シラバス Syllabus

授業名 Strategic Management
Course Title Strategic Management
担当教員 Instructor Name 植田 統(Osamu Ueda)
コード Couse Code GMP107_G20O
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2020 GSM Osaka Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

当コースでは、日米韓を代表する企業で起きた主要なな経営戦略課題を扱います。自分が経営者の立場にあったら、, どのような経営戦略を立て、どのように実行していくのかを、自分の頭で考える訓練をします。戦略フレームワークの枠組みにとらわれるのではなく、, 学生の皆さんが、真の問題はどこにあるのか、それをどのような道筋で考えていくのかを自分の頭で考える訓練をしていきます。同時に、アメリカの企業経営がどのように行われているかも学んでいきます。
This course is designed for students who have more than 3 years work experience. We will look at major strategic issues that appeared in the major Japanese, American and Korean companies. Students are expected to think what king of strategies they would have developed if they had been in the CEO’s shoes. They are not expected to stick to strategic framework and are expected to reach intrinsic causes of management problems and develop their own framework to address them on their own thinking.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

ポートフォリオ理論、コアコンピタンス、KSF、バリューチェーン、5 Forces、マッキンゼー7つのS等の基本的なコンセプトを使いながら、ケースを分析していきます。

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 10 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 90 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

学生は、授業前にケースを予習し、質問に対する答えを準備してくることを期待されています。授業では、その答えを発表し、他の学生の意見を踏まえて深く考え、さらに現実的かつ実行可能な答えにたどり着くことを期待されています。
ファイナルレポートは、session 8のケースの4つの質問に対する回答をマイクロソフトワード、11ポイント、10頁以内で記述し、4日目の朝10時までにoueda@nucba.ac.jp 宛てにメールにて提出してください。回答は、質問にダイレクトに答えるものとすること。質問に対する答え以外の分析は求めていません。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

1日に2セッションずつ行います。各セッションでは、1ケースを扱い、前半で下記の予め与えられた問題に対するクラス討議を行います、各セッションの後半では、当日グループ・ディスカッション用の小問1問を与え、15分~20分程度のグループ討議の後、クラス討議を行います。

Day 1

セッション1
テーマ:事業ポートフォリオの再構築とCEOの役割
ケース:GEの成長戦略-イメルトの施策

Question
1.2001年9月イメルトCEO就任時のGE事業ポートフォリオの状況はどのようなものだったのか。
2.イメルトの直面する最大のチャレンジは何であったのか。GEのような多角化した企業に置けるCEOの役割は何だとあなたは考えるか。
3.イメルトの事業ポートフォリオ再構築の動きをあなたはどう評価するか。あなたがイメルトの立場に立ったとしたなら、何か違うことをしていたか。
4.イメルトはGEのような超巨大企業の中でイノベーションを引き起こすためにどういう手をうってきたのか。あなたがイメルトの立場に立ったなら、どのような違う手をうったか。

セッション2
テーマ:KSF、コアコンピタンスと競争戦略
ケース:サムスン電子

Question
1.メモリ産業のKSFは何であったのか。
2.サムスン電子が1992年にDRAM 1位のシェアを獲得し、その後13年間にわたって首位の座を守ることができた理由はどこにあったのか。
3.サムスン電子において外部人材の受け入れがうまく行った理由はどこにあるのか。日本企業ではなぜ外部人材の受け入れがうまくいかないのか。
4.2005年時点でのメモリ産業の業界環境を分析してください。その結果に基づくと、サムスン電子の直面する問題は何であると考えられるか。


●使用するケース
GEの成長戦略-イメルトの施策
サムスン電子

第2日(Day2)

セッション3
テーマ:バリューチェーンの再構築による新規ビジネスモデルの構築
ケース:ライアンエア(A)(B)(C)
Question
1.(B)ケースでエアリンガスがライアンエアの業務範囲の拡大に対して、値下げで対抗し続けた理由はなぜか。
2.ライアンエアが思い切った料金の引き下げに出たとき、なぜエアリンガスは追随しなかったのか。
3.ライアンエアは航空産業のバリューチェーンをどのように変革したのか。
4.資料9にあるようにヨーロッパ航空業界の競争相手が、ライアンエアのように利益を上がられなかった理由はどこにあるのか。

セッション4
テーマ:インターネットによるバリューチェーンの革新
ケース:松井証券の変革
Question
1.1996年当時、松井証券が直面していた問題(内部環境、外部環境の2つの側面)はどのようなものだったか。
2.松井道夫は、どのように市場をセグメントしていたのか。その中で、どの市場セグメントをターゲットに置いたのか。
3.松井道夫は、ターゲットセグメントの顧客へのサービスを高めるため、バリューチェーンをどのように変革したのか。
4.インターネット証券の中で松井証券がリーダーとしての地位を確立できた理由はどこにあったのか。

●使用するケース
ライアンエア(A)(B)(C)
松井証券の変革

第3日(Day3)

セッション5
テーマ:競争に打ち勝つ組織と企業文化
ケース:トリンプ・インターナショナル/ワコール
Question
1.90年代後半から2000年代前半にかけて、下着業界の市場環境と競争環境はどのようなものであったか。
2.その中で、トリンプの位置づけはどのようなものであったか。トリンプはどのような強みと弱みを持っていたのか。
3.トリンプが直販のチャネルに集中した理由は何か。他に戦略オプションはなかったのか。
4.ワコールの新たな動き(ワコールディア、スタイルサイエンス、ピーチジョンへの資本参加)をあなたはどう評価するか。
5.ワコールが機敏にトリンプの戦略に反応できなかった理由はどこにあるのか。

