シラバス Syllabus

授業名 Strategic Thinking
Course Title Strategic Thinking
担当教員 Instructor Name 長沢 雄次(Yuji Nagasawa)
コード Couse Code GMP201_G20T
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2020 GSM Tokyo Fall

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

本コースは市場分析や企画提案、プレゼンテーションなど「考えて伝える」ための基礎となる論理的思考力を養うコースです。特に論理的思考に最も必要な戦略と戦略的思考を中心に学びます。
 戦略には様々な定義がありますが、「戦略=競争に勝つこと」と定義します。競争に勝つ為には戦場(市場)を知り、敵(競合)を知り、己の力(自社)を知り、その上で適切な作戦(戦略)を立て戦い始め(実行)します。この一連のアクションをサポートするのが戦略の理論・手法です。このコースでは、理論・手法の基礎を学びつつ、より大事な「戦略思考と発想」をじっくりと学び身に付けて、論理的思考の基礎を作る事を最大の学習目標に置きます。また、様々なケースを通じて講師の経験を踏まえたリアリティのある議論を展開していきます。
This course is designed for students who would like to develop their logical thinking and delivery capability, which is basis of professional capability such as market analysis, planning and presentation. Especially students will learn ‘Strategic Thinking’ which is most essential to learn logical thinking.
While strategy is defined by several ways, I will define it as ‘Strategy means To Win Competition’. If you want to win, you need to know battle field (Market), and enemy (Competitor) and own capability (Company) at first. Following these, you will develop operation (Strategy) and start your war (Implementation). Various theories and methodologies exist for that purpose. In this course, while leaning basics of theories and methodologies, most importantly, students will take the time to learn ‘Way of Strategic Thinking and Inspiration’. The instructor will lead the class discussion through various cases with reality based on his business experience.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

以下が、本コースの特徴です。
1. テクニカルな知識でなく、MBAとしての基本的な戦略思考・発想と論理的思考を学ぶことを主目的にする。
2. 実績ある古典的な名作ハーバードケースを使用し、戦略と論理的思考の基礎を深堀して学習する。ケースの数をこなすのではなく、良ケースをじっくり分析・議論する。
3. 講義は最小限にとどめ、ケースディスカッションから戦略の本質を掴む。
4. 戦略の基礎要素(外部環境分析・内部環境分析・戦略の定石・戦略立案と実行のフレームワーク)を各回ポイントを絞り込んで網羅する。
5. 「戦術視点」ではなく「戦略視点」の思考・発想をコースを通して徹底して学ぶ。
6. 戦略立案・実行の楽しさを、自由闊達な議論を通じてエンジョイする。


Following are important issues of this course.
1. The main objective of this course is for MBA students to learn basic way of strategic thinking and inspiration, rather than to learn technical knowledge.
2. Students will deepen strategy basics with classic cases selected among Harvard Business School’s. Students are required to have deep analysis and discussion with these cases.
3. Students will gain essentials of strategy through case discussion with limited numbers of lecture.
4. The course will cover strategy basics, which are external environment analysis, internal environment analysis, typical strategy and basic frameworks, by focusing each of it in specific session respectively.
5. Students will be encouraged to think always from strategic point of view, rather than tactic point of view, throughout the course.
6. Students will enjoy learning strategy with exciting class discussion.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 100 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods


Participant Centered Learning / Case Method : 100%

本コースは、ケースメソッドにより実施します。
企業で実際に起きた経営事例等を受講生が自らの視点で追体験することを通じて、課題解決力・課題発見力を培う教育手法です。受講生間のディスカッションおよびロールプレイ等、受講者を主体とした学修体験「Participant Centered Learning」により、知識の修得に加え受講生の実務家としての世界観・視野を広げることを目標とします。


(学習方法)
本コースのすべてのセッション(計8回)は全てケースディスカッションで構成されます。受講者はシラバスに指示された質問事項に関して討議準備をしてください。受講生はクラス討議の間に準備した回答を発言・プレゼンテーションするように講師から指示されます。講義の進め方・準備に関しては、コース開始前にケースブックが配布されるタイミングで、詳細の指示を致します。
(各Session事前準備レポート)
Session1~Session7関して事前に示された課題に関して、分析・考察レポートを各回提出して下さい。課題は開講前に詳細に告知します。提出締め切りは各Sessionの開始直前までとします。
(最終試験レポート)
Session8に関して、最終試験レポートとして最終試験に相当するレポートの提出をして下さい。課題は開講前に詳細に告知します。提出締め切りは各Session8の開始直前までとします。レポートに関するフィードバックはしませんが、優秀レポートを共有します。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Session #1 Day1/First Half
(テーマ)「戦略思考」と戦略(Strategic Thinking and Strategy)
(内容)世界中の子供たちを魅惑し圧倒的な支持を得、子供のライフスタイルをも変えてしまった任天堂のファミコン。かつての老舗花札メーカーが一躍世界市場を制覇し、かつ競合の参入を許さなかった成功理由を戦略の観点から議論する。同時に本コースのメインテーマである「戦略思考とは何か?」を共に考えつつ、本コースでカバーする内容と戦略の全体像を把握する。
(ケース)「パワープレイ(A) :任天堂と8ビット・ビデオゲーム」 HBS

