シラバス Syllabus

授業名 Strategic Management
Course Title Strategic Management
担当教員 Instructor Name 植田 統(Osamu Ueda)
コード Couse Code GMP107_G22O
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 応用科目200系 / Applied
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2022 GSM Osaka Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

グローバルな視野のあるイノベーティブなリーダー育成に貢献する。
Nurture innovative Japanese business leaders with global perspective.

授業の目的(意義) / Importance of this course

当コースでは、最初に現代経営のレジェンドであるジャック・ウェルチの経営手法を学びます。それ以降は、すべて日本企業のケースを取り扱います。リーダーシップ、組織、人事、企業文化、コーポレート・ガバナンス、M&A、緊急事態の対応を考察していきます。自分が経営者の立場にあったら、こうした事態に直面した場合に自分ならどのように対応するのかを自分の頭で考える訓練をしていきたいと思います。
In this course, we will first look at Jack Welch, the legendary CEO of the modern management. After that, we will look at Japanese companies' cases. The area we will study are leadership, organization, HR, corporate culture, corporate governance, M&A, and response to emergent situations. I hope students will look at these cases as if he/she were CEO of that company, and think and develop his/her own strategies to deal with those situations.

到達目標 / Achievement Goal

経営で直面する様々な事態に対応できる能力を身に着ける。

Develop capabilities so that students will be able to deal with various situations in their future professional lives.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

現代アメリカの経営理論、日本企業の成功例・特異な経営戦略、リーダーシップのスタイル、コーポレート・ガバナンスのあり方、企業文化の果たす役割、M&Aの実際、緊急事態対応

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 10 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 90 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

学生は、授業前にケースを予習し、質問に対する答えを準備してくることを期待されています。授業では、その答えを発表し、他の学生の意見を踏まえて深く考え、さらに現実的かつ実行可能な答えにたどり着くことを期待されています。
ファイナルレポートは、session 8のケースの4つの質問に対する回答をマイクロソフトワード、11ポイント、10頁以内で記述し、4日目の朝10時までにGoogle classroomに提出してください。回答は、質問にダイレクトに答えるものとすること。ケースから事象を拾って書き写すのではなく、自分なりの解釈を加えた意見を求めます。また、質問に対する答え以外の分析は求めていないことをお伝えしておきます。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

セッション1
ケース1:GEの過去20年の体質転換
Question
1.ウェルチが20年の間に行った3つの改革に一貫性はあるのか。その背後に流れる考え方はどのようなものであったのか。
2.ウェルチの改革とイメルトの改革は、それぞれ何も目指していたのか。また、企業変革という観点から、どちらがより優れたものであったのか。
3.ウェルチがリーダーの育成と企業文化の変革に努力を傾けた理由はどこにあったのか。
4.ウェルチが行ったリーダーの育成と比較して、あなたの会社の人材育成はうまく行っているか。うまく行っていない点があれば、それをどう改革すべきか。

セッション2
ケース2:ファナック株式会社:コーポレート・ガバナンスと財務方針の再検討
Question
1.ファナックが1兆円の現金を手元資金として置いておきたいという考える理由は何か。それは株主の目から見て、合理性があるのか。
2.ファナックは、ローブ氏からの配当性向の向上、自社株買い、金庫株消却の提案に対していかなる対応をするべきか。
3.ファナックが、ローブ氏からの独立取締役増員の要求、役員報酬への株式インセンティブの導入の要求を嫌う理由は何か。逆に、なぜローブ氏はそれを実現したいのか。

●使用するケース
ケース1:GEの過去20年の体質転換
ケース2:ファナック株式会社:コーポレート・ガバナンスと財務方針の再検討

第2日(Day2)

セッション3
ケース3:トリンプ・インターナショナル/ワコール
Question
1.90年代後半から2000年代前半にかけて、下着業界の市場環境と競争環境はどのようなものであったか。
2.その中でトリンプの位置づけはどのようなものであったか。トリンプはどのような強みと弱みがあったのか。
3.トリンプが直販のチャネルに集中した理由は何か。他に戦略オプションはなかったのか。
4.ワコールが機敏にトリンプの戦略に反応できなかった理由はどこにあるのか。
5.あなたが吉越の後を継いで社長になったとしたら、どのような経営を行うか。

セッション4
ケース4:ディスコにおける個人Will
Question
1.個人Willが機能する条件、機能しない条件とはどういうものか。
2.個人Willが他社にも普及し始めると、ディスコは独自の強みを失うことになるのか。
3.個人Willはディスコだからこそ機能しているのか。
4.個人Willが他社でも育つように土壌を開拓していくとすればどこから着手するのがよいのだろうか。

●使用するケース
ケース3:トリンプ・インターナショナル/ワコール
ケース4:ディスコにおける個人Will

第3日(Day3)

セッション5
ケース5:JFE対等合併の稀有なる成功例の研究
Question
1. 統合前夜の鉄鋼業界の事業環境を分析してください。そこから見えてくる川崎製鉄とNKKにとっての市場機会と脅威は何か。
2.その中で川崎製鉄とNKKはどういう強み、弱みを持っていたのか。どういう戦略上の選択肢があったのか。
3.なぜ川崎製鉄はNKKを、NKKは川崎製鉄を合併相手として選んだのか。
4.両社の統合の過程を、あなたはどう評価するか。あなたが統合会社の社長だったとしたら、何か違う手をうっていたか。

