シラバス Syllabus

授業名 Crisis Management & Leading Change
Course Title Crisis Management & Leading Change
担当教員 Instructor Name 大槻 奈那(Nana Otsuki)
コード Couse Code GMP104_G20N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2020 GSM Nagoya Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

おそらくみなさんは将来なんらかの「危機」を経験することになると思います。これは、金融危機かもしれませんし、戦争、もしくは家族などに関わる個人的な危機かもしれません。
この講義では、「危機」とは何か。過去にはどんな危機が発生したのか。どんな企業、シチュエーション、環境で危機が生じやすいのか、発生したときにはどのように対処すべきか、などを検討していきます。
You will probably experience some kind of "crisis" in the future. That maybe financial crisis, war or any personal crisis. During this course, we are going to discuss about what is the crisis, what kind of crisis took place in the past, what kind of corporations experienced crisis in what situation or environment, and what kind of actions we should take during the crisis etc.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

厳しい経営環境の分析、危機下での効果的なコミュニケーションの方法、リーダーシップのあり方

The skills or knowledge you would take from the course will be the business environment analysis, how to effectively communicate during the crisis, what kind of leadership should be taken during the crisis.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 20 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 80 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

ケースの学修を事前にお願いします。
各レポートに関し適宜フィードバックします。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

提出レポート
形式はいずれもA4版。PPT15枚、またはワード 10ページ以内。

第一日
「エンロンの崩壊」

提出期限:講義日朝10時 (当日の教壇にご提出ください)
1) エンロンが経営難に陥る直前(1990年代後半〜2000年代初頭)のエンロンの事業環境を分析し、エンロンの行き過ぎを生んだ背景を考えてください(内部要因、外部要因等について検討してみてください)。
2)エンロンの人事上、経営上(役員など)の問題はどんな点だったと思いますか? どうすれば、これらの問題を改善することができたと思いますか。
3)エンロンの内部や関係者から、本来ならば出るべき警告は、どの時点で、どのような形で出るべきだったでしょうか?そのような指摘やホィッスル・ブロワーが出なかったのはなぜだったでしょうか?これらのチェック機能が働くようにするには、どうしたらよかったと思いますか?
4)このような問題は、過去にもゼロではなかったにも関わらず、エンロンのケースでは、これが業界全体を揺るがし、さまざまな機関に捜索の手が伸び、ひいては世界的な株価の暴落に繋がってしまいました。これはなぜでしょうか。直接的な影響以外の遠因も考えてみてください。

●使用するケース
「エンロンの崩壊」CCJB-IMD-80139-02

第2日(Day2)

第二日
「日産自動車」

提出期限:講義第2日目 朝10時 (Google Classroomからご提出ください)

アサインメント:
1. カルロス・ゴーン氏が行った改革をまとめてください。それぞれどのような効果がありましたか?
2. 業績推移等の情報をみて、容認できるカルロス・ゴーン氏への報酬のレンジとその根拠を考えてください。これらの報酬について、当時の日産自動車の決定方法はどのようになっていたと(このケースから)推測できるでしょうか。
3. それらの改革のネガティブな側面としてはどのようなことが考えられるでしょうか。これらを改善するにはどのようなことを行うべきだったでしょうか。
4. ケースの最後の時点で、日産自動車がさらなる成長のために行うべき戦略にはどのようなものがありうるでしょうか。


●使用するケース
「日産自動車」HBS 9-207-J09

第3日(Day3)

第三日
日本の金融システム:戦後から新ミレニアムへ

提出期限:講義第3日目 朝10時 (Google Classroomからご提出ください)

アサインメント:
1. 1950~1970年ごろの日本の金融システムの特徴はどんな点だったでしょうか。
2. その後、1980年代にバブル経済が発生し、その後崩壊しました。バブル発生の原因と、崩壊のきっかけはそれぞれどのようなことでしたか。日本の金融システムの特徴はこれらにどのように影響を与えていたでしょうか。
3. ケース最後の1999年以降今日に至るまで、多くの銀行が統合しましたが、これは、従来の日本の金融システムの問題解決にどの程度貢献すると思いますか。
どのような問題があるか、それらの点に対しどの程度、どのような点で解決に資する、という形で、問題点も説明した上でお答えください。

●使用するケース
日本の金融システム:戦後から新ミレニアムへ(CCJB-HBS-80056-01)

第4日(Day4)

第四日
「エヴェレスト-1996年の出来事」および、次の金融危機に備えた対応策

提出期限:講義日朝10時 (Google Classroomからご提出ください)

