授業名 | Tax Planning |
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Course Title | Tax Planning |
担当教員 Instructor Name | 中村 信行(Nobuyuki Nakamura) |
コード Couse Code | EST219_G24V |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
授業形式 Class Format | Live Virtual |
単位 Credits | 1 |
言語 Language | JP |
科目区分 Course Category | 入門科目0系 / Pre |
学位 Degree | Exed |
開講情報 Terms / Location | 2024 GSM ONLINE Fall |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
個人は、事業・就業により得た所得を、消費し貯蓄します。貯蓄の運用には様々な機会があり、その意思決定には、リスクとリターンの見極めを必要としますが、そこにおいて、税金の問題を正しく判断し、正しく管理することで、より高次な、イノベーティブで倫理観ある判断に繋がります。
Individuals consume and save income earned from business and employment. In saving, there are various investment opportunities, and the decision-making process involves assessing risk and return.
授業の目的(意義) / Importance of this course
個人は、法人と違って、消費します。個人の経済活動は利益稼得だけではとらえきれない多様な活動を含みます。このため、個人には法人に比して多様なプランニングの要素があります。本講義は、個人の所得税を、タックスプラニングの観点から理解することで、なぜそのような制度となっているのか、個人の消費や貯蓄の意思決定に税金が影響を与えるメカニズムを知ってほしいと思います。税に関する学習を、単なる知識の習得ではなく、考える・実践する学習として行います。
税金を学ぶことは、金融、不動産等の理解を深め、就業・生活や社会に関する知識や意識、経済的な判断力や能力を高めることにつながります。また、ライフサイクルのなかで、税金とどのように向き合うかを考えるきっかけにもなるでしょう。個人のライフプラニングの学習機会において、FP取得は体系化されたものといえますが、税金を学ぶことでその体系を横断的に理解することができます。
本講義は個人における租税の問題を扱い、事業に関するタックスプラニングについては、別講義であるTaxation and Business Strategyを開講しています(本年は春学期開講)。本講義とTaxation and Business Strategyとは独立していてかつ補完的です。
税金を学ぶことは、金融、不動産等の理解を深め、就業・生活や社会に関する知識や意識、経済的な判断力や能力を高めることにつながります。また、ライフサイクルのなかで、税金とどのように向き合うかを考えるきっかけにもなるでしょう。個人のライフプラニングの学習機会において、FP取得は体系化されたものといえますが、税金を学ぶことでその体系を横断的に理解することができます。
本講義は個人における租税の問題を扱い、事業に関するタックスプラニングについては、別講義であるTaxation and Business Strategyを開講しています(本年は春学期開講)。本講義とTaxation and Business Strategyとは独立していてかつ補完的です。
Individuals, unlike corporations, consume and save. The economic activities of individuals include a variety of activities that cannot be captured by profit-making alone. For this reason, individuals have more diverse planning factors than corporations. This lecture is designed to help students understand the individual income tax system from a tax planning perspective, to understand why the system is the way it is, and to understand the mechanisms by which taxes affect individual consumption and savings decisions. We will conduct learning about taxes as learning to think and practice, rather than simply acquiring knowledge.
Learning about taxes will help you to better understand finance, real estate, etc., and increase your knowledge and awareness of employment, life, and society, as well as your ability to make good economic decisions and skills. It can also provide an opportunity to think about how to deal with taxes in the life cycle. While the FP acquisition can be considered a systematic part of an individual's life planning learning opportunities, learning about taxes can provide a cross-sectional understanding of that system.
This course deals with tax issues for individuals, while tax planning for businesses is covered in a separate course, Taxation and Business Strategy (offered this year in the spring semester). This course and Taxation and Business Strategy are independent and complementary.
Learning about taxes will help you to better understand finance, real estate, etc., and increase your knowledge and awareness of employment, life, and society, as well as your ability to make good economic decisions and skills. It can also provide an opportunity to think about how to deal with taxes in the life cycle. While the FP acquisition can be considered a systematic part of an individual's life planning learning opportunities, learning about taxes can provide a cross-sectional understanding of that system.
This course deals with tax issues for individuals, while tax planning for businesses is covered in a separate course, Taxation and Business Strategy (offered this year in the spring semester). This course and Taxation and Business Strategy are independent and complementary.
