れ慄いて(by アラン・コルノー)

第6日(Day6)

異文化適応・異文化受容のプロセス
6-1 新しい学校や職場に入る時、期待と同時に緊張や不安を感じた経験は誰にでもあると思います。ビジネスの場面での異文化適応のプロセスを考えます。
6-2 異文化受容
異文化接触によって生まれる個人のアイデンティティや社会の変化について考えます。

●使用するケース
「由香里さんの逆カルチャーショック」『ケースで学ぶ異文化コミュニケーション』pp.50-52.
「ケイコさんの留学」(鎌田作成)
動画:ドイツ、トルコ、インド企業の商談
動画:ジャパニーズ・ストーリー(by スー・ブルックス)

第7日(Day7)

多文化社会に向けて
 グローバル化や社会構造の変化によって、日本社会は多様化し変革を迫られています。例えば、移民・外国人労働者の受け入れ、先住民やマイノリティの権利の承認、女性の社会参画、高齢者や障がい者への支援など、既存のステレオタイプや価値観の変更、あるいは差別の撤廃などが課題となっています。多文化社会を目指す日本の現状と課題を考えます。

●使用するケース
旭マンションの外国人(鎌田作成)
「アカデミックアドバイザーとの面会」『ケースで学ぶ異文化コミュニケーション』pp.100-103.

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 20 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 20 %
予習レポート Preparation Report 20 %
小テスト Quizzes / Tests 40 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 20 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

講義内での挙手発言回数だけでなく、予習アサインメントやリアクションペーパーなど様々な方法で授業への参加度を評価します。発言が苦手な学生は、リアクションペーパーなどで意見を述べてください。
リアクションペーパーが上記の「小テスト」です。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 久米昭元・長谷川典子「ケースで学ぶ異文化コミュニケーション」有斐閣選書2014( )978-4-641-28108-0

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

石井敏他『はじめて学ぶ異文化コミュニケーション』有斐閣選書、2014年、978-4-641-28133-2
古田暁『新版 異文化コミュニケーションキーワード』有斐閣双書、2013年、4-641-05874-1
エリン・メイヤー『異文化理解力』英治出版、2015年、978-4-86276-208-5
高城玲編著『大学生のための異文化・国際理解—差異と多様性への誘い』丸善出版、2017年、978-4-621-30125-8
原沢伊都夫『多文化共生のための異文化コミュニケーション』明石書店、2014年、978-4-7503-4064-7
キム・ジヘ『差別はたいてい悪意のない人がする』大月書店、2021  9784272331031
デラルド・ウィン・スー『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』明石書店、2020 978-4750351179

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

クラスディスカッションやグループディスカッションに積極的に参加して、違いを尊重し、たくさんの気づきを得てください。
声帯が弱くて、大きな声を出すことができません。講義中に声が聞こえにくかったり、画面が見えにくかったりする場合は、その都度指摘してください。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

学位:
修士(国際関係学)津田塾大学
MPhil(Asian Studies) グリフィス大学
PhD(International Relations)オーストラリア国立大学

研究分野:
オーストラリア研究、国際政治学、国際関係論
特にオーストラリアのナショナリズム(先住民問題、戦争の記憶)および境界研究に関心をもつ。

Academic degrees:
MA (International Relations) Tsuda College, Tokyo, Japan
MPhil (Asian Studdies) Griffith University, Brisbane, Australia
PhD (International Relations) Australian National University> Canberra, Australia

Fields of Research
Australian Studies, International Politics, International Relations
In particular she is interested in Nationalism in Australia (including Indigenous issues and memory of wars), and Border Studies.

Refereed Articles

  • (2023) A Reading of the Account Books of J & T Muramats: Ethnography of its Business and Japanese Indentures Laborers in Cossack, Western Australia. Journal of Australian Studies 36 091998911
  • (2020) Kaken Final Report:Dynamism of the Marine Frontier: territorialization of Australia's northern waters and subsistence tactics of the people in the border regions. Grants-in-Aid for Scientific Research - JSPS
  • (2020) Jiro Muramats (1878-1943): A Japanese Businessman in Australia. Grants-in-Aid for Scientific Research - JSPS
  • (2019) Records of Japanese in the Internment camps in Australia during the Pacific War. A book funded by the Grants-in-Aid for Scientific Research
  • (2017) Dynamism of Transborder Migration in the Arafura Sea Region: Customary Knowledge Across the National Boundaries. Grants-in-Aid for Scientific Research - JSPS






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