シラバス Syllabus

授業名 グローバル化時代と日本
Course Title Globalization and Japan
担当教員 Instructor Name 陸 長栄(Choei Riku)
科目ナンバリングコード Course Numbering Code COR374
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree BSc
開講情報 Terms / Location 2026 UG Nisshin Term1
コード Couse Code NUC089_N26A

授業の概要 Course Overview

Mission Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

グローバル化とは、電子ネットワークやインターネットの発展による情報の国際的な拡大、貿易を通じた物品の移動の増加、留学生や外国人観光客の急増といった人の移動の活発化、企業による海外直接投資の拡大、さらには途上国の経済成長など、国境を越えた経済・社会的結びつきの深化を指す。

本講義では、こうしたグローバル化の進展を単なる経済現象として捉えるのではなく、本学の spirit が掲げる国際的視野、主体的思考、そして多様性への理解という理念と関連づけながら考察する。日本がグローバル社会の中で果たす役割を検討すると同時に、学生一人ひとりが国際社会の一員としてどのように行動すべきかを主体的に考えることを目的とする。
Globalization refers to the deepening of cross-border economic and social interconnections, including the international expansion of information driven by the development of electronic networks and the Internet; the increase in the movement of goods through trade; the rapid growth in the mobility of people, such as international students and foreign tourists; the expansion of foreign direct investment by corporations; and the economic growth of developing countries.

In this course, globalization is examined not merely as an economic phenomenon, but in relation to the spirit of our university—namely, the cultivation of an international perspective, independent and critical thinking, and respect for diversity. The course aims to explore Japan’s role in a globalized society while encouraging each student to reflect proactively on how they should act as a member of the international community.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本講義の目的は、グローバル化に関する基礎知識を修得するとともに、専門知識を体系的に学ぶための基盤を形成することである。あわせて、本学の spirit が掲げる国際的視野、主体的思考、多様性への理解を踏まえ、日本とグローバル社会との関係を広い視野から考察し、国際社会の一員として主体的に思考・行動する力を養うことを目的とする。
The objective of this course is to provide students with foundational knowledge of globalization and to establish a solid basis for the systematic study of specialized subjects. In addition, in line with the spirit of our university—fostering an international perspective, independent thinking, and respect for diversity—the course encourages students to examine the relationship between Japan and the global society from a broad viewpoint and to develop the ability to think and act proactively as members of the international community.

学修到達目標 / Achievement Goal

本授業を通じて、グローバル化の下で人の生活の実態を総合的な観点から理解することで、世界的に生じているさまざまな社会現象を理解し、自分なりに考察を進めることを目標とする。

The goal of this course is to prepare basic knowledge background about globalization and to systematically study, as well as understanding the reality of people's lives under globalization from a comprehensive perspective, to understand various social phenomena occurring globally, and to engage in personal consideration.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Business Perspectives (BSc)
LG6 Managerial Perspectives (BBA)
LG7 International Perspectives (BA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

グローバル化に関する基本原理・概念を知り、国際社会システムに関わる様々な論点について理解を深めることができる。また、国際社会における現代の課題の本質を明らかにし、問題解決・政策策定を提言できるようにする。

Based on the basic principles and concepts of globalization situation, this course aims to deepen the understanding of various arguments and issues related to international society. Moreover, the essence of the contemporary problems of the international society can be clarified, and the problem solving and policy making suggestions can be proposed.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 60 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 40 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

● 予習・復習について
予習では、配布プリントや教科書の関連部分、参考文献を読み、講義のポイントを把握しておく。
復習では、講義資料の「配布プリント」などを活用し、要点を整理して復習する。毎回ケーススタディを導入し、クラス討議においてディスカッションを行う予定である。

● 課題(レポート・提出物など)に対するフィードバック方法
レポート課題については、第1回目の講義で説明を行い、提出期限は第7週の講義時とする予定である。
フィードバックは、課題返却時に講義中で全体的なコメントを提供する形で実施する。

また、中央情報センター(図書館)の活用を推奨します。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

序論 (D1)

授業導入:講義計画や進め方(全7回行う)、勉強方法などを紹介する。
総論:グローバリゼーションの功罪
 現在、電子ネットワーク、インターネット、無線LANの利用、貿易による物品の移動、留学生や外国人観光客・ビジネスパーソンの増加、企業による海外直接投資、途上国の経済成長、ネット・バンキングそしてそれらの組み合わせがグローバル化を加速させ、年々より身近な現象にしていることは確かであろう。グローバル化、グローバリゼーションが語られるようになったのは1990 年頃以降であり、1990年頃以降の変化とその原因を理解することが必要である。
 序論では、グローバル化を学んだ上で欠かせない論理的な思考方法を順序立ててわかりやすく説明した上で、それらが現代の国際社会とどのようにかかわっているのか、を総合的に概説していくことにする。

