意思決定の良否は、目的を達成する効率だけでなく、目的自体の倫理的な良否が問われます。また、自らがもつ情報の限界を考慮することも重要です。情報の限界はイノベーションの可能性とリスクの原因になります。他者への配慮においても、理解していない心理や事情がありうると考えることは重要です。

The quality of decision making is not only judged by the efficiency with which the goal is achieved, but also by the ethical soundness of the goal itself. It is also important to consider the limitations of the information we possess. The limitations of information mean the possibility of innovations and the source of risks. When considering others, it is crucial to recognize that there may be psychological factors or circumstances we do not fully understand.

　ビジネスを含むさまざまな場面で、質の高い意思決定をするために有効な考え方と手法を身に付けてもらうことを目的にします。意思決定の質は次の３つの要素に大きく影響されます。すなわち、目的の適切さ、選択する行動が目的を満たす程度、自分が持つ情報の限界を考慮することです。この科目ではケースを用いて、自分が当事者ならばどのような決定をするか、その理由は何かを議論し、質の高い意思決定をするための考え方と手法を身に付けてもらいます。

The goal of this course is to help you acquire perspectives and methods for making high-quality decisions. The quality of decision making is largely influenced by three factors: the appropriateness of the goal, the extent to which the chosen action fulfills the goal, and considering the limitations of the information you possess. In this course, we will use cases to discuss what decisions you would make if you were involved, and the reasons behind them. This will help you develop the perspectives and methods necessary for making high-quality decisions.

　意思決定の質を自らチェックできるような知識と批判的態度を身に付けることが目標です。具体的な能力としては、合理的な意思決定とその限界を考慮すること、意思決定の質をチェックするポイント、選択の根拠を他者に説明する手法などです。

The goal of this course is to acquire the skills and critical attitude necessary to evaluate the quality of your own decision making. Specific skills include rational decision making and understanding its limitations, identifying key points to check the quality of decisions, and skills for explaining the rationale behind your choices to others.

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

合理的意思決定の手法とその限界についての理解、イノベーションを促す手法、リスクマネジメントの基礎

Understanding of rational decision-making methods and their limitations, methods to encourage innovation, and the basics of risk management.

教育手法 Teaching Method		% of Course Time
インプット型 Traditional		0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning	ケースメソッド Case Method	100 %
	フィールドメソッド Field Method	0 %
合計 Total		100 %

　授業の前にケースを読んで、事前に配布される設問への回答を準備してきて下さい。できれば設問への回答だけでなく、ケースに関連して重要と思われる問題点を見つけて授業での議論に備えてください。
　設問のうちいくつかは、回答をレポートとして授業前にGoogle Classroomで提出してもらいます。レポートへのフィードバックは授業後に行います。レポートは質が重要で、必ずしも多くのページ数を要求しません。Power Point は不可です。
　授業の準備には、1回の授業セッションにつき3～6時間が必要になります。（第1日と第2日には1日当たり4セッション、第3日には3セッションがあります。1セッションで複数のケースを使うことがありますが、予習の時間は1セッションあたりです。）

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。

講師用内規準拠 Method of Assessment	Weights
コールドコール Cold Call	20 %
授業内での挙手発言 Class Contribution	60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total	80 %
予習レポート Preparation Report	20 %
小テスト Quizzes / Tests	0 %
シミュレーション成績 Simulation	0 %
ケース試験 Case Exam	0 %
最終レポート Final Report	0 %
期末試験 Final Exam	0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment	0 %
合計 Total	100 %

評価の留意事項　Notes on Evaluation Criteria

• 大林 厚臣「ビジネス意思決定」ダイヤモンド社（2014）978-4-478-02955-8
• 大林 厚臣「ビジネス経済学」ダイヤモンド社（2019）978-4-478-10748-5

『戦略の経済学』 デイビッド・ベサンコ他著　ダイヤモンド社　2002年　ISBN：4-478-37420-1
『組織の経済学』 ポール・ミルグロム他著　ＮＴＴ出版　1997年　ISBN：4-87188-536-4
『リスクマネジメントと危機管理ガイドブック』 東京海上ディーアール株式会社　同文館出版　2022年　ISBN：978-4-495-39066-2
『ニーズとシーズの構造モデルとイノベーション』、慶應義塾大学ビジネススクール・ノート（2025年6月頃改訂予定）

初年度担当科目