授業名 | Financing of Innovation |
---|---|
Course Title | Financing of Innovation |
担当教員 Instructor Name | 樋原 伸彦(Nobuhiko Hibara) |
コード Couse Code | GMP209_G20N |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
単位 Credits | 2 |
言語 Language | JP |
学位 Degree | EMBA |
開講情報 Terms / Location | 2020 GSM Nagoya Fall |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
授業の目的(意義) / Importance of this course
イノベーション、特にスタートアップ企業が担うテクノロジー・イノベーションをいかにファイナンスするのか、をメインテーマとします。資金提供者として代表的なベンチャー・キャピタルを中心に学びますが、Angel投資、Exit戦略としてのIPO, M&Aなどもカバーします。特に①スタートアップ企業の企業価値評価方法、②ベンチャー・キャピタリストなどの投資家とスタートアップ企業の契約関係(Term Sheet交渉)、の二点が応用の効く実務的な知識となりますので、この二点を様々なケースを使い、学んでいきます。スタートアップの起業家、ベンチャー・キャピタリスト、CVCなどの事業会社の担当者、等々、イノベーションをファイナンスするという局面に何らかの形で関わりたいと考えている方々に必須の内容を提供します。
中小企業企業診断士養成課程の必修科目の1つとして、スタートアップ企業・ベンチャー企業である中小企業の起業段階でのファイナンスについて学ぶ。
中小企業企業診断士養成課程の必修科目の1つとして、スタートアップ企業・ベンチャー企業である中小企業の起業段階でのファイナンスについて学ぶ。
This course provides an opportunity to analyze the financial issues that face technology start-ups well as financiers and to develop a set of managerial skills that aid in dealing with these issues. The skills you are going to acquire in this course will benefits ones who are interested in pursuing career opportunities as entrepreneurs, financiers (such as venture capitalists), and other professionals in the technology start-up scene. The main objective of this course is to understand venture capital valuation methods, deal structures, and financial contracting such as term sheet negotiation. Exit opportunities such as IPO, M&A, and others will be examined as well.
到達目標 / Achievement Goal
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
TBD
TBD
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 30 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 70 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
1ケースあたり最低3時間以上の予習時間を確保して下さい。ケースには、その企業のバックグランドだけではなく、とても有用なセクター情報なども書かれていますので、丹念に読み込むことで多くの学びとなります。電卓及びPCは授業に持参して下さい。
レポート
各ケースにつき、ケースの短い概要説明をしていただいた上で、アサインした4つ程度のcase questionsに答えるかたちでのケース・レポートの作成
をお願いします。
提出期限:各講義日の授業開始前(10amまでに)、その日にやるすべてのケースのレポートを提出して下さい。
提出方法:Google Classroom上に、各ケースの課題が設定されていますので、そちらに提出して下さい。
(各ケースにつきA4用紙5ページ以内、Powerpoint不可)
レポート
各ケースにつき、ケースの短い概要説明をしていただいた上で、アサインした4つ程度のcase questionsに答えるかたちでのケース・レポートの作成
をお願いします。
提出期限:各講義日の授業開始前(10amまでに)、その日にやるすべてのケースのレポートを提出して下さい。
