シラバス Syllabus

授業名 Risk Management & Sustainability
Course Title Risk Management & Sustainability
担当教員 Instructor Name 姉川 知史(Tomofumi Anegawa)
コード Couse Code GMP111_G24N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 応用科目200系 / Applied
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2024 GSM Nagoya Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

 フロンティアスピリットがあり,イノベーティブで,倫理観あるリーダーの育成に不可欠なRisk ManagementとSustainabilityを扱い,ビジネス界や社会の発展をもたらすことをめざす。
 To teach risk management and sustainability for people with a global perspective, advanced management skills, and high ethical standards.

授業の目的(意義) / Importance of this course

 EMBA/MBA/TAP他の学生を対象にして企業経営に関係する様々なリスクについて,企業その他の持続可能性について,具体的な日本企業その他の事例教材を使用して検討する。平時におけるリスク管理,非常時における危機・クライシス管理を含めて学習する。リスクの種類とその把握方法,環境変化とリスク,社会的責任とリスク,企業組織とリスク,技術とリスク,品質とリスク,企業倫理とガバナンス,メディアと広報,マクロ経済・自然災害・環境問題・国際関係における多様なリスクとそれらの企業とのかかわりを検討する。本科目は次の特徴をもつ。第1は企業経営にとってのリスクを検討する。第2は経営環境のリスクを検討する。第3は1990年代以降の時系列でリスクを整理する。また、中小企業診断士養成課程の演習科目として、中小企業の議論を盛り込むことにより、中小企業経営に関わるリスクについても学ぶ。
 By using case studies of Japanese firms and others, we deal with how firms should prepare for risk, deal with risk in daily operations, and how firms should tackle with crisis management in urgent situations. Topics include risk associated with regular business activities, technological risks, changing environment, social responsibility, risk communications, media and public relations, macro-economic crisis, natural disasters, environment, international relations.

到達目標 / Achievement Goal

1.リスクマネジメント,持続可能性に関する広範な題材,論点の俯瞰的な幅広い理解を得ること。
2.リスクの予測,重大な危機の予防のマネジメントを実現する能力を獲得すること。
3.予測できないリスクに対応する方法,それが起きた時の危機対応能力を獲得すること。

1. To acquire broad understanding of risk and sustainability.
2. To acquire capacity of predicting risk and dealing with risk management.
3. To acquire capacity of dealing with unexpected risk and crisis management.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

下記の領域の知識と対応能力
(1) リスク管理と危機管理
(2) 製造物責任と品質保証
(3) 広報と社会的責任, 
(4) 企業組織,企業倫理,意思決定 
(5) 環境とリスク,持続可能性, SDGS 
(6) 自然災害,マクロ経済,国際関係のリスク 

Knowledge and problem solving capability in the following issues.
(1) risk management, crisis management
(2) product liability and quality assurance
(3) public relations and social responsibility 
(4) corporate organization, ethics, and decision making 
(5) environment, sustainability and risk,SDGS
(6) natural disaster, macro economy, and international relations

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 10 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 90 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

学習方法
 事例教材,参考文献が多数あり,その分量も多く,論点も多岐にわたります。このため,設問を軸にして,自らの「課題設定」,「現状分析」,「解決策の提示」,「評価と説明」といったケース分析の標準手法に即して,自らの選択で「中心的課題に限定して,分析を簡略化する」必要があります。すべての論点を同じように時間をかけて分析することは困難なため,必要な情報を読んで,活用するところに力点を置いてください。
授業ではいくつかの重要論点ごとのモジュールに分けて取り組む予定です。今回は,とくに次のように編成します。

授業のアウトライン
I. リスクと不確実性の理論
a. リスクとは何か,不確実性とは何か,その測定と理論
b. 期待効用理論,情報の価値,リスクとリターン,リスクの分散,制度と行動,デシジョン・ツリー分析,感度分析,シナリオ・プランニング
c. 確率と意思決定
d. 戦略と行動のゲーム理論

