シラバス Syllabus

授業名 Mission Driven Management
Course Title Mission Driven Management
担当教員 Instructor Name 磯辺 剛彦(Takehiko Isobe)
コード Couse Code GMP110_G22N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 応用科目200系 / Applied
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2022 GSM Nagoya Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本授業は、フロンティアスピリットを備えたイノベーティブで倫理観あるリーダーの育成を目標とします。そのようなリーダーには、論理や分析能力だけでなく、正義や哲学を軸にした「世のため人のため、ひいては自分のため」の経営が求められます。
This class aims to develop innovative and ethical leaders with a frontier spirit. Such leaders are required the management "for the world, for the people, and for yourself," with a background of justice and philosophy, as well as logic and analytical skills.

授業の目的(意義) / Importance of this course

本授業では、経営理念を中核にする企業の経営理念(感性)、戦略(合理性)、ロジック(実行可能性)について学ぶことを目的とします。そのような理念主導型企業の多くは、「ローカル経済圏で活動する中堅企業」で観察することができます。どの企業の取り組みも地味に見えますが、そこに経営の本質があります。
The purpose of this class is to learn about the management philosophy (sensitivity), strategy (rationality), and logic (feasibility) of a company centered on the management philosophy. Many of these philosophy-driven companies can be observed in "mid-sized companies operating in the local economy." The efforts of any company may seem modest, but that is the essence of management.

到達目標 / Achievement Goal

目指すのは「新しいことを知ること」よりも、「知っていたつもりだったが、実はまったく分かっていなかったことに気づくこと」です。使用するケースは、私たちの周りにある、病院介護、公共交通、伝統工芸、工務店などが中心になります。そのため一定の割合の受講生から「つまらない」「退屈」「何を学んだのか分からない」と指摘されることが多いのですが、このような「つまらない」ことにこそ経営の大事なポイントがあります。したがって到達目標は、授業後、「よく理解できた」というよりも、「もっと勉強したい」という気持ちになることです。

The objective of this class is not "to know new things" but "to realize that I thought I knew, but I didn't really know at all". The cases are mainly hospital care, public transportation, traditional crafts, and construction shops around us. Therefore, a certain percentage of students often point out that this class is "boring," "boring," and "I don't know what they have learned." Such "boring" is the important point of management. Therefore, the goal is to feel "I want to study more" rather than "I understand it well" after class.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

俯瞰的視野・周辺視野の拡大とステレオタイプ思考からの脱却

Expansion of higher point of view and peripheral vision, and breaking away from stereotyped thinking

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 20 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 80 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

ケース学習はプラモデルに似ています。ケースには多くの情報(パーツ)が記載さていますが、ケースには設計図がないので、自分自身の価値感や感性によってさまざまな形に組み立てることができます。加えて、ケースにはすべての情報が書かれていないので、組み立てに必要な情報を推測する必要があります。このことを意識してケースに取り組んでください。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

9:20-19:30
・戦略の方法学:あたりまえか、思い込みか(講義)
・「バカな」と「なるほど」の経営
・第一次産業の産業化
・ビジネスモデルの評価


●使用するケース
ケース1「過疎地の巨大スーパーAZ」(KBS)
ケース2「みずほの村市場:農業を産業にする」(KBS)
ケース3「羽田市場株式会社:水産物の流通革命」(KBS)
ケース4「宮城県漁業協同組合志津川支所戸倉カキ部会:カキ養殖再生の取り組み」(KBS)

第2日(Day2)

9:20-19:30
・バリューチェーンの2つの効率性
・バリューチェーンの形:パイプラインとエコシステム
・市場の創造
※時間に余裕があれば、ケース7と8の議論を行います

●使用するケース
ケース5「株式会社玉子屋:日本の午後を元気にする会社」(KBS)
ケース6「マツ六株式会社ファーストリフォーム事業部:大切な人を転倒から守る」(KBS)
ケース7「株式会社能作:伝統工芸に轍をつける」(KBS)
ケース8「株式会社サザコーヒー:差別化と物語にこだわる茨城の名店」(KBS)

第3日(Day3)

9:20-17:50
・成功のワナと失敗のワナ
・イノベーションの失敗
・再生戦略
・創業理念の再定義


●使用するケース
ケース9「レゴ:成長戦略に取り組む」(KBS)
ケース10「株式会社学研ホールディングス(A)(B)(C)(D)」(KBS)

第4日(Day4)



第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 40 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 40 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 20 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

予習レポート:一部のケース(「みずほの村市場」「羽田市場」「玉子屋」「マツ六」「レゴ」「学研」)の事前予習設問について自分の考えをまとめ、ケース使用日の授業開始前に予習レポートをGoogle Classroomにて提出してください。なお、書式は自由、A4用紙1-2枚、学籍番号、氏名、ケース名を記入してください。
最終日に90分程度の最終試験を行いますので、ノートパソコンを準備してください。課題や提出方法は別途指示します。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 配布資料

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

冨山和彦「なぜローカル経済から日本は甦るのか」 PHP新書
山口周「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」光文社新書
吉原英樹「「バカな」と「なるほど」」PHP研究所
磯辺剛彦「世のため人のため、ひいては自分のための経営論」白桃書房

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

コース名の"Mission Driven Managament"と整合するようにケースを入れ替えました

担当教員のプロフィール About the Instructor 

福岡県出身。1981年慶應義塾大学経済学部卒業。同年(株)井筒屋入社。91年経営学修士(慶應義塾大学)、96年経営学博士(同大学)。同年流通科学大学商学部助教授、99年教授。この間、1997-98年スタンフォード大学経営大学院客員研究員。2005年神戸大学経済経営研究所教授、2007年慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授。2023年慶應義塾大学名誉教授。同年名古屋商科大学大学院教授。(一般財団法人)企業経営研究所 理事長

Strategic Management Journal、Academy of Management Journal、Journal of International Business Studiesなどのトップジャーナルに論文多数。Asia Pacific Journal of ManagementのSenior Editor、Journal of International ManagementやManagement International ReviewのEditorial Boardを務める。起業活動の国際比較研究グループ「Global Entrepreneurship Monitor」の創立メンバー。2004年および2006年のAsia Academy of Management Conferenceにて最優秀論文賞を受賞

主要な著書に「トップシェア企業の革新的経営」白桃書房(中小企業研究奨励賞)、「シリコンバレー創世記」白桃書房、「起業と経済成長」慶應義塾大学出版会、「国境と企業」東洋経済新報社(国際ビジネス研究学会賞・義塾賞)、「世のため人のため、ひいては自分のための経営論」白桃書房など


Refereed Articles

  • (2025) Blueprint for Mission-Core Management: Theory of Medium-Sized Companies in the Reiwa Era. Keio business forum 41(1):
  • (2023) Interview with executives of middle-sized companies: Management theory for society, for people, and for myself (2). Keio business forum
  • (2022) Interview with executives of middle-sized companies: Management theory for society, for people, and for myself. Keio business forum 38(1):






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