| 授業名 | Decision Making for Leadership |
|---|---|
| Course Title | Decision Making for Leadership |
| 担当教員 Instructor Name | 大林 厚臣（Atsuomi Obayashi） |
| コード Couse Code | GMP109_G25N |
| 授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
| 授業形式 Class Format | On Campus |
| 単位 Credits | 2 |
| 言語 Language | JP |
| 科目区分 Course Category | 応用科目200系 / Applied |
| 学位 Degree | EMBA |
| 開講情報 Terms / Location | 2025 GSM Nagoya Spring |
授業の概要 Course Overview
Mission Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
意思決定の良否は、目的を達成する効率だけでなく、目的自体の倫理的な良否が問われます。また、自らがもつ情報の限界を考慮することも重要です。情報の限界はイノベーションの可能性とリスクの原因になります。他者への配慮においても、理解していない心理や事情がありうると考えることは重要です。
The quality of decision making is not only judged by the efficiency with which the goal is achieved, but also by the ethical soundness of the goal itself. It is also important to consider the limitations of the information we possess. The limitations of information mean the possibility of innovations and the source of risks. When considering others, it is crucial to recognize that there may be psychological factors or circumstances we do not fully understand.
授業の目的（意義） / Importance of this course
ビジネスを含むさまざまな場面で、質の高い意思決定をするために有効な考え方と手法を身に付けてもらうことを目的にします。意思決定の質は次の３つの要素に大きく影響されます。すなわち、目的の適切さ、選択する行動が目的を満たす程度、自分が持つ情報の限界を考慮することです。この科目ではケースを用いて、自分が当事者ならばどのような決定をするか、その理由は何かを議論し、質の高い意思決定をするための考え方と手法を身に付けてもらいます。
The goal of this course is to help you acquire perspectives and methods for making high-quality decisions. The quality of decision making is largely influenced by three factors: the appropriateness of the goal, the extent to which the chosen action fulfills the goal, and considering the limitations of the information you possess. In this course, we will use cases to discuss what decisions you would make if you were involved, and the reasons behind them. This will help you develop the perspectives and methods necessary for making high-quality decisions.
到達目標 / Achievement Goal
意思決定の質を自らチェックできるような知識と批判的態度を身に付けることが目標です。具体的な能力としては、合理的な意思決定とその限界を考慮すること、意思決定の質をチェックするポイント、選択の根拠を他者に説明する手法などです。
The goal of this course is to acquire the skills and critical attitude necessary to evaluate the quality of your own decision making. Specific skills include rational decision making and understanding its limitations, identifying key points to check the quality of decisions, and skills for explaining the rationale behind your choices to others.
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG3 Ethical Decision Making
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
合理的意思決定の手法とその限界についての理解、イノベーションを促す手法、リスクマネジメントの基礎
Understanding of rational decision-making methods and their limitations, methods to encourage innovation, and the basics of risk management.
SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals
Goal 9 産業と技術革新の基盤をつくろう（Industry, Innovation and Infrastructure）
教育手法 Teaching Method
| 教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
|---|---|---|
| インプット型 Traditional | 0 % | |
| 参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 100 % |
| フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
授業の前にケースを読んで、事前に配布される設問への回答を準備してきて下さい。できれば設問への回答だけでなく、ケースに関連して重要と思われる問題点を見つけて授業での議論に備えてください。
設問のうちいくつかは、回答をレポートとして授業前にGoogle Classroomで提出してもらいます。レポートへのフィードバックは授業後に行います。レポートは質が重要で、必ずしも多くのページ数を要求しません。Power Point は不可です。