II. 企業のリスク・マネジメント
a. リスクとコーポレート・ガバナンス
 企業のリスクのとらえ方
Knightのリスクと不確実性の相違,利潤の意味
ガバナンスとリスク
b. 品質・安全・規制とリスク
 量的拡大と品質保証,リスク・コミュニケーション,広報
c. 技術革新と Disruptive Innovationのリスク
d. リスク・コミュニケーションと広報

III. マクロ経済のリスクと企業
a. 金融・財政のリスク
b. 国際経済のリスク
c.  国際関係のリスク

IV. リスク,組織,意思決定
a. 個人と組織
b. 失敗,不正,倫理
c. 早期警戒,リスク回避,危機対応  

V.  環境,災害と持続可能性


事前レポート
 アサインメントの設問他の事前課題を,A4用紙1枚1000字を数枚程度にまとめて授業時間初めに提出してください。これは当日の授業開始時点でも可とします。図表を用いても結構ですが,文章で表現してください。箇条書きや図表だけでは不可です。評価基準は提出の有無,課題準備の水準です。

期末試験
 授業総合として,レポート形式の試験を最終日,最後の時間枠で提示します。これは授業における学習を反映して事前レポートの解答を修正し,さらに授業を反映した短いエッセー作成を予定します。このため,授業を復習するだけで,新たに追加する学習はありませんので負担は限定されます。授業後2週間後の金曜日,名古屋キャンパス丸の内タワー必着とします。

A4用紙10枚以内、形式指定なし

試験フィードバック
試験と合わせて一部,授業内で行い,全体は授業終了後3週間内を予定します。図表を用いても結構ですが,とくにエッセー問題は文章で表現してください。箇条書きや図表だけでは不可です。

フィードバック方法:採点後にコメントをメールで送付します。

■ケース(抜粋の表記はケースの一部のみを授業で使用の意味) 
 01.リスクと不確実性(抜粋)(2020年9月改訂版を使用)
02.りそな銀行と金融危機(抜粋)
 03.2008年の経済危機−グローバリゼーションにおける日本(抜粋)
 04.トヨタのリコール危機
05. 東日本大震災の危機対応(抜粋)
06.東芝の経営危機2015年
07. 物流危機と宅配業者―2019年 
08. 2018年の日本経済の現状と成長(抜粋) 
09.地球温暖化とバイオエコノミー(未登録)
10.新型コロナウィルス感染症―2020年2月Outbreak(未登録)

■補足資料(添付)
 11. デシジョン・ツリー分析
12. 知的財産権紛争-アメリカ合衆国における特許紛争
13. ユニマック海峡の死闘—クジラとシャチの選択— 
14. 日本企業のコーポレート・ガバナンス(改訂版)
15. 企業の組織と倫理-ガバナンスと危機管理-
16. ピンダイク・ルビンフェルド『ミクロ経済学』2014の授業参考箇所
 
■講義資料
17. 講義資料「Risk Management and Sustainability」補足資料

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Session 1  確率,意思決定,危機管理
使用ケース:事例教材『リスクと不確実性』(部分参照)

統計初歩,リスクとは何か。リスクをどのように測るか。予想できるリスクと予測不可能な不確実性とは?ビジネスにおいて直面するリスクをどう整理するか。リスク管理手法と財務的方法の関係は何か。

アサインメント1-a Excel Sheetで提供されたデータをもとに,各人の業績評価を行う。
参考書 ピンダイク & ルビンフェルド『ミクロ経済学I』第5章「不確実性と消費者行動」
入手困難な学生には授業内で資料を配布する。講義は概説にとどめる。

