シラバス Syllabus

授業名 Driving Strategic Innovation
Course Title Driving Strategic Innovation
担当教員 Instructor Name 内古閑 宏(Hiroshi Uchikoga)
コード Couse Code GMP207_G20N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2020 GSM Nagoya Fall

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

本コースはイノベーションに関する以下の問いについて、ケースメソッド方式で議論をしていきます。問い:なぜイノベーションが必要か?何のイノベーションを追求するのか?それがビジネスにどう影響を与えるのか?イノベーションの推進において企業戦略は必要か?イノベーションを推進するものは何か?
イノベーションには技術的なことのみならずビジネスモデル、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)のイノベーション、さらにはワークスタイルのイノベーションなど広軌にわたります。本コースは技術を用いたイノベーション(ディスラプト型のイノーベーション含む)のケースを中心に取り上げていきます。戦略、企業文化、リーダーシップ、チーム編成、スタープレーヤーの扱い、コラボレーションなどの様々な切り口からイノベーションを観察していきます。
コース名であるDriving Strategic Innovationの3つの単語を分解すると、Driving Force(推進する力)、Strategy(戦略)とInnovation(イノベーション)となりますが、それぞれについて議論が分かれるテーマを内包しています。'Driving Force'に関しては、創造力vs忍耐力、起業家精神vs企業文化、実験的手法vs経験則、'Strategy'においては、短期vs長期的成果のバランス、企業文化の統制、変化する組織、パフォーマンス評価法などがあり、'Innovation'においては社内リソースvs外部リソースとの連携、ボトムアップかトップダウン、などの論点があります。
ケース・ディスカッションから、戦略的にイノベーションを推進していくことの経済的、社会的インパクトについて洞察していきます。
This course encompasses case method discussions which provide insights in forming answers to questions such as; Why do companies pursue innovation? What type of innovation are they going after? How does it matter to business? Why would strategy be critical to innovation? What are the drivers for innovation?
Innovation is much more than about technology, which covers business model, customer experience and workstyle innovations. This course pays particular attention to innovations found in industries related to science and technology, a la disruptive innovation - with case analysis extending to various angles; corporate strategy, company culture, leadership behaviors, teaming, talent management, R&D portfolio control and collaborative work.
When breaking down the course theme into three elements, (1)Driving force, (2)Strategy and (3) Innovation, companies face decision making crossroads at each. Driving force comprises topics of discipline vs creativity, entrepreneurship vs corporate culture, experimental vs proven. Strategy carries out controversies of balancing short term and long term results, company culture alignment, organizational change, and human resource evaluation. Innovation incorporates considerations on issues such as insource vs outsource , ambiguity vs clarity, and bottom up vs top down.
Through a wide array of discussion, the course intends to observe the social and economic impact of driving strategic technological innovations.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

皆さまの議論への積極的な参加によって、"イノベーションをドライブするのものは何か?" "イノベーションの本質とは?"について考察していけるよう、本コースを設計しています。
”なぜイノベーションは必要なのか?”,”そのためには何をすべきか?","どうやって実現していくのか?"
本コースから得られるインサイト(気づき)が、皆さま方がイノベーション・ストーリーを各々描いていく際の”思考の支え”となるようにと考えています。

Through case method discussion and with your active involvement, the course is designed to hand over 'thinking tools' when driving strategic innovation. The course intends you to be ready for shaping strategies that answer basic questions of why, what and how - Why do we need innovation? What do we need to do? and How are we going to make it happen?
A set of insights which you take away from the classroom, we hope, becomes an armor of thoughts in constructing coherent narratives for driving strategic innovation - narratives of which will be shared among your colleagues and team members.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 100 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

(学習方法)
 本コースの講義は全てケース・ディスカッション形式で行われます。受講者はシラバスに記載した質問事項に関して議論をする準備をして来てください。クラス討議中に準備してきた内容について発言並びにプレゼンテーションするよう講師から促されます。講義の進め方・準備に関してはケースブックが配布されるタイミングで、詳細の指示を致します。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Session 1
(主題)科学研究とイノベーション
(Session 1 概要)
MITのロバート・ランジャー(Langer)教授の研究室は、バイオ医療関連の中堅企業およびスタートアップの企業で活用される研究論文、特許、技術ライセンスの宝庫であった。こうした優れた研究成果を生み出すLanger教授のリーダーシップによるイノベーション現象について探る。

