シラバス Syllabus

授業名 Organizational Behavior & Leadership
Course Title Organizational Behavior & Leadership
担当教員 Instructor Name 髙木 晴夫(Haruo Takagi)
コード Couse Code GMP204_G22N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 基礎科目100系 / Basic
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2022 GSM Nagoya Fall

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は、イノベーションを担う人々に向けて、多様化の時代の組織とリーダーシップを教える。多様化を生き残る重要な要素こそフロンティアスピリットによるイノベーションである。本科目のケースはこの目的に向けて集めたものである。
This course teaches students innovative leadership necessary to develop frontier businesses in diverting world. They are also expected to create and manage competitive organizations. Cases in this course are selected to attain this goal.

授業の目的(意義) / Importance of this course

21世紀は多様化の時代である。組織も、そこで求められるリーダーシップも、多様化の要請に応えねばならない。様々な環境において、様々な組織が様々なメンバー構成で活動する。そのためのリーダーシップはどのようであるべきか。しかも多様化を生き残る重要な要素はイノベーションである。イノベーションを担う人々こそリーダーシップを体現せねばならない。このコースでは、このような役割を担う人々にリーダーシップを学ぶ場を提供する。
Changes, diversities, challenges, and innovations are the key words in this 21st century business environment. Leaders and their organizations are expected to highly perform there. This course teaches students what the essence of that leadership is and how they can develop their own leadership abilities to attain their business goals in the 21st century.

到達目標 / Achievement Goal

多様なビジネス事例を議論することにより世界的視野で多様化を理解する。このことを通じて、関わる人、社会、国との相互理解力を強化し、倫理観に立脚しての革新的リーダーシップを学ぶ。

Discussing diverting business cases leads to worldwide understanding of business diversity. This learning help students develop effective communication among people, societies and countries and have ethical and innovative leadership.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

受講生がリーダーシップを発揮せねばならない場に立った時に、次のことが出来るようになりたい。どのような状況にあるか知る努力をし、今までがどのようであったか、これからどのようにするかについて考え、到達すべき地点を設定する。そして自らの力量を知りつつ、協力を得る人々と支援を与えるべき人々の信頼を得て、彼等から力を導き出し、結束して前へ進む。その途上の山と谷を読みつつ、想定しなかった事態にも対処する。しかしながら、リーダーシップの発揮とは、準備が整ってから発揮する順番とはならず、その途上で、避け難く、成長の痛みを経験することともなる。
また、中小企業診断士養成課程の必修科目の1つとして、中小企業のケースを取り扱い議論することにより、中小企業における組織論やリーダーシップについても学ぶ。

This course gives you what you need when you assume a leadership position. That is; you can understand your business and organizational situations, you can get knowledge about what happened there in the past, then foresee what may come out, and set goals to attain in the target time. It is natural that you have to gain trust from people you work with and also motivate them. The root you go on will unavoidably give you ups and downs. You may, certainly learn from the ups and downs, and realize learning is the essence of leadership.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 100 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

1.事前予習レポート。1〜5のセッションにおいて、ケースの事前予習設問につき、自分の意見や考えを記述したものを提出してください。書式自由で、学籍番号、氏名、日付を記入してください。分量は各セッションにつきA4で2枚。決められた日時にオンラインでこの科目のGoogle Classroomに提出してください。
2.最終試験としての小テスト。Day4の終了前60分で小テストを行います。問題は授業日の冒頭で説明する授業の狙いと関係させるものです。答案の分量はA4で2枚。氏名、学籍番号、日付を記入。オンラインでこの科目のGoogle Classroomに提出してください。
3.教科書の予習は、どの部分を事前に読むべきかについて、各セッションの事前予習の項で説明している。この予習については予習ノートの提出の必要はない。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Session 1
テーマ:チームを作る
ケース:「チーム活動の質を上げる(A)」
事前予習設問:
(1)今後、学生にとってどのようなことが得られてくると(情報や経験の獲得、あるいはチーム活動の進展で生じてくる行動や関係性、など)、チーム活動の高い質となるか。
(2)チーム活動において、手前手前でどのようなことに注意しておけば、その後のチーム活動の質を上げることになる、と考えるか。
<注意>:クラス討議途中でBケース(紙)を配布して討議を深める。

Session 2
テーマ:チーム、リーダーシップ、イノベーション
ケース:「もののけ姫と宮崎駿」
事前予習設問:
(1)「もののけ姫」制作でのスタジオジブリの組織と宮崎監督の仕事ぶりにはどのような特徴があるか。
(2)宮崎監督と共に仕事するスタッフやクリエーター達はどのように動機づけられていたと考えるか。
(3)宮崎監督の仕事のしかたの中で参考となる点があるか。

