シラバス Syllabus

授業名 Crisis Management & Leading Change
Course Title Crisis Management & Leading Change
担当教員 Instructor Name 大槻 奈那(Nana Otsuki)
コード Couse Code GMP203_G22T
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 応用科目200系 / Applied
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2022 GSM Tokyo Fall

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

“名古屋商科大学の学生は、新時代のアジアと世界をつなぐ能力を有している”というミッションステートメントを達成するべく、世界各国の多様なケースを取り上げ、深い討議の場とインサイトを与える
In order to achieve “Our graduate students will have the ability to bridge the gap between New Asia and the rest of the world.”, the course will provide the in-depth discussion of various global cases of crisis.

授業の目的(意義) / Importance of this course

おそらくみなさんは将来なんらかの「危機」を経験することになると思います。これは、金融危機かもしれませんし、戦争、もしくは家族などに関わる個人的な危機かもしれません。
この講義では、「危機」とは何か。過去にはどんな危機が発生したのか。どんな企業、シチュエーション、環境で危機が生じやすいのか、発生したときにはどのように対処すべきか、などを検討していきます。
You will probably experience some kind of "crisis" in the future. That maybe financial crisis, war or any personal crisis. During this course, we are going to discuss about what is the crisis, what kind of crisis took place in the past, what kind of corporations experienced crisis in what situation or environment, and what kind of actions we should take during the crisis etc.

到達目標 / Achievement Goal

様々な危機に強い企業のマネジメントはどのような特性を持っているか、危機の各フェーズでどのような行動をとるべきか、さらに、日頃どのような備えをしておくべきか、等について習得する

To learn the features of the management of the companies which are resilient under the crisis, what we should do at each phase of the crisis, and what we should prepare before the crisis

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

厳しい経営環境の分析、危機下での効果的なコミュニケーションの方法、リーダーシップのあり方

The skills or knowledge you would take from the course will be the business environment analysis, how to effectively communicate during the crisis, what kind of leadership should be taken during the crisis.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 8 働きがいも経済成長も(Decent Work and Economic Growth)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 20 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 80 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

ケースの学修を事前にお願いします。
各レポートに関し適宜フィードバックします。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

海外を中心に企業の危機を考えます。
「エンロンの崩壊」
1) エンロンが経営難に陥る直前(1990年代後半〜2000年代初頭)のエンロンの事業環境を分析し、エンロンの行き過ぎを生んだ背景を考えてください(内部要因、外部要因等について検討してみてください)。
2)エンロンの人事上、経営上(役員など)の問題はどんな点だったと思いますか? どうすれば、これらの問題を改善することができたと思いますか。
3)エンロンの内部や関係者から、本来ならば出るべき警告は、どの時点で、どのような形で出るべきだったでしょうか?そのような指摘やホィッスル・ブロワーが出なかったのはなぜだったでしょうか?これらのチェック機能が働くようにするには、どうしたらよかったと思いますか?
4)このような問題は、過去にもゼロではなかったにも関わらず、エンロンのケースでは、これが業界全体を揺るがし、さまざまな機関に捜索の手が伸び、ひいては世界的な株価の暴落に繋がってしまいました。これはなぜでしょうか。直接的な影響以外の遠因も考えてみてください。

●使用するケース
「エンロンの崩壊」CCJB-IMD-80139-02

第2日(Day2)

日本企業に訪れた危機を考えます。また、一度危機を乗り越えた後、また繰り返すことがあるのはなぜかについても討議します。

1)カルロス・ゴーン氏が行った改革をまとめてください。それぞれどのような効果がありましたか?
2)業績推移等の情報をみて、容認できるカルロス・ゴーン氏への報酬のレンジとその根拠を考えてください。これらの報酬について、当時の日産自動車の決定方法はどのようになっていたと(このケースから)推測できるでしょうか。
3)それらの改革のネガティブな側面としてはどのようなことが考えられるでしょうか。これらを改善するにはどのようなことを行うべきだったでしょうか。
4)ケースの最後の時点で、日産自動車がさらなる成長のために行うべき戦略にはどのようなものがありうるでしょうか。


●使用するケース
「日産自動車、2002年」CCJB-HBS-80045-02

第3日(Day3)