Session 2
(主題)イノベーションとマーケティング
(Session 3 概要)
ソニーAIBOは世界初の「エンターテインメント」ロボットである。家庭用「ペット」の位置づけで販売されたAIBOは日本で大ヒットし、技術知識のほとんどない人も含めて老若問わず受け入れられた。マーケティングとイノベーションの関係、イノベーションを起こすリーダー、チームそして経営陣について議論していきます。

Session 3
(主題)創業者のイノベーション、継承者のイノベーション
(Session 2 概要)
本ケースでは、スティーブ・ジョブズの成功と、その後継者であるティム・クックが直面する課題を探る。クックはMacintosh(マッキントッシュ)の再生を推進し続けることができるだろうか。iPodの売り上げが4年連続で減少し、グーグルやサムスンといった他社との競争激化に直面する中で、iPhone(アイフォーン)がスマートフォン市場を席巻し続けられるのだろうか。アップルの新製品iPad(アイパッド)は、タブレット市場を独占し続けるだろうか。天才スティーブ・ジョブス亡き後、もしあなたがティム・クックだったらアップルのイノベーションをどう継承していきますか?


●使用するケース
Session 1: ランガー研究室:科学の商業化 HBS
     <HBR記事> "Which Kind of Collaboration Is Right for You?" by GaryP.Pisano & Roberto Verganti

Session 2: ソニーAIBO: 世界初のエンターテインメント・ロボット HBS

Session 3: アップル 2012年 HBS

第2日(Day2)

Session 4
(主題)破壊的技術とイノベーション
(Session 4 概要)
本ケースは破壊的技術でこの心臓エコー機業界に挑戦する革新的な新進企業を描く。エクトンは狙うべき市場を探していた。そして買収先企業を探すべきか、それとも自らマーケティングを行う商業組織を立ち上げるべきか思案していた。クレイトン・クリステンセン教授の作成によるケース。

Session 5
(主題)成熟業界でのイノベーション
(Session 5 概要)
1980年には、テキサスのオースティンに1店舗しかなかった店が、2004年には144店舗になっていた。『フォーチュン』誌では、アメリカで最も働きがいのある企業ランキングに、7年連続選ばれた。最終的な収益に基づくインセンティブ。モラールの調査。給与の最高額は平均給与の8倍を超えてはならないというルール。成熟業界において傑出した業績を生み出すためのイノベーション。そのユニークなポジショニングにより、2017年に約1兆4千億円でアマゾンに買収されるまでに企業価値を昇華させたその秘訣を探っていきます。

Session 6
(主題)イノベーションにおける「国家」の存在
(Session 6 概要)
イノベーションに「国家」は必要か?人民行動党政権下のイノベーションはどう具現化していったのか?国の戦略はイノベーションに影響を及ぼすのか?シンガポールの事例をきっかけに、アメリカと日本の状況も鑑みながら、国とイノベーション、について探っていきます。


●使用するケース
Session 4: 心拍数に挑む破壊的技術 : エクトン HBS

Session 5 : ホールフーズマーケット HBS
 <参照ケース> Amazon Buys Whole Foods HBS

Session 6 : シンガポール株式会社 HBS
 <教科書>  "The Storm Before the Calm"「2020-2030 アメリカ大分断」危機の地政学 (早川書房)
 <参考図書>「イノベーション大国」次世代への布石 (日経BP総合研究所)

第3日(Day3)

Session 7
(主題)イノベーションと法
(Session 7 概要)
イノベーションが実現しそれが浸透した時、イノベーションであるが故にさも青天井のように拡げていけるものなのだろうか。本ノートは、技術イノベーションの激しい産業における、米国の独占禁止法(特にシャーマン法第1、2項)の適用に対する詳細な議論が示されている。課題として挙げられているものに、1)排他的取引契約の合法性、2)不法独占の要件(法廷が関連市場をどのように定義するか、何が反競争的な行為とみなされるかなどが含まれる)、 3)略奪的価格設定と不可能のルール、4)エッセンシャル・ファシリティの理論、5)知的所有権とビジネス上の正当性(パテントやコピーライトなど)の行使、6)独占の企図をどうはかるか、などがある。