Session #2 Day1/Second Half
(テーマ)「市場・競合」と戦略(Market and Competition, and Strategy)
(内容)盤石に見えた任天堂の市場を、ゲームセンター業界リーダーのセガがメガドライブを引っ提げてチャンレンジし成功を収める。任天堂はスーパーファミコンで更に王道を走る。そこに米国の技術ベンチャー3DOが更なる新技術を駆使して参入を図る。壮絶な競争の中で各社はどのように競合と対抗したのか?市場環境と競合環境の変化に戦略を対応させるダイナミズムを徹底的に議論・検証する。
(ケース)
「パワープレイ(B) :セガと16ビット・ビデオゲーム」 HBS
「パワープレイ(C) :3DOと32ビット・ビデオゲーム」 HBS

●使用するケース
※ケースは必ず紙に印刷の上、分析作業を開始して下さい。
Session #1
   「パワープレイ(A) :任天堂と8ビット・ビデオゲーム」 HBS

Session #2
   「パワープレイ(B) :セガと16ビット・ビデオゲーム」 HBS
   「パワープレイ(C) :3DOと32ビット・ビデオゲーム」 HBS

第2日(Day2)

Session #3 Day2/First Half
(テーマ)「戦略の定石」と戦略(Formula of Strategy)
(内容)スーパーマーケットの後を追うようにして出現したディスカウントストア業態。その中で後発ながら今や世界的に圧倒的な強さを誇るウォルマート。なぜ成功したのか?競争優位性はどこにあるのか?ウォルマートの経営とオペレーションをつぶさに議論する事により、有名な戦略の定石である「コストリーダーシップ戦略」の本質に迫る。また、ウォルマートの多角化の議論を通じて、重要な戦略の定石である「差別化戦略」「ポートフォリオマネジメント」も学ぶ。
(ケース)
「ウォルマート ストア社」 HBS

Session #4 Day2/Second
(テーマ)「戦略理論」と戦略 -1- (Theory of Strategy -1-)
(内容)度重なる規制緩和と競争激化によりついにあのアメリカン航空までもが経営破綻した航空業界。その歴史をたどりつつ、1986年に参入したアイルランドの新興航空会社のライアンエアの誕生と、その競合とのDOGFIGHT(空中戦)を分析し、次なる打ち手を議論していく。同時に分析・議論を通じて戦略理論の基本フレームワーク(PEST・3C・コスト構造分析)を習得する。
(ケース)
「ヨーロッパをめぐる熾烈な争い:ライアンエア(A)」 HBS
「ヨーロッパをめぐる熾烈な争い:ライアンエア(B)」 HBS(当日配布)

●使用するケース
※ケースは必ず紙に印刷の上、分析作業を開始して下さい。
Session #3
   「ウォルマート ストア社」 HBS

Session #4
   「ヨーロッパをめぐる熾烈な争い:ライアンエア(A)」 HBS
   「ヨーロッパをめぐる熾烈な争い:ライアンエア(B)」 HBS(当日配布)

第3日(Day3)

Session #5 Day3/First Half
(テーマ)「戦略理論」と戦略 -2-(Theory of Strategy -2-)
(内容)ライアンエアはDOGFIGHTを生き残り、1999年には世界有数の黒字航空会社になっていた。しかし、多数の新たな挑戦者がライアンエアの成功に倣おうと現れていた。ライアンエアの強みは何か?さらなるDOGFIGHTにどう立ち向かっていったらいいのか?を引き続き議論する。同時に分析・議論を通じて戦略理論の基本フレームワーク(5C・Value Chain・SWOT分析)を習得する。
(ケース)
「ヨーロッパをめぐる熾烈な争い:ライアンエア(C)」 HBS(Session#4で配布)