提出方法:Google Classroom上に、各ケースの課題が設定されていますので、そちらに提出して下さい。
(各ケースにつきA4用紙5ページ以内、Powerpoint不可)
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
本講義は、全日程をケースメソッドで実施します。<1日目:10:00 - 19:30>
① “Netscape IPO” – まずは一般的な企業価値評価をIPOの古典的なケースで再確認します。
② “Jon Hirschtick’s New Venture” – Venture Capital Valuation Methodsの特徴を確認しながら、この比較的軽いケースで、Pre-Money Valuation, Post-Money Valuation などのKey conceptsを理解します。また、Term sheetの基礎用語についても確認します。
●使用するケース
① “Netscape IPO”② “Jon Hirschtick’s New Venture”
第2日(Day2)
<2日目:10:00 - 19:30>③ “edocs” – 本科目で扱うケースの中でおそらく最も重要なケースです。Term sheetの交渉が実際にどう行われるのか、はっきりと理解できるように
なると思います。一部、ロール・プレイーも行います。
④ “PunchTab” – テクノロジー・スタートアップ企業が、Angelから投資を受けるべきなのか、VCから投資を受けるべきなのか、はとても悩ましい問題
です。その選択を真っ向から捉えた良ケースです。
⑤ “RightNow” – テクノロジー・スタートアップ企業にとって、Exit戦略の意思決定も極めて重要です。大企業に売却するのか、IPOを目指すのか、そ
れともPriavte企業として当分やっていくのか、その選択を迫られるケースです。
●使用するケース
③ “edocs”④ “PunchTab”
⑤ “RightNow”
第3日(Day3)
<3日目:10:00 - 17:50>⑥ Yahoo: Both Sides of the Stamped Deal – テクノロジー系のスタートアップのM&Aについて考えるケースです。買われるスタートアップ側のExit戦
略の視点からだけではなく、買収を考える大企業側(このケースでは、Yahoo)の視点の理解も深まります。
⑦ Corporate Venture Capital Vignettes – CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)について概観できるケースです。
●使用するケース
⑥ Yahoo: Both Sides of the Stamped Deal⑦ Corporate Venture Capital Vignettes – CVC
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
を理解されていれば結構です。また、当授業では英文ケースを使用するため、少なくとも義務教育レベルの英語力が必要となります。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 45 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 45 % |
予習レポート Preparation Report | 55 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
必修のファイナンスの授業を取っていていただければ、前提としては問題ありません。キャッシュフローの概念と、それを現在価値に割り引くやり方を理解されていれば結構です。また、当授業では英文ケースを使用するため、少なくとも義務教育レベルの英語力が必要となります。
教科書 Textbook
- 磯崎哲也「起業のエクイティ・ファイナンス」ダイヤモンド社(2014)978-4478028254
- 磯崎哲也「起業ファイナンス」日本実業出版(2015)978-4534052452
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
参考文献(邦文で入手が比較的容易なもの):特に☆印はおすすめです。
1)ベンチャーキャピタル一般·忽那 憲治
・山本一彦・長谷川博和「ベンチャーキャピタルハンドブック」(中央経済社)
(大手VC数社についての詳細な分析あり。海外論文のliterature reviewが充実しており、巻末の参考文献は詳細で役に立つ。)
・長谷川博和「ベンチャーキャピタリストの実務」(東洋経済新報社)
(5つ載っているケーススタディーが有用。ファンドのIRRについての章にページを割きすぎている感はあるが、現場のキャピタリストがどう考えているのかがよくわかる。)
・神座保彦「概論日本のベンチャーキャピタル」(ファーストプレス)
(日本のベンチャーキャピタルを平易に解説。)
・小野正人「ベンチャー起業と投資の実際知識」(東洋経済新報社)
(97年出版で少し古くなってしまったが、ITバブル崩壊前のVCについてよくまとまっている。)
・小野正人「起業家と投資家の軌跡 –アメリカにおけるベンチャーファイナンスの200年」(中央経済社)