Session 2  安全,品質,危機管理
使用ケース:事例教材『トヨタのリコール危機-Sudden Unintended Acceleration-』

アサインメント2-a:2009-2010年のアメリカ合衆国におけるリコールをめぐるトヨタの意思決定の問題をあげよ。
アサインメント2-b.品質管理,品質保証,リコールの在り方について検討せよ。また,その品質管理とリスク管理の関係を短く検討せよ。
アサインメント2-c.トヨタの危機対応の是非を検討せよ。危機管理,コンプライアンス,グローバル組織,企業戦略,マクロ経済学,アメリカ合衆国市場の特殊性,重要性等を総合的に検討し,問題を検討せよ。トヨタの経営幹部はどのように対応すべきであったか。実際に行われた対応は適切であったか(Report課題1)。

Session 3  Risk Communication
使用ケース:事例教材『トヨタのリコール危機-Sudden Unintended Acceleration-』
ケース03. 「ジャニーズ事務所―ジャニー喜多川氏による性加害-」(講師作成,2023年)
アサインメント3.  自ら課題を設定して分析せよ(Report課題2)


●使用するケース
資料01. リスクと不確実性(抜粋)(2024年4月改訂版)
資料01-A 表計算シート 事例2用「業績評価データ」
ケース02. 「トヨタのリコール危機」(2024年版 講師作成)
ケース03. 「ジャニーズ事務所―ジャニー喜多川氏による性加害-」(講師作成,2023年)

第2日(Day2)

Session 4 コーポレート・ガバナンス(1)理論と現状
15. 資料「ガバナンスの経済理論」講師作成,2023年版
01「リスクと不確実性」「事例17. Principal-Agent問題」
18. 資料「Risk Management and Sustainability」補足資料

アサインメント4-1.「事例17. Principal-Agent問題」の数値例,経営者が努力する,しないの選択と環境が悪い,良いの組み合わせで,どのような報酬体系を設計すべきかを検討せよ。問題文a—eのうちa,b,cを検討せよ。

Session 5 コーポレート・ガバナンス(2)大企業とリスク管理
使用ケース:
04. 「東芝の経営危機:2015年の不正会計」講師作成,2023年版
アサインメント5-1 東芝の不正会計はいかなる意味で不正か。
アサインメント5-2 東芝の経営は誰が,いつ,何を,なぜ,どのように誤ったのか。それを回避することは可能であったか。
アサインメント5-3. 東芝の事業構造,組織構造はそのガバナンスと適合していたのか。それはコーポレート・ガバナンスの経済理論とどう関係するか。Risk Managementとして取りうる手段はあったか,現時点から振返りとき,どの時点で,いかなる対応すべきであったか。

Session 6 危機管理の意思決定・組織・倫理
使用ケース:01「リスクと不確実性」
「事例6-b 求婚者の3つの選択」
「事例6-c クイズ・ミリオネア:司会者みのもんたの特別サービス」
「事例20. Space Shuttle Columbia Accident」

アサインメント6-1. 「リスクと不確実性」
事例6-b「求婚者の3つの選択」
事例6-c クイズ・ミリオネア:司会者みのもんたの特別サービスについて検討し,この考えの応用方法を検討せよ」。

アサインメント6-2. 「リスクと不確実性」事例20「Space Shuttle Columbia Accident」 Columbia号事故に関するNASAの意思決定,リスク・マネジメントを検討せよ。






●使用するケース
15. 資料「ガバナンスの経済理論」講師作成,2023年版
01「リスクと不確実性」「事例2. 従業員の業績評価」
同「事例17. Principal-Agent問題」
18. 資料「Risk Management and Sustainability」補足資料
04. 「東芝の経営危機:2015年の不正会計」講師作成,2023年版
使用ケース:01「リスクと不確実性」
「事例6-b 求婚者の3つの選択」
「事例6-c クイズ・ミリオネア:司会者みのもんたの特別サービス」
「事例20. Space Shuttle Columbia Accident」

第3日(Day3)

Session 7 不確実性,確率,意思決定
使用ケース:
01「リスクと不確実性」「事例26. 日本製鉄とトヨタの特許紛争」
14「デシジョン・ツリー分析」

アサインメント7-1「リスクと不確実性」「事例9.期待効用理論と効用関数」について解答せよ。
アサインメント7-2「デシジョン・ツリー分析」と「事例26. 日本製鉄とトヨタの特許紛争」を読んで,後者をデシジョン・ツリー分析によって分析する方法を検討せよ。
アサインメント7-3.期待効用理論にもとづく効用概念をデシジョン・ツリーにどのように応用すべきか検討せよ。



