本コースは、受講生が
(1) 企業(Corporate)を経営する際、および
(2)Corporate Strategy（全社戦略）の理論を実践に応用する際に
(a) イノベーションとビジネス倫理の観点を考慮すること、および
(b) フロンティア・スピリットを育むこと
を支援します。

This course helps students in
(1) managing a corporate business, and
(2) applying corporate strategy theories to practice
by
(a) considering perspectives on innovation and business ethics, and
(b) fostering a frontier spirit.

本コースのタイトルは「Leading Corporate Business」ですが、Corporateには２つの意味があります。
• １つは「企業」です。すなわち「Leading Corporate Business」とは「企業経営」あるいは「総合経営」です。
• もう１つは複数事業を営む企業の「本社」です。すなわち「Leading Corporate Business」とは「本社/CEOの立場から複数事業をマネージすること」です。すなわち「Corporate Strategy (全社戦略)」です。
本コースではこの２つの両方を取り扱います。

１）総合経営

本コースを学ことにより、受講生は戦略、ファイナンス、組織論のような「個別の道具」ではなく、それらを総合して使って企業を経営して成果を出す力、すなわち「総合経営」力を習得します。具体的には個別の道具よりも、道具を使う際の「頭の使い方、視座/視点」を学びます。受講生は具体的なケース・ディスカッションを通じて、経営者の立場に立って意思決定を行う訓練をします。さらに経営者として必要な「ビジネス倫理」に関しても学びます。

２）Corporate Strategy (全社戦略)

単一事業のリーダーが立案・実行する戦略と、複数の異なる事業を営む企業のCEO/本社 (Corporate) が立案・実行する戦略は全く異なるものです。Corporate Strategy（全社戦略）とは複数の異なる事業を営む企業のCEO/本社が立案し実行する戦略です。

単一の事業だけを経験したリーダーは、複数の異なる事業を統括する立場に昇進した途端に、やるべきことが全く異なるために思考停止してしまうリスクがあるため、受講生にとってCorporate Strategy（全社戦略）をあらかじめ学んでおくことは極めて重要です。

本コースを通じて受講生は受講生が複数の異なる事業をマネージする立場になった時に必要となる基本的な理論、視点と視座、そして何よりも実践のポイントをケースを通じて学びます。

The title of this course is "Leading Corporate Business," and the word "Corporate" has two meanings:
• One meaning is "enterprise," meaning that "Leading Corporate Business" refers to "enterprise management" or "general management."
• The other meaning refers to the "headquarters" of a company that manages multiple businesses. In this sense, "Leading Corporate Business" means "managing multiple businesses from the perspective of headquarters or the CEO," which is known as "Corporate Strategy."
This course covers both of these aspects.

1) General Management

This course does not focus on individual tools such as strategy, finance, or organizational theory. Instead, students will learn general management, where students will combine various tools to run a company and achieve results.
Rather than just learning individual tools, students will learn how to think and viewpoints/perspectives when using these tools. In addition, students will learn business ethics from the perspective of a business leader.

2) Corporate Strategy

Managing a single business as a business unit leader is fundamentally different from managing multiple businesses as a CEO. Corporate strategy refers to the strategy formulated and executed by the CEO or corporate headquarters of a multi-business company.

Leaders who have only managed a single business may struggle to lead multiple businesses as a CEO, as the required capabilities are significantly different. Therefore, it is essential for students to learn corporate strategy in advance if you are expected to manage multiple businesses.

This course equips students with the fundamental theories, perspectives, and insights necessary for managing multiple businesses. More importantly, students will learn the key do’s and don’ts when applying these theories in practice through case discussion.

本コースの到達目標は、受講生が以下を理解し実践に応用できるようになることです。

1) 総合経営
• 個別よりも統合：個別の道具を統合して使い結果を出すための思考方法
• 理論よりも実践：経営の理論を実践で使う際の留意点/落とし穴
• ビジネス倫理：リーダーとしてのあなたの倫理観とは何か

2) Corporate Strategy (全社戦略)
• 事業戦略とcorporate strategy (全社戦略) の違い
• 複数事業を営む企業のCEO/本社が行うべき意思決定/アクション
• 全社戦略 (corporate strategy)の基本的な理論

By taking this course, students will be able to understand and apply the following concepts in practice:

1) General Management
• Synthesis, not analysis: How to integrate various management tools to achieve results.
• Practice, not theory: How to apply management theories in real-world situations.
• Business ethics: What are your ethical values as a leader?

2) Corporate Strategy
• The difference between business strategy and corporate strategy.
• How CEOs and corporate headquarters of multi-business enterprises should make decisions and take actions.
• Fundamental theories of corporate strategy.

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

1) 総合経営
• 個別の経営理論を統合して実際の経営で使うための思考方法
• 理論を実践で使う際の留意点/落とし穴
• ビジネス倫理：自分がよって立つ倫理観とは何か

2) Corporate Strategy (全社戦略)
• 複数事業をマネージするCEOと単一事業の責任者との違い
• 事業間シナジー
• 事業ポートフォリオ・マネジメント
• コーポレート・ビジョン（異なる事業をまたがるビジョンの意味・意義）
• コーポレート組織設計（異なる事業を持つ企業の組織設計）

1) General Management
• Integrating individual management theories and applying them in real business scenarios.
• Effectively applying management theories in practice.
• Understanding the ethical principles that guide leadership.