到達目標 / Achievement Goal
タックス・プランニングの基本を通して、租税が個人の意思決定に与える影響のメカニズムを知って欲しいと思います。そして、ケース事例を通じて、皆さんが租税を生活にどのように取り込んでいくかを考えて下さい。税をリスクやコンプライアンスにとどめず、生活に役立つものとするよう考えてほしいです。
Through the basics of tax planning, we want you to know how taxation affects your personal decision-making. Then, through case examples, we ask you to think about how you can incorporate taxation into your life. We want you to think about taxation not only as risk and compliance, but also as something useful in your life.
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
租税の個人の意思決定に与える影響のメカニズムを知り、投資意思決定だけでなく、ライフサイクルのなかで、租税とどのように向き合うかを考えることができます。
所得税、特に金融商品に対する課税がなぜそうなっているかを理解することもできるでしょう。
所得税、特に金融商品に対する課税がなぜそうなっているかを理解することもできるでしょう。
You will learn how taxation affects individual decision making and how to deal with taxation not only in investment decision making, but also in the life cycle.
You will also understand why income taxes, especially on financial products, are the way they are.
You will also understand why income taxes, especially on financial products, are the way they are.
SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals
Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 40 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 60 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
本講義は、事例研究を主としたケースメソッドにより実施します。
受講者は、まず「個人の立場/自らの仕事で経験した税務問題」を考えてください(レポートで事前提出をしてもらいます。)。
クラスでは具体的な事例における税制の考え方を理解し、それを踏まえた意思決定を討論することで、意思決定における税制の役割を理解することになります。最後に、ライフサイクルにおけるタックスプラニングを自ら考えることを試みます。
2日という限られた時間ですが、受講生間のディスカッションを通して、受講者を主体とした学修体験により、知識の修得に加え受講生の実務家としての視野を広げることを目標とします。規範的・倫理的な議論が許されるし必要です。多様な価値観を交わしてください。
受講者は、まず「個人の立場/自らの仕事で経験した税務問題」を考えてください(レポートで事前提出をしてもらいます。)。
クラスでは具体的な事例における税制の考え方を理解し、それを踏まえた意思決定を討論することで、意思決定における税制の役割を理解することになります。最後に、ライフサイクルにおけるタックスプラニングを自ら考えることを試みます。
2日という限られた時間ですが、受講生間のディスカッションを通して、受講者を主体とした学修体験により、知識の修得に加え受講生の実務家としての視野を広げることを目標とします。規範的・倫理的な議論が許されるし必要です。多様な価値観を交わしてください。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
テーマ:イントロダクション、所得税とは、金融商品と税制・所得税の仕組みとタックスプラニングの基本的な概念、
・金融商品の特性・ポートフォリオの考え方、金融商品に関する税制の基本的な仕組み、
・これらをケースとクラスディスカッションにより学修体験します。
(金融商品には保険を含めています。)
キーワード 貯蓄・投資・事業、金融課税の一体化、保険、NISA/iDeco、ふるさと納税
●使用するケース
事例研究:所得税の仕組み、金融所得課税の一体化、様々な金融商品と税制、外貨取引第2日(Day2)
テーマ:事業への投資と税金、ライフサイクルと税金、個人のライフプラン・事業への投資(例えば不動産投資)に関する税制の基本的な仕組み、
・ライフサイクルのなかで(異時点間)の個人のタックスプラニング、
・ライフプラニングの基礎
・家族と承継
・これらをケース、クラスディスカッションにより学修体験します。最後に、個人のライフプランを考えてみます。
キーワード 不動産投資、ライフイベント(教育・住宅等)、承継、ライフプラニング
●使用するケース
事例研究:収益不動産、ライフイベントと税金、家族と承継、個人のライフプラニング成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 60 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 60 % |
予習レポート Preparation Report | 40 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
教科書 Textbook
- 増井良啓「租税法入門(第3版)」有斐閣(2023)9784641228603
- ファイナンシャル・プランニング技能検定研究会「2024-2025年版 1級FP技能士(学科)合格テキスト 」ビジネス教育出版社(2024)4828310754
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
FPのための真・税金ハンドブック(2024年度版)
租税法判例百選 中里実ほか 有斐閣 (第7版)(2021)
租税法判例百選 中里実ほか 有斐閣 (第7版)(2021)