Session #6 Day3/Second Half
(テーマ)「競争の原理」と戦略(Principle of Competition)
(内容)「この戦争は、血を流さずにいつまでも続く戦いだと見なければならない。・・・もしコカコーラという会社が存在しないなら、我々は誰かに頼んで作ってもらうだろう。それは相手側も同じで、コークの人間もきっとペプシほど現在のコカコーラ社の成功に貢献した企業はないと言うはずだ」(ペプシコーラCEO談)。100年にわたってコカコーラに挑戦し続けるペプシコーラ。負けじと拡大路線を走るコカコーラ。両社の100年の戦いの打ち手から「競争の原理」を導き出し共有する。
(ケース)「コカコーラ対ペプシコーラと清涼飲料業界」 HBS

●使用するケース
※ケースは必ず紙に印刷の上、分析作業を開始して下さい。
Session #5
   「ヨーロッパをめぐる熾烈な争い:ライアンエア(C)」 HBS(Session#4で配布)

Session #6
   「コカコーラ対ペプシコーラと清涼飲料業界」 HBS

第4日(Day4)

Session#7 Day4/First Half
(テーマ)「競争革命」と戦略(Revolution of Competition)
(内容)今や世界最大の書店に成長したアマゾン。そのアマゾンに真っ向から対抗した企業がいた。米国最大の老舗書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルがオンライン販売サイトを開始し戦いが始まる。バリューチェーンに焦点を当てながら、両社の戦略を評価し、なぜアマゾンが勝ち残ったのかを議論する。また、ネット企業と既存企業の戦いを見ながら戦略における「競争ルール」の重要性を理解する。これまで学んだフレームワークを有効に活用する。
(ケース)
「バーンズ・アンド・ノーブル 対 アマゾン・ドット・コム
 -オンライン書店の覇者はどちらか- (A)」 HBS

Session #8 Day4/Second Half
(テーマ)「戦略立案」と戦略(Strategy Development)
(内容)米国での大成功を受けて、日本進出を図るトイザらス。法規制・商慣行で守られた日本のおもちゃ流通・小売業界をどう突き崩すのか?米国モデルをそのまま日本にそっくり適用するのか?日本に合わせて戦略を変更するのか?日本の流通・小売はどう参入を阻止あるいは対抗するのか?消費者はどう反応するのか?戦略立案の伴う課題をリアルに議論し、トイザらスの取るべき戦略オプションを立案して評価する。これまで学んだフレームワークを有効に活用する。最終試験レポートの対象ケース。
(ケース)「日本トイザらス」 HBS

●使用するケース
※ケースは必ず紙に印刷の上、分析作業を開始して下さい。
Session#7  
   「バーンズ・アンド・ノーブル 対 アマゾン・ドット・コム
    -オンライン書店の覇者はどちらか- (A)」 HBS

Session #8
   「日本トイザらス」 HBS

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 50 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 20 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 30 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • グロービス経営大学院 編著「グロービス MBAマネジメント・ブック」ダイヤモンド社()ISBN987-4-478-00496-8

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

なし

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

昨年度授業評価点(東京):4.77点
高評価につき大きな変更はありません。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

東京大学工学部卒業後、日商岩井株式会社入社。情報通信システム開発プロジェクトに従事。米国ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。後、本社経営企画部にて全社経営戦略策定業務に従事、更に通信事業部ニューメディア課長として情報通信&マルチメディア分野の営業第一線で活躍。ニフティ株式会社にてインターネットビジネスの戦略的展開に従事した後、ソフトバンク株式会社入社。ジオシティーズ株式会社COO,カーポイント株式会社副社長として、インターネット事業立ち上げを指揮。その後プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社ダイレクターとして情報通信・メディア・エンタテイメント企業の経営コンサルティング従事。サンケイリビング新聞の資本参加を得て女性市場向けのマーケティングサービスを提供する株式会社ライブリッジを起業。その後ITベンチャー株式会社テック・インデックス社長としてベンチャー最前線で活躍し、現在名古屋商科大学教授。直近11年間連続で学生講義評価NO1を賞するOutstanding Teaching Award受賞。

Yuji Nagasawa

Education:
MBA, Harvard Business School
BS in Electric Engineering, Tokyo University

Biography:
After working 20 years for Nissho-Iwai Corporation, one of Japan’s largest trading houses, Mr. Nagasawa joined Softbank group and started up two IT venture companies, where he acted as COO. He moved to the position of head of the E-Business consulting unit at PricewaterhouseCoopers and performed extensive consulting work for major companies. Mr. Nagasawa founded his own consulting firm in 1992 and ran it as a founder for 4 years. In 1996, he decide to go back to venture management and was named active CEO of TechIndex, one of the most prominent venture companies in the Japanese mobile industry. Mr. Nagasawa joined the faculty of NUCB as a professor in 2011, and since then, has won the Outstanding Teaching Award for 11 straight years. Mr. Nagasawa is 70 years old with a wife and 2 children. He is very good at aerobics.







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