教科書の事前予習個所:セッション2の小講義時間を使い、次の2つ章について講義する。事前に一読しておくこと。予習ノートの提出は必要ない。PPT講義資料を教室で配布する。
第8章「チームを理解する」
第10章「リーダーシップと信頼の構築」


●使用するケース
授業スケジュール①の項に記載されている。

第2日(Day2)

Session 3
テーマ:ダイバーシティの真の姿?
ケース:「 新卒社員 藤崎美咲」
事前予習設問:
CSチームには、リーダーやメンバーに相互のまとまりがない。各自が自由な仕事の仕方をしているとも言えるし、身勝手な仕事の仕方になっているとも言える。倉田社長が言う「個人の自由と自律性を重視している会社」として、社員のダイバーシティを尊重し様々な働き方がなされているなら、この相互のまとまりのないチームも許された働き方となるのだろうか。次のような設問でこの問題を議論します。
(1)マネジャーの細川は、チーム設立後2年半の間、どのようなマネジメントをしてきたと考えるか。やるべきことをしていないと思われるのはどのようなことか。やるべきことを細川はなぜしてこなかったのか。する能力や知識がなかったのか。
(2)あるいは何か考えがあって、現在に至るようなマネジメントで来ているのか。
(3)この教室にいるあなたが転職して、他社のこれとよく似たチームのマネジャーに就いたと想定します。また前任マネジャーは細川のようであったと想定します。しかもNUCBの教室でこのケースを読んでいたので着任先の様子が少し想像できたとします(想像できて、かつ転職を決めたとします)。では、着任して、第1週で何を狙って何をしますか。1ヶ月で何を狙って何をしますか。3ヶ月で何を狙って何をしますか。1年間で何を狙って何をしますか。

Session 4
テーマ:キャリアの停滞と脱出
ケース:「セントポール製薬株式会社」
事前予習設問:
(1)小林氏と会社(ないし上司)との間でどのようなコミュニケーションが行なわれていたと思うか。それを通じてお互いどのような理解を構築していたか。つぎの3つの場面について考えよ。①日本で開発(申請)の仕事をしていたとき。②アメリカへ出向するとき。③アメリカで技術リエゾンとして仕事をしているとき。
(2)小林氏を出向させた大倉化成の人事制度をどのように考えるか。

教科書の事前予習個所:セッション4の小講義時間を使い、次の2つ章について講義する。事前に一読しておくこと。予習ノートの提出は必要ない。PPT講義資料を教室で配布する。
第2章「個人行動の基礎」
第3章「パーソナリティと感情」




●使用するケース
授業スケジュール②の項に記載されている。

第3日(Day3)

Session 5
テーマ:経営の変革
ケース:「株式会社イムラ封筒(A) ─100 年企業の「今まで」と「今」(KBSケース)
「株式会社イムラ封筒 (B) ─100 年企業の「今まで」と「今」(KBSケース)
事前予習設問:
(1)井村優社長が会社を変革しようと感じたのはどのような要因からか。
(2)イムラ社長の変革を進める考え方と行動の巧拙を評価せよ。
(3)AケースとBケースを通じて変革は成功してきているように思われるかが、あなたは今後に向けてどのような意見やアドバイスを持つか。

Session 6
テーマ:意識変革の心理技術
ケース:「企業組織と文化の変革」(KBSケース)
「老舗温泉旅館の挑戦」(ドキュメンタリー番組、DVD45分)をケースとして教室で視聴
事前予習設問:
「企業組織と文化の変革」を一読しておくこと。予習ノートの提出は必要なし。
講義
PPT組織変革の心理技術(教室で配布)を用いて講義と討議を行う。

教科書の事前予習個所:
セッション6の小講義時間を使い、次の2つ章について講義する。事前に一読しておくこと。予習ノートの提出は必要ない。PPT講義資料を教室で配布する。
第13章「組織構造の基礎」
第16章「組織変革と組織開発」



●使用するケース
授業スケジュール③の項に記載されている。

第4日(Day4)

Session 7-8 (注意:この日は特別な授業時間配分とする)
テーマ:人対人コミュニケーションの演習(会議の知的生産性)
ケース教材:「『12人の怒れる男』補助資料」
「協働活動のための創造的コミュニケーション」
<注意>:事前準備設問はないが、2つの教材を事前に一読しておく。
<特別な授業時間配分>
9:20−10:00 導入の講義
10:00−10:50 映画「12人の怒れる男」(前半30分)視聴と個人意思決定
(5分休み)
10:55−12:25 グループ討議(模擬会議によるグループ意思決定)
(60分昼休み)
13:25−13:40 情報共有
13:40−14:50 映画の後半60分を視聴
(5分休み)
14:55−15:35 集計、まとめ
(5分休み)