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
新設講義
(関連講義のTaxation and Business Strategyについては、「税務と戦略を繋げた議論をする機会等、なかなか無いので、非常に勉強になりました。」等とコメントされている。
(関連講義のTaxation and Business Strategyについては、「税務と戦略を繋げた議論をする機会等、なかなか無いので、非常に勉強になりました。」等とコメントされている。
担当教員のプロフィール About the Instructor
1984年東京大学法学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。主税局税制企画室長、主税局参事官(国際租税担当)、福岡国税局長、国税庁調査査察部長、国税不服審判所次長を経て、主に税制の企画及び税務執行の職務に従事。このほか、主計局、金融庁、内閣官房等においても勤務。スタンフォードMBA(1988年)。
【著作】
移転価格訴訟の将来展望(国際取引法学会9号 2024年3月)
外国事業体の法人該当性再考(税務事例 2023年7月)
企業買収において受贈益が生じた事例(税務事例 2023年1月)
資本剰余金と利益剰余金の双方を原資とする配当(混合配当)について(税務事例 2021年12月)
所得税と相続税・贈与税の二重課税論の着地点 (税大ジャーナル 2021年2月)
移転価格税制における残余利益の分割要因(国際商事法務 2021年11月)
CBC報告書の活用について(租税研究 2022年2月)
国税不服審判所裁決の動き(令和元年度~令和四年度)(税務事例)
協議団の発展 (税大ジャーナル 2020年7月)
カナダのGAARにおける濫用基準(国際商事法務 2022年5月)
インドの国際課税政策(租税研究 2021年5月)
中国BEPS後の動向について (租税研究 2020年9月)
米国税制改革の世界的な意味 (租税研究 2019年2月)
EUの2016年CCTB・CCCTB提案について (租税研究 2018年1月)
Tax Control Framework (TCF)について : 大企業の税務コンプライアンスにおける「税務統制の枠組み」(租税研究 2017年8月)
Action15(多国間協定)報告書について (租税研究 2016年8月)
効果的な税務コンプライアンスの確保に関する国際的な議論の動向 (共著) (租税研究 2015年7月)
【著作】
移転価格訴訟の将来展望(国際取引法学会9号 2024年3月)
外国事業体の法人該当性再考(税務事例 2023年7月)
企業買収において受贈益が生じた事例(税務事例 2023年1月)
資本剰余金と利益剰余金の双方を原資とする配当(混合配当)について(税務事例 2021年12月)
所得税と相続税・贈与税の二重課税論の着地点 (税大ジャーナル 2021年2月)
移転価格税制における残余利益の分割要因(国際商事法務 2021年11月)
CBC報告書の活用について(租税研究 2022年2月)
国税不服審判所裁決の動き(令和元年度~令和四年度)(税務事例)
協議団の発展 (税大ジャーナル 2020年7月)
カナダのGAARにおける濫用基準(国際商事法務 2022年5月)
インドの国際課税政策(租税研究 2021年5月)
中国BEPS後の動向について (租税研究 2020年9月)
米国税制改革の世界的な意味 (租税研究 2019年2月)
EUの2016年CCTB・CCCTB提案について (租税研究 2018年1月)
Tax Control Framework (TCF)について : 大企業の税務コンプライアンスにおける「税務統制の枠組み」(租税研究 2017年8月)
Action15(多国間協定)報告書について (租税研究 2016年8月)
効果的な税務コンプライアンスの確保に関する国際的な議論の動向 (共著) (租税研究 2015年7月)
I joined Ministry of Finance after I graduated from Univ. of Tokyo, Dept. of Law in 1984.
Since then, I pursued the carrier in the Ministry including the assignment to Tax Bureau (Head of Tax Law Planning Office and Council for International Taxation) and to National Tax Agency (Director-General of Fukuoka Regional Tax Office, Deputy Commissioner of National Tax Agency (in charge of large corporation tax compliance and tax fraud) , Vice Commissioner of National Tax Tribunal). Other than tax, my carrier includes postings to Budget Bureau, Financial Service Agency and Cabinet Office.
I was a graduate of Stanford GSB, a class of 1988.
Refereed Articles
- (2024) Taxaton on Loan for Use in Business Succession Planning. Journal of Business Succession (13):
- (2024) Prospect of Transactional Net Margin Method: Implicaitions derived from disputed cases. Tax Jurisprudence 591 9784433477448
- (2024) Prior period adjustment and tax treatment---How "accounting standards generally accepted as fair and approriate" works---. Journal of Japan Society for Management Accounting 27(1): 1349-0419
- (2024) Prospects of Transfer Pricing Litigation. The Japanese Association of International Business Law 9(9): 24240753