Session 8 経済・財政・グローバリゼーション
使用ケース
05. 事例教材「2023年の金融・財政・成長政策-アベノミクスと新しい資本主義」講師作成,2023年版
06. 事例教材「日本経済と金融政策:2005-2023」講師作成,2023年版

アサインメント8-1 : 日本経済のリスクと持続可能性について検討せよ。
アサインメント8-2 : アメリカ合衆国を中心とするグローバル経済体制のリスクを検討せよ。

Session 9 金融危機・財政危機・物価変動
使用ケース:
05. 事例教材「2023年の金融・財政・成長政策-アベノミクスと新しい資本主義」講師作成,2023年版
06. 事例教材「日本経済と金融政策:2005-2023」講師作成,2023年版
参考資料19. 内閣府政策統括官(経済財政分析担当)『日本経済2022-2023―物価上昇下の本格的な成長に向けて―(令和5年2月3日)』https://www5.cao.go.jp/keizai3/2022/0203nk/nk22.html
アサインメント9-1. 日本の人口減少,年齢構成のリスクと社会保障の持続可能性はどう関係するか。税と社会保障改革について検討せよ。
アサインメント9-2. 日本の財政破綻は起きるか。そのとき経済には何が起きるか。それを防止する方法はあるか。
アサインメント9-3. 2022年以降の物価上昇は2023年度以降も続くか。それはどのような影響を与えるか。その危機対応はどうあるべきか,金融政策にともなうリスクは何か 。


●使用するケース
01「リスクと不確実性」「事例26. 日本製鉄とトヨタの特許紛争」
14「デシジョン・ツリー分析」
05. 事例教材「2023年の金融・財政・成長政策-アベノミクスと新しい資本主義」講師作成,2023年版
06. 事例教材「日本経済と金融政策:2005-2023」講師作成,2023年版

第4日(Day4)

Session 10 不確実性,ゲーム理論,意思決定
使用ケース:
01「リスクと不確実性」
17. 「Risk Management and Sustainability」補足資料(ピンダイク他『ミクロ経済学』該当箇所
参考書 ピンダイク,ルビンフェルド『ピンダイク&ルビンフェルド ミクロ経済学 (2)』2014年,第13章「ゲーム理論と競争戦略」

アサインメント10-1. 事例教材「リスクと不確実性」「事例11. 第81号作戦」において連合軍のとるべき最適戦略を検討せよ。日本軍のとるべき最適戦略はどうあるべきか。
アサインメント10-2. 事例教材「リスクと不確実性」「事例13-a. 価格設定ゲーム」において,どの価格戦略をとることになるか分析せよ。
アサインメント10.3 17. 「Risk Management and Sustainability」補足資料(ピンダイク他『ミクロ経済学』該当箇所 pp.31-37を読み,2国間の戦略的貿易政策における補助金の効果について検討せよ。

Session 11 健康,感染症,危機管理
使用ケース.
07.事例教材「COVID-19の危機管理-ワクチン接種2021年6月」講師作成
08. 事例教材「新型コロナウィルス感染症,第5波:2021年8月」講師作成
参考資料
21. 新型コロナ感染症対策本部「新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた
次の感染症危機に備えるための対応の具体策(概要)」令和4年9月2日 https://corona.go.jp/assets/img/direction/gutaisaku_gaiyou_20220902.png
19. 事例教材「ある高齢者の終末期医療」2023,講師作成 (参考資料)

アサインメント11-1. COVID-19 の日本政府の2020年1月から2021年8月までの対応を分析し,その危機対応の適否,どうあるべきであったかを検討せよ。
補足 アサインメント11-2. 任意の企業,組織,個人,行政,その他を選択して,COVID-19における危機管理とガバナンスについて検討せよ。
アサインメント11-3.「ある高齢者の終末期医療」を読んで,その状況において,胃瘻・PEGを行うか,意思決定を検討せよ。

