シラバス Syllabus

授業名 オーストラリアの社会と文化
Course Title Society and Culture of Australia
担当教員 Instructor Name 鎌田 真弓(Mayumi Kamada)
コード Couse Code NUC142_N21B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 教養教育科目100系 / Liberal Arts 100
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2021 UG Nisshin Term3

授業の概要 Course Overview

国際的なビジネスの舞台で活躍するには、多様な文化や価値を理解し、柔軟に対応する力が必要です。本科目では「オーストラリア」に着目して、社会の発展のためのダイバーシティ・マネジメントについて考えます。
本科目は、ビジネス・リーダーの素養として不可欠な、幅広い教養、柔軟な感性、異文化に対する理解や倫理観、論理的な思考力を養うことを目的としています。グローバル化が進む今日では、日本社会や職場環境の多様性が進展することは避けられません。「多文化オーストラリア」を知ることによって、異文化に対する受容力を高めるとともに、ビジネスで必要な倫理観を身につけます。
移民国家であるオーストラリアが多民族・多文化社会化をどのように成し遂げてきたのか、多文化社会が抱える課題とは何か、日本と比較しつつ考えてみたいと思います。「多文化共生」は、日本においても重要な課題として認識し、社会の多様性や持続可能性を意識しつつ、今日的課題を批判的に考察する力を身につけます。

It is indispensable for business leaders to appreciate diversity in culture and society. This course would focus on multicultural Australia, and comprehend diversity of the society and its management.
The objective of this course is to foster students’ sensitivity to the diversity, and to develop critical and ethical thinking, which are indispensable for a business leader. Not only for business abroad but also in Japan, it is inevitable to encounter diverse value systems due to the globalized business reality. With particular focus on ‘multicultural Australia’, this course shall nurture students’ receptive mind towards different cultures and values, and ethical practices of global business standards.
We will focus on Australia: how White Australia transformed to be a multicultural society; what were the concerns; and how the problems were solved. We will also look into the Japanese society where ‘multiculturalism’ has also been an important issue. Thorough the course students are required to understand Australia’s effort to overcome problems of multicultural society, and to think critically about its implication to Japan.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

オーストラリアでの取組みをグローバル化する社会における課題として認識し、日本にも適用される多文化社会のあり方を考えます。クラスディスカッションやグループディスカッションでの意見交換、およびレポートやリアクションペーパーの作成などを通して、意見を明確にし、発信する力を身に付けます。

Students would learn diversity in the society and nurture receptive mind towards different cultures and values. They are expected to develop critical thinking and communication skills through participating in the class and group discussions, as well as writing essays and reaction papers.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 60 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 40 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

学習方法、レポート、課題に対するフィードバック方法 Course Approach, Report, Feedback methods

ケースや資料、講義内容を事前にGoogole Classroomにアップロードしています。写真や絵画や図表などが多く含まれていますから、各自ダウンロード・印刷したものを準備してメモを書き込んでいくと、充実したノートができると思います。予習・復習は、授業時間と同じ時間数(予習100分、復習100分)を行ってください。授業の前に教科書の関連部分を読んでおくと良いでしょう。また予習のために毎週アサインメントを準備してあります。復習はリアクションペーパーの提出が義務付けられています。
 レポートやリアクションペーパーでの興味深い質問や意見は、Googole Classroomでお答えしたり、あるいは授業中に紹介してさらに議論を深めたいと思います。個別の質問はオフィスアワーを活用してください。
 ウェブサイトの情報はとても有効ですが、信頼できないサイトも多いです。図書館には参考図書や授業で使用する映画が所蔵されていますから、積極的な使用を推奨します。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

イントロダクション:「オーストラリア」の誕生
 移民国家オーストラリアの現状を紹介する。私たちが「伝統・文化」と認識しているものも、実は「創られた伝統」である場合も多い。もイギリス流刑植民地として出発したオーストラリアの歴史をふりかえりつつ、オーストラリア人が自画像として描いてきたオーストラリア人のルーツを探るとともに、「建国」の歴史を考える。


●使用するケース
ナヨンさんのお願い(鎌田作成)

第2日(Day2)

開拓のフロンティア:オーストラリア「建国」
 1860年代にはオーストラリア内陸部の探検がすすみ、入植地は広がり、アボリジニの人口は激減していった。さらに、植民地時代のオーストラリアは、中国人や日本人、太平洋諸島の人びとなどが契約労働者として働く多文化社会であった。しかしながら、ゴールド・ラッシュを契機に中国人の排斥と「白いオーストラリア」の形成が始まった。連邦結成の過程とその要因を探り、ナショナリズムが抱える排外主義について考える。


●使用するケース
弘さんの留学体験―アボリジニ(鎌田作成)

第3日(Day3)

「開拓」の光と影:フロンティアでの衝突
 「開拓」は先住民族にとっては侵略であり、彼らの土地の収奪であった。人口の減少や混血化が進み、先住民族社会は崩壊していった。20世紀に入って、オーストラリアが国家としての装いを整えるとともに、先住民族アボリジニは厳しい管理のもとに置かれた。親子強制隔離政策などの対先住民政策について論じるとともに、権利回復のプロセスを知る。さらに、こうした歴史に対する今日の認識のあり方を考える。

●使用するケース
弘さんの留学体験―アボリジニ(鎌田作成)

第4日(Day4)