金融危機を考える(日本最大の危機を中心に)
「日本の金融システム:戦後から新ミレニアムへ」
1)1950~1970年ごろの日本の金融システムの特徴はどんな点だったでしょうか。
2) その後、1980年代にバブル経済が発生し、その後崩壊しました。バブル発生の原因と、崩壊のきっかけはそれぞれどのようなことでしたか。日本の金融システムの特徴はこれらにどのように影響を与えていたでしょうか。
3) ケースにある戦後の激動期を経て、現在の金融システムの基礎が構築されました。ケース最後の時点で考えた場合の金融システムやこれを巡る政府の制度設計上について、どのような課題があると考えますか。危機を予防、または対応するためにはさらにどのようなことが求められると思いますか。

(ゲストスピーカーによる地政学に関するセッションを予定)



●使用するケース
日本の金融システム:戦後から新ミレニアムへ(CCJB-HBS-80056-01)

第4日(Day4)

「エヴェレスト」(長期的な危機、生命の危機、などを広く考える)

1)ケースのエヴェレスト登山では、その準備段階と登山の最中のプロセス、決断等において、どんな点に問題があったと思いますか。企業にたとえた場合に共通する問題はありますか。どのようにすれば少しでも危機を防げたと思いますか。

2) 生存者が取った行動などについて、企業の危機管理に役立てられる点はありますか。具体的に、過去みなさんが経験した事例や、報道等で接した事例を交えて論じてください。

3) 3日目までに触れたさまざまなイベントや、今後、世界のどの分野・地域に、どのような危機が発生しうるのかを考えてください。

●使用するケース
「エヴェレスト-1996年の出来事」CCJB-HBS-80113-02

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 50 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 10 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

 

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • ジョン・P. コッター「企業変革力」日経BP(2002)4822242749
  • カーメン・M ラインハート、ケネス・S ロゴフ「国家は破綻する――金融危機の800年」日経BP社(2011)4822248429
  • 櫻川昌哉「バブルの経済理論 低金利、長期停滞、金融劣化」日本経済新聞社(2021)4532358868

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

「次の危機に備えた金融システムの構築」
http://www.nira.or.jp/pdf/0902report.pdf
「世界の住宅価格: 再び懸念すべき時か」
https://www.imf.org/external/japanese/np/blog/2016/120816j.pdf
「債務削減を阻む低い成長率とインフレ」
https://www.imf.org/ja/News/Articles/2016/10/04/AM16NAFISCALMONITOR100416

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

さまざまな業界や状況のケースをディスカッションすることにより、「危機」を多面的に捉えることができたという評価をいただいています。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

内外の金融機関、格付機関にて金融システムについて調査研究に従事。Institutional Investors誌によるグローバル・ア ナリストランキングの銀行部門
にて2014年第一位を始め上位。預 金保険機構の検討会委員、証券アナリスト協会ディスクロージャー研究会委員等を歴任。
現在、マネックス証券会社の専門役員、株式会社クレディセゾンの社外取締役、東京海上ホールディングス株式会社の社外監査役、持田製薬株式会社の社外取締役に従事するとともに、財務省の財政制度審議会委員、内閣府の規制改革推進会議の議長代理、中小企業庁金融小委員会委員、東京都公金運用アドバイザリーボード委員、日本貿易保険第三者評価委員、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のアドバイザー等を勤める。
学位と取得大学:; 経営学修士(London Business School)、博士課程後期在学中(ICS)
研究分野:> 個人投資家の投資行動、金融システム、金融機関の収益、マネジメント

主な職歴:
1988 ~ 1994 三井信託銀行( 現中央三井信託銀行)
1994 ~ 1995 パリ国立銀行( 現BNP Paribas)
1998 ~ 1999 HSBC証券会社
2000 ~ 2006 スタンダード&プアーズ
2006 ~ 2011 UBS証券
2011 ~ 2015 メリルリルチ日本証券 マネジング・ディレクター
2016 ~     マネックス専門役員 
2017~ クレディセゾン社外取締役
2018 ~ 東京海上ホールディングス社外監査役
2021 ~ 持田製薬株式会社社外取締役

主な著書:
「 本当にわかる債券と金利」(日本実業出版社、共著、2017)
「 リテール金融のイノベーション」(金融財政事情研究会、共著,2013)
「 スタンダード&プアーズ:日本の金融業界」シリーズの執筆(東洋経済新報社、共著,2001~)
「 次の危機に備えた金融システムの構築」(総合研究開発機構、研究委員として議論と執筆に参画、座長:大山剛氏, 2009)
「 デットIR入門」 (銀行研修社、共著、2007年)


Refereed Articles

  • (2019) Evaluation by the Aumann and Serrano Performance Index and Sharpe Ratio: Bitcoin Performance. Applied Economics






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