シラバス Syllabus

授業名 ジェンダー論
Course Title Issues in Gender
担当教員 Instructor Name 池田 美佐子(Misako Ikeda)
コード Couse Code NUC108_N20B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2020 UG Nisshin Term3

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

本科目は、本学が求める国際的視野を持つリーダーの育成にとって不可欠となる社会の多様性の理解と実践力をジェンダーの観点から促すことを目的とする。 本科目は、これから直面する仕事、結婚、家庭生活など人生のさまざまな場面を、普段あまり意識していない「女性であること」「男性であること」という視点から、改めて考えてみる授業である。ジェンダーとは、社会における性別、性意識、性差、性役割など多様な意味を含む言葉であるが、この授業ではゆるやかに「女性であること」「男性であること」と捉える。はじめに、各受講生は自分がジェンダーをどのように捉えているかをアンケートで確認したのち、ジェンダーの切り口からライフコース、家族、仕事、恋愛と結婚、家事と育児に焦点をあて、その実態や問題点を考えていく。この授業ではジェンダーをとおして生活の身近なテーマを扱うため、受講生は各テーマによく考え、活発に意見を述べることが期待される。

「卒業認定・学位授与の方針」の骨子である建学の精神「フロンティア・スピリット」の会得に際し、今日においては社会の多様性を認識し、活用することは不可欠である。本科目のテーマである「ジェンダー」の学習はこれに寄与するものである。
This course aims to advance students’ abilities to understand and implement the concept of social diversity in their professional and social life from the perspective of gender issues, abilities that are essential for the global leaders that NUCB intends to foster.
This course explores various aspects of the life course in light of gender. After learning the multiple meanings of the term ‘gender’ and the history of the family in Japan, it deals with the gender-related issues such as work, marriage, and family life and discusses pressing issues related to them. Since the topics are closely related to the future life of students, they are required to consider them as their own issues and participate actively in the class discussions.

For aquiring Frontier Spirit, today it is indispensable to know the importance of social diversity and make use of it. This course provides students knowledge of social diversity and skills of implementing the idea to daily life through the study of gender.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

・現代日本のジェンダーをめぐる様々な問題について知識を得る。
・今後学生が直面する仕事、地域社会、結婚、家庭において授業で学んだ知識を応用する。



・Students acquire the basic knowledge of current gender issues in Japan.
・Students are able to apply the knowledge acquired in this course to their occupational, social and private life.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 50 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 50 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

⚫ 準備学習:
次回の講義内容について、参考文献を用いて予習をし、受講後はレジュメをもとに講義内容を復習し、関連の内容を文献、新聞、雑誌、インターネット、映画などを用いて、さらに知識を深める。事前および事後学習の時間は各100分を目安とする。
⚫ 課題に対するフィードバック:
レポートは講義内でコメントを付して返却する
⚫ 中央情報センターの活用:
ジェンダーに関する知識や理解は、新聞、雑誌、インターネッ ト、映画などまざまざなメディアを使って深めることができる。情報センターでこれらを積極的に活用してほしい。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

ガイダンス
本科目のねらいや講義の内容や形式、評価方法などを説明する。第2週以降の講義を始める前に、ジェンダー(性別、性意識、性差、性役割)の概念を説明し、各受講生がジェンダーをどのように捉えているかを知るため、アンケート調査を行なう。
家族の変遷とジェンダー 1
現代における家族のジェンダー関係をより広い視点から理解するために、明治以降の日本の家族の変遷を3時代に分けて概観する。まずは明治から終戦までと終戦から1970年代の変化と特徴をみていく。


●使用するケース
自分の経験の中からどのようなジェンダーの問題があるか考える。

第2日(Day2)

家族の変遷とジェンダー 2
現代における家族のジェンダー関係をより広い視点から理解するために、明治以降の日本の家族の変遷を3時代に分けて概観する。後半は終戦から1970年代、1970年以降の変化と特徴をみていく。


●使用するケース
現代日本社会における典型的な家族の問題の事例を挙げ、グループで設問について考え発表する。

第3日(Day3)

ライフコースとジェンダー
前世代のライフコースと比較しながら、現代の少子高齢化時代のライフコースの特徴を長寿化、晩婚化・未婚化の視点から検討していく。つぎに、少子化、選択の多様化の視点から検討していく。
これまでの内容について、学生がプレゼンを行う。


●使用するケース
少子高齢化の事例から、その問題点とその影響と対策を考える。

第4日(Day4)

仕事とジェンダー
まずは、従来の日本の雇用状況における男女の仕事のありかたを学ぶ。とくに雇用形態、賃金、昇進における男女差、正規雇用とパートなど非正規雇用の違いを考える。
次に、近年における女性の社会進出の背景を探る。女性が何故社会進出をするようになった理由、社会進出を支えるさまざまな制度の改善、今後の課題を検討する。