授業の準備には、1回の授業セッションにつき3～6時間が必要になります。（第1日と第2日には1日当たり4セッション、第3日には3セッションがあります。1セッションで複数のケースを使うことがありますが、予習の時間は1セッションあたりです。）
設問のうちいくつかは、回答をレポートとして授業前にGoogle Classroomで提出してもらいます。レポートへのフィードバックは授業後に行います。レポートは質が重要で、必ずしも多くのページ数を要求しません。Power Point は不可です。
授業の準備には、1回の授業セッションにつき3～6時間が必要になります。（第1日と第2日には1日当たり4セッション、第3日には3セッションがあります。1セッションで複数のケースを使うことがありますが、予習の時間は1セッションあたりです。）
授業スケジュール Course Schedule
第1日（Day1）
価格競争における意思決定合理的意思決定
インセンティブの設計
情報と情報共有
●使用するケース
『特殊混合ガスの価格設定』、慶應義塾大学ビジネススクール『特殊混合ガスの価格設定ゲーム・マトリクス』、慶應義塾大学ビジネススクール
『価格競争ゲーム』、慶應義塾大学ビジネススクール
『カスタム製品の長期供給契約』
『ノードストローム』、慶應義塾大学ビジネススクール
『パンデミックとワクチン』、慶應義塾大学ビジネススクール
第2日（Day2）
事業規模の意思決定競争戦略
ビジネスモデルの構想
危機における意思決定
●使用するケース
『航空便数の申請』、慶應義塾大学ビジネススクール『航空便数の申請ゲーム・マトリクス』、慶應義塾大学ビジネススクール
『パワープレイ（A）』、日本ケースセンター（HBSケース和訳）
『任天堂とソニー』、慶應義塾大学ビジネススクール
『八甲田山雪中行軍』、慶應義塾大学ビジネススクール
第3日（Day3）
イノベーションを促す危機における意思決定
交渉
●使用するケース
『ペニシリンの発見』、慶應義塾大学ビジネススクール『３Ｍの製品開発（短縮版）』、慶應義塾大学ビジネススクール
『キューバ危機』、慶應義塾大学ビジネススクール
『キューバ危機（続）』、慶應義塾大学ビジネススクール
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
| 講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
|---|---|
| コールドコール Cold Call | 20 % |
| 授業内での挙手発言 Class Contribution | 60 % |
| クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 80 % |
| 予習レポート Preparation Report | 20 % |
| 小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
| シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
| ケース試験 Case Exam | 0 % |
| 最終レポート Final Report | 0 % |
| 期末試験 Final Exam | 0 % |
| 参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
| 合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
教科書 Textbook
- 大林 厚臣「ビジネス意思決定」ダイヤモンド社（2014）978-4-478-02955-8
- 大林 厚臣「ビジネス経済学」ダイヤモンド社（2019）978-4-478-10748-5
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
『戦略の経済学』 デイビッド・ベサンコ他著 ダイヤモンド社 2002年 ISBN：4-478-37420-1
『組織の経済学』 ポール・ミルグロム他著 ＮＴＴ出版 1997年 ISBN：4-87188-536-4
『リスクマネジメントと危機管理ガイドブック』 東京海上ディーアール株式会社 同文館出版 2022年 ISBN：978-4-495-39066-2
『ニーズとシーズの構造モデルとイノベーション』、慶應義塾大学ビジネススクール・ノート
『組織の経済学』 ポール・ミルグロム他著 ＮＴＴ出版 1997年 ISBN：4-87188-536-4
『リスクマネジメントと危機管理ガイドブック』 東京海上ディーアール株式会社 同文館出版 2022年 ISBN：978-4-495-39066-2
『ニーズとシーズの構造モデルとイノベーション』、慶應義塾大学ビジネススクール・ノート
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
初年度担当科目
担当教員のプロフィール About the Instructor
Ph.D.(Public Policy, University of Chicago) 。京都大学法学部を卒業後、日本郵船株式会社勤務を経てシカゴ大学より博士号を取得し、慶應義塾大学大学院経営管理研究科（ビジネススクール）教員になる。
専門は、経済学、経営学、リスクマネジメント、イノベーション。医療経済学会発起人。政府の研究プロジェクトでは、SIP第2期課題「国家レジリエンス（防災・減災）の強化」評価委員長、SIP第3期課題「スマート防災ネットワークの構築」ピアレビュー委員長。
イノベーションとリスクマネジメントを研究しています。どちらも想定外の事象を扱うのでモデル化しにくいですが、それだけに挑戦意欲が湧きます。スポーツに例えるとイノベーションは攻め、リスクマネジメントは守りに似ています。対照的な部分もありますが、共通点を押さえた人はオールラウンダーになれます。共通点は、1つの技術や知識を多くの用途に応用することと、1つの仕事を複数の方法で達成できるようにすることです。
専門は、経済学、経営学、リスクマネジメント、イノベーション。医療経済学会発起人。政府の研究プロジェクトでは、SIP第2期課題「国家レジリエンス（防災・減災）の強化」評価委員長、SIP第3期課題「スマート防災ネットワークの構築」ピアレビュー委員長。
イノベーションとリスクマネジメントを研究しています。どちらも想定外の事象を扱うのでモデル化しにくいですが、それだけに挑戦意欲が湧きます。スポーツに例えるとイノベーションは攻め、リスクマネジメントは守りに似ています。対照的な部分もありますが、共通点を押さえた人はオールラウンダーになれます。共通点は、1つの技術や知識を多くの用途に応用することと、1つの仕事を複数の方法で達成できるようにすることです。
Ph.D. (Public Policy, University of Chicago). After graduating from the Faculty of Law at Kyoto University and working at Nippon Yusen Kaisha, Obayashi earned his doctorate from the University of Chicago and became a faculty member at the Keio Business School.
