シラバス Syllabus

授業名 ゲーム理論と戦略的思考
Course Title Game Theory and Strategic Thinking
担当教員 Instructor Name 吉野 一郎(Ichiro Yoshino)
コード Couse Code NUC101_N20B
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2020 UG Nisshin Term3

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

私たちが日常の人間関係における問題において判断を下す場合に決して忘れてはならないことは、自 分がどれだけの利益を得ることができるのかは自分の選択だけでは決めることはできないのであり、他の利害関係者の選択がどのように行われるのかによって変化してしまうという点です。例えば、ある学生ががどのような服装をパーティーに着ていくべきかは、他の参加者がどのようなオシャレをしてくるかによって決まってきます。こ のような相互依存関係が重要な場合に、私たちにとって合理的な意思決定を行うためにはどうすればよいのでしょうか。ゲーム理論はこの問いかけに答えるための道具を提供する社会科学の一分野です。本講義では、ゲーム理論を糸口にして、相 互依存関係の中で自分の利益をできるだけ大きくする方法を発見するための思考方法についての入門的考察を行います。本講義は人間関係において悩みを持っていてどうにかしてより良い関係を築きたいと考えている全ての学生を対象としており,戦略的思考の基本的な発想,考え方を習得することを目的・目標としています。
Game theory provide you with facinating tools for making up your mind under circumstances of interdependency. What you can get by taking certain action depends crucially on what actions others take, is the meaning of interdependency. In such a situation, you firstly have to analyze precicely how you and others are denpending on each other. That is ,you need to clarify the rule of the game you are playing. Then, you have to examine a reasonable plan of actions; a rational strategy. In this course, you will learn essense of Game theory by reconsidering your problem with your friends, family and others. If you learn this course well, you could build up better relationship with them.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

人間関係における問題に直面したときに、状況を一歩下がって冷静に分析して、より良い解決方法を提案できるような考え方の大切さを知ることができます。

You could find it very important to think logically with your cool head when you want to find out a nice solution to get out of troubles with your friends, family and neighbors.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 60 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 40 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

講義の中で紹介するゲーム的状況における合理的な解決方法を自分の頭でしっかり考えるように務めてください。
講義で実際にプレイしてもらうゲームにおいて何を学べたかについてレポートを作成します。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

ゲーム理論とは:人間関係における幾つかのゲーム的状況を紹介します。相互依存的な利害関係にあると、各自が独立している場合の選択とどのような違いが出てくるのかについて説明します。



























●使用するケース
●使用するケース
ケースはありません。

第2日(Day2)

ゲーム的状況においてどちらかのプレイヤーに必勝戦略があるかどうかについて考察します。必勝戦略があるゲームとはどのようなゲームなのかについて実際のゲームをプレイすることで考えてみます。必勝戦略とは、相手がどのように対抗してきても自分がその戦略を正しくプレイすれば必ずゲームで勝てるような戦略です。

●使用するケース
●使用するケース
数取りゲームと石取りゲーム:参考文献『Fun and Games」から自主作成

第3日(Day3)

完全情報ゲームというタイプのゲームを考察します。このゲームでは、全てのプレイヤーの相互依存関係を「ゲームの木」として目に見えるように描き出すことができます。そのゲームの木の上で、ゲーム理論に特有の「後ろ向き推論」という思考方法を応用すると、必勝戦略を簡単に見つけることができることを説明します。

●使用するケース
●使用するケース
ケースはありません。

第4日(Day4)

完全情報ゲームでありまた「競争的なゲーム」である場合には、必勝戦略は存在しなくても保証戦略が存在することを説明します。保証戦略とは相手がどのように対抗してきても自分がその戦略を正しくプレイすれば、ある水準以上の結果の実現を保証してくれる戦略です。

●使用するケース
●使用するケース
3目並べの保証戦略とは:自主作成のケース。

第5日(Day5)