(アメリカにおける、ベンチャーファイナンス及び組織体としてのベンチャーキャピタルの発生を歴史的にたどった。)
2)起業家(資金調達者)視点からのVC
☆磯崎哲也「起業ファイナンス」(日本実業出版社)
・嶋内秀之・伊藤一彦「ベンチャーキャピタルからの資金調達」(中央経済社)
(ベンチャー社長の視点を強調。)
・フィリップ・コトラー他「コトラーの資金調達マーケティング」(PHP研究所)
(エンジェルなどVC以外の資金調達手段にも言及。)
3)企業価値評価(Valuation)
☆砂川伸幸・笠原真人「はじめての企業価値評価」(日経文庫)
(直近の出版で、企業価値評価と入門書として最適。)
☆マッキンゼー・アンド・カンパニー「企業価値評価」(第4版)(上・下)(ダイヤモンド社)
(Valuationの定番本。理論と実践の両方をカバーしていて丁度よい。分析の例として使われているのは上場企業。)
・ピーター・ボイアー「技術価値評価」(日本経済新聞社)
(技術の評価といっても、何も特別のことではないことがよくわかります。)
4)種類株式、投資契約
☆宍戸善一=ベンチャー・ロー・フォーラム編「ベンチャー企業の法務・財務戦略」(商事法務)
☆磯崎哲也「起業のエクイティ・ファイナンス」(ダイヤモンド社)
(どんなに忙しくても、この授業を取ったからには、第3章優先株を使った投資実務は必ず読んでおいて下さい。)
・江頭憲治郎「株式会社法」(有斐閣)
・神田秀樹「会社法」
・神田秀樹「会社法入門」(岩波新書)
・ソーシャルネットワーク(映画)
5)エコシステム
☆西澤+忽那+樋原+佐分利+若林+金井「ハイテク産業を創る地域エコシステム」(有斐閣)
・忽那憲治編著「ベンチャーキャピタルによる新産業創造」(中央経済社)
(なぜ、日本では新産業創造が容易に起こらないのかを、若干自虐的に?解説。)
6)投資事業組合
・田中慎一・保田隆明「投資事業組合とは何か」(ダイヤモンド社)
・北村慶「投資ファンドとは何か」(PHPビジネス新書)
7)IPO、M&A
・保田隆明・田中慎一「M&A時代企業価値のホントの考え方」(ダイヤモンド社)
・黒沼悦郎「金融商品取引法入門」(日経文庫)
8)ビジネスプラン
・ジョン・W・ムリンズ「ビジネスロードテスト」(英治出版)
(非常に良い本です。お勧め。投資家がビジネスプランをどう見るかという視点を強調。)
・ジョン・W・ムリンズ、ランディ・コミサー「プランB 破壊的イノベーションの戦略」(文藝春秋)
・伊藤良二「成功するビジネスプラン」(日経文庫)
9)その他
・松田修一「ベンチャー企業」(日経文庫)
・砂川伸幸「コーポレートファイナンス入門」(日経文庫)
・保田隆明「実況LIVE企業ファイナンス入門講座」(ダイヤモンド社)
・木谷哲夫編著「ケースで学ぶ実戦起業塾」(日本経済新聞出版社)
・長谷川博和「ベンチャーマネジメント 事業創造入門」(日本経済新聞出版社)
・フェイスブック~若き天才の野望(日経BP社)
・フェイスブック~世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男(青志社)
1)ベンチャーキャピタル一般·忽那 憲治
・山本一彦・長谷川博和「ベンチャーキャピタルハンドブック」(中央経済社)
(大手VC数社についての詳細な分析あり。海外論文のliterature reviewが充実しており、巻末の参考文献は詳細で役に立つ。)
・長谷川博和「ベンチャーキャピタリストの実務」(東洋経済新報社)
(5つ載っているケーススタディーが有用。ファンドのIRRについての章にページを割きすぎている感はあるが、現場のキャピタリストがどう考えているのかがよくわかる。)
・神座保彦「概論日本のベンチャーキャピタル」(ファーストプレス)
(日本のベンチャーキャピタルを平易に解説。)
・小野正人「ベンチャー起業と投資の実際知識」(東洋経済新報社)
(97年出版で少し古くなってしまったが、ITバブル崩壊前のVCについてよくまとまっている。)
・小野正人「起業家と投資家の軌跡 –アメリカにおけるベンチャーファイナンスの200年」(中央経済社)
(アメリカにおける、ベンチャーファイナンス及び組織体としてのベンチャーキャピタルの発生を歴史的にたどった。)
2)起業家(資金調達者)視点からのVC
☆磯崎哲也「起業ファイナンス」(日本実業出版社)
・嶋内秀之・伊藤一彦「ベンチャーキャピタルからの資金調達」(中央経済社)
(ベンチャー社長の視点を強調。)
・フィリップ・コトラー他「コトラーの資金調達マーケティング」(PHP研究所)
(エンジェルなどVC以外の資金調達手段にも言及。)
3)企業価値評価(Valuation)
☆砂川伸幸・笠原真人「はじめての企業価値評価」(日経文庫)
(直近の出版で、企業価値評価と入門書として最適。)
☆マッキンゼー・アンド・カンパニー「企業価値評価」(第4版)(上・下)(ダイヤモンド社)
(Valuationの定番本。理論と実践の両方をカバーしていて丁度よい。分析の例として使われているのは上場企業。)
・ピーター・ボイアー「技術価値評価」(日本経済新聞社)
(技術の評価といっても、何も特別のことではないことがよくわかります。)
4)種類株式、投資契約
☆宍戸善一=ベンチャー・ロー・フォーラム編「ベンチャー企業の法務・財務戦略」(商事法務)
