シラバス Syllabus

授業名 国際法
Course Title International Law
担当教員 Instructor Name 関根 豪政(Takemasa Sekine)
コード Couse Code NUC131_N20A
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2020 UG Nisshin Term1

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

 本講義は、国際法に関する様々な論点を勉強することによって、今現在、国際社会がどのような問題を抱えているかについて理解し、どのように解決すべきか考える力を高めることを目的とする。受講生には、国際法を我々市民の一般的な生活とも関わりの強い法であると認識してもらい、いざ国際的な問題に直面してもそれに冷静に対処することのできる能力を修得することを目指す。

 国際法と一口にいっても大きく二つから構成される。第一が、国家や領土、条約などといった国際法を形成する基礎的な要素であり、いわゆる基礎理論を学ぶことになる。第二が、個別具体的なテーマに応じた国際法であり、各論である。具体的には、国際人権法、国際海洋法、国際環境法などの領域を学ぶことになる。本講義では、これらを前後半に分けて学び、国際法の基礎をおさえつつ、個別の分野に対応できる柔軟な思考力を備える。

 本科目では、上記のラーニングゴールの確かな実現に向けて、ケース教材を用いた討論授業を行う。本科目の履修者には、討論授業に参加するための予習レポートの作成と、クラスでの積極的な発言が求められる。
The aim of this course to understand the issues now we are facing and enhance the ability to represent the solutions to those issues, by learning various topics of international law. It is expected that students recognize that international law is strongly connected to the daily lives and improve capacity in order to appropriately address the problems when faced with the international incidents in the real lives.

The course is composed of two parts. The first part will deal with general theories, under which students will learn about the basic principles of international law such as the foundamental concepts reagarding state, territory and treaty. The second part will delve into the specific issues of international law. In this part, we will learn International Human Rights Law, International Law of the Sea, International Environmental Law and so on. Based on this structure, the course will pursue understanding basic concepts underlying the international legal relations and acquiring the skills which enables students to flexibly address various international issues.

In this course, we will conduct class discussions using case studies in order to achieve the learning goals. The students attending this course may be required to write a preparatory report and must participate in the class discussions.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG2 Diversity Awareness
LG4 Effective Communication

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

極力、現実的に起きている国際的な問題を取り上げることを計画しているため、受講生はニュースが理解しやすくなることが期待される。また、外国や留学に興味ある学生は、この講義を通じて国際的な考え方の相違を理解してもらいたく考えている。

This course will deal with recent international issues as much as possible. Therefore, students are able to learn about latest news. For students that are interested in staying and studying abroad, this course will provide valuable insights in understanding the differences between Japan and other countries, which seems to be beneficial for those students.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 30 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 70 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

【予習】

 講義では前回の講義の議論を踏まえて、翌週にそれをさらに自分なりにブラッシュアップさせた意見を発言してもらうことになるので、講義が開始するために事前予習・準備をおこなってくること。

【中間レポート】

 履修者には、講義の中間でレポートを提出することが求められる。内容、分量、その他の詳細は講義中に連絡する予定である。


【学修方法】

 講義においては、キーワードを記したハンドアウトを配布する。そのハンドアウトを用いて、講義のスライドや板書された内容をメモすることになる。ハンドアウトをうまく利用してノートを採ることが、講義の理解を促すことになり、学期末試験勉強を効率よく行うことを可能にしてくれる。

 また、履修者には、ワークシートと称した課題を授業ごとに提出してもらう予定である(平常点)。授業を聞きながら、ワークシートの問題に解答してもらい(場合によっては自らの見解を書いてもらう)、毎回の授業の最後に提出することになる。ワークシートにはその講義の要点をおさらいすることになる質問が記載されており、これに根気よく取り組むと、定期試験に向けた準備がスムーズになるようにしている。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

【イントロダクション:国際法の講義で何を学ぶか】
 国際法が自分の生活とどのように関わってくるかについて、具体例を取り上げながら理解する。「海外でトラブルに巻き込まれたときにどうする?」「どうして領土問題が発生するのだろうか?」などだ。また、初回は、教科書や参考書の概要、授業の進め方、成績評価の方法などについても併せて説明する。
【国際法の基礎、国際法の存在形態】
 第1週の後半では、国際法が具体的に何を意味するのか勉強する。「条約」についてはある程度理解していると思うが、「慣習国際法」は聞いたことがないという人も多いのではないだろうか。この回で用いるミニケースは、皆が素通りしやすい、そもそも「法」って何か?ということについて考えるきっかけになるだろう

●使用するケース
「なぜ、日本の自動車は左側通行?」

第2日(Day2)

【国家とは】
 国際法の基本単位は「国家」である。しかし、「国家」とはそもそも何か。これまでこのことについて考える機会は少なかったと思うが、国際法の中で国家とはどのように形成され、認識されているのかについて考えてみる。本講義では、「カナール共和国の独立を認めるか否か?」というケースを用いて、新しい国家が誕生する際の問題と障害について深く理解する。

●使用するケース
「カナール共和国の独立を認めるか否か?」

第3日(Day3)

【条約法】
国際法の基礎となる「条約」の仕組みやその性質について理解する。国際的に多数存在する条約のメカニズムを理解することによって、国際法の実体をよりスムーズに理解できるようにする。ケースは、条約の留保を題材としたケースを取り上げる。条約の留保という耳慣れない仕組みが学生の日常的な問題とどう関係してくるのか、ケースを通じて理解を深めよう。

