シラバス Syllabus

授業名 Marketing Communication
Course Title Marketing Communication
担当教員 Instructor Name 齊木 乃里子(Noriko Saiki)
コード Couse Code GMP102_G22O
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 応用科目200系 / Applied
学位 Degree EMBA
開講情報 Terms / Location 2022 GSM Osaka Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は、ビジネススクールのミッションに則り、ビジネスや社会の発展に必要なマーケティング・コミュニケーションについて、実践的・効果的なスキルと知識を有する
リーダーの育成を目指す。
In line with the mission of this business school,this class aims to develop leaders with pratical and effective skills and knowledge of marketing and communication necessary for the development of business and society.

授業の目的(意義) / Importance of this course

マーケティングは、売ることではなく、売れる仕組みによって顧客を作り出すことである。
この講義の目的は、マーケティングの実践におけるコミュニケーションの重要性について学び、戦略策定に役立つスキルを養成することである。
プロモーション、キャンペーンにとどまらず、組織構築のためのインナーコミュニケーションや、PRなど、様々なテーマについての
議論を通じ、コミュニケーションの実際について理解する。
本科目では、上記のラーニングゴールの確かな実現に向けて、ケース教材を用いた討論授業を行う。本科目の履修者には、討論授業に参加するための予習レポートの作成と、クラスでの積極的な発言が求められる。

Marketing aims not to sell products/services, but to create customers through an effective mechanism to sell well.
The purpose of this course is to examine importance of communication in marketing practices and to train skill sets for marketing strategy development.
With discussion on various subjects covering not only promotion and campaign, but also inner-communication for organizational development and Public Relations (PR), students can learn actual marketing communication.
In this course, we will conduct class discussions using case studies in order to achieve the learning goals. The students attending this course may be required to write a preparatory report and must participate in the class discussions.

到達目標 / Achievement Goal

本科目を学ぶことで、リーダーとしてのコミュニケーションスキルが向上し、組織のメンバーや顧客、その他の関係者に意思を伝え、具体的な行動へと
つなげることを可能とする。

This class will help you improve your communication skills as a leader,enabling you to communicate your intentions to members of your organization,customers and other stakeholders,as well as to take concrete actions.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

● マーケティングに関する本質的な理解
● マーケティングにおけるコミュニケーションの重要性の理解
● マーケティング・コミュニケーションに関する戦略策定スキル
● マーケティングにおけるインナーコミュニケーションの理解
● デジタルマーケティングとコミュニケーション戦略に関する理解

● Understand the essence of marketing
● Understand the importance of marketing communication
● Get the skill to develop the marketing communication strategies
● Understand the importance of inner communication in marketing
● Understand digital marketing and communication strategies

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 8 働きがいも経済成長も(Decent Work and Economic Growth)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 20 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 80 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

<予習>
各ケースについて、それぞれの環境条件、および根底に流れている各企業の意思決定のフローやプロセスに留意しながら予習してください。
テキストは、マーケティング・コミュニケーションに関する基本用語の理解に使用してください。
(講義内で、テキストの内容について言及することは基本的にありません)

<レポート>
ケース :
ロレアル(第1日)ブランドの育成や市場進出・拡大におけるコミュニケーション
サンキスト(第2日) ソリューション提供のマーケティング・コミュニケーション戦略
ナイキ(第3日) 効果的な広報戦略
ハイラックス(第4日) クロスメディアでのコミュニケーション戦略の立案
課題  :各ケースに関し、上記のテーマに沿って、アサインメントの設問への回答をレポートに記入してください。
提出期限:当該ケースを扱う講義日の講義終了時(すべてを第1日に提出しても構いません)
提出方法:Classroomの指定の場所に提出
・特別な事由のある場合のみ、申し出てください。提出方法をお伝えします。
・執筆要領
 -A4用紙 1枚~10枚まで
       用紙は縦方向、横書きの使用
 -パワーポイントでの作成は、箇条書きで論理展開がわかりにくい傾向が出るため禁止します。
 -使用するソフトによって文字化け等が起こる場合があるため、文書ソフトで作成後、pdfファイルにて
  提出してください。
 ※形式に関する指定を順守のこと。
 ※設問に対し、自身の考え、論理展開がわかるように文章で展開すること。
 補助的に図表や箇条書きでのまとめ等を用いてもよいですが、設問への回答として、「図表のみ」「箇条書きのみ」のものは
 レポートとして認めないので注意してください。