オーストラリアと戦争
 第一次大戦中のガリポリ上陸作戦が行なわれた日を記念するアンザック・デー(4月25日)は、オーストラリア・デー(1月26日)と並ぶ、オーストラリア国民にとって重要な祝日である。兵士への追悼が、なぜそれほど重要性を持つのか、第一次世界大戦および第二次世界大戦(特に太平洋戦争)の記念式典を通じて考える。


●使用するケース
弘さんの留学体験―戦争(鎌田作成)

第5日(Day5)

オーストラリアの移民・難民政策
 オーストラリアの移民政策は、基本的に人口政策である。第二次大戦後オーストラリアは、人口不足を補うために大量移民政策を展開したために、はからずも非英国系移民が増大して、アジア系移民の受け入れの土壌が作られ、多文化政策への変更を余儀なくされた。オーストラリアが多文化政策へと方向を転換した要因を探る。さらに、1970年代のインドシナ難民の受け入れは、オーストラリア社会の「アジア化」を促す転機となった。1980年代以降の多民族・多文化社会オーストラリアへの変化の過程を論じるとともに、昨今のオーストラリアの難民政策について述べる。


●使用するケース
ユカさん一家の決断(鎌田作成)
グラムさんの将来(鎌田作成)

第6日(Day6)

多文化社会の先住民
 1970年代以降、オーストラリア先住民族の権利回復が始まり、1990年代には先住権が認められ、先住民族との「和解」のプロセスも始まった。2008年2月、ラッド首相は「盗まれた世代」に対して公式謝罪を行い、先住民族との象徴的な「和解」に達したといえる。しかしながら、先住民と非先住オーストラリア人との格差は依然大きいままである。多文化社会化するオーストラリアにおける先住民族の状況について論じるとともに、日本の状況を考える。

●使用するケース
ジムさんの選択(鎌田作成)
ケンさんの怒り(鎌田作成)

第7日(Day7)

多文化社会への模索
 オーストラリア・デー(1月26日)はオーストラリアへの入植開始の記念日である。「建国記念日」か「侵略の始まり」か、オーストラリア国内でもその日の意義とあり方が問われている。経済合理主義に基づく移民・難民政策や先住民政策、あるいは先住民族との「和解」や格差是正など、多文化オーストラリア社会が抱える課題を考える。

●使用するケース
弘さんの留学体験―就職(鎌田作成)

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
予習レポート Preparation Report 15 %
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 15 %
ケース試験 Case Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
小テスト Quizzes / Tests 30 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 40 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

講義内での挙手発言回数だけでなく、グループ・ディスカッションのまとめやリアクションペーパーなど様々な方法で授業への参加度を評価します。発言が苦手な学生は、リアクションペーパーなどで意見を述べてください。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 鎌田真弓(編)「大学的オーストラリアガイドーこだわりの歩き方」昭和堂(2021)978-4-8122-2016-0

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

関根政美他『オーストラリア多文化社会論』法律文化社、2020年:978-4-589-04053-4
鎌田真弓編著『日本とオーストラリアの太平洋戦争ー記憶の国境線を問う』御茶の水書房、2012:978-4275009784
山内由理子編『オーストラリア先住民と日本:先住民学・交流・表象』御茶の水書房、2014:978-4275010810
村井吉敬・内海愛子・飯笹佐代子編著『海境を越える人びとー真珠とナマコとアラフラ海ー』コモンズ、2016:978-4861871337
竹田いさみ他『オーストラリア入門 第2版』東京大学出版会、2009:978-4130032063
藤川隆男編『オーストラリアの歴史』有斐閣、2004:978-4641122093
岩城けい『さようなら、オレンジ』筑摩書房、2013:978-4480432995

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

遠隔授業でしたので、グループディスカッションに参加しない学生があるという苦情が多かったです。評価に反映する方法を工夫したいと思いますが、皆さんの将来のためにディスカッションを回す技術を習得する機会と捉えて、積極的な参加を期待します。クラスディスカッションの時間も増やしたいと思います。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

学位:
修士(国際関係学)津田塾大学
MPhil(Asian Studies) グリフィス大学
PhD(International Relations)オーストラリア国立大学

研究分野:
オーストラリア研究、国際政治学、国際関係論
特にオーストラリアのナショナリズム(先住民問題、戦争の記憶)および境界研究に関心をもつ。

Academic degrees:
MA (International Relations) Tsuda College, Tokyo, Japan
MPhil (Asian Studdies) Griffith University, Brisbane, Australia
PhD (International Relations) Australian National University> Canberra, Australia

Fields of Research
Australian Studies, International Politics, International Relations
In particular she is interested in Nationalism in Australia (including Indigenous issues and memory of wars), and Border Studies.

Refereed Articles

  • (2020) Kaken Final Report:Dynamism of the Marine Frontier: territorialization of Australia's northern waters and subsistence tactics of the people in the border regions. Grants-in-Aid for Scientific Research - JSPS
  • (2020) Jiro Muramats (1878-1943): A Japanese Businessman in Australia. Grants-in-Aid for Scientific Research - JSPS
  • (2019) Records of Japanese in the Internment camps in Australia during the Pacific War. A book funded by the Grants-in-Aid for Scientific Research
  • (2017) Dynamism of Transborder Migration in the Arafura Sea Region: Customary Knowledge Across the National Boundaries. Grants-in-Aid for Scientific Research - JSPS
  • (2017) Memory of the Bombing of Darwin: Remembering the Frontline of National Defence. Sociology of Warfare 1 978-4-585-23281-0






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