Obayashi’s specialties include economics, management, risk management, and innovation. A founding member of Japan Health Economics Association. In government research projects, he has served as the Chair of the Evaluation Committee for the 2nd phase of the SIP program on 'Enhancement of National Resilience against Natural Disasters,' and as the Chair of the Peer Review Committee for the 3rd phase of the SIP program on 'Development of a Resilient Smart Network System against Natural Disasters.'
Obayashi studies innovation and risk management. Both deal with unexpected events, which makes them difficult to model, but that challenge is so compelling. To compare them to sports, innovation is like offense, while risk management is like defense. They may seem like opposites, but those who understand the common ground between them can become well-rounded players. The common ground lies in the ability to apply a single skill or piece of knowledge to various situations, and in being able to achieve a single goal through multiple approaches.
（実務経験 Work experience）
1983～1986年 日本郵船株式会社勤務
1993～1996年 Research Assistant to Prof. Gary S. Becker, University of Chicago
1996～1998年 慶応義塾大学 大学院経営管理研究科 専任講師
1998～2006年 慶応義塾大学 大学院経営管理研究科 助教授
2006年～現在 慶応義塾大学 大学院経営管理研究科 教授
2000～2001年 Visiting Scholar, Stanford University（兼任）
2001～2006年 社会技術研究システム 研究員（兼任）
2003～2007年 名古屋工業大学 大学院工学研究科 非常勤講師（兼任）
2007～2011年 慶応義塾大学 グローバルセキュリティ研究所 上席研究員（兼任）
2007～2014年 PwCあらた基礎研究所 研究員（兼任）
2007～2011年 日本能率協会 経営・マーケティング部門 評議員（兼任）
2009～2017年 都市計画協会 理事（兼任）
2010～2018年 株式会社ピーシーデポコーポレーション 社外取締役（兼任）
2019～現在 独立行政法人 都市再生機構（UR） 防災関係アドバイザー（兼任）
他にこれまで、中央防災会議企業評価・業務継続ワーキング・グループ（座長）、企業等の事業継続・防災評価検討委員会（座長）、内閣サイバーセキュリティセンター分野横断的演習検討会（座長）、政府業務継続に関する評価等有識者会議（座長）など多数の政府委員を務める。
1993～1996年 Research Assistant to Prof. Gary S. Becker, University of Chicago
1996～1998年 慶応義塾大学 大学院経営管理研究科 専任講師
1998～2006年 慶応義塾大学 大学院経営管理研究科 助教授
2006年～現在 慶応義塾大学 大学院経営管理研究科 教授
2000～2001年 Visiting Scholar, Stanford University（兼任）
2001～2006年 社会技術研究システム 研究員（兼任）
2003～2007年 名古屋工業大学 大学院工学研究科 非常勤講師（兼任）
2007～2011年 慶応義塾大学 グローバルセキュリティ研究所 上席研究員（兼任）
2007～2014年 PwCあらた基礎研究所 研究員（兼任）
2007～2011年 日本能率協会 経営・マーケティング部門 評議員（兼任）
2009～2017年 都市計画協会 理事（兼任）
2010～2018年 株式会社ピーシーデポコーポレーション 社外取締役（兼任）
2019～現在 独立行政法人 都市再生機構（UR） 防災関係アドバイザー（兼任）
他にこれまで、中央防災会議企業評価・業務継続ワーキング・グループ（座長）、企業等の事業継続・防災評価検討委員会（座長）、内閣サイバーセキュリティセンター分野横断的演習検討会（座長）、政府業務継続に関する評価等有識者会議（座長）など多数の政府委員を務める。
1983–1986: Employed at Nippon Yusen Kaisha
1993–1996: Research Assistant to Prof. Gary S. Becker, University of Chicago
1996–1998: Assistant Professor, Keio Business School
1998–2006: Associate Professor, Keio Business School
2006–Present: Professor, Keio Business School
2000–2001: Visiting Scholar, Stanford University
2001–2006: Researcher, Social Technology Research Systems (part-time)
2003–2007: Adjunct Lecturer, Graduate School of Engineering, Nagoya Institute of Technology
2007–2011: Senior Researcher, Keio University Global Security Research Institute
2007–2014: Researcher, PwC Arata Research Institute
2007–2011: Councilor, Management & Marketing Division, Japan Management Association
2009–2017: Director, City Planning Association of Japan
2010–2018: Outside Director, PC Depot Corporation
2019–Present: Disaster Prevention Advisor, Urban Renaissance Agency (UR)
Additionally, Obayashi has served in various government committees, including as Chair of the Central Disaster Management Council Business Continuity Working Group, Chair of the Business Continuity and Disaster Prevention Evaluation Committee for Companies, Chair of the Cross-Sectoral Exercise Planning Committee of the National Information Security Center, and Chair of the Expert Meeting on Evaluation of Government Business Continuity, among others.