<フィードバック>
各ケースについて、ディスカッション後、評価ポイントをフィードバックし、
押さえるべき内容についてのスライドを共有します。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

1.マーケティングにおけるコミュニケーションの役割
①「ロレアル」のケースを用いて、ブランドの世界観を伝えることのマーケティング・コミュニケーションに
 おける意味について、クラスディスカッションを通じて理解する。
 ケースで展開される内容から、コミュニケーション媒体の多様性についても理解する。
②「コルゲート vs P&G」をpケースとし、競争環境における広告についてディスカッションを実施する。
2.グローバル化におけるマーケティング・コミュニケーション(1)
 「ダイソン」のケースから、国際展開におけるコミュニケーションの実際的なポイントについて、
 クラスディスカッションを通じて理解する。

●使用するケース
「ロレアル(1)世界最大の化粧品企業のブランドマネジメント ランコム」
「もっと輝く笑顔を人々に コルゲート vs P&G」
「ダイソン株式会社 日本市場への参入」

第2日(Day2)

1.グローバル化におけるマーケティング・コミュニケーション(2)
 「サムスン」のマーケティング・コミュニケーションが、グローバル展開が進行するにつれ、
 進出国によってどのように実践されたかをケースを通じて学ぶ。
2.産業材のマーケティング・コミュニケーション
 「インテル」のケースから、B2Bにおけるマーケティング・コミュニケーションの
 プロセスについて、経緯を追ってディスカッションし、課題とその解決の方向性を理解する。
3.ソリューション提供とマーケティング・コミュニケーション
 「サンキスト」の事例により、商品そのものではないコミュニケーションのあり方について、
 ディスカッションを行う。
 コミュニケーション展開の評価とそれを踏まえた次の取り組み策定についても、検討する。

●使用するケース
「サムスン電子:グローバルマーケティング」
「サンキスト・グロワーズ社」
「インサイド・インテル・インサイド」

第3日(Day3)

1.リスク対応、広報の重要性
 「ナイキ」と「トヨタ」のケースを通じて、リスク対応や広報における課題の発見と
 解決の方向性についてのディスカッションを実施する。

●使用するケース
「ナイキ:効果的な広報戦略を展開する」
「トヨタのリコール(A):急停止」
「トヨタのリコール(B):豊田氏、ワシントンに行く」
「トヨタのリコール(C):前途多難」

第4日(Day4)

1.新しいメディアとマーケティング・コミュニケーション
①「ナイキ」のソーシャルメディア活用について学び、今後のマーケティングにおける
 ITとの関連性などについてクラスディスカッションを行う。
②「ハイラックス時計」は、架空のケースを用いて、自ら課題を設定し、クロスメディアに関する
 ストーリーを組み立てることを学び、互いの考え方を共有する。
2.インナーコミュニケーションの重要性
 「ひとつのサムスン」のケースから、組織構築とインターナルコミュニケーションの重要性について、
 マーケティングの観点からクラスディスカッションを実施する。

●使用するケース
「ナイキのソーシャルメディア戦略」
「ハイラックス時計:広告の計画」
「ひとつのサムスン スピリットをどう継続させるか:変化の激しい環境下での新たな課題」

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 50 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 20 %
小テスト Quizzes / Tests 20 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 10 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