1)ケースのエヴェレスト登山では、その準備段階と登山の最中のプロセス、決断等において、どんな点に問題があったと思いますか。企業にたとえた場合に共通する問題はありますか。どのようにすれば少しでも危機を防げたと思いますか。

2) 生存者が取った行動などについて、企業の危機管理に役立てられる点はありますか。具体的に、過去みなさんが経験した事例や、報道等で接した事例を交えて論じてください。

3) 3日目までに触れたさまざまなイベントや、下記のリンクにある文章などを参考に、今後、世界のどの分野・地域に、どのような危機が発生しうるのかを考えてください。

(以下の全てを読む必要はありません。リスク分野を検討する際の参考にしてください。)
「次の危機に備えた金融システムの構築」
http://www.nira.or.jp/pdf/0902report.pdf
「仮想通貨の技術と課題」
http://www.nii.ac.jp/about/upload/all_NIIToday69.pdf
「世界の住宅価格: 再び懸念すべき時か」
https://www.imf.org/external/japanese/np/blog/2016/120816j.pdf
「債務削減を阻む低い成長率とインフレ」
https://www.imf.org/ja/News/Articles/2016/10/04/AM16NAFISCALMONITOR100416

4)その上で、①なぜそう思うのか、②危機発生をできるだけ早く察知するために注視すべき指標や兆候など、③危機に備えて行っておくべきこと、④危機が実際に発生してしまった場合にとるべき行動等、について論じてください。

なお、第一日から第四日目まで、これらのケースの討議に加え、それぞれのテーマに即した直近の事例などを用いてディスカッションを行います。題材は当日配布します。

●使用するケース
「エヴェレスト-1996年の出来事」CCJB-HBS-80113-02

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 50 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 10 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • カーメン・M ラインハート、ケネス・S ロゴフ「「国家は破綻する――金融危機の800年」」日経BP社(2011)4822248429

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

「次の危機に備えた金融システムの構築」
http://www.nira.or.jp/pdf/0902report.pdf
「仮想通貨の技術と課題」
http://www.nii.ac.jp/about/upload/all_NIIToday69.pdf
「世界の住宅価格: 再び懸念すべき時か」
https://www.imf.org/external/japanese/np/blog/2016/120816j.pdf
「債務削減を阻む低い成長率とインフレ」
https://www.imf.org/ja/News/Articles/2016/10/04/AM16NAFISCALMONITOR100416

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

さまざまな業界や状況のケースをディスカッションすることにより、「危機」を多面的に捉えることができたという評価をいただいています。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

内外の金融機関、格付機関にて金融システムについて調査研究に従事。Institutional Investors誌によるグローバル・ア ナリストランキングの銀行部門
にて2014年第一位を始め上位。預 金保険機構の検討会委員、証券アナリスト協会ディスクロージャー研究会委員等を歴任。
現在、マネックス証券会社の専門役員、株式会社クレディセゾンの社外取締役、東京海上ホールディングス株式会社の社外監査役、持田製薬株式会社の社外取締役に従事するとともに、財務省の財政制度審議会委員、内閣府の規制改革推進会議の議長代理、中小企業庁金融小委員会委員、東京都公金運用アドバイザリーボード委員、日本貿易保険第三者評価委員、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のアドバイザー等を勤める。
学位と取得大学:; 経営学修士(London Business School)、博士課程後期在学中(ICS)
研究分野:> 個人投資家の投資行動、金融システム、金融機関の収益、マネジメント

主な職歴:
1988 ~ 1994 三井信託銀行( 現中央三井信託銀行)
1994 ~ 1995 パリ国立銀行( 現BNP Paribas)
1998 ~ 1999 HSBC証券会社
2000 ~ 2006 スタンダード&プアーズ
2006 ~ 2011 UBS証券
2011 ~ 2015 メリルリルチ日本証券 マネジング・ディレクター
2016 ~     マネックス専門役員 
2017~ クレディセゾン社外取締役
2018 ~ 東京海上ホールディングス社外監査役
2021 ~ 持田製薬株式会社社外取締役

主な著書:
「 本当にわかる債券と金利」(日本実業出版社、共著、2017)
「 リテール金融のイノベーション」(金融財政事情研究会、共著,2013)
「 スタンダード&プアーズ:日本の金融業界」シリーズの執筆(東洋経済新報社、共著,2001~)
「 次の危機に備えた金融システムの構築」(総合研究開発機構、研究委員として議論と執筆に参画、座長:大山剛氏, 2009)
「 デットIR入門」 (銀行研修社、共著、2007年)


Refereed Articles

  • (2019) Evaluation by the Aumann and Serrano Performance Index and Sharpe Ratio: Bitcoin Performance. Applied Economics






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