ゼロサムゲームについて説明します。「競争的なゲーム」であるとき、ゲームの結果に付与する各プレイヤーの利得の合計をゼロになるようにできることを説明します。ゲームの結果に対する利得を決めるときに「フォン・ノイマンのくじ」という面白い考え方が使われることを説明します。


●使用するケース
●使用するケース
ケースはありません。

第6日(Day6)

不完全情報ゲームいついて説明します。競争的ゲームであるときに、もし戦略に確率的な手法も認めることができるならば、保証戦略が必ず存在するというミニマクス定理を説明します。

●使用するケース
ペナルティーキックの駆け引き:教科書第5章コラム6(147- 148page)

第7日(Day7)

ゼロサムゲームとノンゼロサムゲーム:ゲームには競合的な状況と協調すべき状況が混在しているタイプもあります。そのようなゲームでは必勝戦略とか保証戦略という考え方は通用しなくなります。相手プレイヤーとの協調の可能性も予測した合理的な戦略の選択をしなくてはなりません。ナッシュ均衡という考え方を説明します。

●使用するケース
●使用するケース
ホテリングの出店ゲーム:自主作成

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 10 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 10 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 50 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

期末試験は講義と関連する教科書の内容から出題します。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 柳川 隆・町野和夫・吉野一郎「ミクロ経済学・入門:ビジネスと政策を読みとく新版」有斐閣(2015)978-4-641-22047-8

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

[1]神戸伸輔 著『ゲーム理論と情報の経済学』日本評論社, 2005, ISBN:4535554145
[2]武藤滋夫 著『ゲーム理論入門』日本経済新聞社, 2002,ISBN:4532108292
[3]松原 望 著『ゲームとしての社会戦略』丸善ライブラリー, 2001,ISBN:462105340X
[4]梶井厚志・松井彰彦 著『ミクロ経済学 戦略的アプローチ』日本評論社, 2000,ISBN:4535552029
[5]Macmillan,J. 著『経営戦略のゲーム理論』有斐閣, 1995,ISBN:4641067546 


授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

できるだけ多くの学生に発表の機会を利用してもらえるように工夫していきます。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

学位と取得大学:
修士(経済学)一橋大学、M.Sc.(経済学)ロンドンスクールオブエコノミクス

研究分野:
応用ミクロ経済学、産業組織論、競争政策

主な論文:
”Overusing a bypass under asymmetric access regulation: Strategic
investment with spillovers" (2015), with Mizuno, K., Journal of Regulatory Economics
47(1), 29-57
"Distorted Access Regulation with strategic investments:Regulatory non-commitment and spillovers revisited"(2012), with Mizuno,K., Information Economics and Policy 24(2), 120-131

主な著書:
『ミクロ経済学入門:ビジネスと政策を読み解く 新版』(共著)、有斐閣、2015年
『競争の戦略と政策』(分担執筆)、有斐閣、2006年

Degree and university accredited:
Master(Economics)@HItotsubashi University
Master of Science(Economics)@ London School of Economics

Research Fields:
Applied Microeconomics, Industrial Organization, Competition Policy

Articles Published:
”Overusing a bypass under asymmetric access regulation: Strategic
investment with spillovers" (2015), with Mizuno, K., Journal of Regulatory Economics
47(1), 29-57
"Distorted Access Regulation with strategic investments:Regulatory non-commitment and spillovers revisited"(2012), with Mizuno,K., Information Economics and Policy 24(2), 120-131

Books Published:
”Introduction to Microeconomics for Business and Public Policy new edition"(2015) Yuhikaku
"Competition: Strategy and Policy" (2006) Yuhikaku











Refereed Articles

  • (2015) Overusing a bypass under cost-based access regulation: underinvestment with spillovers. Journal of Regulatory Economics 47(1): 0922-680X
  • (2012) Distorted access regulation with strategic investments:Regulatory non-commitment and spillovers revisited. Information Economics and Policy 24(2): 1676245
  • (2009) Rail Reform in EU and Germany. The Kokumin-keizai Zasshi 199(5): 3873129






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