授業名 | Mission Driven Management |
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Course Title | Mission Driven Management |
担当教員 Instructor Name | 磯辺 剛彦(Takehiko Isobe) |
コード Couse Code | GMP207_G24T |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
授業形式 Class Format | On Campus |
単位 Credits | 2 |
言語 Language | JP |
科目区分 Course Category | 応用科目200系 / Applied |
学位 Degree | EMBA |
開講情報 Terms / Location | 2024 GSM Tokyo Fall |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
本授業は、フロンティアスピリットを備えた創造性豊かな倫理観あるリーダーの育成を目標とします。そのようなリーダーには、論理的思考力や分析能力だけでなく、正義や哲学を背景にした「世のため人のため、ひいては自分のため」の経営が求められます。
This class aims to develop innovative and ethical leaders with a frontier spirit. Such leaders are required the management "for the society, for the people, and for yourself," with a background of justice and philosophy, as well as logical thinking and analytical skills.
授業の目的(意義) / Importance of this course
本授業では、経営理念を中核にする企業の戦略やビジネスモデルについて学ぶことを目的とします。そのような理念主導型企業の多くは、「小商圏で活動する労働集約型の中堅企業」で観察することができます。どの企業の取り組みも地味に見えますが、そこに経営の本質があります。
IMPORTANT NOTICE: The purpose of this class is to learn about the strategy and business model of a company centered on the management philosophy. Many of these philosophy-driven companies can be observed in "mid-sized companies operating in the local economy." The efforts of any company may seem modest, but that is the essence of management.
到達目標 / Achievement Goal
目指すのは「新しいことを知ること」よりも、「知っていたつもりだったが、実はまったく分かっていなかったことに気づくこと」です。使用するケースは、私たちの周りにある、介護施設や介護リフォーム、農業、駐車場、伝統工芸、弁当などが中心になります。
The objective of this class is not "to know new things" but "to realize that I thought I knew, but I didn't really know at all". The cases are mainly hospital care, car parking, traditional crafts, and lunch business around us.
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
俯瞰的視野・周辺視野の拡大とステレオタイプ思考からの脱却
Expansion of higher point of view and peripheral vision, and breaking away from stereotyped thinking
SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals
Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 20 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 80 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
ケース学習はプラモデルに似ています。ケースには多くの情報(パーツ)が記載さていますが、ケースには設計図がないので、自分自身の価値感や感性によってさまざまな形に組み立てることができます。加えて、ケースにはすべての情報が書かれていないので、組み立てに必要な情報を推測する必要があります。戦略の本質は、個々の情報ではなく、それらを組み合わせた形にあります。このことを意識してケースに取り組んでください。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
Session 0 講義「戦略の方法学:戦略を自分たちの手に取り戻す」Session 1 テーマ「伝統や地域に寄り添う」
富山県高岡市にある伝統工芸「能作」と茨城県にある珈琲製造・販売を手がける「サザコーヒー」の事例を使って、地方の経営資源の活用や再生、ブランド化について議論する。
Session 2 テーマ「ひとに寄り添う」
世界遺産・石見銀山がある過疎の街 島根県大森町には国内有数の義肢装具メーカーの「中村ブレイス」がある。中村ブレイスは、さまざまな理由で、耳や鼻、眼、指、乳房を失った人が笑顔を取り戻してほしいという想いで立ち上げた。「たんぽぽ温泉デイサービス一宮」は日本一の集客力を持つデイサービス施設で、館内通貨やランチバイキングなど、ユニークな運営を行っている。中央タクシーは「お客様が先、利益は後」という経営理念により、「タクシーは輸送業でなくサービス業である」という経営を行っている。これらに共通することは何かを考える。
●使用するケース
伝統や地域に寄り添う:能作+サザコーヒー(オリジナルケース)ひとに寄り添う:中央タクシー+たんぽぽ温泉デイサービス一宮+中村ブレイス(オリジナルケース)
第2日(Day2)
Session 3 テーマ「食に寄り添う」「みずほの村市場」はスーパーや百貨店と同じような価格帯で農産物を販売する茨城の直売所である。田舎の直売所が価格競争を避けて品質で勝負することができるのかを考える。「羽田市場」は卸や市場を経由せずにスーパーや料理店に水産物を直接販売するビジネスモデルを生み出した。同社のプラットフォームビジネスの可能性と課題を考える。
Session 4 テーマ「企業の社会的責任と利益を両立するビジネスモデル」