Session 12 大規模・長期リスクと危機対応
使用ケース:
09. 事例教材「ロシアのウクライナ侵攻-Russia and Ukraine War(A)」
10. 事例教材「ロシアのウクライナ侵攻-Russia and Ukraine War(B)」
11. 事例教材「ロシアのウクライナ侵攻-Russia and Ukraine War(C)」
12. 事例教材「ロシアのウクライナ侵攻-Russia and Ukraine War(D)」
16. 資料『東日本大震災の危機対応(抜粋)』

アサインメント12-1. ロシアのウクライナ侵攻について,原因と帰結を検討し,国際社会と日本に与える影響を検討せよ。
アサインメント12-2. 2023年10月7日に始まったパレスティナ,ガザ地区を拠点とする武装組織ハマスのイスラエル攻撃と人質確保,それに対するイスラエル軍のガザ地区侵攻について,イスラエルはどのような意図で行っているのか。それが世界と日本に与える影響と,日本の政府,企業の対応を検討せよ。
アサインメント12-3. 2011年の東日本大震災等のように発生頻度は小さいが,いつ起きるかは不明で,特定地域が影響を受ける大きなリスク,あるいは地球温暖化等のように必ず起きると予想されるが,現在の世代ではなく,将来世代が影響を受ける長期的なリスクについて,現在の世代,企業はどのようにリスク管理を行うべきか。それぞれの身近な体験,事例をあげて検討せよ。

Session 13 技術リスクと総括
使用ケース
13. 事例教材「生成型AIと経営教育(A)」講師作成,2023年
アサインメント13-1  本授業で学んだことを概観し,経営教育におけるRisk Managementのあり方について検討せよ。
アサインメント13-2  Chat GPT等の生成型AIあるいはAIがもたらすリスク,ビジネス教育に与える影響を検討せよ。


●使用するケース
01「リスクと不確実性」
17. 「Risk Management and Sustainability」補足資料(ピンダイク他『ミクロ経済学』該当箇所
参考書 ピンダイク,ルビンフェルド『ピンダイク&ルビンフェルド ミクロ経済学 (2)』2014年,第13章「ゲーム理論と競争戦略」

07.事例教材「COVID-19の危機管理-ワクチン接種2021年6月」講師作成
08. 事例教材「新型コロナウィルス感染症,第5波:2021年8月」講師作成
参考資料
21. 新型コロナ感染症対策本部「新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた
次の感染症危機に備えるための対応の具体策(概要)」令和4年9月2日 https://corona.go.jp/assets/img/direction/gutaisaku_gaiyou_20220902.png
19. 事例教材「ある高齢者の終末期医療」2023,講師作成 (参考資料)
09. 事例教材「ロシアのウクライナ侵攻-Russia and Ukraine War(A)」
10. 事例教材「ロシアのウクライナ侵攻-Russia and Ukraine War(B)」
11. 事例教材「ロシアのウクライナ侵攻-Russia and Ukraine War(C)」
12. 事例教材「ロシアのウクライナ侵攻-Russia and Ukraine War(D)」
16. 資料『東日本大震災の危機対応(抜粋)』
13. 事例教材「生成型AIと経営教育(A)」講師作成,2023年

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 60 %
予習レポート Preparation Report 10 %
小テスト Quizzes / Tests 10 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 20 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

期末試験あるいは小テスト形式,最終レポートは予習レポートを授業後に修正し,さらにアサインメントのエッセー等。小テストは授業進捗において必要になったときに実施する。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • ピンダイク&ルビンフェルド ミクロ経済学 (1) /とくに第5章「不確実性と消費者行動」」(2014)「ピンダイク,ルビンフェルド」KADOKAWA/中経出版(2014)978-4046011022
  • ピンダイク,ルビンフェルド「ピンダイク&ルビンフェルド ミクロ経済学 (2) /とくに第13章「ゲーム理論と競争戦略」第17章「情報の非対称性と市場」第18章「外部性と公共財」」KADOKAWA/中経出版(2014)978-4046011039
  • Robert Pindyck and Daniel Rubinfeld「Microeconomics 9-th Edition(Global Edition)」Pearson Education Limited(2017)ISBN: 9781292213316