<終了前1時間>15:40−16:40
最終試験に準ずるレポート筆記(手書き、またはパソコンでプリントアウト)
課題:
(1)「12人の怒れる男」の授業から学んだ貴方なりのポイントをいくつかにまとめよ。
(2)それらは、明日以降の貴方の仕事においてどのように役立てられるか、あるいは役立ちにくいか、を吟味せよ。(書式自由だが、学籍番号、氏名、日付を必ず記入する。分量はA4で1〜3枚とする。紙に手書きし教室で提出、あるいはパソコンで書いてアップロードする。時間厳守です。


●使用するケース
授業スケジュール④の項に記載されている。

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 40 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 40 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 20 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

 このコースでの成績評価を構成する要素と重み比率は次の3つである。
① 事前予習レポート(40%)。第1〜5セッションにおいて、ケースの事前予習設問につき、自分の意見や考えを記述したものを毎回提出する。5通分で40%の重みとなる。書式自由だが、学籍番号、氏名、日付を記入する。分量は各セッションにつきA4で1ないし2枚とする。オンラインでこの科目のGoogle Classroomに提出してください。
(注意:この要素は「事前予習」についての成績評価である。このことは次のような意味を持っている。「授業開始後」のグループ討議・クラス討議に積極的に参加することで、事前予習で持った自らの意見や考えを再検討し、必要ならば修正し、また自信も持ち、深め進化させることで、自らの学びを得ることは、ケースメソッド授業のあり方として当然である。)
② クラス討議への積極的発言による貢献(40%)。自主的で積極的な発言のインセンティブとするために加点主義とする。発言の内容で減点することはない。コース全体を通しての討議貢献度で40%の重みとなる。
(注意:①で示した注意の通り、受講者が事前予習ノートに記した意見や考えと異なる発言を討議ですることは、むしろケースメソッドによる学習の深更なのであって、成績評価として当然前向きに認識される。)
③ 最終試験に準ずるレポート(20%)(第7-8連続セッションの終了前1時間を最終試験に準ずる時間とし、7-8セッションの授業内容について、受講者自身にとっての役立ち可否を吟味するレポートを教室で筆記する。分量はA4で1〜3枚とする。氏名、学籍番号、日付を記入すること。時間内提出厳守です。オンラインでこの科目のGoogle Classroomに提出してください。)

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • S.P.ロビンス (著)、髙木晴夫 (翻訳)「【新版】組織行動のマネジメント」ダイヤモンド社(2009)978-4478004593

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

使用しません。

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

昨年はコロナ禍であっても十分な感染予防してリアルの教室用で授業し、好評であった。今年は同様の内容で授業する。。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

 名古屋商科大学教授、および慶應義塾大学名誉教授。2014年まで慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授。2018年まで法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科教授。長年にわたりMBA(経営学修士)課程で「組織マネジメント」科目を教えてきた。専門は組織行動学。人が人の集団を動かすための研究を続けており、教育でもその成果を持ち込み、教員と学生による双方向型の活発な授業運営を行う。日本におけるケースメソッドの第一人者として知られている。
 1973年慶應義塾大学工学部管理工学科卒業、75 年修士課程修了、78 年博士課程単位取得退学。84年ハーバード大学ビジネススクール博士課程修了、経営学博士号(DBA)取得。78 年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、85 年助教授、94 年より2014年まで教授。14年より慶應義塾大学名誉教授。同時に法政大学ビジネススクール教授(2018年まで)。2018年より名古屋商科大学ビジネススクール教授に就任。
主な著書に『トヨタはどうやってレクサスを創ったのか』『組織能力のハイブリッド戦略』、訳書に『【新版】組織行動のマネジメント』 (以上、ダイヤモンド社)、監修書に『ケースメソッド教授法入門』(慶應義塾大学出版会)など多数がある。
 2011年、NHK 番組「白熱教室JAPAN」のために、慶應ビジネススクールのMBA学生総計200名とともに4回の授業を行い、熱気あふれるケースメソッド授業が4回にわたって放映された。

Education:
1973 Bachelor, Keio University, Department of Administration Engineering. 1975 Master of Science, Keio University, Graduate School of Administration Engineering. 1984 Doctor of Business Administration, Harvard University, Graduate School of Business Administration.

Biography:
1978 Assistant professor, Keio University, Graduate School of Business Administration. 1985 Associate professor, Keio University, Graduate School of Business Administration. 1994-2014 Professor, Keio University, Graduate School of Business Administration. 2014 Professor emeritus, Keio University. 2014-2018 Professor, Hosei University, Graduate Scholl of Innovation Management. 2018- Professor, Nagoya University of Commerce and Business, Graduate School of Business Administration.

Refereed Articles

  • (2016) Leadership Theories I Created~Old, New, then Brand-new to Incorporate Brain Science and Gig Data. Keio Business Review 2016(1): 0387-7086






ページ上部へ戻る