セッション6
テーマ:顧客の声に基づいた企業変革
ケース:IBMの企業変革
Question
1. なぜエイカーズの時代IBMを分割することが当然だと考えられたのか。
2. なぜIBMの取締役会はガースナーをCEOに選んだのか。そのような選択が可能となった組織上の理由は何か。
3. なぜガースナーはIBMを分割せず、一体としてやっていく決断をしたのか。
4. なぜエイカーズは企業変革に失敗し、ガースナーは成功したのか。 5. ケースの最後でガースナーは実行こそが問題であると言っている。あなたは、この問題を解決するためにいかなる手を打つか。具体的に論ぜよ。


●使用するケース
トリンプ・インターナショナル/ワコール
IBMの企業変革

第4日(Day4)

セッション7
テーマ:外部環境分析とポスト・マージャー・インテグレーション
ケース:JFE
Question
1. 統合前夜の鉄鋼業界の事業環境を分析してください。そこから見えてくる川崎製鉄とNKKにとっての市場機会と脅威は何か。
2.その中で川崎製鉄とNKKはどういう強み、弱みを持っていたのか。どういう戦略上の選択肢があったのか。
3.なぜ川崎製鉄はNKKを、NKKは川崎製鉄を合併相手として選んだのか。
4.両社の統合の過程を、あなたはどう評価するか。あなたが統合会社の社長だったとしたら、何か違う手をうっていたか。

セッション8
テーマ:体質転換における人材育成と企業文化変革の重要性
ケース:GEの過去20年の体質転換
Question
1.ウェルチが20年の間に行った3つの改革に一貫性はあるのか。その背後に流れる考え方はどのようなものであったのか。
2.ウェルチの改革とイメルトの改革は、それぞれ何も目指していたのか。また、企業変革という観点から、どちらがより優れたものであったのか。
3.ウェルチがリーダーの育成と企業文化の変革に努力を傾けた理由はどこにあったのか。
4.ウェルチが行ったリーダーの育成と比較して、あなたの会社の人材育成はうまく行っているか。うまく行っていない点があれば、それをどう改革すべきか。

●使用するケース
JFE
GEの過去20年の体質転換

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 60 %
予習レポート Preparation Report 0 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 40 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

評価は、同じクラスに出席している学生との相対評価である。
A:10%, B:30%, C:30%, D:20%, F:10%

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • なし「 」 ( )

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

1.「日米ビジネス30年史」
植田 統 著
光文社
ISBN-10: 4334950787
ISBN-13: 978-4334950781

2.「企業再生 7つの鉄則―成功事例に学ぶ危機からの脱出戦略」
日本経済新聞出版社
ISBN-10: 4532317029
ISBN-13: 978-4532317027

3.「ジョン・コッター ジョン・コッターの企業変革ノート」 
日経BP社 
ISBN-10: 482224377X
ISBN-13: 978-4822243777

4.「ジョン・コッター リーダーシップ論」
ダイヤモンド社
ISBN-10: 447801339X 
ISBN-13: 978-4478013397

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

授業評価は過去5年間よい。本年は、より学生に挑戦的な質問をし、頭をフル回転して考えてもらい、エキサイティングな授業としていきたい。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

東京大学法学部卒、ダートマス大学タックスクールMBA, 成蹊大学法務博士
東京銀行、野村アセットマネジメントの本邦二大金融機関、アメリカの大手コンサルティング会社ブーズ・アレン、アリックスパートナーズに勤務。特に、アリックスパートナーズにおいては、JALとライブドアのターンアラウンドに参画。
アメリカの大手データベース会社レクシスネクシス・ジャパンの代表取締役社長として、経営者としての経験も有する。現在は、弁護士として、企業再生案件等に従事。
著書に「企業再生-7つの鉄則」(日本経済新聞出版社)、「45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本」(日本経済新聞出版社)、「45歳から5億円を稼ぐ勉強法」(CCCメディアハウス)、[捨てる7つの仕事の習慣」(PHP研究所)等13冊がある。


Professor Osamu Ueda Bachelor of Laws from University of Tokyo, MBA from Amos Tuch School, Dartmouth College, Juris Doctor Seikei University.
Worked for two major Japanese financial institutions, i.e. Bank of Tokyo Mitsubishi and Nomura Group and two major global consulting firms, Booz Allen and Hamilton and Alix Partners. At Alix Partners, personaly participated in the turnaround of JAL and Livedoor, two biggest turnaround cases in the Japanese corporate history. Also has an experience running LexisNexis Japan operations as Managing Director. Currently working as a corporate lawyer. Assumed NUCB professor in 2013. Published 13 books, i.e. "Corporate turnaround - 7 principles" (Nikkei), "45-year-old career crisis" (Nikkei), "High speed work method to achieve maximum output" (Diamond).

Refereed Articles

  • (2012) Impact of California slavery act on Japanese companies' supply chain. Business Law Journal 51 B007S02BCA
  • (2012) How to cope with FCPA risks in China. Business Law Journal 47 B006L76BMM






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