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

<教科書>
 教科書は1と教科書2の2分冊,あるいは教科書3の1冊どちらかを選択する。教科書1と2が入手困難な学生に対して,授業内配布資料を別途配布する。なお,入手困難な学生のために,NUCB図書館で学期期間中,閲覧用と短期貸し出しが可能である。

<参考文献>(授業後の参考のため)
ピーター・バーンスタイン(Peter L. Bernstein), 青山 護 (翻訳)『リスク〈上下〉―神々への反逆』(日経ビジネス人文庫) 2001/8/1,日本経済新聞社,上巻ISBN-10: 4532190797 ISBN-13: 978-4532190798,下巻 ISBN-10: 4532190800 ISBN-13: 978-4532190804

ナシーム・ニコラス・タレブ,ブラック・スワン[上下]―不確実性とリスクの本質 ハードカバー – 2009/6/19 ダイヤモンド社,上巻ISBN-10: 4478001251,ISBN-13: 978-4478001257,下巻ISBN-10: 4478008884,ISBN-13: 978-4478008881

アイアン ミトロフ『危機を避けられない時代のクライシス・マネジメント』2001年,徳間書店
ISBN-10: 4198614326,ISBN-13: 978-4198614324

大泉 光一『クライシス・マネジメント―危機管理の理論と実践』2002年,同文舘出版; 三訂版
ISBN-10: 4495355031,ISBN-13: 978-4495355036

中小企業庁『中小企業の海外事業再編事例集(事業の安定継続のために)』2015
マイケル・A.ロベルト『なぜ危機に気づけなかったのか : 組織を救うリーダーの問題発見力』2010. 英治出版,ISBN-10: 4862760643,ISBN-13: 978-4862760647.

ドミトリ・チェルノフ, ディディエ・ソネット『大惨事と情報隠蔽 : 原発事故、大規模リコールから金融崩壊まで』2017. 草思社

Pearson Christine M et al. ed. International Handbook of Organizational Crisis Management, 2007. Sage Publications. ISBN-10: 0761988513, ISBN-13: 978-0761988519

Uchino, Kenji, Global Crisis and Sustainability Technologies, 2017. World Scientific Pub Co Inc. ISBN-10: 9789813142299, ISBN-13: 978-9813142299

ウルリヒ・ベック『危険社会-新しい近代への道』1998,法政大学出版局

ハイデン・キース・ヴァン・デル『シナリオ・プランニング―戦略的思考と意思決定』1998,ダイヤモンド.ISBN-10: 4478490252,ISBN-13: 978-4478490259

マンキュー,N. グレゴリー「マンキュー マクロ経済学I 入門篇(第4版)」2017,東洋経済新報社,ISBN13 978-4492315040

ジェイン・ジェイコブズ『市場の倫理,統治の倫理」ちくま学芸文庫,2016.ISBN978-4-480-09716-3.   

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

 NUCBによる授業調査以外に本科目では最終レポートでも授業に対する意見を求めているため,併せて記載する。学生の肯定的コメントは次のように要約される。
1.多数の教材でこれまでにない広い範囲と手法で改めてリスクマネジメントが学べる。
2.受講生の多様な意見を聞き,参考にすることができる。
 他方,否定的コメントは次のように要約される。
1.教師がケースメソッドで自らは講義をせず,また,学生の発言を適切にコントロールしないため,論点が深められず,適切な「ファシリテート」をしてほしい。
2.教師の指定する教材が多岐,膨大であり,教師のアサインメントが不明確で,学習量が多く,結果として結論が曖昧なままで不満が残った。
3.板書が読みにくい,声が聞きとりにくい。