●使用するケース
ワーク・ライフ・アンバランスの事例を挙げてその多面的な悪影響を考え、ワーク・ライフ・バランスの実現の方法とその効果について考える。

第5日(Day5)

結婚とジェンダー
最初に、恋愛や結婚についての近年の動向や意識を探る。結婚年齢の上昇とその背景、恋愛結婚の増加、「婚活」の現象、結婚相手の理想や結婚観を検討する。さらに近年における離婚の増加、離婚に付随する問題点を見てゆく。


●使用するケース
晩婚化・未婚化について事例を挙げ、その社会への影響と対策を考える。

第6日(Day6)

欧米の結婚、家庭、子育て
欧米の結婚、家族、子育ての考え方や現状について学び、日本人の考え方や現状との相違点や類似点を検討する。とりわけ、日本の状況とは異なる欧米の結婚観、女性の仕事観、家庭での男女の役割などを取り上げて討論する。    ゲストによる講演
授業の内容をより具体的に理解するため、ゲストを招いて仕事、結婚、家庭などについての体験談を話してもらう。それをケースとしてゲストと議論を深める。


●使用するケース
ゲストの結婚・家族・仕事の事例をケースとして、学生は質問をし、さらにこちらからの設問について考えていく。

第7日(Day7)

LGBTとジェンダー
最近になってLGBTは社会的に認知されるようになったが、まだ一般に正確には理解されておらず、偏見も根強い。
ここでは、LGBTの正確な意味を知り、当事者が直面する社会的心理的な問題を考える。
これまで学んだテーマについて、学生がプレゼンを行う。
最後に、これまでの授業のまとめを行う。


●使用するケース
ドキュメンタリーを通して当事者がもつ社会的心理的むずかしさを知り、今後、日本社会はこれにどのように向き合うのが良いか考える。

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 20 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 20 %
予習レポート Preparation Report 5 %
小テスト Quizzes / Tests 25 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 50 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • N/A「毎回担当教員が準備したレジュメを配布する。」N/A(N/A)

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

渥美由喜『イクメンで行こう!』日本経済新聞出版社、2010年。 (ISBN978-4-532-31630-3)
伊藤公雄・樹村みのり・國信潤子『女性学・男性学』有斐閣、2002年。(ISBN 4-641-12141-9)
井上輝子・江原由美子(編)『女性のデータブック』(第4版)、有斐閣、2005年。 (ISBN 4-641-07678-2)
岩上真珠『ライフコースとジェンダーで読む家族』有斐閣、2007年。(ISBN978-4-641-17337-8)
江原由美子・山田昌弘『ジェンダーの社会学入門』岩波書店、2008年。(ISBN 978-4-00-028048-8)
小倉千加子『結婚の条件』朝日文庫、2007年。(ISBN 978-4022643865)
中間真一、鷲尾梓『仕事と子育て 男たちのワークライフバランス』幻冬舎ルネッサンス、 2010年。(ISBN978-4-7790-6033-5)

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

学生の参加をさらに活発にする。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

●学位:
・修士(国際関係学) 津田塾大学
・修士(中東研究) ブランダイス大学
・博士(歴史学/ 中東研究) ハーバード大学

●研究分野 :
エジプト近現代史・中東研究


●Academic Degree:
・MA (International Relations) Tsuda College
・MA (Middle East Studies) Brandeis University
・Ph.D.(History/Middle East Studies) Harvard University

●Research Area:
Modern History of Egypt, Middle East Studies

Refereed Articles

  • (2023) Can Japan Aspire to a Gender-Equal Society? Japanese Male and Female Students’ Attitudes Regarding Marriage and Gender Roles in Family and Society. Forum of International Development Studies 54(1): 2189-9126
  • (2022) Independence and constitutionalism in Egypt 1919–1922. International Journal of Asian Studies (Cambridge University Press) 20(2): 1479-5914
  • (2014) parliamentary records in Monarchical Egypt: their values and database. "Asian Studies for Tomorrow" by Research and Information Center for Asian Studies, Institute for Advanced Studies on Asia, University of Tokyo (31):
  • (2012) Development of Democracy And Parliamentary Records in Egypt. Journal of Oriental Studies 94(2): 0386-9067
  • (2011) The Development of Democratic Institutions in Egypt: Constitutions and Parliaments. Review of Modern Ideas 39(4):

Refereed Proceedings

  • (2020). Comments and Discussions on Papers by Yakoob Ahmed and Tomonori Sato. Toyo Bunko E-Resource Network Storage .The 8th International Symposium Inter-Asia Research Networks: Structural Changes in Modern Middle East. 1. 2. The Toyo Bunko






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