●使用するケース
ケース資料:グローバル・サプライチェーンの危機と対策――上海ロックダウンを事例にして
1. グローバル・サプライチェーンとは?その特徴
2. グローバル・サプライチェーンにおける中国の位置づけ
3. 中国のコロナ対策と上海ロックダウン(都市封鎖)
4. サプライチェーンの混乱に対した先進諸国の対策

第2日(Day2)

ネットワーク社会の形成と変容(D2)

現代社会では、インターネットは私たちの日常生活に様々な影響を与えている。現在、インターネット、また無線LANで多くのネットワークの組み合わせを通じて、世界の人々が繋いて、貿易や文化交流も盛んになった。そのため、グローバル化が加速するようになる。今回は、国際社会におけるネットワークの形成と変容、言い換えればネットワークに生じる変化のことの紹介。

●使用するケース
ケース資料:SNSにおけるエコーチェンバーの現象
1. エコーチェンバー現象の概念
2. エコーチェンバー現象発生の仕組み
3. ネットプラットホームとエコーチェンバー現象の関連
4. 2016年アメリカ大統領選挙におけるSNSの役割

第3日(Day3)

グローバル化における国家の変容(D3)

人、モノ、金、情報が国境を越えて移動する「グローバル社会」において、世界の一体化が進んでいる。来、私たちが暮らすこの国際社会は、「国」ごとに分けているという考え方が当たり前のことだが、グローバル化時代を考えれば、今の世界、国際社会を理解するために、国だけでは不十分であろう。今回は、グローバル化社会の国家の歴史沿革や変容の様子を見てみよう。

●使用するケース
●使用するケース
ケース資料:Brexitと反グローバル化
1. イギリスEU離脱の背景と経緯。
2. 国際社会におけるEUの役割。
3. 盟国にとってEUのメリット/デメリット。
4. ハードブレグジット、ソフトブレグジットと合意なき離脱の区別。

第4日(Day4)

グローバル時代における国際機構の変容(D4)

グローバル化の発展に伴って、国の経済が発展していくと同時に、国際社会では、いろいろな社会問題も出てくる。それに対応する際に、一国の力だけでは不十分である。そのうち、金融危機に備え、乗り越え、対策を打つ、また貧困・汚職問題(国際開発イシュー)に対しても、重要な役割を果たしているのは「IMF」である。果たして、国際機構は、このグローバル時代においてどんな役割を果たしているのか?今回の授業において検討してみよう。

●使用するケース
中国の国際援助を評価する――アンゴラの事例
1. 三者の視点からの分析(政府・中国企業・市民)
2. 迅速な復興と透明性のトレードオフ
3. 資金スキームとガバナンスへの影響
4. 中国型援助と西側型援助の比較・評価

第5日(Day5)

エネルギー対策のグローバル化(D5)

エネルギー問題を歴史的に振り返るとき、電気供給ならび石炭・石油・天然ガスなど化石エネルギーと呼ばれる一次資源の確保とそれらの価格が念頭に置かれていることが多い。今回は、エネルギーと技術の関係と、エネルギー事情の変化および最近の日本のエネルギー政策について詳しく説明する。

●使用するケース
ケース資料:気候変動交渉のジレンマ:京都議定書を例に
1.京都メカニズムはどんな制度なのか
2.京都議定書は何のために締結されたのか
3.京都議定書が「地球温暖化対策として極めて大きな進歩」と言われる原因は
4.「共通だが差異ある責任(CBDR)」とは

第6日(Day6)

国際紛争のグローバル化(D6)

第二次世界大戦後、国家間の武力紛争は大幅に減少したが、国内紛争が増え続いている。かつて戦争は、国と国のあいだに行われたものだったが、今日の「新しい戦争」では、戦争の主体はもはや国家ではなくない。トランスナショナルな相互依存関係が強くなれば強くなるほど、理解し合わせる一方で、地域や人々の間の経済的・社会的な格差を拡大し、多様な価値観をもつ人々のあいだに摩擦が頻繁に行われるとみられる。新しい戦争とはなにか、アフリカにおける国内紛争の事例をもとに見ていく。

●使用するケース
ケース資料:グローバル時代に、内戦はなぜ地域紛争へ拡大するのか——ウガンダ内戦の事例分析
1. 第二次世界大戦後のアフリカ諸国の独立とその影響
2. アフリカ国家の独立と国内紛争との関係
3. アフリカにおける国内紛争のトランスナショナル化問題
4. ウガンダ内戦に巻き込まれた各勢力

第7日(Day7)

国際犯罪問題のグローバル化(D7)

経済や金融のグローバル化の進展や情報通信技術の発達により、ヒト・モノ・カネ・情報は、国境を越え、世界的規模で往来・流通している。国境を越えた取引を通じて、利益が得られると考えられるのが当然だが、しかし、グローバル化は両刃の剣であることが否めない。良い商品を国境を越えて流通させると当時に、人間、資源、動物などの取引によって、不正な利益を追求する人もいる。犯罪行為も国境を越えて起きっている。今回は、グローバルな犯罪の一類型として人身取引を取り上げ、ヨーロッパの事例を中心にして、その現状や原因、解決に向けた取り組みについて考えていく。

●使用するケース
ケース資料:グローバル化時代の国際的人身取引
1.グローバル化時代の人身取引問題は何か新しい特徴が見られるか?
2.人身取引が起きた最も重要な原因は?どう対応すればよいのか?
3.国際的人身取引は撲滅できるのか?その理由は?