「講師コメント」講師自身は本授業(同一科目名授業)は自身の過去35年のケースメソッド授業のなかでも討議の質は極めて高い。このなかで否定的な評価とコメントの学生はリスク・マネジメントに関する「納得」できる解を,講師のリードによって理解できたという「満足感」を授業に求めているものと判断する。
 これに対して講師としては次の点を強調したい。第1に,ケースメソッド授業における学生の問題設定の独自性,自発性,学生間のコミュニケーションが重要であること。第2に,リスクマネジメントに簡単な解決方法,学生が満足するような解はあり得ないこと。第3に,自然災害,COVID-19,気候変動,技術革新に直面する日本のビジネスあるいは日本や日本の経済,社会は長期的衰退に向かっていて,このなかで企業は日常のルーティンと短期的業績を重視し,長期的,大規模,予測困難なリスクへの対応ができないように見えることである。
 ビジネススクールで学ぶのはなぜか。どのような教育が必要であろうか。それはもともと簡単な答えがなく,また,答えを求めての試行錯誤は学生の満足をもたらすものではないかもしれない。そう割り切った上で,学生の真摯,さらに高い水準の挑戦を望む。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

姉川知史(Anegawa Tomofumi)
名古屋商科大学教授,慶應義塾大学非常勤講師
1977年東京大学経済学部卒業,1983年同経済学研究科単位取得退学(経営学),1991年 Yale University, Ph.D.(Economics),1983年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手,1991年 同助教授,1998-2020年 同教授。

主な論文
姉川知史「医薬品の価格規制と需要の再検討―循環器官用薬の実証研究」『医療と社会』2002. 11(3). 1-18.
姉川知史「医薬品企業のM&Aの費用と効果 ―日本における企業買収の可能性―」『医療と社会』2000. 10(1). 31-56.姉川知史「日本の医薬品産業:その成功と失敗」『医療と社会』2002. 12(2). 49-78.
Jakovljevic, M. B., Getzen, T. E., Torbica, A., & Anegawa, T. (2014). 10th World IHEA and ECHE joint congress: Health Economics in the Age of Longevity. Expert Review of Pharmacoeconomics & Outcomes Research, 2014 Dec;14(6):781-3. doi: 10.1586/14737167.2014.967220. Epub 2014 Oct 10.

その他の論文(査読なし)
姉川知史「日本の薬価基準制度-過去25年の制度と評価」55-76. 鴇田忠彦,近藤健文編『ヘルスリサーチの新展開』2003東洋経済新報社,東京
姉川知史,2007a「日本の医薬品産業」吉森賢編『世界の医薬品産業論』211-82,東京大学出版会,2007.3月30日
姉川知史,2007b「医薬品研究開発のセントラル・ドグマ-医薬品企業の機能と限界」佐藤光編著『バイオテクノロジーの経済倫理学』89-153,ナカニシヤ出版,2007.
姉川知史「グランド・デザイン策定の融合型教育―新しいマネジメント教育の方法論と評価―」研究ノート『慶應経営論集』2012, 29 (1).
姉川知史「東日本大震災に関する提言のありかたについて―グランド・デザイン策定の融合型教育フォーラムによる方法論評価―」,「研究ノート」,『慶應経営論集』2014,30 (1).

Anegawa Tomofumi, NUCB Professor, Keio University Instructor, Graduate School of Business Administration,

BA University of Tokyo, Faculty of Economics Economics, 1977, University of Tokyo, Graduate School of Economics, Withdrawal Having Completed Coursework,1983. Yale University, Ph.D. in Economics, 1991. Assistant Professor, 1983, Associate Professor 1991, 1998-2020 Professor of Keio University.

Refereed Articles

  • (2019) Problems of 2018 Nobel Economic Sciences Prize-Hirofumi Uzawa’s Contribution to Economic Growth Theory and Climate Change-. Keio Business Review 36(1): 03877086






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