2) Corporate Strategy
• Recognizing the responsibilities of a CEO managing multiple businesses as opposed to a leader managing a single business.
• Creating and leveraging business synergies across different businesses.
• Managing a business portfolio effectively.
• Developing a corporate vision that aligns multiple businesses.
• Designing and structuring an organization to support multi-business operations.

教育手法 Teaching Method		% of Course Time
インプット型 Traditional		20 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning	ケースメソッド Case Method	80 %
	フィールドメソッド Field Method	0 %
合計 Total		100 %

1) 事前課題
• 事前リーディングの指定がある場合は、その文献を読んでください。
• 事前配布ケースがある場合は…
　　　１ケースあたり1−２時間程度の予習を行ってください。
　　　授業中にその場で配布して考えるケースの場合は事前予習は不要です。）
　　　事前配布ケースと共に、授業当日に議論する「Discussion questions」を配布します。第３者や評論家の視点ではなく、ケースの登場人物になりきって自分が当事者だったらどうするかを意識して「Discussion questions」の自分なりの答えを考えてから当日の授業に臨んでください。事前の提出は不要です。

2) 授業当日
• 授業当日は受講生全員が事前課題の答えを考えてきているという前提でディスカッションを始めます。
• 場合によってはその場でケースを配布し、その場で考える演習を行います。
• 授業の中で少人数のグループに分かれてディスカッションを行います。
• 授業の終わりに「Reflection paper」に記入する時間を設けます。その時間内に記入して提出してください。
　　　「Reflection paper」はオンラインで提供します。オンラインで記入し、オンラインで提出します。
　　　「Reflection paper」のフォーマットはオンラインで提供しますが、以下の内容が含まれます
　　　　A) 発言回数　（採点対象外）
　　　　B) 本日の発言内容の要旨
　　　　C) 発言できなかったが発言したかったこと
　　　　D) 本日の学び
　　　　E) 本日の学びをふまえて…
　　　　　　あなたが個人的に変えること、行うこと
　　　　　　あなたの会社が変えるべきこと、行うべきこと
　　　　F) 講師に対するフィードバック、その他　（採点対象外）
　　　上記のB) C) D) E) は採点の対象となります

3) DAY 3 (コース最終日)
• コース最終日の最後の1時間を使って「最終レポート」を作成し、その場で提出してください。
• 最終レポートの内容は以下の通りです。
　　　A) 本コース全体を通してあなたが学んだこと
　　　B) 学びを活かしてあなた個人が明日から変えること/行うこと
　　　C) 学びに基づいてあなたの会社が変えるべきこと/行うべきこと
　　　D) 講師へのフィードバック、来年に向けての本コースの改善提案　（採点対象外）
　上記のA) B) C) は採点の対象となります

※授業の内容やケース、ならびに評価配分等は、授業の進行状況や改善のために、変更することがあります。

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。

講師用内規準拠 Method of Assessment	Weights
コールドコール Cold Call	0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution	80 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total	80 %
予習レポート Preparation Report	0 %
小テスト Quizzes / Tests	0 %
シミュレーション成績 Simulation	0 %
ケース試験 Case Exam	0 %
最終レポート Final Report	20 %
期末試験 Final Exam	0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment	0 %
合計 Total	100 %

評価の留意事項　Notes on Evaluation Criteria

発言回数は評価しません。

「クラスへの貢献度」を評価します。具体的には以下の通りです：
1) 主張は明確、簡素、建設的か
2) 単なるファクトではなく「So what」（それの意味するもの）まで踏み込んでいるか？
3) クラス全体の議論を前に進めているか？
 単に自分の主張だけでなく、他の学生の意見の上に建って双方向の議論を展開しているか
4) その発言によってクラス全体が学びを得ているか？

発言の機会はできるだけ平等にしたいと思いますが、履修者が多い場合は、挙手した全員は発言できないことをご理解ください。発言できなかった場合は「Reflection paper」の(C)欄「発言できなかったが発言したかったこと」に記入してください。

• 配布資料

参考文献を事前に読む必要はありません。読むと文献のフレームワークにこだわってしまうので、むしろ読まない方が好ましいです。授業後の復習用に使ってください。

Corporate Strategy（全社戦略）に関して
• 「全社戦略がわかる」 菅野寛　（日本経済新聞出版）
• 「[新版]企業戦略論【下】全社戦略編 戦略経営と競争優位」 ジェイ B. バーニー、ウィリアム S. ヘスタリー　（ダイヤモンド社）注意：上中下の３巻からなる教科書ですが、下巻が全社戦略に特化しています。
• 「Corporate Strategy: Tools for Analysis and Decision-Making」Phanish Puranam and Bart Vanneste, Cambridge University Press
• 「資源ベースの経営戦略論」 デビッド J. コリス、シンシア A. モンゴメリー （東洋経済新報社）注意：全社戦略に特化した教科書ではありませんが、個別事業戦略と全社戦略を明確に分けて両方の関係を論じています。

企業経営の実践に関して
• 「経営の失敗学」菅野寛（日本経済新聞出版）注意：全社戦略に関する本ではありませんが、本コースのもう１つのフォーカスである「実践」にフォーカスし、教室では正しい理論が実践ではなぜ失敗するのかを考察しています。

初年度担当科目

（実務経験 Work experience）