成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 70 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 70 %
予習レポート Preparation Report 20 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 10 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

定期試験 Final Exam

なし(全てケース授業/Fully Case Method)

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

成績評価は、①予習レポート、②グループ討議、③挙手発言、④最終レポートの4つの要素で構成されています。詳しくは、授業開始の第1回目に説明します。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

配布教材と教室における電子機器の利用マナーについて Guidelines for Classroom Technology and Proper Use of Course Materials

  1. ケースメソッド教育の中核は、積極的な参加と知識の共有です。この教育を支えるため参加者は授業中の電子機器(例:スマートフォン、ノートパソコン)の使用を制限するよう求められます。許可を得た場合でも、教室内では電子機器は、ケース討議に資する目的でのみ使用してください。授業中は、たとえケース討議に関連していても、検索エンジンや生成AIの使用は避けて下さい。
  2. 配布教材(ケースを含む)は指定された授業への参加以外の目的で利用しないで下さい。著者の権利、著作権、特定情報の機密性を保護するため、許可なく教材を個人や組織(生成AI を含む)に提供することはできません。このルールは、印刷物・電子教材のいずれにも適用されます。
  1. Active participation and shared learning is at the core of the case method learning.Participants are asked to limit their use of electronic devices (e.g., laptops, smartphones) during classroom sessions in support of this model. Even with permission granted, devices should only be used in the classroom in service to the case discussion. Online searches and generative AI tools, even if related to the case discussion, are discouraged while class is in session.
  2. Students are prohibited from using the course materials (including cases) distributed by the university for any purpose other than participation in the designated class.Students must not input, process or test course materials with any artificial intelligence (AI) tools, bots, software, or platforms without the author’s permission. These actions violate the terms of use for the course materials and may also constitute copyright infringement.

教科書 Textbook

  • 池尾愛子「グローバリゼーションがわかる」創成社(2017)9784794431790

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

清水聡「国際政治論 グローバリゼーションと日本政治外交」DTP出版(2020) ‎ 9784862117380
岩崎正洋「ポスト・グローバル化と国家の変容」ナカニシヤ (2021)9784779516009

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

楽しい講義を行うよう努力したいと思います。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

同済大学大学院にて法学修士(政治と国際関係専攻)、早稲田大学大学院にて地域研究専攻博士(アジア太平洋研究科地域研究専攻)を取得。近年、日本の東アジア金融協力政策、通貨の国際化の決定要因、グローバル・ガバナンスの問題点などに関する研究を精力的に進めており、中国、日本、欧米の専門誌において合計20本以上の査読論文を発表。そのうち7本がSocial Sciences Citation Index (SSCI)に収録されている。また、責任者として中国国家社会科学基金、日本学術振興会科学研究費助成事業などの国家レベルプロジェクトを担当。教育面では「国際機構論」、「国際安全保障」、「アジア太平洋の国際関係」、「日本政治・経済論」、「日中関係論」など幅広い科目を担当。学際的なアプローチにより、単なる知識の伝授にとどまらず、その背後にある理論的枠組みや考え方に焦点を当て、ディスカッションを通じて学生の問題意識を高めることを重視。これにより、地域研究や政策研究への理解を深め、グローバルな視野と能動的な学習能力を持つ次世代の人材育成を目指している。セミナーでは、こうした理念を基に、実際の事例や最新の研究成果を交えながら、学生が自らの視点を広げ、未来のリーダーとして必要なスキルを養う場となることを目指している。


Refereed Articles

  • (2025) Mapping Extent of Spillover Channels in Monetary Space: Study of Multidimensional Spatial Effects of US Dollar Liquidity. International Journal of Financial Studies
  • (2025) How Has the Renminbi’s Role in Non-USD Currency Markets Evolved After COVID-19? An Analysis Based on Spillover Effects. International Journal of Financial Studies 13(1): 2227-7072
  • (2024) Research on safe haven currencies under global uncertainty —A new perception based on the East Asian market. Global Finance Journal Online ISSN: 1873-5665Print ISSN: 1044-0283
  • (2023) The Effect of ESG performance on the stock market during the COVID-19 Pandemic — Evidence from Japan. Economic Analysis and Policy (79): 2204-2296(on line)
  • (2023) Rationality of Holding US Dollar Assets Based on Global US Dollar Liquidity Structural Transformation. Journal of International Finance and Economics 23(1): 1555-6336

Refereed Proceedings

  • (2025). Can You Move the Asset When You Need It? — Rethinking Reserve Safety in a Geopolitical World. Asian Economic Journal .The 20th East Asia Economic Association International Conference. 1. 2. Manila, Philippines






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