☆磯崎哲也「起業のエクイティ・ファイナンス」(ダイヤモンド社)
(どんなに忙しくても、この授業を取ったからには、第3章優先株を使った投資実務は必ず読んでおいて下さい。)
・江頭憲治郎「株式会社法」(有斐閣)
・神田秀樹「会社法」
・神田秀樹「会社法入門」(岩波新書)
・ソーシャルネットワーク(映画)
5)エコシステム
☆西澤+忽那+樋原+佐分利+若林+金井「ハイテク産業を創る地域エコシステム」(有斐閣)
・忽那憲治編著「ベンチャーキャピタルによる新産業創造」(中央経済社)
(なぜ、日本では新産業創造が容易に起こらないのかを、若干自虐的に?解説。)
6)投資事業組合
・田中慎一・保田隆明「投資事業組合とは何か」(ダイヤモンド社)
・北村慶「投資ファンドとは何か」(PHPビジネス新書)
7)IPO、M&A
・保田隆明・田中慎一「M&A時代企業価値のホントの考え方」(ダイヤモンド社)
・黒沼悦郎「金融商品取引法入門」(日経文庫)
8)ビジネスプラン
・ジョン・W・ムリンズ「ビジネスロードテスト」(英治出版)
(非常に良い本です。お勧め。投資家がビジネスプランをどう見るかという視点を強調。)
・ジョン・W・ムリンズ、ランディ・コミサー「プランB 破壊的イノベーションの戦略」(文藝春秋)
・伊藤良二「成功するビジネスプラン」(日経文庫)
9)その他
・松田修一「ベンチャー企業」(日経文庫)
・砂川伸幸「コーポレートファイナンス入門」(日経文庫)
・保田隆明「実況LIVE企業ファイナンス入門講座」(ダイヤモンド社)
・木谷哲夫編著「ケースで学ぶ実戦起業塾」(日本経済新聞出版社)
・長谷川博和「ベンチャーマネジメント 事業創造入門」(日本経済新聞出版社)
・フェイスブック~若き天才の野望(日経BP社)
・フェイスブック~世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男(青志社)
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
TBD
担当教員のプロフィール About the Instructor
1988年東京大学教養学部教養学科(国際関係論)卒業、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。世界銀行コンサルタント、通商産業省通商産業研究
所(現・経済産業省経済産業研究所)客員研究員、米コロンビア大学ビジネススクール日本経済経営研究所助手、カナダ・サスカチュワン大学ビジネ
ススクール助教授、立命館大学経営学部准教授を経て、2011年から現職。米コロンビア大学大学院でPh.D.(経済学)を取得。専門はファイナンス全般、
特にベンチャーキャピタル、イノベーションのためのファイナンスなど。早稲田大学イノベーション・ファイナンス国際研究所所長。
研究室 web site: http://hibara-wbs.com/
イノベーション・ファイナンス国際研究所 web site: http://cfi-wbs.com/
所(現・経済産業省経済産業研究所)客員研究員、米コロンビア大学ビジネススクール日本経済経営研究所助手、カナダ・サスカチュワン大学ビジネ
ススクール助教授、立命館大学経営学部准教授を経て、2011年から現職。米コロンビア大学大学院でPh.D.(経済学)を取得。専門はファイナンス全般、
特にベンチャーキャピタル、イノベーションのためのファイナンスなど。早稲田大学イノベーション・ファイナンス国際研究所所長。
研究室 web site: http://hibara-wbs.com/
イノベーション・ファイナンス国際研究所 web site: http://cfi-wbs.com/
Nobuhiko Hibara is Associate Professor of Finance, Waseda Business School, Waseda University. Previously, he was Associate Professor of Finance, Edwards School of Business, University of Saskatchewan, Canada and School of Business, Ritsumeikan University, Kyoto, and worked with the World Bank, RIETI, and Bank of Tokyo. He earned his Ph.D. and M.A. in Economics from Columbia University and his B.A. in International Relations at the University of Tokyo. His areas of interest are in financial intermediation, venture capital, and financing of innovation. He is Director, Center on Finance and Innovation, Waseda University and Inamori AILA International Fellow.
web site: http://hibara-wbs.com/
web site: http://cfi-wbs.com/