セッション6
ケース6:グローバル化する日本のドリームマシン:株式会社リクルートホールディングス
Question
1.リクルートの企業文化、人材育成、パフォーマンス評価システムはどのようなものであったのか。
2.リクルートのイノベーションと事業の専門家育成システムはどのようなものであったのか。
3.リクルートは、海外企業の買収に当たって、不干渉主義を取っているが、その理由は何か。なぜ、リクルート色に染め上げようとしないのか。
4.リクルートはグローバル化をさらに進めていくために、その手法を変えるべきか。

●使用するケース
ケース5:JFE対等合併の稀有なる成功例の研究
ケース6:グローバル化する日本のドリームマシン:株式会社リクルートホールディングス

第4日(Day4)

セッション7
ケース7:トヨタのリコール
Question
1.トヨタが2007年のリコールがあったにもかかわらず、品質問題を改善できなかった理由は何か。
2.2009年8月の事故以降アメリカで批判が高まっていたにもかかわらず、トヨタが迅速に対応できなかった理由は何か。
3.トヨタは豊田章男社長をアメリカ議会に送るべきか。
4.豊田章男社長はアメリカ議会の場で何を言うべきか。特に何を強調するべきか。

セッション8
ケース8-1:ファーストリーテイリンググループ
ケース 8-2:東日本大震災(B):ファーストリーティリンググループの対応
Question
1.柳井は2020年度に売上5兆円、利益1兆円という目標を重視しているにもかかわらず、ファーストリーテイリンググループのケース10頁にあるように社会貢献を重視している。その理由は何か。
2.経営理念23カ条は、(あなた自身の言葉でまとめ直すと、要するに)どういう経営を目指しているのか。柳井はなぜそれにこだわるのか。経営理念は空文化する例が多いにもかかわらず、それがユニクロで機能している理由は何か。
3.柳井は、FRMICを設立し、Mプログラム、SAPプログラム、実践的プロジェクトを提供することによって、何を実現しようとしているのか。
4.東日本大震災(B)ケース2頁中段に「これらの要因を比較検討して、彼女は店舗再開を決めた」とあるが、鈴木はるなは、どのような点に悩んだのであろうか。あなたなら、違う決断をしていたか。
5.衣料品配布活動の終了は、経営理念23カ条の観点から、どのように評価できるのか。あなたなら、異なる方法を取っていたか。

●使用するケース
ケース7:トヨタのリコール
ケース8-1:ファーストリーテイリンググループ
ケース 8-2:東日本大震災(B):ファーストリーティリンググループの対応

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 60 %
予習レポート Preparation Report 0 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 40 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

評価は、同じクラスに出席している学生との相対評価である。
A:10%, B:30%, C:30%, D:20%, F:10%

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 配布資料

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

1.「日米ビジネス30年史」
植田 統 著
光文社
ISBN-10: 4334950787
ISBN-13: 978-4334950781

2.「企業再生 7つの鉄則―成功事例に学ぶ危機からの脱出戦略」
日本経済新聞出版社
ISBN-10: 4532317029
ISBN-13: 978-4532317027

3.「ジョン・コッター ジョン・コッターの企業変革ノート」 
日経BP社 
ISBN-10: 482224377X
ISBN-13: 978-4822243777

4.「ジョン・コッター リーダーシップ論」
ダイヤモンド社
ISBN-10: 447801339X 
ISBN-13: 978-4478013397

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

授業評価は過去5年間よい。昨年、取り扱うケースをブラッシュアップした。例年以上に、学生に挑戦的な質問をし、頭をフル回転して考えてもらい、エキサイティングな授業としていきたい。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

東京大学法学部卒、ダートマス大学タックスクールMBA, 成蹊大学法務博士
東京銀行、野村アセットマネジメントの本邦二大金融機関、アメリカの大手コンサルティング会社ブーズ・アレン、アリックスパートナーズに勤務。特に、アリックスパートナーズにおいては、JALとライブドアのターンアラウンドに参画。
アメリカの大手データベース会社レクシスネクシス・ジャパンの代表取締役社長として、経営者としての経験も有する。現在は、弁護士として、企業再生案件等に従事。
著書に「企業再生-7つの鉄則」(日本経済新聞出版社)、「45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本」(日本経済新聞出版社)、「45歳から5億円を稼ぐ勉強法」(CCCメディアハウス)、[捨てる7つの仕事の習慣」(PHP研究所)等13冊がある。


Professor Osamu Ueda Bachelor of Laws from University of Tokyo, MBA from Amos Tuch School, Dartmouth College, Juris Doctor Seikei University.
Worked for two major Japanese financial institutions, i.e. Bank of Tokyo Mitsubishi and Nomura Group and two major global consulting firms, Booz Allen and Hamilton and Alix Partners. At Alix Partners, personaly participated in the turnaround of JAL and Livedoor, two biggest turnaround cases in the Japanese corporate history. Also has an experience running LexisNexis Japan operations as Managing Director. Currently working as a corporate lawyer. Assumed NUCB professor in 2013. Published 13 books, i.e. "Corporate turnaround - 7 principles" (Nikkei), "45-year-old career crisis" (Nikkei), "High speed work method to achieve maximum output" (Diamond).

Refereed Articles

  • (2012) Impact of California slavery act on Japanese companies' supply chain. Business Law Journal 51 B007S02BCA
  • (2012) How to cope with FCPA risks in China. Business Law Journal 47 B006L76BMM






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