Session 8  
(主題)イノベーションの基を訪ねて
(Session 8 概要)
本ケースは、スティーブ・ジョブスとプロバスケットボールチームのコーチであるフィル・ジャクソンが、どのような信念を基盤として活動していたかについて記述されている。イノベーションの基を訪ねるべく、本ケースを題材に議論をしていきます。


●使用するケース
Session 7 : ニューエコノミーへの反トラスト法適用: アメリカ合衆国対マイクロソフトの分析 HBS

Session 8 : ZEN University of Virginia Darden School
 <教科書> 禅マインド ビギナーズ・マインド 1 (スティーブ・ジョブスが愛読した禅のバイブル)
 <参考図書>"ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ" ケイレブ・メルビー 原作 JESS3 作画、禅マインド ビギナーズ・マインド 2

第4日(Day4)



第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 10 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 55 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 65 %
予習レポート Preparation Report 35 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • ジョージ・フリードマン「The Storm Before The Calm(原題) 2020-2030 アメリカ大分断 危機の地政学(邦題)」早川書房(2020)9784152099716
  • 鈴木俊隆 著  松永太郎 訳「禅マインド ビギナーズ・マインド 〜スティーブ・ジョブズが愛読した禅のバイブル〜」サンガ新書(2012)9784905425168

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

・ Harvard Business Review Article: "What Kind of Collaboration Is Right for You?" by GaryP.Pisano & Roberto Verganti

・Crossing The Chasm (キャズム) ジェフリー・モア 翔泳社

・Gゼロ後の世界 主導国なき時代の勝者はだれか イアン・ブレマー著 日本経済新聞社

・イノベーションのジレンマ クレイトン・クリステンセン著 翔泳社

・「イノベーション大国」次世代への布石 異次元の成長を遂げたシンガポールの未来戦略と日本の活路 日経BP総合研究所

・禅マインド ビギナーズ・マインド 2 - スティーブ・ジョブズが愛読した禅のバイブル。鈴木俊隆 著 藤田一照 訳 サンガ新書

・ゼン・オブ・スティーブジョブズ  ケイレブ・メルビー 原作 JESS3 作画 集英社インターナショナル

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

後日共有いたします

担当教員のプロフィール About the Instructor 

1998年慶應義塾大学理工学部修士課程修了。(株)東芝入社、世界初のノートパソコンを設計したハードウェア設計部に所属。1994年ハーバード・ビジネス・スクール経営大学院修士課程修了(MBA)後、東芝本社パソコン商品企画部にて新型ノートパソコンの企画、インターネット・サービスの立ち上げ、ネット接続型次世代DVD規格の策定に従事。1997年ソフトバンク(株)入社、企業投資室にてスカパーの立ち上げ、インターネット企業投資を実施。ソフトバンクと米国ジオシティーズの合弁会社、ジオシティーズ・ジャパン(株)の設立、事業立上げを指揮。2000年ヴィジョネア(株)を創業、DVDとインターネットの連動技術で事業構築、特許権利化後にライセンスビジネスにピボットし現在に至る。2012年米国シリコンバレーに移り住みYouTuber向けアプリ開発のVeamInc.設立・創業、現在に至る。帰国後アフリカにおける世銀のプロジェクト、ブロックチェーンのビジネス・プロデュースに関与。

Education
Masters Degree in Business Administration, Harvard Business School
Master of Engineering in Mechanical Engineering, Keio University
Bachelor of Engineering in Mechanical Engineering, Keio University

After joining Toshiba's Computer Division in 1988 where he was involved in designing the world's first notebook PC, Hiroshi Uchikoga went to Harvard Business School MBA program. After graduation, he returned to Toshiba Headquarters Product Planning division in 1994, where he engaged in; planning advanced notebook PCs, launching Toshiba's first internet service, and standardizing a new generation video disc format.
When he met Mr. Son of Softbank, Hiroshi decided to work as a manager in the investment division, then led the joint venture between GeoCities (US) and Softbank. In 2000, Hiroshi founded Visionare Corporation, a software development company in Japan which eventually pivoted to a license company after acquiring eight patents, and he moved to Sunnyvale, California in 2012 to start up Veam Inc. - both of which are currently working on a path to successful exits. Returning to Japan in 2017, he acted as Business Producer at World Bank's project in Africa and blockchain related businesses.







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