●使用するケース
「大学の学費は無料にすべきか?:条約の留保と大学」

第4日(Day4)

【戦争は日々起きている?】
平和な日本に住んでいると感じないかもしれませんが、現在も戦争は起こっています。日本も戦争に巻き込まれない保証はありません。戦争が発生した場合に世界はどのようなルールで対処していくのだろうか、学ぼう。グローバル化が進む現在において、地球の反対側で発生している事象であっても、正しく知ることはとても重要だ。

●使用するケース
「外国からの圧力とその防衛」

第5日(Day5)

【国家責任法①】
 ある国家の行為によって、他の国家や国際社会に損害が生ずることがある(たとえば、国境をまたいだ環境問題)。その場合、責任を負うことになるのは、原因となった国家であるが、どのような考えに基づいて責任を負うことになるのかとの点について学ぶ。これを学んでおくと、留学や海外旅行の際に、外国でトラブルに巻き込まれた時の対処法を知ることができる。ありえそうなシチュエーションをケースを通じて体感してみたい。

●使用するケース
「誰とトラブル?:外国でのトラブルと法律」

第6日(Day6)

【国家責任法②】
 国家責任法①とは逆に、自国の国民が損害を受けた場合に、国家がどのような形で救済に関与することができるか(外交的保護)について学ぶ。国家責任の考え方を2回に分けて対比的に学ぶことにより、国家の国民との関係における責任のあり方について深く理解できるだろう。これは、外国でビジネスを展開するときに役に立つ知識であり、ケースでは実際に起こりそうな仮想事例に取り組んでみる。

●使用するケース
「新幹線の敷設の中止!?」

第7日(Day7)

【宇宙法】
 国際法の枠を超えて、宇宙について考えてみる。これからは宇宙ビジネスが拡大する可能性が高まっており、地球にとどまらない発想が求められている。宇宙でビジネスをするためにはどのような法律を知っておくべきか!?

●使用するケース
「宇宙人とビジネス?:宇宙ビジネスに必要な法律」

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 75 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 75 %
予習レポート Preparation Report 0 %
小テスト Quizzes / Tests 20 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 5 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

小テストは中間レポートを意味する。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 関根豪政、北村貴「体験する法学」ミネルヴァ書房(2020)9784623088171

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

[1]中谷和弘ほか『国際法(第3版)』有斐閣アルマ、2016
[2]小寺彰、森川幸一、西村弓『国際法判例百選(第2班)』有斐閣、2011年、978-4-641-11504-0
[3]岩沢雄二『国際条約集2016年版』有斐閣、2016年、4641001499 ※2017年版が出版されれば2017年版
[4]小寺彰・岩沢雄二・森田章夫『講義国際法(第2版)』有斐閣、2010年
[5]奥脇直也・小寺彰『国際法キーワード(第2版)』、有斐閣双書、2006年
[6]杉原 高嶺、酒井 啓亘『国際法基本判例50(第2班)』、三省堂、2014年
[7]森川幸一ほか『国際法で世界がわかる:ニュースを読み解く32講』、岩波書店、2016年
[8] 国際法学会『国際関係法辞典(第2版)』三省堂、2005年

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

今年も、より興味がわくようなケースを考えていきたいと思います。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

慶応義塾大学法学研究科博士課程、慶応義塾大学法学研究科助教(有期・研究奨励)、日本学術振興会・特別研究員(PD)、学習院大学や大宮法科大学院大学等の非常勤講師を経て、現職。 現在、内閣府・政府調達苦情検討委員会の委員も務める。主な研究分野としては、国際経済法の領域でも特に、「貿易と環境」、「対抗措置と比例性」、「WTOと自由貿易協定(FTA)の関係」等といったテーマの研究に取り組んでいる。

Takemasa SEKINE is an Associate Professor at Nagoya University of Commerce & Business (NUCB) in Japan. He received his legal education at Keio University, Japan (Ph.D. and LL.M) and was later engaged as a post-doctoral research fellow at the Japan Society for Promotion of Science (JSPS). He is currently a board member of the Government Procurement Review Board in Japan, and also joining research projects hosted by Japanese governmental institutions, such as the Ministry of Foreign Affairs of Japan and the Research Institute of Economy, Trade and Industry (RIETI).

Refereed Articles

  • (2019) The Possibility of Enhancing Subsidy Disciplines: The EU's Attempts through the Free Trade Agreements. Financial Review 140
  • (2019) The US–Japan trade deal: small agreement, broad implications. East Asia Forum
  • (2018) Enhanced Third Party Rights under the WTO Dispute Settlement System. Manchester Journal of International Economic Law 15(3): 1742-3945
  • (2016) Competition Related Provisions in East Asian FTAs: Their Trends and the Possible Impact of Mega FTAs. Chinese (Taiwan) Yearbook of International Law and Affairs 32 9789004316546
  • (2015) Financial Compensation in Trade Dispute Settlements: Can the Free Trade Agreement Experiment Be Successful?. ASIAN JOURNAL OF WTO & INTERNATIONAL HEALTH LAW AND POLICY 10(2): 1819-5164






ページ上部へ戻る