パタゴニアが掲げるミッションは「私たちは故郷である地球を救うためにビジネスを営む」にある。自社内の活動に加えて業界・社会に向けたアクションによって、売上と環境保全を両立させた。このケースから企業の社会的責任と利益を両立するビジネスモデルを学ぶ。
●使用するケース
食に寄り添う:みずほの村市場+羽田市場(オリジナルケース)パタゴニア(HBS)
第3日(Day3)
Session 5 テーマ「弁当の超高速サプライチェーン」玉子屋は東京蒲田にある工場から法人顧客に弁当を配送している。当日9-10時に受け付け、12時までに届ける。ピーク時には1日6万食以上を製造・配送し、作りすぎによる廃棄率はわずか0.1%未満。このビジネスを可能にする仕組みについて考える。
Session 6 テーマ「市場をつくる」
マツ六は「介護リフォーム」という新しい市場を生み出した。介護リフォームは一般のリフォームとどこが違うのか、 従来の流通システムを介護リフォームにそうのまま流用できるのか、新市場をつくるときの課題とは何かついて考える。
●使用するケース
株式会社玉子屋(オリジナルケース)マツ六株式会社(オリジナルケース)
第4日(Day4)
Session 7 テーマ「小商圏をまとめる:船団方式」コメリは、DIY用品(ハード)と園芸用品(グリーン)に特化した独自の専門店業態を開発した。H&Gの標準的売り場面積は小規模で、農業用品を中心に取り扱かっている。その利便性から「農村のコンビニ」とも言われ、店舗数は1,000を超える。「過疎地に立地、店内は閑散、低い商品回転率」の店舗を、どのようにして魅力的なビジネスに変えたのかを議論する。
Session 8 テーマ「小商圏をまとめる:情報システム」
パーク24は「迷惑駐車するクルマを排除する」から「駐車場をつくって迷惑駐車をなくす」というビジネスを生み出した。情報通信を活用することで駐車場を「点」から「線」にした。現在はカーシェアリングで唯一黒字化を実現している。パーク24の競争優位とは何か、これからの成長が期待されるモビリティのなかで何をすべきかについて考える。
●使用するケース
株式会社コメリ(オリジナルケース)パーク24株式会社(オリジナルケース)
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 50 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 50 % |
予習レポート Preparation Report | 50 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
予習レポート:ケースの事前予習設問について自分の考えをまとめ、ケース使用日の授業開始前までに予習レポートをGoogle Classroomにて提出してください。提出していただく設問はセッションあたり1つです(1日2問)。ファイルはWordがpdf、書式は自由、1つの設問につきA4用紙2枚以内(1日4枚以内)にまとめてください。教科書 Textbook
- 配布資料
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
資料は逐次配布する
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
コース名の"Mission Driven Managament"と整合するようにケースを入れ替えました
担当教員のプロフィール About the Instructor
福岡県出身。1981年慶應義塾大学経済学部卒業。同年(株)井筒屋入社。91年経営学修士(慶應義塾大学)、96年経営学博士(同大学)。同年流通科学大学商学部助教授、99年教授。この間、1997-98年スタンフォード大学経営大学院客員研究員。2005年神戸大学経済経営研究所教授、2007年慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授。2023年慶應義塾大学名誉教授。同年名古屋商科大学大学院教授。2008年より一般財団法人・企業経営研究所(スルガ銀行グループ)理事長
Strategic Management Journal、Academy of Management Journal、Journal of International Business Studiesなどのトップジャーナルに論文多数。Asia Pacific Journal of ManagementのSenior Editor、Journal of International ManagementやManagement International ReviewのEditorial Boardを務める。起業活動の国際比較研究グループ「Global Entrepreneurship Monitor」の創立メンバー。2004年および2006年のAsia Academy of Management Conferenceにて最優秀論文賞を受賞
主要な著書に「トップシェア企業の革新的経営」白桃書房(中小企業研究奨励賞)、「シリコンバレー創世記」白桃書房、「起業と経済成長」慶應義塾大学出版会、「国境と企業」東洋経済新報社(国際ビジネス研究学会賞・義塾賞)、「世のため人のため、ひいては自分のための経営論」白桃書房など
Strategic Management Journal、Academy of Management Journal、Journal of International Business Studiesなどのトップジャーナルに論文多数。Asia Pacific Journal of ManagementのSenior Editor、Journal of International ManagementやManagement International ReviewのEditorial Boardを務める。起業活動の国際比較研究グループ「Global Entrepreneurship Monitor」の創立メンバー。2004年および2006年のAsia Academy of Management Conferenceにて最優秀論文賞を受賞
主要な著書に「トップシェア企業の革新的経営」白桃書房(中小企業研究奨励賞)、「シリコンバレー創世記」白桃書房、「起業と経済成長」慶應義塾大学出版会、「国境と企業」東洋経済新報社(国際ビジネス研究学会賞・義塾賞)、「世のため人のため、ひいては自分のための経営論」白桃書房など
Refereed Articles
- (2023) Interview with executives of middle-sized companies: Management theory for society, for people, and for myself (2). Keio business forum
- (2022) Interview with executives of middle-sized companies: Management theory for society, for people, and for myself. Keio business forum 38(1):