クラス討議貢献度を重視します。発言が基本となりますが、回数よりも内容を重視(ケースを深く捉えられる新たな視点・切り口を提供する、
複合的・多面的なディスカッションをまとめる、など)します。
挙手や発言がない場合は、レポートやテストの提出や内容に関わらず、低い評価とします(評価方法のウェイトを参照のこと)。
グループワークにおけるファシリテーションやリーダーシップなども参加者による相互評価で貢献度として評価します。
建設的な議論ではなく、一方的な他者への攻撃的発言や決めつけなどは減点対象とします。
レポートについては、ケースを“自分ごと”としてとらえ、背景や根拠を以て、自分なりの論理展開ができているものを評価します。
小テストは第2日目と第4日目に2日間の総括として実施します。期末試験は実施しませんが、それに準ずる位置づけとします。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 波田浩之「『新版 広告の基本』」日本実業出版社(2018)978-4534055804
  • 岸志津江「『現代広告論 第3版(有斐閣アルマ)』」有斐閣(2017)978-4641220794
  • 羽田康祐 他「ブランディングの教科書」インプレス(2020)9784802098915

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

・『ストーリーとしての競争戦略―優れた戦略の条件』楠木建,2010,東洋経済新報社
  ISBN-10:4492532706 ISBN-13:978-4492532706
・『1からのマーケティング』石井淳蔵他,2009,碩学社
  ISBN-10:4502665509 ISBN-13:978-4502665509
・『100人の村で84人に新商品を売る方法』森本尚樹,2018,雷鳥社
  ISBN-10:4844137441 ISBN-13:978-4844137443
・『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント基本編 第3版』フィリップ・コトラー他, 2014,丸善出版
  ISBN-10:4621066137 ISBN-13:978-4621066133
・『ブランド・エクイティ戦略』デービッド・アーカー他,1994,ダイヤモンド社
  ISBN-10:4478501149 ISBN-13:978-4478501146

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

講義の際は、コンサルティング経験を交えた話をしたいと考えます。
実態のつかみづらい「コミュニケーション」について、本質を理解できたという声が多くありました。本質を理解し、みなさんの実践に役立てられることを意識して講義します。
受講者のみなさんには熱意を感じていただけたようです。クラス全員で熱いディスカッションができればと考えています。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

株式会社日本総合研究所においてマーケティング・コンサルタントとして、多くの業種・業界(官民とも)、多様な企業規模におけるクライアントの事業推進、マーケティング戦略展開、ブランド戦略構築、組織強化、CS経営などの案件を手がける。
著書に『インターネット社会のマーケティング』(共著)有斐閣、『日本企業のマス・マーケティング史』(共著)同文舘。その他、「ブランド戦略新時代」「急速に拡大する寝入る産業」(ともに『エコノミスト』)、「エコ参加 気軽さ重視 負担なき貢献には意欲」『日経MJ』、「フードマーケット新潮流 介護食品市場」『AFCフォーラム』など多数。マーケティング専門家として、市場トレンドや商品の経済効果のコメントなどでの
テレビ出演多数。
農林水産省「農協の新事業増の構築に関する研究会」委員を務める。
京都大学経済学部卒業。京都大学経済学研究科博士後期課程修了。

Saiki is a senior marketing consultant of The Japan Research Institute(Feb.2001‐Present) and has worked for business promotion, marketing strategy development, brand strategy building, corporate organization enhancement and customer satisfaction (CS) management in multiple sectors (both public and private) and industries and for various sizes of business.
Saiki is a co-author of "Marketing in Internet Society" (Yuhikaku Publishing) and "History of Mass Marketing in Japan"(Doubunkan Shuppan). Saiki also wrote many business articles including "New era for brand strategy", "Rapidly growing fingernail-related industry" (both in Economist magazine), "Citizen's contribution to ecology -value easiness of participation and get motivated by low-burden contribution-"(Nikkei MJ), "New trend in food market -nursing care food market-" (AFC Forum). Saiki appeared on many TV programs as a business marketing specialist to make her comments on market trends, economic impact of products and others.
In addition, Saiki is a member of "Study group for developing new business functions of Japan Agricultural Cooperatives" organized by Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.
Saiki received her B.A. in Economics as well as her Ph.D. in Economics from Kyoto University.







ページ上部へ戻る